2018/11/23 09:23

これまで何回かに渡って書かせていただいた「美由起と美由紀とみゆきと美幸」シリーズ。

最後に。。。もう一度「美由紀」さんのこと。

「美由紀」さんことミミさん。出演交渉やロケ交渉などミーティングに行くたび、隣にしっかり者で良識のあるミミさんがいてくれることにいつも安心感をもっていた私。映画祭の運営やアニメーションの配給の仕事もしていたミミさんは、そのスキルを活かして、プロデューサーとして、資金調達や上映場所の確保などを担当してくださることになっていました。二人三脚で制作をすすめていた美由紀と美幸。制作の合間には人生相談をしたり、おいしいものを食べたり、娘さんのギターを聞いたり、とても素敵な関係でした。

そんなミミさんに異変が起きたのは3年前。詳細は割愛させていただきますが、病という不可解な存在がミミさんを襲ったのです。ミミさんの回復を待って制作を続けようと一時中断。その後ミミさんは最後まで病と果敢に戦って、格好良く旅立っていかれました。

私はミミさんを失って、どうやってひとりで制作を続けたらいいのか、途方にくれていました。ミミさんなしで、私ひとりで何ができるだろう。。。そもそも、2人の作品を、私ひとりで作ってもいいのだろうか。。。

そんなとき背中を押してくれたのは美由起さんでした。そっとメールをくださいました。

「ミミさんは、ドキュメンタリーを完成させたかったんだと思います。美幸さんが引き継ぐ事は、ミミさんの想いを引き継ぐ事になると思います。高田馬場で話した時、あの大きな瞳でドキュメンタリー番組を完成させたいとおっしゃっていました。」

たったひとりで制作を再開しました。でもすぐに、ひとりでないことに気づきました。たくさんの方が応援してくださり、たくさんの方が手をさしのべてくださり、たくさんの方が励ましてくださる。。。クラウドファンディングを通して「お金」という具体的な形でその厚意を示してくださる。。。なんてありがたいことでしょう。私はひとつひとつの温かさに涙しながら、完成までがんばることを決めました。

正直、まだまだ不安がいっぱいあります。皆さんに見せられるだけの良い作品になるのだろうか、そもそも観客はいるのだろうか。。。見てくださっても気に入られないのでは?

でもいまはその不安を振り掃い、不安を振り掃い、そしてまた不安を振り掃いながら、一歩一歩進めていきたいと思います。

ミミさんの声が聞こえるようです。「わたしなしでもがんばってね。できるよ!」

常井美幸