▼はじめに

マリオネットアーティストである私は、「人形遣いが台詞に頼らずに、人形自身が演じて表現する人形劇を作りたい」と思い、1982年に人形劇団「かわせみ座」を立ち上げました。それ以来、独自の人形美術、構造、操作方法等を考案して人形製作を続けています。
国内外の演劇、バレエ、ダンス、能、狂言等様々な舞台から、人形を活かす人形遣いの在り方、所作を学び、かつ人形の構造に基づいた操作方法と遣い手の身体能力の追求も独自に続けています。今までに制作した人形は 150 に及びます。私の劇人形の動きはとても自然で、魂が吹き込まれた人形たちの表現は、多くの人に驚きと感動を与え、日本国内はもとより、海外でも数多くの公演で好評を博しています。

また、2013年からは、毎年様々な音楽家とコラボしてライブを実施しています。2019 年には 3 月 5 日から 3 月 23日まで、東京新宿区の「絵空箱」で3週間にわたって、42 人の音楽家とコラボを18ステージ開催します。

▼このプロジェクトで実現したいこと

山本の長年にわたる「かわせみ座」から現在までの公演やSessionでの舞台撮影、スタジオやロケでスチール撮影した劇人形の写真集として書籍を出版する予定です。
そこで、山本の生き様と劇人形の魅力をできるだけ多くの人に知っていただくために、クラウドファンディングという形をとり、みなさんといっしょに山本由也の写真集を作っていきたいと思います。なお、この本の出版は目標額に達成せずとも必ず実行します。

▼山本由也の略歴とこれまでの活動

1956 年北海道生まれ。19歳で人形劇団「ぱぺっと」を経て、1977年に「竹田人形座」(東京都無形文化財の糸操りの専門劇団)に入団。その後、人形作りから人形操作までの独自のスタイルを確立し、現在に至っている。
最近では、毎年多くの音楽家との即興でのコラボラーションをしながら、人形パフォーマンスを行っている。

主な受賞
1991年 中央児童福祉審議会特別推薦作品賞受賞
1996年 東京都最優秀児童演劇選定(社)日本児童演劇協議会個人賞受賞
1996年 ハンガリーBEKESCSABA国際人形劇フェスティバル最優秀賞受賞
2000年 東京2000年祭「千年文化芸術祭」入選作品賞受賞
2000年 中央児童福祉審議会特別推薦作品賞受賞
2003年 厚生労働省 社会保障審議会推薦作品賞受賞
2009年 厚生労働省 社会保障審議会推薦作品賞受賞
2012年 中国 ウニマ・世界人形劇フェスティバル 優秀作品賞受賞

主な海外公演
2001年 アメリカ(セントポール)インターナショナル・チルドレンズ・フェス(招待公演)
2002年 香港アートフェスティバル(招待公演)
2002年 モロッコ・チュニジア・イスラエル公演(日本大使館・国際交流基金主催公演)
2003年 韓国ソウル・チョンドン・シアター公演
2005年 イタリア(ラヴェンナ、カンピリアマリッティマ)・スコットランド(エジンバラ)公演
2007年 香港・アジア人形劇シリーズ公演
2008年 メキシコ、セルヴァンティーノ国際芸術祭(グアナファト、レオン、メキシコシティー)
2012年5月 中国(成都・南充)ウニマ・世界人形劇フェスティバル(招待公演)
2013年6月 アメリカ・ナッシュビル国際人形劇フェスティバル2013(招待公演)
2015年6月 リトアニア(カウナス)・エストニア(タリン)国際人形劇フェスティバル2015(招待公演)
2016年5月 アメリカ・ナッシュビル国際人形劇フェスティバル2016(招待公演)

▼本の概要

A4判 並製 200ページ オールカラー
定価:4000円+税
発売日:2019年4月20日(予定)
出版社=高陵社書店
※高陵社書店より発売の正式な出版物として許諾を得ております。

▼本の内容

・現在まで製作した150体の人形とそのパフォーマンス場面を写真で紹介

プラテーロ

月乙女

ゆき

キウイ

・演劇ライター 今井浩一による山本由也の紹介(文章の一部を以下に掲載します)

山本さんと出会ったのは、青山円形劇場の『プラテーロ』(1997年)という作品だった気がする。青山円形劇場も僕が働いていた演劇情報誌シアターガイドも今はなくなってしまったが。『プラテーロ』はクラシックギターの鎌田慶昭と、詩人役の俳優・植本潤(現在は植本純米)、そして山本が操演するロバのプラテーロという出演者。ギターの音色が観客をスペインの田舎町アンダルシアにひとっ飛びに誘ってくれる。詩人役の植本が朗読しているところへ、プラテーロがてくてくと奥の方からやってくるのだが、なんとものどかな空気をまとっている。そんな風景が今でも思い出される。しかし、黒子に徹する出使いの山本は、重量のあるロバの足が床につかないようにギリギリのところで支えている。だれも気づいていないだろうが、舞台上の穏やかな空気を支えているのは、山本の腕っ節の強さと言っても過言ではない。プラテーロはブヒヒヒヒ〜と気持ちよさそうに嘶いた。(中略)

一方で、山本は職人的で面倒臭いところがある。人形作家として「こういうふうに動かしたい」というイメージを実現するために、素材を考えて、設計図を引き、自分の手で人形をつくる。手工芸の職人であれば、その一つのスタイルをとことん極めればいいのだが、山本が生み出す人形の構造は一つとして同じものがないオリジナル。そういう意味で言えば、すべての人形は山本自身であり、山本の分身でもある。しかし、この技術の継承がなされないのは、なんとも歯がゆい。もったいない。逆に言えばその悲哀こそが山本を孤高のアーティストたらしめているのかもしれない。この本こそは、山本由也という存在を後世に伝える唯一の手段になってしまう気がする。僕もその語り部の一人だ。
僕はシャルルビルの街角で、一体の小さな人形を買った。山本がつくるような精巧なものではなく、とても素朴なものだ。なぜか僕はその人形に心惹かれた。路上で販売していた女性の人形作家さんは「私のもとから地球の裏側に旅立っていくのね」と涙した。手足に糸は付いているものの、それは人形を動かすための役割があるとは思えないほどの、申し訳程度にすぎない。でも、それを山本がひょひょいと動かすと、やっぱり生命が宿る。たぶん、糸さえ付いていれば、スプーンだろうが、Tシャツだろうが、新聞紙だろうが、山本が生命を吹き込んでくれるだろう。僕は山本を世界一の人形師だと内心では思いつつも、その称号を山本には与えたくはないとも思う。なんだかうさん臭さが足りないのだ。そういう意味では「糸の魔法使い」こそふさわしいのではないかと思っている。糸なんて英語はとんと思い浮かばないから検索してみた。いくつかある中で、「yarn」には“物語”という意味が込められていた。なんだか、うれしくなった。山本は現実よりも“物語”を生きるのが似合うから。

▼資金の使い道

本の製作費(150万円)
本の宣伝費(40万円)
イベント運営費(55万円)
campfireの手数料及び決済手数料(55万円)

なお、出版する予定の高陵社書店からは本の販売の許可をいただいています。


▼リターンについて

5000円コース
・著者のサイン入り完成本「Great Marionette」


5000円コース
・3月の「マリオネットアーティスト山本由也と音楽家が紡ぎ出す魅惑のコラボライブ」お好きな1日招待券
・人形の写真ポストカードセット

10000円コース
・著者のサイン入り完成本「Great Marionette」
・「まほろばのこだま」DVD
  作・原案:山本由也・益村泉
  構成・演出:高畑勲


20000円コース
・著者のサイン入り完成本「Great Marionette」
・「まほろばのこだま」DVD
  作・原案:山本由也・益村泉
・5月に開催される「Great Marionette」出版記念パーティーにご招待
  山本由也の人形パフォーマンスも見られます
 

マリオネットアーティスト山本由也と音楽家が紡ぎ出す魅惑のコラボライブ
3月5日(火)〜3月23日(土) 3月13日(水)のみ休み 開場:18:30 開演:19:00
会場:絵空箱(東京都新宿区山吹町361 誠志堂ビル1F)               ライブチケット:4000円




  • 2019/02/12 18:59

    山本由也公開リハーサル日時:2月15日(金)午後6時30分〜場所:日野市東部会館視聴覚室   東京都日野市石田1-11-1   http://www.kousha.jp/_toubu/facilities/index.html出演者:山本由也(人形)、太田光宏(ギター)、マーク・アキクサ(ネイ...

  • 2019/02/08 13:12

    第9回公開手合わせが2月7日(木)に東京都日野市の東部会館視聴覚室で行われました。この日のアーティストは、塚本功さん(ギター&Vocal)でした。 塚本さんと年季の入った愛用のギブソンは、裏で血管で繋がってるんじゃないかな?と思うくらい、一体化している感じでした。

  • 2019/02/06 17:01

    梅津和時さん(サックス)のライブで新宿ピットインに出演します。 『梅津和時プチ大仕事 2019』 ▪︎2/14 (木)  『人形たちの家』…梅津和時(Sax, Cla) 岩下徹(舞踏)               山本由也(人形師) おおたか静流(Vo) ・開場…19:30 開演…20:00 ...

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