私たちは東京藝術大学の後援を受け、2015年から上野公園でアートイベント「コモゴモ展」を定期的に開催しています。

コモゴモ展は、今年の4月で第26回目の開催をむかえます。

アートマーケットやライブペイント、野外コンサートなどを通して、ちいさな子どもから大人まで、たくさんの方に、芸術の魅力や楽しさをもっと伝えたいと思い活動をしています。




オペラは、音楽と美術の総合舞台芸術です。

今回のプロジェクト「コモゴモ展オペラ」は、「子どもから大人まで、芸術をもっと楽しく身近なものに!」をテーマに、東京藝術大学の卒業生と学生に加え、主に台東区内の小学生への公募で集まった合唱団と共に送ります。


〈ヘンゼルの廣澤さん、グレーテルの日野さん〉


藝大には、音楽と美術の2つの学部があります。

在学中から、音楽と美術の学生が関わることは少なく、なんとなく距離を感じていました。
(学生時代、学食でよく見かける鼻歌が大きすぎる声楽科の人たちにはびっくりしたものです。)

2017年の3月からは、音楽の学生・卒業生による屋外コンサートがはじまりました。
「自分たちもコモゴモ展で歌いたい!」と声をあげてくれたひとりが、今回のオペラでグレーテル役を演じる日野さんでした。


〈グレーテルの日野さん、ヘンゼルの廣澤さん〉


音楽の学生や卒業生が、まさか、屋外で歌ったり、演奏をしたいと言うなんて…。

驚きでした。
クラシックを屋外で聴けるとは思ってもみませんでした。

音楽の人たちも、美術の人たちと同じように、表現し発表する場所を求めていたのです。

コモゴモ展では、たくさんの方に音楽や美術の楽しさと表現することの喜びを伝えられるように、それぞれが工夫しながら毎回すばらしいコンサートや作品を披露しています。

コモゴモ展を続ける中で、年齢や音楽・美術などのジャンルの枠を超えて、たくさんの芸術家と出会い、ともに活動をする機会に恵まれました。

そんな中で、今回のプロジェクトは、グレーテル役の日野さんと指揮の平塚くんが学部生時代に企画した「子どもから大人まで楽しめるオペラ」から始まり、たくさんの方に協力をしていただきながら「コモゴモ展オペラ」として活動を開始しました。


〈グレーテルの日野さん、指揮の平塚くん〉

〈指揮の平塚くんが在学中に結成し代表を務める「やたたフィルハーモニー管弦楽団」〉



記念すべき第一回目のコモゴモ展オペラは、上野公園の不忍池(しのばずのいけ)のほとりにある
水上音楽堂」という野外ステージです。


〈上野公園 野外ステージ「水上音楽堂」〉

野外ステージといっても、客席まで屋根はあるし、照明や立派な舞台もあります。
私たちにとって、「水上音楽堂」は客席数1000席もある、大きな大きな晴れの舞台です。

いつもコモゴモ展を開催している上野公園の広場では、たくさんの方に来てもらえるというメリットの反面、天候不良や突風の際には大変な苦労があります。
演奏の音がかき消されたり、楽譜が吹き飛んだり、たくさんのアクシデントを乗り越えてきました。

自分たちの芸術活動を、見ず知らずの方、初めて出会う方に知ってもらえる機会は多くありません。
コモゴモ展は、上野公園というオープンな場所で開催することで、訪れた方に芸術を身近に感じてもらい、子どもから大人までの幅広い世代の人々と、参加する作家や演奏者が交流することで、互いに学びあえる場となるようなイベントを目指してきました。

今回、私たちの母校 藝大がある上野の「水上音楽堂」で、音楽と美術の総合芸術であるオペラを実現させることは、コモゴモ展にとっても大きな挑戦です。




【指揮】平塚 太一(ひらつか たいち)
東京都立総合芸術高等学校音楽科クラリネット専攻、東京藝術大学音楽学部指揮科卒業。東京藝術大学在学中に「やたたフィルハーモニー管弦楽団」を結成し、代表を務める。

【演出家】田丸 一宏(たまる かずひろ)
玉川大学文学部外国語学科ドイツ語専攻、日本映画学校卒業。卒業後、テレビドラマ、映画の助監督を経て、演劇へ転向。ミュージカルやオペラの現場にも活動の場を広げる。岡本健一、鈴木裕美、手塚とおる、千葉哲也、小川絵梨子、田尾下哲、野田秀樹などの演出助手を務める。「疎開サロン」主宰者のひとり。

【ヘンゼル】廣澤 星花(ひろさわ せいか)メゾソプラノ
兵庫県姫路市出身。幼少期からヴァイオリン、ピアノを学び、加古川少年少女合唱団に所属。甲南女子中高等学校を経て、東京藝術大学音楽学部声楽科を卒業。二期会オペラ研修所研修生。

【グレーテル】日野 祐希 (ひの ゆうき)ソプラノ
東京都出身。東京藝術大学声楽科を卒業。同声会賞、アカンサス賞、松田トシ賞、大賀典雄賞を受賞。現在、同大学院東京藝大音楽研究科修士課程声楽専攻に在籍。

【魔女】前島 眞奈美(まえじま まなみ)メゾソプラノ

長野県小諸高等学校音楽科を経て東京藝術大学を卒業。藝大オペラ 第61回定期公演 「フィガロの結婚」にて花娘役で出演。J.S.バッハ«ロ短調ミサ»、ヘンデル«メサイア»、L.Vベートーベン« 第九»等のアルトソリストを務める。Salicus Kammerchorメンバー。

【お父さん/ペーター】牧山 亮 (まきやま りょう)バス
大分県立芸術文化短期大学卒業。東京藝術大学を卒業。卒業時に同声会賞を受賞。現在、同大学院音楽研究科修士課程オペラ専攻1年在学中。

【お母さん/ゲルトルート】鈴木 美郷(すずき みさと)ソプラノ
札幌市出身。東京藝術大学音楽学部声楽科を卒業。在学時に安宅賞、卒業時に松田トシ賞、アカンサス音楽賞、同声会賞受賞。現在、同大学院音楽研究科修士課程声楽専攻3年在籍中。

【眠りの精 / 露の精】西田 幸里海(にしだ ゆりか)ソプラノ
熊本県出身。熊本県立第一高等学校卒業。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。卒業時にアカンサス賞、同声会賞受賞。現在、同大学院音楽研究科修士課程オペラ専攻に在籍。

【オーケストラ】やたたフィルハーモニー管弦楽団
2015年9月、指揮者平塚太一を中心として東京藝術大学音楽学部1年生が集まり、前身となる<C年有志オーケストラ>を結成。その後、<やたたフィルハーモニー管弦楽団>に名称を改め、2016年3月の第1回演奏会を皮切りに、オペラ、小学校での音楽鑑賞教室やメンバーによる室内楽コンサートなど、様々な演奏会を開催している。なお、藝祭の練習中、幻想交響曲の5楽章で三連符の箇所を指揮者が「やたたやたたやたた!」と叫んだのが名前の由来。

【合唱】コモゴモ展オペラ 少年少女合唱団
藝大の学生10名と、有志の子どもたち23名による合唱団。



ヘンゼルとグレーテルは、グリム童話が原作のオペラです。

ドイツ人のエンゲルベルト・フンパーディンクが作曲し、妹のアーデルハイト・ヴェッテが自分の子どもたちのために詩を書きました。

そう、物語と同じで、兄妹によってつくられたオペラなんです!

とても美しく複雑な曲に、メルヘンな物語が合わさります。
子どものためにつくられたオペラを、子どもたちに楽しんでもらえるように、日本語で上演します。


〈第一回コモゴモ展オペラ「ヘンゼルとグレーテル」チラシ〉

音楽の分野では、「声楽を学ぶ大学院の学生と卒業生」「様々な種類の楽器を演奏する、学生と卒業生による70人編成のフルオーケストラ」「たくさんの学校から集まった子ども合唱団」が参加します。

美術の分野では、「藝大の卒業生を中心に学生とつくる舞台美術」「オリジナルの舞台衣装」「地元台東区で活動する演劇ユニット」など、様々な若手クリエイターたちが集結します。


〈指揮の平塚くんが在学中に結成し代表を務める「やたたフィルハーモニー管弦楽団」〉

〈台東区で活動する演劇ユニット「疎開サロン」〉

芸術は、なんとなく難しかったり、特別なものに感じることもありますが、もっと気楽に、自由な気持ちで体験してもらえたらいいなと思っています。

オペラ観劇が初めての方、大歓迎です! 一緒に新しい体験をしましょう!

そして、私たちとみなさんの間にあるほんの少しの壁を、ひょいと軽く越えてもらえると嬉しく思います。



コモゴモ展オペラは、子どもから大人まで参加できる開放的な野外オペラです。

私たちが学んできた音楽と美術を、総合芸術のオペラとして発表することで、子どもたちが芸術を身近に体験できる機会のひとつになってほしいと思っています。



また、これからの未来を担う若き芸術家たちにとっても、今回のプロジェクトが大きな経験となり、活動の糧になることを願っています。

「第一回」コモゴモ展オペラと銘を打ちました。

 毎年、オペラを開催することが私たちの夢です。

5年後、10年後、そして20年後、子どもたちが大人になった時に、オペラやクラシック音楽、様々な分野の美術や芸術が、

特別に難しいものではなく、「生活の一部」となり、共に歩んでいけるような世の中を、私たちは実現したいと願っています。



オペラ制作には、たくさんの人が携わり、多くの資金を必要とします。

今回のコモゴモ展オペラには、総勢130人以上のキャスト・スタッフが参加し、ボランティアで動いてくださっている人もたくさんいます。

「子どもたちにオペラを見に来てほしい!」という思いから、高校生以下のチケット料金は、500円に設定しています。

チケットの収益だけでは予算が足りないため、みなさまのご支援がどうしても必要です。

クラウドファンディング諸経費及びリターンの費用を差し引いた金額の約70%程度を、以下の費用として運用させていただきます。

・舞台美術・衣装制作費(一部)70万円
・オーケストラ楽譜購入費(一部) 10万円
・オーケストラ楽器レンタル費(一部) 5万円


【ポストカード、絵本仕立てのパンフレット、当日のオペラ本編映像のYouTube限定公開URL発行、オペラ本編映像のDVD、ちいさな子ども達をご招待できる権利、お好きな場所で「ハイライト公演」を開催できる権利】などのリターンがあります。

詳細はリターンのページをご覧ください。



はじめまして。

藝大の若手芸術家が集まるアートイベント「コモゴモ展」の代表、松永 小百合です。
私は現在、絹糸で編むレースのアクセサリーをつくっています。



ものづくりを生活の糧にすることは簡単ではありません。

大学を出た後は、作品を発表できる機会も場所も減って、作品づくりをやめてしまった時期もありました。

はるばる福岡から上京し、6年も大学に通い、私はいったいなにをしているんだろう…。
虚しい日々が続きました。


作品を制作発表して、ものづくりを生活の糧にしたい!
たくさんの人に直接会って、交流し、感想を聞きたい!
そして、できれば、芸術をもっと好きになってほしい!


思いを叶えるためには、自分たちで作品を発表できる場所をつくるしかない。
作品を発表する場所は、学生時代からいちばん馴染みのある上野がいい!と強く思い、5年前に上野恩賜公園でアート活動を開始しました。

そして、同じ思いをもつ藝大の卒業生や学生の若手作家や音楽家がたくさん集まり、アートイベント「コモゴモ展」が生まれたのです。




歌手・オーケストラのメンバーは、当日にすべての力を発揮するために、毎日稽古を重ねています。舞台美術の大道具・小道具・衣装なども着々と制作を進めています。

コモゴモ展オペラは「子どもから大人まで、芸術をもっと楽しく、身近なものに!」するためのプロジェクトです。

どうか、一緒にこのイベントを盛り上げてください!! よろしくお願いいたします。


<All-in方式>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2019/05/10 14:29

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

  • 2019/05/10 12:14

    当日は天気にも恵まれ、小さなお子さまから大人まで、900人近くのお客様にお越しいただきました!オペラ「ヘンゼルとグレーテル」に携わってくださったみなさま、応援していただいた街のみなさま、協賛金を出資してくださった企業のみなさま、このオペラに関わってくださった全ての方に、心より感謝を申し上げます...

  • 2019/05/06 02:30

    なんと、座席総数900席のところ、予約で約750席埋まりました!!そして、いよいよ本番です。とても緊張しますが、皆様のおかげでここまで来ることが出来ました!ありがとうございます。

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