ご挨拶

はじめまして。筑波大学名誉教授・元NHKラジオ英語会話講師の島岡丘(しまおかたかし)です。病気で長期間入院をしていましたが、リハビリを続けることで漸く回復しました。

一生現役で仕事を続けたいと思っていましたが、この歳で長期の空白期間があると、元気になっても社会的な復帰が難しく、どうしても指導や執筆活動の場が狭まってしまいます。こうした中、長女に、このキャンプファイヤーの存在を教えてもらいました。


私のライフワークは、一言で言うと「日本人の英語発音に対するコンプレックスを無くしたい」です。


諦めかけていたライフワークや自分の仕事にかける情熱を、「支援者の方々と共有し、応援してもらうことで成し遂げられるかもしれない」と思い、チャレンジしてみることにしました。

齢86歳、もうすぐ87歳になりますが、元気です。頑張ります。宜しくお願い致します。




本プロジェクトについて

生涯「英語青年」の島岡博士が取り組むライフワークを応援するプロジェクト


大学の教養課程の授業で、発音記号について講義をしていた、ある時のことでした。学生たちがあまりにつまらなそうにしたので、半ばやけくそになり、"Take it easy"を「テイケッリーズィー」と書いたところ、学生たちの顔がパッと明るくなり、とても上手に発音することができた、ということがありました。

これが私の研究テーマが大きく変わった瞬間でした。

よく考えてみると、正しい発音が良く分からないのに、一所懸命に発音記号を教えられても、困ってしまいますよね。でも読み仮名のように、身近な日本語の発音を手掛かりにして英語の発音をすると、簡単に自然な英語の発音になるのです。

もちろん、一般に言うカタカナ英語はだめです。英語の発音のメカニズムを理解した上で、できるだけ英語の発音に近づけた表記でなくてはいけない。そして、英語の発音を十分に理解し、発声できるようになったところで、発音記号をきちんと読めるようにする。最終的には、英英辞典を使いこなせるようになってほしい。これまで、そんな指導を意識してきました。副次的に分かったことなのですが、日本語を取っ掛かりとして発音すると、どんな人でもスムーズに、楽しく発音することができるため、コンプレックスが邪魔にならないのです。

80歳の時、これまでの研究の成果を、分かりやすく、発音練習と結びつける形で「島岡メソッド」としてまとめ、長女と一緒に「日本語で覚えるネイティブの英語発音」という本を出版しました。

日本人の英語コンプレックスを解消するためにも、このメソッドを普及していきたいと考えています。



イギリスの歴史家Arnold Toynbeeによるスピーチを再現。吹き込みを行なっている様子(一部)。


以下、「島岡メソッド」の一部を、ご紹介します。

1) Rから始まる単語と、Lから始まる単語の発音の区別。

下の単語で、比較してみて下さい。
Right (ゥライト、というように、はじめにウがつく、と思って発音すると上手にできます。)
Light (「ヌ」を意識すると、舌先が、上の内側の歯茎の付け根あたりに付きますよね。その位置から、
ライトと発音してみて下さい。)

( )の中の説明のように発音してみると、違いがはっきり分かりますよね。


2) -tionで終わる単語

tionで終わる単語は多いですが、Stationをステーション、Locationをロケーションと発音していませんか?語末を”ション”ではなく、「旬(シュン)」と発音してみて下さい。それだけで、自然な発音にぐっと近づきますね。

3) -l, -leで終わる発音

tableやcableの発音を、テーブル、ケーブルと発音していませんか? テイボゥ、ケイボゥ、と、初めに少し力を入れて発音し、最後を「ル」ではなく、小さく「ゥ」と言うようにして発音してみて下さい。それだけで、随分自然な感じが出ますよね。Lの発音も、はっきり発音するものと、そうではない発音があって、語末に来る場合は、後者になるんです。

4) つなぎの発音。

Can I ~ ? は、「キャンアイ」と切って発音するのではなく、「毛無い〜」と発音してみて下さい。Canの語末の"n"の音(子音)と、Iの始まりの"a"の音がくっついて、"na"となるので、「〜無い(ナイ)」となります。自然な発音になりませんか?


上記は、ごく一部の断片的なものですが、それぞれ、きちんとした学術的な裏付けがあるんですよ。でも、難しく考えるよりも簡単に実践できたら楽しいし、ヒアリング力にもプラスになります。そして何よりも、自信が付きますよね。

Related imageレクチャー中の様子 

 Related image レクチャー中の様子


プロジェクトの進め方


夢に向かって、でも確実に一歩一歩実現して行きたい!


本プロジェクトの目標は、日本中の英語に対するコンプレックスの解消を促すとともに、教育の現場にも役に立つことです。ただ、初めての試みでもあることから、着実に実現していけるように、プロジェクトを、いくつかの段階に分けました。できることを一つずつこなすとともに、皆さんからのフィードバックを参考に、軌道修正したり、ブラッシュアップもしたいと思っています。歳はとっていますが、気力は十分です。


第一弾

「島岡メソッド」を普及する場を作り、広げる。
(2019年12月末までの達成が目標。募集金額:32万円)

1) 「島岡メソッド」の効果を体感する人達の輪を作る。

→ パトロンの方向けに、英語の発音教室を開く。
自分の発音の癖や、難しい発音に対して、「あっ」という気付きがきっとあるはず。発音練習だけでなく、理論的なお話もします。

2) 色々なフィードバックを参考に、今後の活動につなげる
→ もし、発音教室が好評であれば、第二弾以降も企画する。






第二弾

英語の自然な発音が簡単にできることを、もっと多くの人に伝える(案)
(2020年9月までが目標。募集金額/リターン:未定)


1) ホームページを立ち上げる。
→ 島岡メソッドの紹介を、インターネット上で広く紹介する場を作る。

2) 入院中にまとめた英語のトレーニング法等についてを編集し出版する。
→ 子供からお年寄りまで、英語の発音を簡単にブラッシュアップできる内容を検討中。

3) 小中学校の先生などを中心に、英語発音の指導に自信が持てるための手助けをする。
→ 英語の導入期における発音指導に困っている先生方の手助けになるような講習会等、企画を検討中。

4) 米寿(88歳)のお祝いと併せて、大勢のパトロンの方々に活動報告をしたい!


第三弾以降

第二弾までの活動を参考に、さらに活動の領域を広げる(案)
(2021年9月までが目標。募集金額/リターン:未定)

1)  ホームページのコンテンツを増やし、整備することで、「島岡メソッド」をより分かりやすくする。
→ 普及のため、YouTube動画等も作成して英語発音のヒントなどを投稿してみる。

2) 執筆活動の総まとめ
→ 指導法など、すでに書き溜めているものを分かりやすく編集して出版する。
→ これまでの著書をブラッシュアップし、わかりやすく編集して再出版する。

3) 指導者育成
→ 「島岡メソッド」の普及する指導員を増やしていく。
→ 普及活動を継続的に行えるようにするための基盤づくりを行う。


資金の使い道

今回の企画は、プロジェクトの第一弾です。

病気にかかるまでは、80歳を過ぎても、積極的に講演会や発音指導をしてきました。長期入院でしばらくブランクを作ってしまいましたが、再び現場で指導する場を作るとともに、メソッドのエッセンスを広く発信し、英語指導の現場でも活用できるための貢献をしたいと考えています。パトロンの方々から預からせて頂く資金は、以下のよう使わせて頂きたいと思います。また、今回の資金調達を通じて、英語の発音に興味を持つ多くの人たちとの新たな繋がりができれば嬉しいです。

英語発音教室の設営関連費: 15万円
教材費: 10万円
資料作成費・郵送費: 4万円
税金:3万円
合計32万円

(本プロジェクトはAll-In方式で行います。仮に調達目標金額を達成できなくても、第一弾については、最後まで責任を持ってやります。発音教室は一人からでも開催します。もし調達額が目標を超えた場合は、第2弾以降に検討しているプロジェクトに振り向けます。)


リターンについて

リターンについては、下記のように考えております。

1,000円: 
英語発音のワンポイントアドバイスなどを書いたサンクスカードをお送り致します。

3,000円:
英語発音のワンポイントアドバイスなどを書いたサンクスカードサンクスカードのほか、英語発音教室での様子などをまとめた活動報告書をお送りさせて頂きます。

5,000円(限定45名様):
英語発音のグループレッスンにご招待します。

「日本語で覚えるネイティブの英語発音」(島岡博士監修、ダイヤモンド社)とオリジナルのプリントで、レッスンを行います。英語の発音が楽しくなり、周りの人たちにも教えたくなるようなきっかけの場になれば、嬉しいです。

9月から10月にかけての週末に3回程のレッスンを予定しており、それぞれのレッスンは60~90分程度です。1名からでも実施しますが、1回あたりの最大人数は15名までにさせて頂きます。ただし、体調によって、急な変更がある場合は、ご容赦下さい。

1回目、2回目:
発音練習だけでなく、発音の仕組みなどについても、解説致します。 

3回目:
小中学校の先生など、英語の導入段階での指導を行なっている方お薦めの講座です。小中学校で使う教科書も参考にしながら、どのように声がけをして、自信をもった発音指導ができるのか等、楽しくトレーニングをします。

20,000円(限定3名様):
「日本語で覚えるネイティブの英語発音」(島岡博士監修、ダイヤモンド社)と、事前にご相談頂いた内容を踏まえて、60分程度の個人レッスンをさせて頂きます。ご相談内容は、具体的な内容であるほど、より効果的なレッスンができます。

(例)

- 〇〇(英語の歌)を上手に発音できるようになりたい
(事前に歌の歌詞をお送り下さい)

- 生徒に自信を持ってテキストの英語の発音を教えたい
(事前にテキストの該当箇所をお送り下さい)

- RとLをきちんと発音できるようになりたい、

- どこが悪いのか診断してほしい
(自己診断で良いので、どういう癖があるか等、事前にお知らせ下さい)

- 英語で上手にアナウンスをしたい
(普段アナウンスされる文章を、事前にお送り下さい)  

日時は、9月から10月にかけての週末、グループレッスンがある日と同じ日にちで企画致しますので、ご予定が合えば、グループレッスンにも追加費用なくご参加頂けます。3回全てのグループレッスンに参加して頂いても構いません。

場所は、東京23区内です。但し、体調によって、急な変更などがある場合は、日程変更についてご相談させて下さい。


最後に(応援団長から)

父、島岡丘の長女、島岡良衣(よしえ)です。日本企業が海外進出する際や、外資系企業と交渉する際にアドバイスをする会社で代表をしていますが、今回は、父のチャレンジを身近で、強力に応援する応援団長としてプロジェクトに参加します。

父とは6年前に、ダイヤモンド社から「日本語で覚えるネイティブの英語発音」という本を出しました。父がそれまで研究してきた近似かな発音表記("SKT" 島岡カナ表記システム)を基礎に、母音、子音、つなぎの発音、についてを其々体系立てし、発音のヒントや練習法をまとめたものです。完成までには実に3年かかりました。父とは初めての共同研究でしたが、父の学者としての探究心、直向きさに、ただただ脱帽するばかりでした。

そんな父が、脱水症に誘発されたと思われる横紋筋融解症という病気にかかり、せん妄・歩行困難に至った時は、本当にショックでした。父が元気なうちに、もっと色々な活動を一緒にしたかった、もっと沢山のことを学んでおきたかった、と心から後悔しました。

病気療養中、車椅子に乗って桜を見上げる父

しかし、父は病気に負けませんでした。86歳での大病。寝たきりになってもおかしくなかったのに、驚異の回復をしました。それには、研究を続けたい、日本の英語教育に貢献したい、という強い想いがあったからに他なりません。

病院にお見舞いに行くたびに、昔の講義内容や、新しく気づいたことなどをびっしりノートに書いては嬉しそうに見せ、目を輝かせては説明してくれました。そんな父の思いとは裏腹に、長期入院後の父には、もう存分に活動するような場はありませんでした。高齢者が病気になり、長期入院をすると、社会復帰の機会が狭まってしまうのだ、ということを痛感した次第です。

しかしある時、母校の若い後輩達が、クラウドファンディング で旅を計画しているということを聞いたことが転機になりました。クラウドファンディングで、色々な人とつながりを持てば、父がまた輝ける場を作るとともに、父の夢の実現に向けた活動を一緒にできるかも知れない、と思ったのです。そして、本プロジェクトを立ち上げることにしました。

今回は、父と私たち家族の新しい挑戦で、手探りのことも多いのですが、永遠の「英語青年」(自称)として現役でいることを諦めない父を全力でサポートしたいと考えています。

みなさん、お一人お一人の応援が、父にとっての力になり、そして、英語の学習や指導で悩んでいる人にとっての大きな励ましになります。どうぞご協力のほど、よろしくお願い致します。




島岡丘博士の略歴

筑波大学名誉教授・言語学博士。1932年奈良県生まれ、北海道旭川育ち。

東京教育大学英文科卒業後、日本で初めてフルブライト奨学生(米国)・ブリティッシュカウンセル奨学生(英国)の両方で留学を経験。その後、サンフランシスコ大学、ロンドン大学、UCLA(客員教授)等にも留学。元NHKラジオ英語会話講師。

専門は、英語教育(ELEC賞、JACET賞受賞)および英語音声学。

SKT(島岡式カタカナ表記)を考案して研究を重ね、1993年中間言語の音声学(英語のカナ表記システムの確立)で博士号。SKTは、音声学の世界的権威であるJohn C.Wells 博士(ロンドン大学言語学・音声学教室主任教授)に高く評価され、同氏の論文("Phonetic transcription and Analysis" An Encyclopedia of Language and Linguistics, Second Edition. Vol.9. pp. 386-96)で紹介された。


教科書・辞書等の編集を含め、著書多数。主な教科書編集として「Sunshine English Course」(開隆堂)、「New Treasure」(Z会)、著書としては「英語学と英語教育」(共著・大修館書店)、「語源で覚える・英単語飛躍増殖辞典」(創拓社出版)などがある。

島岡丘博士の経歴:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B3%B6%E5%B2%A1%E4%B8%98


  • 2019/09/13 15:01

    ツイッターで、島岡メソッドのテキストは「絵がないとよく言われる」とつぶやくと、結構、反響がありました。そうなんです。 英語の発音には、口の形、舌の位置、などが大切ですが、これを、写真や、絵、などを見て、再現するのは意外と難しいのです。だから、島岡メソッドでは、普段から身に染み付いている「日本語...

  • 2019/09/13 08:35

    先日ご報告した、島岡メソッドを絶賛するブログのリンクがうまく貼り付けられていなかったようなので、再掲します。https://flaneurmag.com/post-80/リスニングとスピーキング能力がめっちゃ上がって、「人生が変わったと言っても過言ではない」とまで言ってくれた、絶賛ブログで紹介...

  • 2019/09/13 08:30

    9月7日に87歳。まだまだ元気。月末のセミナーに向けて頑張ります!(撮影:都内のホテルで)

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください