社会の変容と一緒にルールもアップデートしていく必要がある

初めまして。Pnikaと申します。 

突然ですが、みなさん「ルールメイキング」という言葉を聞いたことはありますか?

学校には、校則という学校のルール、会社には社則というそれぞれのルールがあるように、社会にも法律や政省令※といったルールがあります。

(※法律に依拠して内閣府が定める政令、各省庁によって定める省令、さらにその下には、告示、通達、ガイドラインといった運用方法を定めるルールがあるという階層構造になっています。)

ルールメイキングとは、あるべきルールの形を新たにデザインし、アップデートしていくことです。

例えば、タトゥーを掘る彫師にも医師免許が必要とされて、アンダーグラウンドで活動しなければならない状態が続いていたのを、裁判で、「医行為ではない」とされ、法律を変えることが妥当であるとの判決が出ました。

また他の例では、災害時含め、日頃の赤ちゃんへのミルクを用意する手間が省けるということで、海外で発売されていた液体ミルクを日本でも使いたいという要望が上がりましたが、「液体ミルク」の規格がないことが販売の足かせになりました。署名がきっかけで、ルールが整備され「グレー」ではなくなったことで、販売が出来るようになりました。

ここで挙げた事例以外にも、ドローンや自動運転、ブロックチェーンなど新しい技術を用いたサービスにはそれぞれ新しいルールが必要になります。またPnikaプラットフォームで現在応援しているMARUMORI-SAUNAのフィンランド式サウナを用いた地域活性化の取り組みでは、公衆浴場法が委任する地方自治体のルールが、テントサウナやサウナワゴンなど多様な ”浴場” を前提としていないために、事業として行う許可がおりず活動が難しくなってしまっています。(詳しくはこちら

      サウナフェスの様子

 

作られたその当時に必要があって定められたルールですが、社会における「当たり前」が変わったり、新しい技術が生まれていく中で、そのルールそのものが不要になったり、別のルールで、当初の目的を果たすことができるようになります。

つまり、社会が変わっていくと同時に、ルールそのものも変容していく必要があります。

課題のあるルールをアップデートするために、様々な立場のステークホルダーが知恵を出し合い、平場で対話するオープンな場が必要

しかしルールを変えるのは簡単なことではありません。

ます第一にルールを作る、変える必要があると言える理由、それを裏付ける事実やデータがあるのか。(立法事実と言います)それらデータを集め、分析する必要があります。

そしてどのようなルールにすると良いのか、ルールそのものを検討する必要があります。ルールを作り変えると、少なからず影響を出てくる人たちが多く出てきます。ルールが変わることにより新しいチャレンジができる人もいれば、今までそのルールが参入障壁になっていたために、競争が少ない状況で事業を行えた人たちもいます。そして、ビジネスを行う人だけでなく、もちろん、そのサービスを使うユーザーにも影響を与えるわけです。 

それらの関係者と調整しながら、目指すべき未来を見据え、今あるべきルールをデザインする必要があります。

言い出しっぺだけでは頑張れない。みんなで言い出しっぺを応援する仕組み

ルールの課題に一早く気づいているのが、イノベーター達です。

しかしイノベーターだけで、これからのことをやり遂げるのは並大抵のことではありません。

そのため、言い出しっぺがなかなか出てこず、アップデートされていないままになっているルールが取り残されています。

ルールを変えよう!と言い出しっぺになりにくい領域に対して、Pnikaはイノベーターが提起してくれた課題に対し、一緒に併走してルールを変えていくそんな仕組みを作りました。

それがクラウドロー(Crowdlaw)・プラットフォーム Pnika です。

Pnikaは、イノベーターの課題を整理し可視化した上で、一緒に併走していくれる様々な立場の仲間を募ります。そして、必要なエビデンス作りや、関係者との合意形成など、ルールが実装されるまでのアクションをオープンに発信していきます。

イノベーターからの課題を整理した上でプロジェクト化し、課題や今までのプロセス、今後必要なアクションを公開しています。

コラボメンバーとして、プロジェクトをフォローしていただくと、プロジェクトの進捗が通知されます。イベント開催、データ作り、ぜひご自身の得意とする部分で、前へ進めるために関わっていただけたら嬉しいです。

もちろんイノベーターとして課題の投稿も大歓迎です。まずは「プロジェクトをはじめる」ボタンから、課題の投稿をしてください。


このプラットフォームは器であり、この器ができただけでは課題解決には至りません。

これから、自分たちが取り組んだことを、これから同様にトライしていく人が参考にできるように公開していき、学びの共有や必要なツール等を作っていきます。私たちのチャレンジは始まったばかりです。ぜひこれからも活動に注力できるよう、ぜひ皆さんの力を貸してください。

私たちはこれから、こんなことにチャレンジしていきます。

1)ルールのアップデートに向けた活動を実施していきます (50万)

現在Pnikaに掲載されているプロジェクトを前へ進めていきます。

例えば、MARUMORI-SAUNAの公衆浴場法アップデートのプロジェクトでは下記のような活動が進行中です。

① 公衆浴場法の論点整理・調査 

イノベーターが課題としている公衆浴場法と委任されている県の条例について、ガイドライン策定に当たって必要な情報を調査し、論点の整理を行います。

② ステークホルダーのリストアップ

ガイドライン作成にあたり、調整が必要な関係者を洗い出しヒアリングを行います。

③ 新たなガイドライン作成のための オープンMTG・イベント実施

関係者から広く意見やアイデアを集めたり、議論を行いガイドラインに落とし込むイベントを開催します。

(費用の内訳:調査費用や専門家への報酬、交通費、イベント開催費など)

2)自分たちがルールメイキングを実践する中での課題をオープンにしていきます。そしてそれを解決するツールを作っていきます。(122万)

① 政策会議ナビ

関連するルールについて、現在話し合われている最新の情報をわかるのは、各省庁の審議会・懇談会等の政策会議です。(他にも議員が主催する議員連盟の委員会等もあります。)

しかし、自分の課題がどこの政策会議で話されているのかわからない。気づいたら、傍聴の申し込みの日を過ぎていた。。なんてこともあります。

そこで、それぞれの人が関心を持つ政策やルールについて話されている政策会議がいつ行われるかわかるように通知する「政策会議ナビ」を現在開発中です。

②Clear 規制改革リクエスト

「やりたいけど、規制がね…」そんな声がビジネスシーンの特に新規事業では起きがちです。

では、規制改革をするための申請制度があるのはご存知ですか? 

もし、ご存じの方であれば、その申請方法はご存じでしょうか?

法律を改正するためには、そのアプローチ方法で問題がない、また効果があるということを実証実験で検証し、エビデンスを作る必要があります。 そこで、現在グレーである、もしくは法規制に引っかかってしまう取り組みであっても、期間や対象、地域を限定することにより、小さくトライしてみようという制度です。

しかし、法律やルールのこともよく分からない事業者にとっては、申請書を作ることもハードルとなっています。もっと多くの人に、制度を活用してもらえるようなツール開発を現在構築中です。

 

(費用の内訳:開発費用)

多くの人が普段から法律や規制を意識することはほとんど無いと思います。

私も2年ほど前まではそんな感じでした。法律がどのような構造になっているのかも知らなかったですし、自分に関係のあるものとも思えていませんでした。

そんな中、社会起業家の方に多くインタビューする機会があり、法律をはじめとするルールが、ただでさえ少ない資金やリソースで頑張っている彼らの活動の壁になっていることを知りました。

リソースを持った大企業のみが使えるものでなく、課題を解決しよう、社会を前進させようとする誰もが使えるアプローチの一つとして、ルールメイキングに多くの人が関われるようにしたい。

そして、特定の誰かや業界のためではなく、広く社会に資するものとして議論が行われていると信頼できるよう、ルールメイキングのプロセスそのものもオープンなものへとアップデートしていきたい。

これが実現できたら、きっと日本はもっとイノベーションが巻き起こり、一人一人が我が事として政治や社会にコミットできるようになると信じています。

再度になりますが、是非、活動を継続していくためのご支援をして頂けたら幸いです。

応援何卒よろしくお願いします。 

                                      Pnika 代表 隅屋輝佳

 

隅屋 輝佳

一般社団法人Pnika代表。イノベーターが制度設計者や専門家、市民とつながり、協働で法制度設計を行うことを可能にするクラウドロー・プラットフォーム Pnikaの運営を行っている。また、慶應大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の修士課程にて「非専門家による法規制改正提案の支援を行う自律的実践プロセスの設計と評価」を執筆。その他、NPO法人ミラツクにてインタビューと質的調査手法を用いたアイデア創出のためのツール作りとオープンイノベーションによる事業創出支援や株式会社LIFULLにてブロックチェーンを用いた新規事業創出に取り組む。

       

深山 周作

行政の広報システムやオープンガバメントの推進に取組、AIやBlockchainを用いた行政×Tech、地域×Techの領域の実証研究やアライアンスを担当したのちに、株式会社Publink(現職)にてITやHR事業の経験を活かして官民協働の担い手創出や関連する新規事業の立上げを担当。


   

平尾 久美子

インターネット業界において、イーコマースとポータルサービスの分野で企画・編集を経験、独立以降、CSR、ソーシャルビジネス関連などのウェブやイベントのフリープランナー・ディレクター・編集・ライターとして、複数のプロジェクトに参画。千葉大学大学院人文公共学府博士前期過程在籍中。


 

中間 康介

新卒後、(株)野村総合研究所にて、主に官公庁の制度設計・執行に関する業務に従事。その後スタートアップに参画し、介護×シェアリングエコノミーの領域で事業立ち上げに従事。現在は一般社団法人ビジネス・エンジニアリング・センター(BEC)理事として、官民連携プロジェクトの事業設計・運用管理を担当。

 

稲村 宥人

早稲田リーガルコモンズ法律事務所・弁護士(東京弁護士会所属)。学生時代にNPO法人にてインターンシップ派遣事業、政策コンテスト企画運営に参画、その後、ウェブサイト上での国会提出法案の解説文執筆等に従事した経験から、どのようにしたら市民に法律がわかりやすく伝わるのかについて興味を持つ。各プロジェクトにおける法制調査、法制提案支援等に従事。


本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。



  • 2019/11/06 17:53

    クラウドファンディングにご協力いただいた皆さまこの度はPnikaのクラウドファンディングのチャンレンジに対し暖かいご支援誠にありがとうございました。Pnika 代表の隅屋です。1ヶ月半で合計で88人の方に64万円のご支援をいただきました。多くの方の応援と心のこもったメッセージが今後の活動へのか...

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