『宇宙兄弟』コラボイラスト公開!
たとえベッドの上から動けないとしても、仲間と共に働ける。
世界中どこからでも操作できる分身ロボットカフェ実験 第2弾!!


はじめに・ご挨拶

昨年2018年、私たちは世界初となる、「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」を開催しました!
病気、入院、様々な理由で外出する事が困難な方々が、自宅や病院にいながら自分の分身となるロボット「OriHime」を遠隔操作し、接客を行う実験カフェです。

 アンケートや感想を受け取ってリアルタイムで毎日ロボットの機能や運営方法を改良していく公開実験で、たった10日間、1日4時間だけのオープンでしたが、1000名近くのお客様にご来店いただき、操作するパイロット達も大きな手応えを感じる事ができる有益な実験となりました!

今回、更に改良した、「分身ロボットカフェ ver.β2.0」に挑戦致します!

このプロジェクトで実現したいこと 

〜たとえ寝たきりになっても、仲間たちと働く自由を〜

 昨年の第一回目のカフェ実験ではそもそも接客として成り立つのか、働く重度障害を持つパイロット達は働いて楽しいのか。体調は大丈夫かなど、とにかく初めての事だらけでした。ロボットのトラブルや運営の面でも多くの反省点が見つかった一方で、海外からも注目され、多くの人達から「私も働きたい」という声や、「楽しかった」「また来たい」という声をいただく事ができました。

 私たちは、たとえ寝たきりになっても仲間と一緒に働けるこのカフェの常設化を目指したいと本気で考えています。そのため、更に沢山の失敗の発見や、お客様からの要望を反映させてロボットの機能、運営を改良すべく、第2回公開実験「分身ロボットカフェ DAWN ver.β2.0」を開催する事にしました!

 来場者には接客を受けるお客様として、実験に参加していただく事が可能です。珈琲などのドリンクとお菓子をご用意いたします。OriHimeパイロットによるお店の説明、オーダー受け、注文の品の配膳など接客をさせていただき、ドリンクを運び終わったあとはOriHimeパイロットの人とお話していただく事も可能です。それ以外にも、昨年一回目では出来なかった新しい働き方にもチャレンジします。

 当イベントはエンジニアが毎日常駐し、アンケートや失敗、気付きをもとに毎日改良していくのが特徴です。パイロット達の意見で接客方法も臨機応変に毎日少しずつ変わり、サービスが日によって違う事もあります。今回、クラウドファンディングで集める資金の中は当カフェの運営、その前のOriHime-Dの準備開発費用と、その後の改良、テスト費用などを含みます。

 そして来年2020年には多くの海外の方も日本に来られますが、私たちの国は「たとえ身体が動けなくなったとしても心を元気に保ち、仲間達と楽しく過ごせる国」と、多くの諸国に日本人らしい生き方を感じていただき、「機械とつながって生かされる」ではなく「生きる為のテクノロジー」を発信できる場を皆さまと一緒に目指していきたいと思っています。

 皆さまの応援、よろしくお願いいたします!


(分身ロボットカフェDAWN ver.2.0 運営委員会)

プロジェクトをやろうと思った理由

皆様こんにちは
オリィ研究所、所長の吉藤です。
私達のページをご覧いただきありがとうございます。

はじめに、「分身ロボットカフェ」の企画に至るまでの経緯を紹介させてください。

 私は昔から病気がちで、小学校5年生の時の入院をきっかけにそこから3年半ほど、ほとんど学校に通う事ができない不登校、ひきこもりになっていた事があります。ほぼ自室で、酷い時は天井ばかり見つめ続け、時計の針をきき続ける毎日を過ごし、日本語を忘れてしまうほどの強い孤独に苦しめられていました。

 教室に行きたくとも行けなかった事、友達らと同じ行事に参加できなかった事が本当に悔しく、「なぜ身体がひとつしかないのだろう。身体が2、3つあればいいのに」と思っていました。

 その私自身の経験から開発したロボットが「OriHime」という分身ロボットです。

 病気や障害で身体を動かせないと、学校にも行けず、仕事場にも行けず、友達と遊びにいって思い出を作る事も困難です。ベッドで毎日天井を眺め続けるのではなく、会いたい人に会えて、行きたい所へ行ける心の車椅子、それがOriHimeというロボットの原点です。

 現在はこのOriHimeを製品化し、様々な事情で学校に通えない子ども達、病気で家族や友達と外出できない患者さん達に使っていただいています。
 また、病気や障害の当事者だけでなく、育児や介護などで会社に通えない会社員など、多くの人が”分身”として使うようになり、利用者や導入企業、学校も増えてきました。

<OriHime紹介動画 >

 実際、私達の会社でも育児や重度障害などでオフィスに来る事ができない仲間達がOriHimeで出社、仲間達とテレワークを行っています。

 その他にも、難病のALSやSMAなど、意識ははっきりしているのに身体をほぼ動かせず「寝たきり」と呼ばれる患者さんの意思伝達を支援する装置「OriHime eye」を当事者達と共に発明、2017年には厚労省から非課税対象福祉機器の承認をうけ、ベッドで寝たきりの患者さんは「視線やスイッチを使った自由な言葉の発話、周囲を見渡す、写真撮影、友達との旅行」なども可能になりました。

<多くのALS患者さんに使われている視線入力システム OriHime eye>


 <ALSの患者さんがOriHime eyeを用いて、眼だけで描いた絵>

 このOriHime eyeのシステムを使い、いまや、”眼しか動かせない患者さんが、眼だけでPCを自在に操作し、分身ロボットで学校に通い、就職し、会社で仲間たちと働いて給料を得る。” そんな時代が私達の周りでは現実になってきています。

 OriHimeや、今回のカフェのプロジェクトを語る上で、もう一人紹介しなくてはならない人物がいます。
 オリィ研究所の創業期から一緒にOriHimeを開発してきた寝たきり秘書の番田雄太。2017年に亡くなった、私の親友です。4歳で頸髄損傷になって20年以上寝たきり状態が続いていました。彼の身体は首から下は全く動かず、かつ身体は東京から遠く離れた盛岡の病院にいました。しかし彼は顎を使ってPCを操作し、毎日OriHimeで会社に出社し、私と共に全国の講演会を周り、講演者や私の秘書として給料を得ると同時に当事者としてOriHimeの改良案を提示していました。

 ある時、いつもの日常会話の中で私が「秘書なんだから珈琲くらい淹れてくれよ」と冗談を言い、番田が「じゃあ、そういう身体を作ってくれよ」と言った2016年から、遠く離れた場所から接客やものを運ぶなどの”肉体労働”が可能となる120cmの新型OriHime、「OriHime-D」の開発に着手しました。

<OriHime-D>

 2018年夏、おそらく世界でも初となる、ALS患者が視線入力で分身を操り、人にコーヒーを手渡す事に成功しました。

 身体が動かなくてもPCを使って”テレワーク”をすればいいじゃないかと言われます。しかし、よっぽど何かに秀でた能力や社会人経験がないかぎり、重度障害者がテレワークで就職し、働くというのは難しいのが実際のところです。重度障害者をテレワークで雇用したいという企業も、彼らが何を出来るのか、何をさせればいいかわからず、多くの場合「寝たきりの人は働けない」とされてしまっているのが現状なのです。

 荷物を運ぶ、掃除をする、家事などの肉体労働であれば、知的労働よりも働くイメージは付きやすい。ならば肉体労働を可能にするテレワーク、”アバターワーク”であれば働ける人はずっと増えるのではないかという提案、それが私と番田とで語っていた分身ロボットカフェ構想です。

「様々な理由で外出困難な仲間達と一緒に働けるカフェを作ろう」と言っていた親友はそのOriHime-Dの完成を見る事なく、28歳で旅立ってしまいましたが、私たちの理念に賛同していただいた日本財団さん、ANAホールディングスさん、そしてクラウドファンディングで支援してくださった230名の支援者の方々と共に、私と番田の念願ともいえる第一回「分身ロボットカフェ」実験を行うことが出来ました。


昨年のカフェの結果と、これから

 120cmのOriHime-Dも直前に出来たばかり、操作をするパイロットも人生初めての接客の人もいて、ある意味挑戦的な公開実験となりました。実際のところ、OriHime-Dは故障して腕が動かなくなってしまう、ロボット同士の衝突、コップをこぼしてしまう、ネットワークトラブルなど本番中にも失敗は多くありました。

 しかし、操作するパイロットからも、お客さんとしてこられた方々からも”とても良かった”との声が多く、来場された9割以上の方がアンケートにご協力くださり、OriHimeでの就労に役立つ多くのデータを取る事ができ、短期間で多くの課題の発見を重ねる事ができ、この働き方が生身の身体を運べない人にとっても新たな可能性になる事を示す事ができました。

 こうした実験から得られるものは多くあります。カフェ後の改良の例として、パイロットの中にはこれから病気が進行し、声を失ってしまう可能性が高いALSの患者さんもいました。その人がこれからもカフェで”自分の声”を一生使い続けられるよう、声を合成音声にして残し、使い続けられるようにするプロジェクトも開始、今年7月30日にサービス開始する事ができました。
 当カフェでもこの技術を使い、ALSの患者が視線だけでOriHimeを操り、合成音声の「自分の声」を使って接客を行う実験も行う予定です。

私たちは寝たきりの仲間達と共に働けるカフェは作れると確信しています。
しかし、実際にカフェを常設化するにはまだまだ実験が必要です。
研究室を離れ、実際のお客さん達を交えての実験では大量の失敗を浴びる事になります。しかし、私たちは失敗が経験値であり、リスクをとらない慎重な歩みよりも、まずはやってみて大量の失敗、着実な改良の連続こそが速度を上げる道である事を知っています。

まだ知らない失敗を見に行くため、今回も一度経験した前回と同じ内容ではなく、更に新たなチャレンジも準備しています。

未来を創る私たちの研究、挑戦に、是非ご参加ください。


SFを現実へ


前回、私たちはただの福祉のイベントにせず、”何も知らずに来ても楽しいカフェ”をコンセプトとし、近未来の都市を描いたロボットと人間のアニメ「イヴの時間」とコラボし、SFを現実へと変える挑戦として発信してきました。

今回も、私たちのプロジェクトを応援してくださる、VISIONパートナーが決定しました。

コラボしてくれる仲間はこちらです。


「宇宙兄弟 ALSプロジェクト せりか基金」さんとのコラボレーション決定!

「宇宙飛行士になる」という少年時代からの夢を追いかけて切磋琢磨(せっさたくま)する兄・南波六太(ムッタ)と弟・日々人(ヒビト)の姿を描き、2011年には、第56回小学館漫画賞(一般向け部門)および、第35回講談社漫画賞(一般部門)をダブル受賞。2019年3月現在で(既刊35巻)累計2000万部を超える大ヒット作。

作中の登場人物であるせりかは父を難病ALS(筋萎縮性側索硬化症 )で喪い、ALS研究者として宇宙で実験することを決意した女性。念願の宇宙飛行士になったのち、尊敬していた天文学者、シャロンに出会う。シャロンもせりかの父と同じ、ALSという診断が下されていた。彼女の明るく振舞う様子にせりかは胸を打たれ、ALSの薬を生み出す使命感を新たにする。その後せりかはさまざまな困難を乗り越え、ついに27巻で宇宙での実験を成功させる。

このSF作品『宇宙兄弟』、そしてその世界を現実にすべく設立された『せりか基金』とコラボレーションし、障害者だけでなく、人類全体にとって大きな一歩を踏み出すイベントを目指していきます。

宇宙兄弟:https://koyamachuya.com/
せりか基金:https://landing-page.koyamachuya.com/serikafund/


プロジェクトの開催日時・会場

今回、会場は三菱地所様の協賛により大手町1-1-2、東京駅徒歩圏内であり、皇居の隣である「3×3 Lab Future」での開催が決定!

3×3 Lab Future(さんさんらぼ フューチャー: http://www.33lab-future.jp/
上記地図の①サロン内 特設スペース「分身ロボットカフェDAWN ver.β2.0」
東京都千代田区大手町1-1-2 大手門タワー・JXビル1F


カフェの開催は、2019年10月7日(月)~23日(水)のうちの12日間!
(9、12、16、19、20はメンテナンスと改良の為、休店)
通常のカフェではなく、1時間でお客さんが総入れ替えするイベント形式です。
クラウドファンディングで余った時間は当日券として朝10時から会場で先着順で販売されます。

11時~14時、15時~17時まで開店。
以下の表がカフェの営業時間です。各1時間の枠を指定して、チケットをご予約ください。
(なお、希望が集中する場合、ご希望の日時が選ばれない事がございます。ご了承ください)

※10月7日はオープニング記者会見が午前にあるため席が少なく、クラウドファンディングで初日入場チケットを購入した方のみとなります


9月12日追記、
 クラウドファンディングの支援により、座席数と営業時間が拡張されました!
 入場チケット付きリターンが追加されました。以下の空き状況を見て、チケットをご予約ください。

(空き状況は9月12日時点)
1時間 6テーブルしかない都合で、席に限りがございます。
×は、ご予約で埋まってしまった時間
△は、わずかしか席がない時間
〇は、まだ余裕のある時間
◎は、新たに追加された時間 チケット予約時に選択いただけます。
★は、新たに追加され、吉藤による解説が聞ける特殊デーとなります。



応援コメント



リターンについて
※9月12日にリターンが追加されました。追加リターンの内容につきましては、リターンの選択メニューをご覧ください!

※特製グッズの発送は11月になります。
※クラウドファンディングの性質上、キャンセルされた場合の返金などは行っておりませんので、ご了承ください。日程変更で対応させていただきます。



リンク:
分身ロボットカフェDAWN ver.2.0 特設ページ
 

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