はじめに・ご挨拶

わたしたちは、東京都足立区千住地域の方々とともに、それぞれの趣味や関心事の知識を教え合う、市民大学のチームとして発足した「千住ヤッチャイ大学」です。専門的な知識をもった人を講師として迎える活動の他に、誰もが先生になれる場を作ることもコンセプトとし、地域の人も混ざってお互いの知識や経験をシェアし、「教える」と「教わる」を自由に行き来する活動を行なってきました。 

メンバーの多くは一般の社会人です。 

千住地域で開催されたさまざまな「音」「音楽」「まち」にまつわるアートイベントに集い、出会ったメンバーたちが、やがて世界的にも先鋭的な音楽家・足立智美氏とともに、まちの人を巻き込んでコンサートを開催するようになりました。


足立智美 新作作品「ぬぃ」

「ぬぃ」は、足立区千住エリアに点在する古民家、カフェ、アートスペースの3箇所で同時に演奏され、来場者は足立智美とともにそれらの拠点を移動し、まずは各拠点での演奏を聴きます。最後にはその中心点に立ち、奏でられる音楽を聴く作品です。

 各会場での、既存の形式にならったコンサートと、中心点でそれらが統合されて初めて成立する音楽ーそれが全く聞こえないとしてもー、事前に聞いた各拠点・各パートの音楽を成立せしめる中心点に立つ、サイトスペシフィックなアート作品の両面を有する作品です。 

また、精緻に各拠点の演奏時刻を設定する事で、各拠点の演奏者は同時に演奏しつつ、その音を共有できません。各拠点を平等に、そして同時にそれらを共有することができるのは、3拠点を個別に聞きつつ、同時演奏時に中心点にいる人物のみとも考えられ、一方で、すなわち、人間の耳の聴取可能な範囲では再現不可能な想像の音楽が、その千住を舞台にした大きな大三角形の内側および外部に展開されていることとなります。



「ぬぃ」の実現に向けて

働きながら音楽活動を続ける、音楽がある環境を求め続けるメンバーが多い千住ヤッチャイ大学が、世界的に活躍する足立智美のコンサートをプロデュースします。足立智美の描く音楽を実現し、その芸術性を多くの人に届けたい。そのことを、足立区千住のまちなかで行うことも重要なポイントです。

人の生活の近くに音楽が、芸術があること。

足立区千住地域を舞台に、公募で集まった音楽家たちと共に ”音楽のために作られたのではない、大きな空間を使った音楽パフォーマンス” として、2011年から連続して演奏されてきた足立智美の連作。

 ”音楽家のための音楽でもなく、本当に誰でもできる音楽” であること。それは、必ずしも多くの聴衆が望む既存の音楽ではないが、多様な生活、バックグラウンドを持つ人達が一時的に集まり、ある交換作業たる”音楽”をおこない、また別れていくということ。(足立智美による)


プロジェクトをやろうと思った理由

足立智美氏が10年という長いスパンをかけて挑む《ぬ》シリーズの4作目に向けて。

 音楽家・足立智美さんの活動は多岐に渡り、先ごろ受賞したアルスエレクトロニカ2018でのAIとの音楽が注目を浴びておりますが、氏の原点とも言えるひとつに「公募による非音楽家のための音楽」があります。

足立智美さんは世界中のあらゆる場所で、音楽家として、音響詩家として活躍しておりますが、現在世界中のどこにおいても、継続的に地域住民と共演を果たせているのはこの東京都足立区北千住における《ぬ》シリーズの公演だけであります。 氏のインスピレーションの源の一端となるとともに、世界の最先端の音の世界、創造のほとばしる瞬間に、地域のみなさんと時を共にし、この場を実現できること、たくさんの方に支えられご覧いただけることに毎回胸を踊らせ、脳を震わせています。

 今回のリターンを機に、足立さんの新たな視覚詩や新作の指示書も多数産み出され、この支援がすでに足立さんの新たな作品を世に届ける契機となることにも、スタッフとしてうれしく思っております。

 皆様からの応援をお待ちしております。

(千住ヤッチャイ大学 代表 椎名有紀子)


これまでの活動

これまで、地域でスペース運営、子供向けワークショップの企画運営や音楽関連の講座企画、トークイベントなど数多く行なってきました。その活動の歴史の中でも、この「足立智美コンサート」は大きな柱として続けてきた活動です。

世界的に活躍する音楽家・足立智美が2011年に千住・足立市場で行なった「ぬぉ」(アートアクセスあだち・音まち千住の縁)からの連作を、千住ヤッチャイ大学のプロデュースで2016年「ぬぇ」、2018年「ぬぅ/ぐぃ」と開催。その4作目にあたる新作「ぬぃ」。

2016年「ぬぇ」は、北千住にある古民家「たこテラス」にて、足立智美と18人の演奏者が360分ノンストップの音楽を奏でるという音楽実験。「ぬぅ/ぐぃ」は、同じく千住の元銭湯という「BUoY」にて、コントラバスの20台という破格の編成による新作を上演しました。圧巻のパフォーマンスと地下に鳴り響く重低音に、多くの来場者が圧倒されました。

2016年 足立智美コンサート「ぬぇ」

2018年 足立智美コンサート「ぬぅ」

2018年 即興セッション「ぐぃ」

資金の用途

いただいた資金はアーティストに対するフィー、制作費、アーカイブのための費用などに充てられます。


リターンについて

3,000円以上のご支援には、当日「ぬぃ」公演の鑑賞チケットがつきます。

当日来られなくても応援のお気持ちをお寄せいただける方もぜひご参加いただけると幸いです。

また、本プロジェクトでは、これまでなかった足立智美のオリジナルグッズとなる

▶︎視覚詩(ビジュアルポエム)ポスター

▶︎新作書き下ろし指示書のデザインTシャツ

▶︎特製ステッカー

がリターンとして用意されています。

本プロジェクト限定生産とりますので、この機会にぜひ手に入れてください!

実施スケジュール

日 程:2019年11月10日(日)

時 間:14時〜17時 予定

会 場:東京都足立区千住地域、詳細は随時更新予定

入場料:前売 1,000円(要予約)※3,000円以上のリターンに含まれます

定 員:40名 予定


昨年の冬より足立智美とともに、今回の新作のための会場下見やコンセプトの話し合いなどを進めています。これから演奏者の募集を始め、足立智美の作曲、完成とともに当日に臨みます。

※内容は告知なく変更になる場合がございます。ご了承ください。


最後に

本作品初演にあたり、足立智美からのメッセージです。

ぬぃ -想像の音楽 

千住を拠点に2011年の足立市場での《ぬぉ》、2016年のタコテラスでの《ぬぇ》、2018年のBUoY《ぬぅ》に引き続いて、《ぬぃ》の上演。今回は恒例の公募による演奏家によって千住の各々数百メートル離れた3つの会場で、3つのパートを同時に演奏します。観客はどれかひとつのパートか、もしくは3会場の中間地点で耳をものすごくそばだてて、そしておそらくは心の耳で音楽をきくことになります。 本演奏に先立って、観客は3会場をめぐり各パートを順番にきいていきます。したがって記憶から音楽を想像するのも可。音楽を聴くとはどういうことか、想像力の限界に挑みます。 

そして、《ぬぉ》から10年後2021年の《ぬぁ》に向けて。(足立智美)


※本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


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