落とし物専門写真集『堕(ぉ)トサレ』出版プロジェクト

このプロジェクトは、著者が12年撮りためてきた元データ約35,000カットから厳選した落とし物専門の写真集をつくりたいというものです。

 以下はサンプルで、手製のショートバージョンをスキャンしたので画質が粗いですが、スライドショーにしてみました。

このプロジェクトで実現したいこと

 シンプルに本の印刷出版が目的です。各種リターンも印刷出版につなげるためにご用意しております。

どんな落とし物が写っているの?

 みなさんが街を歩いていると落ちているような物は大抵撮っています。枚挙すると、イヤリング・ピアス・指輪・ネックレス・ブレスレット・髪留め・手袋・靴・靴下・付爪・化粧品・キーホルダー・ストラップ・チャーム・ぬいぐるみ・御守り・文房具などなど、落とされた物ならまずはカメラに収めてきました。これらは、落とされた衝撃や気付かず踏まれたり何だりで、どこかしら破損しています。もうカケラになって、元が何だったか判りかねる物もあります。それでも、光の加減はじめ、何かしらの美をそこに見出せるなら、シャッターを押してきた次第です。どんなものを撮っているかの一端はInstagramをご覧ください。写真集の枕では、落花や落葉のような自然の落下物も用いるつもりです。また、twitterでは、選外となるであろう写真も含めて投稿しております。あわせてご覧ください。

プロジェクトをやろうと思った理由

 街の落とし物は、すぐになくなってしまいます。もしくはどんどん壊れていきます。拾われて交番に届けられることもあれば、清掃され捨てられることも、蹴られて側溝に落ちることも、踏まれて砕け散ることもあります。写真に撮っておかなければ二度と見ることはできないという意味では、落とし物はすぐれて写真的な対象であると言えるでしょう。そして、元はバラバラなこれらの落とし物たちを、一つに纏めることができるのは、写真集だけだと考えます。写真集にしなければついぞ見られない光景を見てみたいですし、ご覧に入れることができれば幸いと存じます。

それにしても、タイトルが変わってない?

 変わっていますが、このシリーズを自覚的に撮り始めてから著者のなかでこの名前だったので、拭いがたいものがありました。
 「産み落とされ」の「オトサレ」です。なぜ漢字が「堕」に変わっているかというと、著者のなかで産み落とすときの「落」は「堕」だと思い込んでいたからです。なぜ「産み落とされ」かというと、落とし物はどこかで生産され、一度は誰かに選ばれて、身につけられていたその時、不意にその場所に落とされてしまったことだろうと思われるからです。その偶然と、われわれ人間が、いつどこに産み落とされたかは偶然であることをかけています。本当はいつかどこかで命を落とすことまで巻き込めるのですが、人の死の寓意はこのタイトルのなかに含めていません。
 この写真集のテーマは「(産み)落とされて生まれる何か」です。即物的には、落とし物が落とされて写真が撮られ、イメージが生成し、写真集が生まれようとしています。でもそこから、つまりこの写真集から、もう少し大きなこと、たとえば生命について考えていきたいというのが、大望です。読者の皆様もご一緒に考えて参りましょう、などと言えるほど大それたものになるとはまだ思えませんが、読者の皆様それぞれに感じ入る何かがたとえ一つでもある写真集に、なってくれれば著者として望外の喜びです。

落とし物に「生」を見てとるって、どういうこと?

 その答えは、著者がなぜ落とし物にしか興味がないのかに潜んでいると思われます。現役で身につけられている物を撮ろうとはまったく思わないのです。おそらく、落とし物には「不在の歌」があるのだと思います。持ち主の身につけられているときには重なっていて見えないけれども、持ち主と離れたときにはじめて現れる不在。そこに生命の余韻を見てとっているのだと思います。その韻は純粋生命のようなものなのでしょう。ですから、生命を考えるときに、落とし物の写真集を契機とすることは、きっとできると信じています。

もしかして、むずかしい本なんじゃないの?

 そこは写真集なのでご安心ください。全体的に、InstagramやYouTubeの感じになります。さくさく見られるかんたんな本です。

落とし物写真に価値はないんじゃないの?

 たしかにそれは読者の方が見いだすものであり、著者から押し売りするものではありません。著者の方でおさえることができるのは、国内外の動向ぐらいのものです。大きな流れで言うと、ストリートスナップに入ると思われます。コンセプチュアル・アートなど現代美術の一部にもストリートの要素は流入してきており、アートと無関係ではないとも考えます。それについては、ホームページの落とし物写真史と題されたコラムや、twitterをご参照いただけると、著者が把握している範囲の潮流についてはお見知りおきいただけるのではないかと存じます。

編集の進捗状況

 著者が12年来撮りためてきた写真を落とし物以外と落とし物に①選別し、落とし物写真だけを抽出したカット数が35,000超です。それを品目ごとに②分類し、ピンぼけを外したり、なるべく一点につき1カットとなるよう③一次選定した数は約8,000です。そこから写真集にするにあたって対面のページの組み合わせも決めた④カップリングや、一点につき最終的な1カットを決定する⑤最終選定の段階まで進んできています。あとは集まった金額次第でページ数が決定しますので、それに合わせて構成するのみの状態です。ただ、細部のつくりこみは丁寧に行わなければならないので、念のため完了まであと数カ月を見込んでいます。

どんな本になるの?

 印刷会社との相談にはなりますが、希望サイズは148mm×148mmです。はがきの縦辺と同じ長さなので、小さめのバッグにも入れられると思います。正方形にすればタテの写真もヨコの写真も等しく枠いっぱいに収められるので、小さい割にしっかり写真をご覧いただけると思います。紙質はファッション雑誌のような感じが数百ページでいいと思っています。その方が落とし物の小ささや儚さに本としてもマッチしてくれると想像します。多少厚めな割に軽めの本が理想です。

資金の使い道

 現実的には、CAMPFIREの手数料+税金が差し引かれたのち、他のリターンの作成料と郵送代金を引いた残額全てを印刷代に投入します。現状では自費出版を予定しています。そのため、写真集のページ数は集まった金額に左右されますことをあらかじめご了承ください。ちなみに、計算上、現状では150ページ前後の予定ですが、もしも目標より多く集まった場合はその分だけページ数が増えます。

リターンについて

 リターンについては、出版が目的なので本来写真集だけで展開したいところでしたが、写真集以外のリターンもご用意しております。すべてのリターンは強い責任をもって必ず届けます。とはいえ、全体の目標金額に達しない場合、プロジェクト自体が立ち消えになってしまいます。ここはなにとぞ、おひとかたで複数のリターンを申し込むなど、多数のお申し込みを切にお待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。

実施スケジュール

 リターンに関わる主な日程について申し上げます。

2019年12月 写真集編集
2020年1月 ポストカード・しおり・切手の発注 (写真集編集)
2020年2月 ポストカード・しおり・切手お届け (写真集編集)
2020年3月 写真集校正
2020年4月 写真集印刷
2020年5月 写真集お届け (随時撮影地のご案内開始)
2020年6月 KG版プリントご希望伺い、ならびに展示試作品ご希望伺い
2020年7月 KG版プリントお届け
2020年9月 展示試作品お届け
2020年11月 展示作品ご希望伺い
2020年12月 展示作品お届け

 お届けに関してご連絡の必要が生じた場合のため、各リターンではメールアドレスを必須としております。もしもの場合に備え、ご連絡がとれればどのメールでも結構です。お手数ですがよろしくお願いします。

最後に

 この本はこのクラウドファンディングでしか手に入らない可能性があります。現状では、もし設定金額より少し多く集まったとしてもページ数増が優先されますので、流通に必要な部数までは金額を割けない公算が強いです。この写真集『堕トサレ』を手に入れたいという方は是非本クラウドファンディングへのご支援をよろしくお願いします。

 ※本プロジェクトはAll-or-Nothing方式で実施します。目標金額に満たない場合、計画の実行及びリターンのお届けはございません。

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