盛岡市肴町(旧町名:十三日町)のおよそ築90年の解体寸前だった古民家を再生し、カフェやバル、雑貨店、シェアオフィスなどが入る複合商業施設を5月13日にオープンします。旧町名から「十三日(トミカ)」と名付けたこの建物は、クリエイティブな繋がりを育む場として盛岡をもっと魅力的なまちに変えていきます。

プロジェクト本文

●盛岡との出会いと「盛岡さんぽ」

神戸出身で大学から東京で生活していた私は、主人の転勤である時突然、岩手県盛岡市に住むことになりました。雪国そして地方都市に暮らすのも初めて。とにかく不安でしたが、長靴と厚手のダウンコートを纏って真冬の盛岡に引っ越しました。

しかし盛岡は想像もつかないほど美しく豊かで、体験したことがないほど暮らしやすく楽しいまちだったのです。
都市部でも美しい自然と融合するような、絵に描いたような丁寧な食事のレストラン、そして関西出身の私にはない細かい気遣いと優しさを持つ人たち。
そして何より、盛岡というまちを愛している住人がとても多いのが印象的でした。

私の本職はWebディレクター・デザイナーです。
この盛岡の素晴らしさを知らない人にも伝えたいという思いから、「盛岡さんぽ」というWebサイトを作り、また1年後に書籍にしました。


盛岡さんぽ

▲書籍化された「盛岡さんぽ」本。自費出版ながら5,000冊を完売した。

●盛岡に足りないものはなんだろう

再び主人の転勤で東京に帰ることになりましたが、盛岡が名残惜しくて、岩手の仕事を続けるためのweb制作会社を作り、盛岡にも事務所を置いて2拠点生活が始まりました。

盛岡を離れて、改めて外から見てみると盛岡には足りないものがあると感じました。
岩手には素晴らしい商品やサービスがあっても、それを表現できるデザインや情報発信に悩んでいる企業が多いのに対し、それを解決できるデザイナーの情報が少ない、またはマッチングできる場所が少ないということ。
また、クリエイターも盛岡には仕事がないと思って、県外に出たまま、帰ってきづらい環境にあります。

クリエイターが集まる場所があれば、クリエイター同士でプロジェクトごとのチームを作ることもできるし、そんな場所があるとわかれば、デザインや情報発信に悩んでいるお客さんも相談しやすくなるのではないか。
ひととまちが出会う場所があれば、盛岡はもっと魅力的なまちになるのではないか。

そんなことをぼんやりと考えていました。

●シェアオフィスをつくろうと決めた

東京でリノベーションまちづくりに関わる人たちと仕事をする機会があり、使われていなかった旧い建物がリノベーションで素敵に生まれ変わる様を目にしました。

盛岡は戦時中に大きな被害がなかったので、あちこちに魅力的な旧い建物が残っています。
それをリノベーションしたら、シェアオフィスとして活用できるのではないかと考えました。

クリエイターだけでなく、たくさんのひとが集うところにしたいから、カフェや雑貨店なども入ってほしい。
その場所を訪ねたら、そのまちの周辺のたくさんの魅力ある場所を教えてもらえる、そうすることでそのまちがもっと魅力的に思えてきます。

そのためにある行動を起こしました。

●「盛岡さんぽ会議」という試み

問題は私が東京に住んでいること。

そこで私が盛岡で知り合った一緒に仕事をしたいと思うクリエイティブディレクター、不動産コンサルタント、インテリアコーディネーター、店舗設計の4人に声をかけて、「モリノバ」という活動グループを作りました。

まず、普段はまったく気にしない自分の住む「まち」について考えることを切っ掛けにしてほしいと、「盛岡さんぽ会議」というイベントを開いて、どんな「まち」なら暮らしたくなるか、どんな「まち」なら訪れたいと思うかを討論していきました。



▲「盛岡さんぽ会議」は様々なゲストを迎え、1年間で6回開催。多くの市民が参加。
盛岡さんぽ会議 Facebookページ

●「十三日(トミカ)」との出会い

その後、盛岡を盛り上げるリノベーションまちづくりを行う会社として、株式会社「モリノバ」を起業しました。

そして、シェアオフィスやたくさんのお店の入った複合施設の候補地を探していましたが、様々な問題に直面して難航していました。
そのタイミングで私たちが出会った物件は、盛岡市の中心部から少し外れた場所にある昭和初期に建てられた木造の古民家でした。
岩手県味噌醤油工業協同組合の事務所として使われてきたこの建物は老朽化が進み、壊して駐車場にする話が進んでいました。

偶然、「盛岡さんぽ会議」に参加した味噌醤油組合の理事がリノベーションに興味を持ち、取り壊しが決まる前に建物を見学させていただきました。

表からは見えない敷地の内部は、3つの大きな棟が屋根で結ばれており、そこの中心には大きな屋根付きガレージもあり、とてもポテンシャルの高い建物でした。
昭和初期に建てられた建物なので、建具や窓ガラスなども当時のまま残されていて、私たちは一目でその場所を気に入りました。

盛岡の旧町名で十三日町と呼ばれ、その昔に13日に市の立った場所あることから「十三日」と名付けました。




▲現在の建物にはない趣きのある建具や路地のようなつくりが魅力


▲当初計画したリノベーションプラン(画像はイメージです)

●「十三日」お披露目市の開催。テナントが次々決まる!

その後、様々な調査を行い、昨年9月には「十三日お披露目市」と称して、模擬店を集めたマルシェイベントを行い出店希望者を募り始めました。

「十三日お披露目市」は二日間で500人ほどの人を集め、多くのメディアにも取り上げられ、最初はリノベーションに懐疑的だった大家さんもその反響に驚いていました。




▲リノベ前の建物でテストマーケティングとしてマルシェイベントを開催


ご近所の方もたくさん訪れて、おばあさんには十三日町のことを昔は「トミカ」という愛称で呼んでいたことも教えていただきました。
私たちが「十三日」を「トミカ」と読むことにしたのは、これがきっかけです。

入居テナントには、盛岡市内でも人気の焼き菓子店「エピスリーシトロン」が新たにお惣菜や生活雑貨も扱うカフェをオープン。
他に県産牛を南部鉄器で美味しくいただけるステーキ&グリル「MARU3」などの入居が決定しました。


▲入居予定テナントの「エピスリーシトロン」の皆さん


また、大家の岩手県味噌醤油工業協同組合のアンテナショップとして、岩手県の味噌や醤油が揃うコーナーも作ります。

そして、母屋の2階には、クリエイターが集まり仕事を生み出す場としてシェアオフィス「BUNBO」を開設、念願だったクリエイティブな繋がりを育む場所をつくることが出来そうです。




▲シェアオフィス「 BUNBO」の説明会を兼ねて、ペンキ塗りのワークショップを行った

 

●クラウドファンディングに挑戦!

はじめは小さくてもいい、補助金に頼らず、なるべくお金をかけず、まずは共感してくれる方たちを集い、しなやかに継続できる場所をつくろうと決心したのですが、実際には旧い建物を複合施設として使えるようにするには、想像以上のお金が必要でした。

給排水工事、トイレ工事、電気工事、建物の補修など、経営計画の中でこれくらいで間に合わせたいと思っていた予算は基礎工事で消えてしまいました。
建物を大きくいじるつもりはありませんが、共有部の改装や看板サイン、シェアオフィスの造作工事や家具など、おおよそ200万円は不足しています。

まずは、地元のひとに理解と協力を得るために、盛岡のジャズ BARをお借りして、1日スナックを開きます。
私がチーママになり、地元の方に事業の説明を行い、このクラウドファンディングに繋げる仕組みです。

このスナックファンディングは東京でも、3月末に行う予定です。


▲モリノバのメンバー自らがプロジェクトを説明し協力を求めるスナックイベント

今回のクラウドファンディングでは、看板サイン、共有部ドア、ガレージの日よけ、シェアオフィスの設備(エアコン、テーブル)、トイレの洋式化工事などの費用およそ200万円のうち、100万円の資金を募ります。
このプロジェクトの想いを実現させるためのご支援ご協力をいただけないでしょうか。

今回、モリノバメンバーのスキルを活かしたサポートや
入居店舗による盛岡でしか買えない商品をリターンにご用意しました。
皆様のご支援と情報のシェアをよろしくお願い致します。

●十三日(トミカ)概要

●所在地 〒020-0878 岩手県盛岡市肴町10番10号
●交通 岩手県交通「栃内病院前」バス停 徒歩3分
●構造規模 木造2階建
●1Fテナント/Epicerie Citron(カフェ)、ステーキ&グリルMARU(肉バル)他
●2Fシェアオフィス/BUNBO

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