あしなが学生募金事務局は、毎年春と秋に全国の街頭で「あしなが学生募金」を開催しております。今年の春で第100回あしなが学生募金を迎える予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により、その歴史上で初めて街頭募金が中止となりました。あしなが学生募金では、毎年約2億5000万ものご寄付をいただきますが、その全額が一般財団法人あしなが育英会に寄付され、日本とアフリカの遺児のための奨学金となっています。街頭募金の中止により、日本やアフリカ遺児達への奨学金や高等教育支援金が滞る可能性があります。


街頭募金中止による影響はそれだけではありません。あしなが学生募金では、ご寄付を募るだけでなく、遺児の現状や生の声を街頭で訴え、遺児が直面する社会課題の実態を世間に伝えていくことも大きな使命としています。今回、その機会を失ってしまったことはとても残念です。

このプロジェクトを通して、街頭でお伝えするはずだった内容を「プロジェクトオーナーの想い」として掲載しているのでぜひご覧ください。

あしなが学生募金中止の記者発表(2月26日・東京都千代田区にて)
 


〇社会課題

あしなが育英会の調査によると、遺児家庭の平均月収は14万6,380円(*1)となっており、生活保護受給率は12.8%(*2)に及びます。奨学金なしでは大学・専門学校の学費を捻出できる水準には到底達していません。


(*1)2018年奨学生家庭の生活と教育にかんする実態調査
(主査・副田 義也=筑波大学名誉教授・社会学)

(*2)生活保護の被保護者調査(平成30年7月分概数厚生労働省)


そのため多くの遺児学生たちは、学費を奨学金で、生活費をアルバイト代で賄っています。

しかし、学生のアルバイトはそのほとんどが接客業です。昨今の情勢のなかでアルバイトのシフトが日に日に削られ、思うように生活費を稼ぐことができなくなっています。

さらに、街頭募金の中止により奨学金の資金源確保にすら暗雲が立ち込めており、遺児学生とそのご家庭の多くが、並々ならぬ不安感を抱えながら日々を過ごしている状況です。


キャンペーンでいただいたご寄付は全額、一般財団法人あしなが育英会への寄付となり、あしなが育英会が支援する遺児学生(日本・アフリカ)のための奨学金として使われます。

※今回の取り組みはAshinaga Global 100 Challengeの一環であり、一般財団法人あしなが育英会と連携して取り組んでおります。

<All-in方式で実施します。>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。



はじめまして。あしなが学生募金事務局局長の岡本蓮(おかもとれん)と申します。

私は、遺児学生の奨学金のための募金活動に参加して3年目になります。私は、この活動を通して遺児たちの苦しい状況を目の当たりにしました。

皆さんは、遺児の“声なき声”を聴いたことがありますか?

「進学したくても進学することができない」「自分の夢を諦めざるを得ない」そのような子どもたちがたくさんいることをご存知でしょうか。

「学びたいことがある」「夢がある」と強く望みながらも、家計に気を遣い、自らの内なる声を押し殺してしまう。声を上げたくても家族のことを考えるとそんなことをはとても言えない。そんな状況が長く続いています。

私たちはそのような“声なき声”に耳を傾け、困っている遺児たちのために何かできることはないかと想い、活動を続けています。

私があしなが学生募金事務局の代表として、伝えたいこと・伝えなければならないことがあります。それは、「遺児を取り巻く現状を変えたい」ということです。

現代の多くの子どもたちにとって、高校進学や大学進学が当たり前になりつつあるこの豊かな社会で、ほかの人よりも少し早く親を亡くしてしまったから、親が障がいを負ってしまったから、生まれた国が貧しかったから、といった理由で子どもたちの未来(進学をすること)が閉ざされてしまう。そんなことがあってよいのでしょうか。

今回のコロナウイルスの影響により、50年続いてきた街頭募金の中止を決定したことは、代表として中止は苦渋の決断でした。支援を必要としている人やこれから支援が必要になるかもしれない人たちに手をさしのべられない可能性があるからです。

しかし、一人でも多くの遺児たちの可能性を広げるためにあしなが学生募金事務局はそのあゆみを止めることはありません。遺児や障がい者家庭の子どもたちが一人でも支援を必要としている限り、私たちにできることを実現します。

新たなご寄付を募る形として、このプロジェクトを立ち上げました。 声を上げられない子どもたちの存在は普段の生活のなかでは見つけづらいものです。しかし、「貧困」はとても身近に存在しています。困っている子どもたちのためにどうか力を貸してはいただけないでしょうか。

みなさんの応援が遺児たちの大きな希望となります。遺児たちに教育の機会を届けていくため、一層のご支援ご協力よろしくお願いします。


この活動に参加している多くの学生は、親を亡くしたり、親に障がいがある家庭の子どもたちです。

私も、小学校4年生の頃に父を亡くした遺児の一人です。

父を亡くした私は悲しみと深い苦しみに心を閉ざされていました。そんな自分を変えてくれたのがあしながとの出会いでした。この奨学金と出会い、学ぶことの大切さを知りました。


私は進学の夢を果たすことができましたが、依然として無数の遺児や障がい者家庭の子どもたちがその夢を諦めようとしています。私たち自身、多くの方々からのご支援で進学や教育の機会を受けることができました。その感謝を胸に、親を亡くした悲しみや苦しみを知っているからこそ、遺児の現状や想いを社会に届け続けていきたいと思っています。そして、自分だけでなく同じような遺児たちにも進学の夢を掴んでほしいと思います。

遺児たちが今後とも教育や自分の夢を追うチャンスをつかめるように。

「大好きだったお父さんやお母さん」がその夢を諦める理由にならないように。

遺児の声なき声に耳を傾けてください。みなさんからのあたたかいご支援を心よりお待ちしております。


50年の歴史を持つ遺児支援のための募金運動団体で、学生だけで運営されています。毎年春と秋の4日間、全国約200か所で実施している街頭募金活動では、毎回のべ1万人のボランティアスタッフの参加があり、年間約2億5千万円の寄付を募っています。募金はすべて一般財団法人あしなが育英会へ寄付し、あしなが育英会の奨学金事業(国内奨学生事業・AAI事業)のために使われています。 

ウェブサイトはこちら:https://www.ashinaga-gakuseibokin.org/

病気や災害、自死(自殺)などで親を亡くした学生や、親に障がいがあり働けない家庭の学生たちを支援している非営利の財団法人です。国などからの補助金・助成金は受けず、全事業を寄付によって運営しています。半世紀による及ぶあしなが運動により、これまでに11万人以上の遺児たちが高校・大学への進学を果たしてきました。 現在、日本国内では約6,500名(高校・短大・専門学校・大学・大学院)、サブサハラ・アフリカ教育支援事業では世界各地あわせて約120名の奨学生に奨学金支援(貸与・給付)と心のケア、リーダーシップ育成プログラムを提供しています。

ウェブサイトはこちら:https://www.ashinaga.org/

『すべての遺児に教育の機会と心のケアを』というスローガンのもと、世界中から私たちの活動に賛同・支援してくれる100名のファンドレイザーを募集し、2021年3月までのキャンペーン期間中に100億円の寄付を達成することを目指す、グローバル・ファンドレイジング・キャンペーンです。このキャンペーンのもと、日本だけでなく海外でも、大小さまざまなキャンペーンを実施していきます!個人でもグループでもご参加いただけます。

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