高野山への参詣道、天空の宿場町を復活させたい。
こんにちは。私は和歌山県高野町富貴に暮らす関根と申します。
私は東京でグラフィックデザインなどの仕事を手掛けていましたが、東日本大震災をきっかけに関西に移住しました。
古民家を再生したカフェの運営などを行ってまいりましたが、縁あって高野山への参詣道の古い宿場町の古民家と出会い、歴史ある宿場町で新しいチャレンジをしたいと考えるようになりました。
どこか懐かしい町並みと、霊山高野山の独特な空気感。
高野山への参詣や、和歌山―奈良―熊野へと続く古の参詣道の魅力をもっと知りたい、そしてもっとたくさんの方に知ってもらいたい…と、旅の起点となりえる、「旅人の宿」としてのゲストハウスプロジェクトをはじめています。
続風土記にも記された天空の宿場町
和歌山県と奈良県の県境近く、標高600mの天空の集落「富貴」は、京都や奈良などから高野山へ、そして熊野へとつながる参詣道の要として栄えました。昔は十数軒の宿場や芝居小屋、食堂などで賑わったと伝えられています。「続風土記」にも、東富貴村は高242石余、家数59・人数344。西富貴村は高233余、家数50・人数293と記載されているほど歴史のある町。また同じ続風土記には土地は平坦だが高地で北を向いていて、寒風烈しく陽気薄くて諸物出来がたく、余業とするものなき故に薬草を植えて生産の助けとしているとあります。そう、今でも薬草「当帰(トウキ)」の産地として伝えられている秘境の里なのです。
空海も歩いた幻の参詣道
大阪・京都・奈良から高野山に至る参詣道は4ルートあるのですが、高速道路の開通や交通状況の改善によって今では「かつらぎルート」「九度山ルート」「橋本ルート」が主要な参詣道となっています。
富貴を通る「富貴ルート」は、今では忘れ去られた幻の参詣道となっていますが、その歴史は古く、昔はたくさんの参詣者が往来した道です。高野山を開山した空海もこの富貴ルートを通り高野山に至ったと伝えられています。
高野山と熊野をつなぐ交通の拠点として
10年後には灯りが消えてしましそうな限界集落となった富貴。
高野山まで車で40分ほど。自動車専用道路「京奈和自動車道」までも車で30分。関空までは90分と実は観光の拠点としては理想的な「秘境」田舎なのです。
高地にあってポカンと広がる盆地からは満天の星空。
手つかずの自然には群舞するホタル。春にはイッキに咲き誇る花々。 そして、車で5分ほどには奈良県の秘湯「西吉野桜温泉」。
奈良県の秘湯と和歌山県の秘境は隣だったりするのです。
大正、昭和と改装を重ねた民家ゲストハウスプロジェクト
古の宿場町富貴も、今では宿泊施設がなくなり高野山の玄関口としての役割を果たすことができません。ゲストハウスへのリノベーションを進める古民家は、大正時代に建築された家。昭和に入り改装が施され、10年前までは家として使われていた家です。
過疎高齢化の進む中、同じような古民家も点在しており、このゲストハウスをスタートに点在するゲストハウスの宿場町を再生させたいと考えています。
交通の便の良い富貴ならではの、新しい旅の提案と、旅人が集い、滞在できる宿場町を作りたいのです。
宿場町の雰囲気を体験するゲストハウス
現在、友人や地域の方々の協力を頂きながら少しずつリノベーションを進めています。長年空家であったことから、室内の傷みが進んでおり、床や壁など住居部分の改装を行っています。
自分たちで少しずつ手を入れながら、ゲストハウスの開業を目指しています。
大きな改装は行わず、富貴にあった暮らしや生き方が伝わるようなゲストハウス。気軽に訪れることのできる「旅の起点」となる場所を生み出すことが、私たちの目的のひとつになっています。
【私たちの目指す「富貴のゲストハウス」】
・高野山には宿坊があります。薬膳料理や座禅の修行など、高野山に詣でるたくさんの方々に利用されている素晴らしい施設ですが、もっと手軽に、よりたくさんの方にこの地域の素晴らしい旅を楽しんでいただきたい。
・古の宿場町も今は道行く人も少なくなりました。ゲストハウスを起点として、街道の趣が残る富貴の町を散策していただき、町に活気を生みたい。
・関西国際空港から90分。高野山から吉野、熊野詣でにつながる参詣道をもっと海外の方々に旅していただきたい。紀伊半島を縦断し、中部国際空港と関西国際空港をつなぐような新しい旅の提案をしたい。
・スケジュール
・集まった資金の用途
〇事務手数料 70,000円
〇床下基礎工事 280,000円
最後に
過疎高齢化に直面した村…と言っても、富貴に暮らす皆さんはいつも笑顔です。
私たちも、「困っている村」を助けたい、なんて考えていません。
都会から来た私たちにとって、この富貴の村の風景や空気感、霊山高野山のふもとに流れる時間がとても特別で、とても面白く感じたから、ゲストハウスを作り、よりたくさんの人にこの素晴らしさを知っていただきたいと考えたのです。
標高600メートルの古の天空の宿場町。
この素晴らしい日本の原風景を残し、つないでゆくプロジェクトに、皆様の温かなご支援を、なにとぞお願いいたします。