新たな価値に出会えるコーヒーショップをつくる

いわき市平でコーヒー豆の焙煎と販売をしている「ヤナイコーヒー」の箭内さゆりです。ヤナイコーヒーは1989年に父が創業した会社です。今年、私と弟、弟の妻の3人がいわきへ戻り、3人で父のコーヒー豆を販売する新しいコーヒーショップ「sons(サンズ)」を立ち上げることになりました。皆さんからの支援を、新しい店づくりに役立てたいと思います。よろしくお願いします。


sonsは、いわき市小名浜君ケ塚の住宅街の一角に出店を予定しています。父の焼いたコーヒー豆を取り扱うほか、その豆を使ったテイクアウトのコーヒーを提供する予定です。また、店内の一角を、いろいろな人たちが挑戦できるチャレンジショップのスペースにしたいとも考えています。ようやく物件を取得しまして、弟たちと具体的に店づくりについて話し合っているところです。

私も弟も、東京でコーヒーに関係する仕事に就いていましたが、弟と仕事について話すうち、父の焙煎したコーヒー豆のおいしさや、そもそものコーヒーの魅力をもっと多くの人たちに届けたいと思うようになり、地元での開業を決めました。

みなさんからの支援は、物件の改築費や什器の購入費などに活用させていただきます。ご支援くださったみなさんと一緒に面白い店にできたらなと考えています。よろしくお願いいたします。

<グラフィックデザイナーの高木市之助さんにお願いしていたロゴも完成>


<All-in方式>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

もくじ

  ・ヤナイコーヒーのあゆみ
  ・家業を継ぐ者としての思い
  ・新たな店づくり

  ・みなさんへの返礼品について


ヤナイコーヒーのあゆみ

まずはヤナイコーヒーの紹介をさせてください。ヤナイコーヒーは、正式には「有限会社ヤナイコーヒー商会」といいまして、父が1989年に創業したコーヒー豆を販売する会社です。はじめは、大手のメーカーの豆を納入し、オフィスなどに宅配するスタイルだったのですが、父が自前の焙煎機を購入し、1993年にいわき市久世原にお店をオープン。オリジナルの焙煎豆を販売するようになりました。

今から30年ほど前、お店のオープンの当時は、コーヒーといえば喫茶店で飲む本格的なドリップコーヒーが主流でした。そんな時代に、父が「より気軽に楽しみたい」と独立して立ち上げたのがヤナイコーヒーです。父は元々コーヒーが嫌いだったようですが、自分でも飲めるように焙煎しているので、風味がとてもすっきりとしていて、飲みやすいコーヒーになっていると思います。

<父が厳選し、自ら焙煎したコーヒー豆たち>

<香りがすっと立ち上がる瞬間。お店では試飲もできます>

<父が焙煎したコーヒー。粒が丸々としていて均等に火が入っていることがわかります>


ヤナイコーヒーの豆の特徴は、食事に合うことです。玉露のような深みや、ほのかな甘みが感じられるので、お茶に近い存在かもしれません。だから和食にも、よく合います。食事の後ではなく、食事中に飲んでもおいしく感じられます。ぜひ試してみてください。

主役じゃないけれど、いつも横にあって、すっと体の中に入ってくるような。こむずかしい知識なんて必要なくて、それがあるのが当たり前。そんなコーヒーだと思います。長年の常連のお客様も多く、「コーヒー豆はヤナイコーヒーじゃないとだめ」という方もいらっしゃいます。


コーヒーとは、日常そのもの

私たち兄弟は、生まれた頃からずっと、生活の中に当たり前にコーヒーがありました。一方、両親はコーヒー屋を継がせようとは思っておらず、私たちに「自由に生きなさい」と言ってくれていました。高校を卒業後、私と弟、二人ともそれぞれいわきを離れ、夢を見つけるために上京しました。

でも、気づいたら、私はバリスタになり、弟はコーヒー豆の販売をする仕事に就いていました。家業を引継ぎたいなんて思ってもいませんでしたが、二人とも、いつの間にかコーヒーがそばにある環境を選んでいました。

<東京でバリスタとして働いていた頃>


東京でバリスタとして働いていた数年間は、ラテアートの大会にも参加していました。振り返れば、もっとうまくなりたいと思いながら、ほかのバリスタたちと腕を競い合うような日々でした。仲間たちに実家がコーヒー屋だと明かすと、「うらやましい」という言葉をよくかけられました。

たしかに腕を競い合う環境なら、私が育った環境はアドバンテージになるかもしれない。でも、その「うらやましい」という言葉がどこか引っかかってしまって、次第に、バリスタとして腕を競うことに疑問を持ち始めました。

<実家に戻り、等身大でコーヒーに向き合えているような気がします>


東京では、よく、弟と会って仕事の話をしました。私は今までバリスタ一本だけでしたが、弟はいろいろな形でコーヒーに関わる仕事をしていたので、考え方も柔軟でした。お店のアイデアが出てきたのはそんな時です。いつかいわきに帰って、両親が焼いた豆を使った新しいお店を作りたいねって。

私にとって父は、気安く話せないほどのレジェンドともいうべき存在です。一方、母はサービスがとても素敵で、お客さんとの間合いの取り方がとても上手で、実家に帰ってきて、あらためて二人のサービスの質の高さに驚かされました。次第に、その両親が焼いた豆を多くの人たちに知ってもらいたいと強く思うようになりました。

<両親と、そしてコーヒーとじっくりと向き合う日々>


コーヒーとは日常の象徴みたいなものです。だからこそ、弟たちとつくる新しいお店は、バリスタが持つ専門的な技術や、コーヒー豆に関する詳細な知識を売りにするのではなく、コーヒーを飲んだ人たちがそれぞれに楽しみ方を見つられるような場所にしたいと思っています。

一方で、それぞれが東京で学んだこともあります。両親の思いを受け継ぎながら、私たちなりに新しいコーヒーの楽しみ方を提供できるんじゃないかとも思っています。そんな思いを胸に、今年の春、弟夫妻とともにいわきに戻ってきました。


“息子たち” が主役になる店

みなさんこんにちは。弟の箭内孝です。ここからは、いわき市小名浜に開業を予定している新しいコーヒーショップについて具体的にお話ししていきます。

なぜ、今すでにある店を継ぐのではなく新しい店舗を作りたいのかというと、ぼくたちが父の店に介入することで、かえって実家らしい色が薄くなってしまうのではないかと感じたからです。父と母が育ててきた店ですし、父と母らしさも強く感じます。お客さんも「新しさ」は求めていないと思うんです。

姉も戻ってくるし、私の妻も開業に向けて背中を押してくれ、いわきに一緒に来てくれることになりました。だったら、思い切って新しい場所を作ったほうが、自分たちも表現できる場になる。とても理にかなっているのではないか、とも感じています。

<父の作った店を引き継ぐのではなく、新しい店づくりを決意しました>


ヤナイコーヒーの新しい店舗は「sons」です。ヤナイコーヒーの「息子たち」が両親の想いを引き継ぐという意味と、お客様に提供するコーヒーは自分の子どものような大切な存在だという意味を込めました。父が豆を焙煎している様子を見ると、ああ、父にとってコーヒー豆は、子どものようなものなんだなということが伝わってくるんです。

sonsでは、両親が焙煎したコーヒー豆を販売します。カフェのようなテーブルは作りませんが、気軽にコーヒーが味わえるよう、テイクアウトのコーヒーを提供し、ちょっと腰掛けられるようなスペースも作りますので、コーヒースタンドのような場所になると思います。

<かつて調剤薬局だった空き店舗を改装してsonsをつくります>

<店内の雑感。これから内装工事が始まります>


気軽にコーヒーを楽しめる時代になりましたが、「豆から買う」ことって、まだまだハードルが高いと感じています。地元の友人から「お前んとこのコーヒー豆って一般の人でも買えるの?」なんて聞かれたりすることがよくありました。sonsでは、コーヒー豆の敷居を下げつつ、父の焼いた豆を多くの人たちにプレゼンしていきたいです。


新たな価値に出会える場に

また、sonsの店内には、チャレンジショップを展開できるスペースを設ける予定です。いわきには、新しい価値に出会える場や、自分を表現できる場、気軽にチャレンジできる場がまだまだ少ないと感じていたからです。コーヒーだけでなく、新しい価値に出会うことを、気軽なものにしていきたいんです。

何かを始めたくてウズウズしている人たちや、今の暮らしにどこか閉塞感を感じているような人が、ジャンルを問わず気軽にチャレンジできたり、ホッと落ち着くことができたり、「あそこに行けば何かやってる」と思ってもらえるような、そんな場を店内に作る予定です。


<この3人で新しく店を立ち上げます>

<お店の外観イメージ。店内にある6畳ほどのスペースをチャレンジショップにします>


9月下旬に、いわき市小名浜君ケ塚の住宅地の一角に物件を取得しました。皆さんからの支援は、このスペースの工事費や什器の購入費などに当てたいと思います。今後、内装工事が予定通り進めば、11月にはお店をオープンできる予定です。

いろいろなワクワクが集まる場所に、両親の焼いた豆があり、そこで気軽にコーヒーが楽しめる。そんな場をつくることで、ヤナイコーヒーの味を引き継いでいけたら。皆さんと一緒に、sonsを作っていきたいと思います。ご支援、よろしくお願いいたします!


ご支援いただいたみなさまへの返礼品

ご支援いただいたみなさまへの返礼品は、父が焙煎したコーヒー豆だけでなく、初めてコーヒーを豆から楽しみたい方向けに、ドリッパーなどを詰め合わせたセット、オンラインでも受講できるワークショップの参加権や、チャレンジショップスペースの使用権など、いろいろなものを用意しました。


返礼品とは別に、ご自宅で育てられるコーヒーの木の種をお送りします。これは、ご支援いただいた皆さんと共に、sonsを育てていきたいという思いがあります。(数量が限られておりますので、先着100名様とさせていただきます)

お店のオープンにはまだ少し時間がかかりますが、父のコーヒー豆のおいしさを伝えながら、たくさんの人たち、特に若い世代にワクワクしてもらいたいというsonsのコンセプトを、まずはこのクラウドファンディングのリターンで表したいと思っています。質問なども受け付けていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。みなさんからのご支援や応援を生かして、いい店にしていきます。


【企業・ひと・技 応援ファンドとは?】

いわき市、いわき産学官ネットワーク、いわき信用組合、いわき商工会議所などが連携し、次世代に継承していく技術やサービス、商品を持つ事業者や、新型コロナウイルスを乗り越えるための新しいビジネスモデルを構築し、市民の安全・安心に取り組む事業者をサポートするために企画されたものです。新しい時代に、残したい・伝えたい。そんな企業を、ぜひ、みんなの力で支えましょう。応援よろしくお願いいたします。(事務局・いわき商工会議所 創業・承継委員会)


  • 2020/12/11 14:03

    この度、いわき市の事業承継プロジェクトのクラウドファンディング[企業・ひと・技 応援ファウンド]のチャレンジが終了しましたことをご報告致します。ご支援頂きました皆様には心より感謝申し上げます。予想をはるかに超える皆様の応援にたくさんの勇気をもらいました。返礼品につきましては、来年1月より皆様の...

  • 2020/11/25 13:24

    こんにちは、sonsです!オープンして約2週間、お店にきて頂きクラウドファンディングみたよ!応援してるよ!と声かけてもらい大変嬉しく思います。皆様のお陰で完売となる返礼品も出ており、驚きと感謝の気持ちでいっぱいです。残すところ15日、少量ですが「はじめてのコーヒーセット」を急遽追加致しました!...

  • 2020/11/15 10:34

    オープン初日よりたくさんの方々にご来店いただき、本当にありがとうございます!!今回お店の商品、返礼品のパッケージを高木市之助さんにお願いし、こんなに素敵なデザインにしていただきました!お店の方でもお土産にと手に取ってくださる方が多く、大好評です。皆様にも早くお届けしたい気持ちでいっぱいです^ ...

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