第20回大阪高校生演劇フェスティバルin池田

日程:2021年1月30日(土)9:30開場、10:00開演
会場:池田市民文化会館小ホール
後援:池田市 池田市教育委員会
観覧方法:会場での観覧は要事前予約 ネットでの配信を予定
問合せ:北摂こども文化協会 072-761-9245
※緊急事態宣言の再発令を受けまして、会場での観覧については中止いたします。

当日の配信スケジュール

9:35  20周年記念動画&淀川高校インタビュー動画
9:55 開会のあいさつ
10:00 淀川工科高校「ポン助先生」
11:00 20周年記念動画&山田高校インタビュー動画
11:20 山田高校「あなたの門出に言の葉を」
12:20 午前の部終了(一旦配信終了します)
13:00 20周年記念動画&桜塚高校インタビュー動画
13:20 桜塚高校「いろどり月の虹」
14:00 20周年記念動画&関西第一インタビュー動画
14:40 休憩(関西大学第一高校は出演辞退となりました)
15:40 20周年記念動画&豊島高校インタビュー動画
16:00 豊島高校「あめふりこぞう ~手塚治虫原作「雨降り小僧」より~」
17:00 フィナーレ(出演校順に感想を述べて頂きます)
17:30 配信終了予定

幕間に20回記念の動画と、対談企画の動画を上映します。作品と併せて是非ご覧ください。
※関西大学第一高校より出演辞退の申し出がありましたので上演はございません。16:00からの豊島高校の上演につきましては時間を繰り上げず定刻どおり開始いたします

ごあいさつ

NPO法人北摂こども文化協会と申します。当NPOは1998年の設立以来20余年にわたり、子ども・若者のための地域文化環境の向上に努める市民公益活動団体です。

「あるがままのあなたでいいよ、子どもも大人も自己実現」をキャッチフレーズに、子どもが主役の活動に取り組んで参りました。どの子も、地域社会の中で居場所をもち、文化・芸術に触れ、心豊かに育っていくことを願って活動を続けています。

今回クラウドファンディングに挑戦する取り組みもその一環で実施するものです。

「大阪高校生演劇フェスティバル」とは

2001年より毎年欠かさず、大阪府池田市立市民文化会館小ホールにて行ってきた高校生のための演劇祭です。大阪府下の高等学校(公立、私立問わず)から出場を募集し、独自の基準で選出した5校の演劇部による公演を行います。
今年は記念すべき20回目を迎えます。コロナ禍の中での今開催では、20回の歴史の中で初めての試み、ネット配信にも挑戦します!


高校生演劇フェスティバルの課題

毎年赤字で運営。その赤字は自主財源によって賄ってきました。しかしその自主財源がコロナにより激減。つらい状況になっています。さらに、今年はコロナ対策として、会場での客席数に制約が必要となる分、オンライン視聴の仕組みも整えます。ただでさえ赤字のところ、さらなる支出が見込まれます。それでも開催したい理由は、コロナ社会に生きる高校生の今を、高校時代の豊かな体験を、青春の一ページを、保障する義務が大人にあるからです。


コロナ禍での大人の役割

世界196か国が必要と定めた子どもの健やかな成長発達に不可欠な権利の一つに「余暇・文化・芸術の権利」があります。ライフライン-食・住にかかわることでないために、二の次、ないがしろにされがちですが、文化国家ドイツの首相や文化大臣が発したように人類にとって「文化は生命維持に不可欠」なものと、私たちも考えます。


「大阪高校生演劇フェスティバル」 3つの目的

1)大会場で発表する機会の少ない高校生にチャンスを提供する。

2)子どもの権利条約第13条(表現の自由)および第31条(文化的・芸術的生活への参加)を保障する。

3)広く一般、地域の人、若い人にも観てもらい、演劇の魅力、作品に込めた高校生の想い(若者世代の社会へのメッセージ)を伝える。


独自の基準とは?

1日限りの演劇祭
会場借用費等の財政的制約により、大阪高校生演劇フェスティバル(通称、演フェス)は現状、丸一日実施するのが精いっぱいです。そのため演フェスで上演される作品の数には限りがあります。

独自の選考基準 
限られた上演数のため、毎年、どの作品・どの学校に上演してもらうか、応募校の中から選定しなければなりません。そこで必要となるのが基準ですが、演フェスでは独自の基準を設定しています。

高校生の自己実現
単に演技や演出の技術の高さを評価するのではありません。それらを加味しつつも第一に、高校生世代の悩みや葛藤、社会に対する物の見方などが表れているか、「高校生の自己表現」に着目しています。高校生が演じることの意義を感じられる作品を高く評価します。

高校生の想いに耳を傾けたい
いじめ・ひきこもり・不登校・若年妊娠・虐待…ここ数年上演されてきた作品のテーマです。若者をめぐる問題に高校生自身も関心を寄せていることがうかがい知れます。その上で、これらの問題を、彼ら彼女ら自身がどう受け止め、何を感じているのか、これらの問題を生み出したのは社会の側。そんな社会や大人に対して、当事者世代である若者たちは何を思い、何を感じているのか。当事者世代としてこれらの問題をどう受け止め、日々何を考えているのか。私たちは、高校生の想いに耳を傾けたい。だからこそ、高校生の感じ方や社会のとらえ方が垣間見える作品に価値を置いています。

初舞台
選考基準の二つ目は上演経験の少なさです。演劇強豪校はコンクールへの出場を果たすことができます。かたや実績や部員数の乏しい弱小校は出場の機会に恵まれません。高校時代に演劇に情熱を注ぎたいと思う気持ちは同じなのに、入学した先が強豪校か否か、充実した部員数か設備があるか等、環境によって本物の舞台に立つ機会の有る無しが左右されてしまう現実。環境格差が経験格差を生んでいます。
だからこそ演フェスはコンクールに出たことがないけれど本物の舞台で挑戦してみたい熱き想いを持った高校生を応援します。過去には部員一人しかいない演劇部が上演を果たしました。部員一人でどうやって舞台を打つのと疑問をお持ちの方もおられるでしょう。それは、他の出演校や出演しない他校の演劇部員が、その一人しかいない弱小演劇部の上演に力を貸すからです。他校同士が競い合うコンクールと異なり、演フェスは他校同士が協力し合う文化を育んでいます。唯一の部員が役者となり、他校の部員が音響・照明等裏方を担う。あるいは、二つの演劇部が合同で作品を応募し、上演したこともあります。

初上演 
またオリジナルの脚本など、まだ上演したことがない作品、初演の上演も応援しています。優劣をつけるコンクールの場合、予選・本選の通過が見込める作品でなければなりません。そのため、ウケが良い作品を選ばざるをえなかったり、何度も上演を繰り返し練り上げていく必要があります。そのため、「試す」ということができにくい。
先に説明した通り(第一基準)、演フェスは高校生の自己表現を何よりも大切にしています。ですから、高校生が演じてみたい、試してみたいと思った作品の応募も評価しています。

5校の理由

選出する上演校の数は、朝から晩まで舞台を使い切って最大となる上演数、5校(5作品)となります。前日に5校全作品、最終リハーサルを行います。最後のリハーサルが明日の本番上演の一作品目。そのようにして仕込みを終えた時点で当日を迎えます。ホールの開館が9時。そこから最終準備を終え、9時30分に開場。10時に上演開始。1時間の上演終了後、20分という制約の中で、終了した上演作品のバラシと、次の上演の仕込みが始まります。20分間の幕間が終われば二作品目の上演と続き、、、夕方5時近くに終演を迎え、それからフィナーレです。

高校生が求めている演フェス
演フェスのバラシや仕込みでの高校生の姿、フィナーレでの達成感にあふれた表情や高揚した雰囲気を目の当たりにするにつれ、若き血、高校生の輝きに胸を打たれます。演劇という文化・芸術の世界に生きる高校生も、今を生きてるんだ、今を生きてるんだ。

「演フェス最高!」「こんな機会を本当にありがとうございました!!」

汗を飛ばしながら、叫ぶように、深々と頭を下げて、感動と感謝の言葉を発する高校生たち。演フェスフィナーレでは毎回、演劇高校生たちに「今の体験・経験の場」を提供できたことに喜びを感じます。

「後輩のために、今後も絶対続けてください!」

高校生が情熱をかけるのは、高校野球だけじゃない。どの世界に興味をもったとしても、今を生きる高校生が、高校時代に豊かな経験を積み、人として成熟していくことを応援し続ける義務が私たち大人にあります。

高校生演劇の現状

最近では高校演劇のイベントも増えてきているものの、高校生ではまだまだ発表出来る機会が少なく、部員減によって存続自体が危ぶまれるケースさえあります。また、自校で機材が揃っていない学校も多く、取り巻く環境は決して良くありません。

運動部なら、本番さながらの練習試合が年に何回も出来ます。それとは違い、演劇部は文化祭などで年1回ほど、自校の体育館で発表するケースがほとんどです。また部員の数が少なくて役者がいても裏方が揃わず、出場を断念せざる得ない学校が多いのが現状です。

そして何よりも、今年はコロナ禍により出演機会そのものが失われるという状況が…大会に於いても出演者のみの鑑賞という無観客上演での実施となっています。


「大阪高校生演劇フェスティバル」の特徴
選考方法

大阪府内の高等学校演劇部に参加を募り、応募校の中から台本や公演に対する想いを充分に考慮した上で選考を行い、出演校5校を選出しています。

演劇大会やコンクールは上演のレベルを競うものです。よりよい作品を目指して技を競うことは悪くありませんが、一方で文化芸術は優劣をつけられるものではありません。だからこそ、本フェスティバルを立ち上げました。

勝ち抜きではありません。 自分ならどう表現するか、脚本の世界をどう受け止めるか上手・下手で評価するのではなく、ただただ高校生自身が“自由に自分を表現する”ことを推進・奨励しています。

実践技術研究会(プロによる実施指導) 

プロの技術とノウハウを肌で実感出来る。それが本フェスティバルの大きな特長です。

活動の場が限られている高校生たちが、ホールを利用することにより、プロの現場を体験出来ます。開催前の事前打ち合わせ、ホール打合わせで専門機材に触れ、プロからの指導を得られる貴重な機会を設け、表現活動の充実をフォローしています。


「自校にはない設備に触れる事ができ、楽しむ事ができました。」
「あまり平台を使ったことがなかったのですが、現地で優しく明確に教えていただいて助かりました。」

高校生の交流の場の提供
スタッフの不足を他出場校からの応援で乗り切った高校、スタッフとしてだけ参加する高校、本フェスティバルの出演はあえて見送り、受付などの運営スタッフとして協力する高校など、高校生同士の交流や助け合いが、積極的に行なわれています。
参加校同士が協力し合いながらフェスティバルを創り上げ、その結果他校との交流が生まれ、モチベ―ションの高揚につながっています。

部員数の減少により先輩から後輩への技術の継承が難しい学校が多くある中、演フェスでは他校との交流により、学校を超えた技術の伝承が生まれ、次の世代の体制にも無理なく技術が受け継がれていく下地が生み出され、大きく高校生演劇の発展に寄与しています。


フィナーレ
フィナーレも、演フェスならではの取り組みで大切にしているプログラムです。上演校の演劇部員全員が舞台にあがります。役者も裏方も、上級生も下級生も、部員誰しもが区別なくステージに立ち、ライトを浴びて、マイクを持ち、熱気冷めやらぬ終わったばかりの演フェスを振り返り、一言メッセージ。それぞれの立場から、共に創り上げた「この演フェス」の体験を言葉にしてくれます。

「本当に自分と同い年の人たちが目の前で芝居をしているのかな…と疑いたくなるほどの作品がたくさんあって、何度も圧倒されました。全力で全員取り組んでいる姿がすごく素敵で、やっぱり演劇っていいなと改めて思いました」

「ひとりでも、3人でもホールいっぱいのお客様を動かすパワーに圧倒されました」

「ただ劇を見て『よかったなあ』で終わらせるのではなく、これを見た私たちだからこそできる事を考えるのが大切だと思いました」

参加した高校生の感想に、目頭が熱くなります。


実施スケジュール

2020年12月 プロモーション開始。
       上演作品選考会。実践技術研究会。
2021年1月30日(土)大阪高校生演劇フェスティバル開催
2021年2月  プロジェクト終了


皆様からの援助が必要な理由

20回開催を続けてきましたが、毎回赤字で続けております。私達だけの力で続けるには限界があります。大きくは会場費。実践技術研究会、事前のホール打ち合わせ、前日リハーサル、本番、、、会場費だけでも40万円近くかかります。
更に、演出の為の機材を使用するにも一つひとつに費用がかかります。単価、数千円から数万円まで。たとえば、舞台上の役者に光を当てるピンライト、霧を表現するためのスモークマシンなど。そのどれもが演出に不可欠な機材ですが、お金がなければ当然使用できません。現状、十分とは言えない限られた予算の中で運営しているため、残念ながら一校だけのために一つの機材を借りることは”贅沢なこと”と諦めざるを得えない状況です。
高校生のやってみたい意欲、挑戦してみたい好奇心。意欲・好奇心、どちらも人の成長の根源となる大切な要素だと思いますが、当協会の資金力では、その高校生たちの自然な”想い”の多くに応じてあげることができないのが事実です。

若者の成長を助け、支えるために。高校生が感性豊かに想像力を発揮して思い描いた世界を、脚本の世界を、舞台上に再現するチャンスを与えてあげたい。チャンスを得た高校生たちは、彼ら彼女らなりに試行錯誤しながら、どうすれば専用の機材を用いて表現したい世界を具現化することができるか、実体験を通じて学びとっていくことでしょう。実体験に勝る学びはありません。

そして、これらの学びを支えてくださる専門家をお招きするための費用も必要です。音響・照明の専門家、舞台監督、映像制作のプロなど。本フェスでは各種専門家の皆様が、ありがたいことに、若き演劇人を支えたい!という当協会の情熱に共鳴してくださり、破格で応じてくださっていますが、本来であれば本職であり専門技術者。お気持ちに感謝しつつ、少しでも正当に近いお支払いができるように努めたいと考えております。教育・文化芸術の分野において、この業界はお金がなくても致し方なし、子どものためだから無償で当然、という教育・文化後進国日本の常識を変えていきたい、と思っています。


支援金の使途

皆様にご支援いただきました資金は、会場費・設備費・人件費など第20回大阪高校生演劇フェスティバルの準備、及び本番の運営費用、次回に向けての広報宣伝費として、大切に使わせていただきます。

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