皆様こんにちは MIDORINO SHATTA-です。

前回の【Angie】に ご支援頂いた方、関心をお寄せ頂いた方、私達と一緒にソワソワして頂いた皆様、誠にありがとうございました。
たくさんのエネルギーを頂いたおかげで、2回目となるこの度の挑戦も【Angie】終了後すぐに取り掛かることが出来ました。今回の発案者が悩みに悩んでいるうちに想定より時間がかかってしまいましたが、その分本人の『あったらいいな』がたくさん詰まっていると思いますので、ぜひ、最後までご覧ください。


今回の企画発案者の池田です。

私は通勤にリュックを使っていて、常々もっといいリュックはないかとアンテナを張り巡らせています。たくさんの製品を見たり調べたり実際使ったりするうちに自分の思い描くリュックを作ってみたいと思うようになりました。
また、お気に入りのリュックは、荷物が多かったり気分が乗らない時でも、気持ちをポジティブにしてくれると思っています。そんな関わった人が"HAPPY"になる製品開発をMIDORINO SHATTA-でやってみたいと思い背負いのテツというプロジェクトを立ち上げました。

私"テツ" が リュック"背負い" への想いを表現するプロジェクトです。

今回は 日常使いしやすいリュック=私の通勤リュックを考え 試作を重ね

カジュアルな格好に合わせやすい
PC収納がある
ポケットは少なめでざっくりモノを入れる
背負ったまま取り出しやすい

こんな条件を満たす背負心地と素材にこだわったリュック を作りました。

【Angie】に続くMIDORINO SHATTA- 第2弾ということで【Ben|Rucksack】と名付けました。
シンプルな見た目で、大人しく控えめなタイプに見えますが、芯の強いしっかりしたコなので皆様にも同じように感じてもらえると嬉しいです。




00:00 ご挨拶 
00:50 Benについて
02:00 特徴
04:59 開口部以外にも語りたい!!こだわり
09:41 背負いのテツの想い 
13:00 値段について
15:39 最後に




一番の特徴は

PCが取り出しやすい開口部をつけた

ことです。


このようなティアドロップ型のリュックは一般的に
開口部が大きいため大きい荷物が出し入れしやすいというメリットがあります。


一方で、中の背面側の深いポケットからPCが取り出しにくい という使いづらい面もあります。

天マチに引っ掛かりやすいです

PCの出し入れは自宅、会社、出先で 頻繁に起こるのでスムーズに取り出したいと思いました。
今回、シンプルな見た目で一層構造にしたかったのもあり、天マチの後側に開口部を追加することでこの問題を解決することにしました。


正面の開口部とつながっています

ポケットの真上に開口部があるので、PCが上に取り出せます。
上部の開口部は必要最低限の取り出し口になるので中のものを周囲の人に見られずに、移動中や出先でも気兼ねなく取り出すことが出来ます。
中の前側にファスナーポケットが有りここにもアクセス可能です。電車などで前掛けした時にもメイン収納にアクセスしやすいのはもちろん、このファスナーポケットの出し入れも簡単に出来ます。
前掛けした際にも使いやすいです



上部の開口部のおかげで正面のファスナーの開閉の頻度が減るので

こんな使い方も便利です

正面のメインファスナーのスライダーを右側の位置にしておくと画像のように右肩にかけた状態のままでもファスナーの開閉がしやすく中の荷物を取り出せます。底の方にあるものも取り出しやすいです。
赤丸印の位置にしておくと開閉が楽です


右肩にかけたまま前ポケットにもアクセス可能です。前ポケットの中にはスマホや財布などを入れてもこぼれないようポケットが付いています。

中のポケットは取り出しやすいよう口元が斜めになっています



背負心地について

しっかり背中で固定される感じが私の好みです。そのため体に密着し、歩いているときに揺れが少ないものが良いと考え、それに適した形と素材を追求しました。


本体の形状


本体の形状をティアドロップ型にし、背面の両サイドの羽根部分が体に沿うようにしました。芯材も両サイドはあえて入れていません。また、底も体に沿うよう後側が弧を描く形にしました。


使用芯材グレーのパーツがEVAフォームです それぞれ厚さと固さを変えています芯材は、背負部分(肩が当たる部分)に柔らかく厚め、背面部分(背中が当たる部分)は固めで薄いEVAフォームを使用しています。背負った際にストレスを感じない固さと厚さを探しました。

EVA(Ethylene-Vinyl Acetate)フォームは衝撃を吸収しストレッチ性もあり曲げてもシワになりにくく背負っている形に馴染んできます。ウレタンフォームなどに比べ経年変化しにくいと言われています。


背負位置、テープの調整胸のチェストベルトを使って固定、及び背負位置を両脇のはしごカンを使って調整すると安定して持ち運べます。背負ったり下ろしたりする際、テープの長さ調整は頻繁に行うので、テープと調整カンは滑りが良い組み合わせにし、チェストベルトのバックルはマグネット式で片手で取り外しやすいタイプのものを使用しました。

背負ってテープを締める

下ろす側だけテープを緩める

下ろす際は緩めてから



体に触れる部分


体に触れる部分である背面と背負いの裏側部分には吸汗速乾プラス抗菌防臭加工されたニットカノコという素材を用い、通常のナイロン素材やメッシュなどに比べ汗をかいても快適に感じられるようにしました。よく見かけるメッシュに比べ、見た目が本体素材に合うというのも選んだポイントです。


ハンドルの握り心地

使う際に必ず持つところなので背負心地と同じくらい大事だと考えています。にもかかわらず背負部分に見合うハンドルが中々思いつきませんでした。妥協しかけたところ、他のメンバーにアイデアもらいました。

背負いの芯と同じEVAの芯材を削ってテープの中に入れています。世間では見かけないスペシャルな持ち手になったと自負しています。


素材について

長く使えるよう、経年劣化よりも経年変化が感じられる素材、もしくは丈夫な素材を中心に選びました。説明すればするほどウンチクを傾けてしまうのですが、

機能が劣ってきても、色が抜けても、シワシワになって型が崩れてきても何だか使いたくなる存在であってほしい、数年後改めてもう一度お気に入りになってもらいたい

という思いで選んでいます。スペック云々よりもこの意図を感じていただければ幸いです。

長く使う、経年変化を楽しむというのは、時間とともに変化していくさまをポジティブに捉えることだと思います。私の年齢も人生の折返しを過ぎ、若い頃はこんなではなかったのに・・・と思うことも増えました。ただ、年齢を重ねることも前向きに考えたいので、日頃使うモノもなるべくそういったものに囲まれて暮らしたいと考えるようになりました。

そんな年齢的な心境の変化もあり 改めて経年変化について考え、素材を選びました。

メイン素材:高密度ミリクロス

メイン素材は高密度ミリクロスというナイロンポリエステルの合繊素材ながら使っているうちにアタリがでる素材を使っています。天然皮革やデニムのように使っていくうちに変わっていく表情を楽しめたらと思っています。そしてこんな見た目ながら水を弾く撥水機能があるので雨の日でも気にせず使えます。

(注意点)
防水ではありません。濡れたら乾いた布で拭き取ってください。
またアタリが出やすいこともあり擦れて白くなりやすいです。綺麗なままお使いになられたい方はご注意ください。


内装:ベンタイル

内装にはベンタイルギャバ40/2を使用しました。
綿素材で超高密度に織り上げ撥水性、透湿性、通気性に優れています。元は軍事用で海に撃ち落とされたパイロットが救出されるまで海で耐えるために開発された素材です。
現在でもコートやアウターで使用されるのを見かけます。靴やバッグでも使うのですが、間違ってもバッグの裏地には選ぶ人はいないと思われます。ほぼ表生地として使います。
天然の素材で、水を弾き、経年変化もしつつ、中のものが見やすい明るめでかつ表の黒にあう色で...と内装の生地に多くを求めていた私の条件にピッタリ当てはまり思い切って使うことにしました。
キャメルは個人的に好きな色ながら中々身につけるもので買う勇気が出にくい色でした。内装でさりげなく取り入れられたのでとても満足しています。そして、褒められると一番嬉しいポイントです
画像では分かりづらいですが綾織で肉厚なタイプを選んだので、リュック自体がしっかりして形も出やすくなっています。 



撥水イメージ どちらも水を弾きます  上:ベンタイル 下:高密度ミリクロス


革:ケープハント
付属革はクードゥー(アフリカの牛)やエレファントのような独特なふかふかした表情の吟スリ加工した牛革を選びました。使い込むとツヤが増しふかふかがつるすべになり革の質感が変化します。
引手や底帯、メインファスナーのカブセ部分の縁どりに革を使っています。

革全体で見るとワイルドな革ですが、使用部分も細長いパーツが多いためそこまで主張しすぎません。使用量は少ないのですが目立つパーツが多いので 高密度ミリクロスとの見た目を損なわないものを選びました。見た目の相性で選びましたが、この革自体以前から気になっていて使ってみたいと思っていた革です。

(注意点)
風合い重視の革のため色落ちしやすいです。


ファスナーファスナーは、撥水素材に合わせて止水ファスナーの採用も検討しました。しかし負荷のかかる場所では劣化しやすいので、一番使いやすいコイルファスナーにしました。雨に直接コイルファスナーが当たらないよう高密度ミリクロスで隠す仕様にしています。メインファスナーはYKKの10番コイル(一番大きいサイズ)を使用しているので丈夫かつ開閉がしやすいです。見た目の高級感や機能性より使いやすさを重視しています。


ネーミングの由来

テツは私の名前からとっています。
背負いについては、"背負い"というショルダーハーネス(リュックの肩部分)の名称からとっています。
リュックの用途や形はさておき背負心地の研究・開発をやりたいと思っていたので、その名も背負いのテツとしました。
実際には、背負心地は用途や使用シーンで求めることが異なるため、だれがどのように使うかも決める必要があり、私があったら良いなと思うリュックで背負心地が良いと思うものをつくるプロジェクトとなっています。

きっかけ

これまで使っていた私物のお気に入りのリュックの背負心地がすごく良く、自分でもそういった追求をしたいと思ったのがきっかけです。
また、リュックに求める条件は人により様々で、しかも体格によって使用感も大きく異なります。全てを兼ね備えたリュックは存在せず、だからこそ色々なリュックの中から、自分が良いなと思うものを探すのが面白く、見つける楽しさを感じていました。100人300通りくらいリュックがあるならば、探すばかりではなく自分の活用シーンにあわせた製品づくりに挑戦しても良いのでは...と考え自分のあったら良いなと思うリュックをつくることにしました。

私たちの通常の業務でもリュックの依頼は年に数点ありますが、背負心地をこだわるところまでは時間的、価格的に制約があって難しかったり、予算の都合で使えない素材があったりと、普段できないことに対する反動もやってみたいきっかけになっています。


Ben|Rucksack 1個 ¥29,000 としました。

市場で売られているナイロン製のリュックの多くが20,000円前後なので、比較すると少し割高になっていますが、その分素材にこだわっています。しかも、日本製ということもあり海外の安い人件費で作られるものと比べても高くなってしまいます。通常の計算方法だと30,000円台後半から40,000円近くとなるところでした。
しかし、今回の挑戦はより多くの人に見て頂ける良い機会でもあり、私たちの思いに賛同頂ける方になるべく抑えた価格で使って頂きたいと考え、今回限定にはなりますが30,000円を切る価格で出すことにしました。

価格の内訳は大きく分けると

材料費
縫製などの加工費
製造や発送にかかる経費や私たちの利益

となります。

価格の抑えどころとして材料や加工費は最初に挙がる点ですが、普段の仕事で削ることも多く(安い材料に一部変更したり大量生産で加工費を抑える など。削るのが仕事だったりもします。) そのたびに残念だと思っていました。
自分たちで企画したものはそうならないようにしたかったのでそれ以外の部分で削ることで採算ギリギリの値段設定をしました。

そもそも、私たちのような製造メーカーが企画開発から販売まで一貫して行う意義として
余計な中間マージンが発生しないため、その分素材や作りにこだわる事が出来る
値段を自分たちで決められるので 適正な縫製加工費を設定出来る
ことだと考えています。

素材や作りのこだわりはここまでご説明しましたが、技術者であるMIDORINO SHATTA- の他メンバー含め、工場でモノづくりをしてくれる人たちがやっていける加工費の設定をすることも今回の挑戦のひとつです。

私たちが出来ることはごく僅かですが、日本でモノづくりをしたい人たちがつくり続けていける環境づくりにも取り組んでいきたいと考えています。





■Ben|Rucksack   ブラック 1個

CAMPFIRE価格 ¥29,000 (送料・消費税込)


右下はファスナーの長さです

収納 ポケットサイズ

メイン収納 前側ファスナーポケット

メイン収納 後側ポケット前ファスナーポケットの中のポケット


■Benトレー  ブラック 1個

CAMPFIRE価格 ¥1,200 (送料消費税込)

私テツが、RUCKSACKに使用した革を用い、ホックで止めるタイプのトレーを作ります。

ペンが入る横長サイズです。玄関先でキーケースを置いたり、時計やアクセサリートレーとして使ったり様々な用途で自由にお使いください。

背負いのテツと名乗っているのに作業に一切関われていないのが少し心残りでした。そこで自分の手でつくったモノも何かお届け出来たらと思い、リュックとは関連性は無いのですが、このようなトレーもリターン品としてご用意いたしました。

リュックでは使用量が少なかった革(ケープハント)ですが、このトレーでふんだんに使用することで革の良さが伝えられたら良いなと思っています。




スケジュール

2021年12月 クラウドファンディング開始
2022年1月 クラウドファンディング終了
2022年1-2月 生産
2022年2-3月 リターン発送


資金の使い道

リターン品の生産に必要な材料費と加工費
送料消費税
手数料


注意事項

※仕様、デザイン等、変更になる場合がございます。
※サイズはサンプルの製品で計測しているため、実際の数値と多少の差がある場合があり、参考値として使用してください。
※当社での商品撮影時の環境及び、商品をご覧になるモニターの設定条件等により、画面に表示された色と実際の色が異なってみえる場合がございます。
※摩擦により色移りが生じる可能性がございますので、ご注意下さい。
※皮革は天然素材の為、表面にキズ・色ムラ・シミ・シワがある場合がございます。

仕様、デザインの変更、お届け予定日等に変更がある場合は、速やかに活動報告にて共有させて頂く予定です。


今回の挑戦を通し、自分たちで"アイデアを出し、サンプルをつくり、量産出来る"ということがとても恵まれた環境であるということを改めて実感しました。型紙作成時にCADの画面見ながら「この線はちょっと2mm削りたい」とか、気になる部分を「全部つくって試してみよう」などのやりとりは製造現場の企画ならではだと思います。
ただ、私自身はミシンが踏めるわけでも型紙が取れるわけでもありません。私の想いをメンバーに伝え開発しました。想定よりも多く合計5回試作をすることになりましたが満足のいく形でここまで来れたことにとても感謝しています。

素材についても、集めたサンプル帳の山の中から最適な物を選ぶべく試作を重ねることが出来ました。材料屋さんには、普段の業務でご相談する以上の熱量でお願いしてしまい、時間を割いて色々探していただいたり背景を教えてもらったりご協力頂きました。この場を借りて感謝申し上げます。

製造メーカーとして、自分たちの持っている技術や大事にしていることを製品で表現し伝えられたら、また、使ったことのない素材への挑戦によって経験を積む事が出来たら良いなと思っています。

試作した芯材の山素材候補で集めたサンプル帳の数々...主に裏地で悩みました歴代試作品 画像では違いが分かりづらいです...右端が最終仕様です


今回、私の主観と作り手目線で開発に取り組みましたが、私と同じような思いで使って頂ける方と出会えたら嬉しいです。また、この挑戦に対してのご感想やご支援頂けた方の使用後の感想が頂けると幸いです。今後は皆様の声を反映した製品づくりにも取り組めたらと考えています。是非よろしくお願い致します。

そして、いつの日か私自身が"背負いのテツ"と呼ばれる日が来ることを願っています。

今後の進捗については活動報告にてご報告いたします。また、下記で、ここでは掲載きれなかった細かいこだわりや実は悩んだ点などをご紹介できればと考えていますのでこちらもぜひご覧ください。

https://twitter.com/seoinotetsu

https://note.com/seoinotetsu



■特定商取引法に関する記載
 ●販売事業者名:有限会社ボルサ・コマ
 ●代表者または通信販売に関する業務の責任者の氏名:駒形光一
 ●事業者の住所/所在地:〒121-0051 東京都足立区神明1-12-11
 ●事業者の電話番号:「請求があり次第提供致しますので、必要な方はメッセージ機能にてご連絡ください。」
 ●対価以外に必要な費用:プロジェクトページ、リターンに記載のとおり。
 ●その他記載事項:プロジェクトページ、リターン記載欄、共通記載欄(https://camp-fire.jp/legal)をご確認ください。


<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2022/03/18 17:36

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

  • 2022/03/14 18:08

    MIDORINOSHATTA-の池田です。先日、Benトレーの制作をメンバーに生暖かく見守られながら行いました。抜型で裁断の経験がほとんどなく不安でしたが、皆にフォローしてもらい無事に完了。作業風景の動画をつくってみましたのでこちらもぜひご覧ください。動画の早さで作業できれば私も工作員として活...

  • 2022/02/10 17:37

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください