数あるプロジェクトから当プロジェクトに目を止めていただき、ありがとうございます。
私は大分大学医学部 細胞生物学講座で助教を務めておりました波田一誠(はだ かずまさ)と申します。

経歴

九州大学 農学部 生物資源環境学科 (博士号取得) 
「超好熱古細菌由来タンパク質の機能解析」
(タンパク質の形ってどんなもの?)

筑波大学 生命環境科学系 (研究員)
「線虫 C. elegans の発生タイミング経路に関わる新規遺伝子の同定と機能解析」
(動物はなぜ/どのようにして大人になるの?)

筑波大学 生命環境科学系 (研究員)
「線虫を用いた、転写と代謝のクロストークによる生命現象の制御メカニズムの解明」
(ミトコンドリアの機能と不妊って関係あるの?)

大分大学 医学部 (助教)
「神経変性疾患のモデルサカナの作製と神経芽細胞株を用いた解析」
(ヒトの病気を模した魚を作りましょう!)


これらの経験を経て、ミトコンドリアの機能について研究を進めるうちにいろいろな可能性が見えてきました。
そして、その可能性を確実なものにすべく、現在ミトコンドリア機能の改善サプリメント(マイトスマート(仮))の商品化、並びにさらなる研究・開発の準備を整えております。

このクラウドファンディングにおいて、皆様には、ヒトの健康にとってミトコンドリアの機能がいかに大切なものなのかを知っていただきたいと考えております。そして可能であれば、肥満などによって低下したミトコンドリア機能を改善する方法を、それを必要とするすべての方にひろめていただければ幸いに存じます。

世界中で、「健康で幸せな生活」を実現するために、
何卒、皆様のお力添えをよろしくお願いいたします。

(以下、研究についての記載になります。全てを読むお時間がない方は、1-2分ほどお時間いただけるようでしたら専門用語が少し入ってきますが「太文字」になっている文をつなげて読んでいただけますと、ある程度の内容をご理解いただけます。また、専門用語等難しい内容はさておき、私の想いを読んでいただける方は文末の『研究者としての想い』までスクロールしていただけますと幸いです)


ミトコンドリア。
聞いたことはあると思います。

私たちは常に呼吸をしていますが、ミトコンドリアは、呼吸で吸った酸素を使ってエネルギーを作り出している(副産物として二酸化炭素を排出している)細胞内小器官、いわゆる「発電所」のようなものとして知られています(図1)。

発電所は石炭などの燃料を使ってエネルギーを作っていますが、ミトコンドリアは糖や脂肪を使ってエネルギーを産生しています(図2)。

つまり、ミトコンドリアを活性化することができれば、体の中の糖や脂肪を分解して、私たちはダイエットに成功することができると考えられます。

 しかし残念ながら、実際はそう単純ではありません。理由は次に述べます。

 

※図1


※図2




ミトコンドリアのエネルギー産生は、ミトコンドリアタンパク質群の働きに依存しています。
そしてこの働きというのは、食べ過ぎによって落ちてしまうと考えられています。

先に述べたように、ミトコンドリアは糖や脂肪を使ってエネルギーを産生します(図2)。
通常の栄養状態では、エネルギー産生の第一段階として糖や脂肪が分解され、ミトコンドリア内で「アセチルCoA」という物質が作られます。
そして、このアセチルCoAを使ってミトコンドリア内のクエン酸回路が稼働し、たくさんのエネルギーが作られていきます(図2と図3左)。

しかし栄養が過多な状態では、このアセチルCoAが過剰に生成され、クエン酸回路では消費しきれなくなります(図3右)。
そして余ったアセチルCoAはミトコンドリアタンパク質群(エネルギー産生に大切な酵素)に作用して、アセチルCoAのアセチル基というものがミトコンドリアタンパク質に結合してしまいます(ミトコンドリアタンパク質のアセチル化)。
このミトコンドリアタンパク質群の「アセチル化」を、私は「汚れ」と表現しています。
食べ過ぎによって汚れたミトコンドリアタンパク質はうまく機能することができず、ミトコンドリア内のクエン酸回路の不調和を生み出してしまいます(図3右)[文献1]。

つまり、ミトコンドリアタンパク質の汚れ(アセチル化)はミトコンドリアのエネルギー産生機能を低下させ、糖や脂肪を分解させにくくしてしまいます

そして大変残念なことに、一度汚れてしまったミトコンドリアを元に戻すことはそう簡単にはできません(でした)。
太った人がやせにくい、あるいはやせたとしてもリバウンドしやすいというのは、このミトコンドリアの汚れのせいではないかと私は考えています。

※図3

実は、生体内にミトコンドリアタンパク質の汚れを落とす「お掃除屋」が存在しています。
それが脱アセチル化酵素SIRT3です(図4)。

これに関しては、大変面白い論文があります。

このお掃除屋SIRT3の機能が低下したマウスでは、ミトコンドリアの汚れがひどくなり(アセチル化が進む)、メタボリックシンドロームを加速させることがわかりました。

そして太る期間が長くなると、このお掃除屋SIRT3が機能しなくなるということも報告されています [文献2]。

つまり、ミトコンドリアの汚れが肥満を促進し、肥満が促進すると汚れが落ちにくくなるという負のスパイラルに陥ってしまうのです。

単純にこのお掃除屋を活性化してあげれば太りやすい体質が改善されると考えられますが、しかしこれまた残念なことに、その有効な方法はこれまで見つかっていませんでした。

※図4


話は変わりますが、私はこれまでミトコンドリア機能と線虫の不妊についての研究を行ってきました。

結論からお話ししますと、受精した卵子のミトコンドリアが汚れていると受精卵は成長しなくなる、すなわち不妊になるということが分かりました。

そして大変興味深いことに、この線虫の研究の過程で偶然にも、お掃除屋を活性化してミトコンドリアの汚れをきれいに取ってくれる物質を発見したのです。

それが『ポリアミン』です。

ミトコンドリアを汚した卵は成長の途中で死んでしまいますが、ポリアミンを与えた卵では最後まで成長させることができました [文献3]。

ダイエットの話に戻しますと、ミトコンドリアの話にはなっておりませんが、太らせたマウスにポリアミンを与えると脂肪が減少することが報告されています(図5)[文献4]。


※図5


研究開発には莫大な費用がかかるため、現在はポリアミンに関する様々なアイデアを形にすることができておりません。
しかし私は万里一空の精神をもってこの研究をさらに進め、健康に様々な悪影響を及ぼす肥満や、治療費が大きくかかってしまう不妊の新しいサポート材料のひとつとして、ポリアミンをできる限り早く皆様に活用していただけるよう努めていきたいと思っています(図6)。

そして、今回お話しませんでしたが、アルツハイマー病などの神経変性疾患やアトピーなどの免疫系疾患などの進行をポリアミンが抑えてくれるのかに関しても検証していきたいと考えています(図6)。


※図6


今後の方針としましては、ポリアミンを含むダイエットサプリメントを販売し、得られた資金をポリアミンのさらなる研究開発に当てていきたいと考えております。
従いまして、今回ご支援いただいた資金は、ポリアミンを含むダイエットサプリメント(マイトスマート(仮))の開発・商品化の初期費用として使わせていただきたく存じます


仮説を伴う研究についての話をご覧いただきありがとうございます。

私は一昨年に、ポリアミンの様々な病気に対する効能について研究し、それを商品化したいと思いつき、その後アカデミア(研究)の世界を飛び出しました。
そして、紆余曲折を経て今日に至っています。

たった1年の間でしたが学ぶべきことがたくさんあり、そして当たり前のことですが一人では何もできないということを痛感させられました。

研究開発を完遂するにはお金はもちろんのこと、それに賛同してくれる人たちの声、そして研究開発に力を貸してくださる人たちの存在が必要不可欠であることを知りました。

この企画をクラウドファンディングでやろう!と考えるまでは、私をサポートしてくれる存在はほんのわずかでした。しかし今回このプロジェクトを進める過程で、このプロジェクトに賛同してくださる方々やプロジェクトを遂行することに様々な方面から協力してくださる各種専門の方々、多くの皆様に出会うことができました。

こういった方々に出会うことができ、この企画の立ち上げに関わってくださった皆様に対し、本当に感謝の念に堪えません。

そして、そういった方々のおかげで、すでにポリアミンの開発・商品化までの道筋が見えてきております。あと必要なものは、それを遂行するための資金だけです。

今回私は大変幸運なことに、研究の世界以外で私の研究を後押ししてくださる方々に出会うことができました。
しかし、私のようになかなか業績が上がらないがために、やりたいことを実現できずに研究を諦めていく研究者は多くいらっしゃいます。

大変苦労されて得られた多くの専門的な知識や技術を研究という形で世に還元することができないということは、大変残念にそして勿体ないことだと私は感じております。



このプロジェクトを成功させる意義としましては、ポリアミンの研究開発がさらに進み、多くの皆様の健康をサポートできるだけではなく、研究をあきらめなければならない研究者の一つの生きる道として草分け的事例になればと願っております。

最後になりましたが、現在第一弾としまして、このポリアミンを配合したダイエットサプリメント(マイトスマート(仮))を今夏までに商品化していくために動いております。

皆様の温かいご支援、何卒よろしくお願いいたします。
そして、皆様が今回ここで学ばれたこと(健康維持にミトコンドリア機能がいかに大切なのか、そして汚れたミトコンドリアをどのように改善していくのか)を多くの方々にひろめていただけましたら幸甚に存じます。


※本プロジェクトはAll-in方式で実施します。
目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします


【参考文献】
1.Ghanta, S., Grossmann, R.E., and Brenner, C. (2013). Mitochondrial protein acetylation as a cell-intrinsic, evolutionary driver of fat storage: chemical and metabolic logic of acetyl-lysine modifications. Crit. Rev. Biochem. Mol. Biol. 48, 561–574.

2.Hirschey, M. D., Shimazu, T., Jing, E., Grueter, C. A., Collins, A. M., Aouizerat, B., et al. (2011). SIRT3 deficiency and mitochondrial protein hyperacetylation accelerate the development of the metabolic syndrome. Mol. Cell 44, 177–190.

3.Hada, K., Hirota, K., Inanobe, A., Kako, K., Miyata, M., Araoi, S., Matsumoto, M., Ohta, R., Arisawa, M., Daitoku, H., Hanada, T., Fukamizu, A. (2019). Tricarboxylic acid cycle activity suppresses acetylation of mitochondrial proteins during early embryonic development in Caenorhabditis elegans. J. Biol. Chem. 294(9),3091-3099

4.Gao, M., Zhao, W., Li, C., Xie, X., Li, M., Bi, Y., Fang, F., Du, Y., Liu, X. (2018). Spermidine ameliorates non-alcoholic fatty liver disease through regulating lipid metabolism via AMPK. Biochem. Biophys. Res. Commun. 505:93–98

  • 2021/08/26 16:38

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

  • 2021/08/04 21:56

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

  • 2021/03/30 09:00

    皆様、プロジェクト終了まで残りわずかとなりました。最後に、今後どのようにして「マイトスマート」を購入すればよいのかをご連絡いたします。今現在、ホームページを作成しようとしております。いずれそちらの方から「マイトスマート」を購入できるようにする予定です。5月中に開設する予定にしており、「MPRO...

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