実施理由/背景
失われたイベントや販促機会。苦境を乗り越え未来への糸口を!
コロナ禍により、陶器まつりを開催したり大都市圏に出向いて展示販売会を開いたりといった販促活動が難しい状況となっています。
これらは長く、お客さまとつながって収益を得る大切な機会でしたが、昨年、その流れが突然失われました。焼き物を生業とする者たちにとって深刻な事態です。
特に5月の越前陶芸まつりは、産地最大の陶器市として例年、福井県の内外から大勢のお客さまが訪れ、手作りの品々をお買い求めいただいておりました。秋季陶芸祭も含めたまつりが経営の柱だった窯元も多く、中止は痛手でした。依然、昨春の在庫を抱えた工房もあります。
その後、国の観光支援事業や連動するキャンペーンもあって越前陶芸村の来場は増え、売店での販売を通して回復傾向の窯元もあります。でも、陶器まつりその他販促活動については依然、本格再開の見通しが立たず、未来への不安がぬぐえない状況にあります。
そこで今回、クラウドファンディングを通して国内のより多くの皆さまに越前焼産地について理解をいただき、ファンを増やしたいと考えています。これを弾みにコロナ禍の現状とともに産地が抱える課題を克服し、伝統をつなぐ新しい一歩を踏み出します。
プロジェクト内容説明
土にこだわり、歴史をつなぐ15窯元がプロジェクトに結集!
さあ、みんなで力を合わせて厳しい状況を乗り切ろう―。
そんな掛け声をもとにプロジェクトに集まったのは、若手からベテランまで15の窯元です。
【参加窯元】
・伊藤 順康 ・新藤 聡子
・近藤 修康 ・熊野 九郎右ヱ門
・北崎 立夏 ・武澤 信雄
・福嶋 伸彦 ・五島 哲
・前田 義郎 ・大屋 宇一郎
・幸炎 れい子 ・泉 直樹
・吉田 雄貴 ・司辻 健司
・岩間 竜仁
まず、お伝えしたいのは、いずれの窯元も越前の土にこだわり、その味わいや特長を引き立てようと日ごろ、技を磨いていることです。
この地には耐火性に優れた土が多く存在していることから、古くから焼き物が息づいてきたといわれ、どの窯元もその歴史を大切にし、誇りにしています。
【越前焼の歴史】
越前焼が発祥したのは12世紀後半。源氏と平氏が覇を争ったころです。同じく日本六古窯に位置付けられる常滑(愛知県)から職人を招き、豊富な粘土を使って壺や甕、すり鉢といった日用品の生産を始めたと伝わります。中世には越前の戦国城下町「一乗谷」をはじめ、舟運にのって日本海側に広く流通する一大産地だったとの歴史もあります。
創作に息づく原風景。古きを温め、現代に進化させる窯元たち。
「モチーフはこの地の文化や風土」
「自然と対話し創作を」
昔ながらの薪にこだわって窯を焚き、炎と灰がもたらす自然な造形を美学とする。そんな窯元が多いのも、この越前の特長です。
四季移ろう落葉樹の森や田畑に囲まれた原風景的な集落。その中に点在する工房。中世から変わらぬ素朴な作風とともに、「越前ねじたて成型」をはじめとする古くからの成形技術が息づいています (※次のURLの動画参照)
https://www.youtube.com/watch?v=_o0Mpn7IItE&feature=emb_title
昭和のころ、この地を訪れた文豪・司馬遼太郎は、技の存在を「奇跡」だと書き残しているほどです。
そのような風土と作風に引かれて移り住んだ米国出身の陶芸家がいたり、工房を構えた映画監督がいたりしました。
こうしたアーティストたちを引き寄せる不思議な魅力が、この越前焼の里に存在するのです。
今回のプロジェクトに参加した窯元たちも、この魅力に引かれ窯を構えました。遥か中世の先人たちに心を移入し、風土とともに土や炎と向き合い、創作の手を進めています。
薪窯を使う以外にも、現代の創作ツールである電動ろくろやガス、電気窯を駆使しながら、釉薬や線刻といったデザインにもこだわり、現代ライフに合った作品へと仕上げています。
目指すところ
ファンとサポーターを国内外に広げたい。産地の課題を解決する力にも!
今回のプロジェクトを通して目指すのは、コロナ禍を乗り越えて未来を拓く新しい力を産地にもたらすことです。
1点目は、皆さまからのご支援に対する返礼品を通した在庫品などの販促。これが今春以降の創作の力となります。
2点目は、クラウドファンディングを通して国内外に産地の魅力を知っていただくとともに、ファンとサポーターの輪を広げること。
3点目は、皆さまのご支援で集まった資金をもとに、越前焼産地の抱える課題を解決する一歩にすることです。
3点目の産地の課題について、詳しくご紹介しましょう。
産地は今、未来へ営みをつなぐ上で大きな構造的な課題を抱えています。それは粘土の供給です。
古くから使われている耐火性の高い良質の粘土は、なお産地内に存在しているとみられますが、手軽に採取できる表土にあるものは残り少なくなっています。未来へ継続するためには、地中や林中を探索し、掘り起こす必要があります。
ただし、そのためには専門機関に委託するなどの費用が必要となります。
どのように費用を確保し、未来への糸口を導き出すかが、コロナ禍への対応と並んで緊急の課題となっているのです。
寄付の使い道
寄付いただいた皆さまにお届けさせていただきます。
(※ふるさと納税の制度により、越前町に住民票登録のある方に関しましては、ふるさと納税の寄附や寄付控除を受け付けることは可能ですが、お礼品は選択することができません)
残りのうち、ふるさと納税やクラウドファンディングにかかる手数料や送料など必要経費を除いた5割を2021年度以降に越前焼の振興や課題を解決する事業に活用させていただきます。
自治体からのメッセージ
ご支援をもとに、越前焼産地を振興へ!
越前焼は越前町が誇る財産であり、日ごろ産地のバックアップに取り組んでいます。その柱として産業や観光の中核となる越前陶芸公園の整備とともに越前陶芸まつりや秋季陶芸祭の開催を毎年のように支援してきましたが、昨年来のコロナ禍では町民や関係事業所、来場者の感染拡大防止による命と健康を最優先に、やむなく中止を決断したものです。
コロナ禍の影響が長引く中で、何とか伝統を受け継ぐ窯元の皆さまを支援したいと考え、このたび、ふるさと納税業務の延長でクラウドファンディングに踏み切りました。
伝統のものづくりの炎とともに、まちの未来を拓くため、ぜひ多くの皆さまのご支援をいただけると幸いです。
お礼品について
開けて楽しみ! 窯元のセレクト品を福袋形式でお届けします!!
次の(1)~(10)をお礼品として用意しました。
▽寄付1万円
(1)次のいずれかの窯元の碗類ペア(3千円相当)
(窯元)泉、吉田、五島
(2)次のいずれかの窯元のカップ類ペア(3千円相当)
(窯元)北崎、泉
(3)次の窯元の皿ペア(3千円相当)
(窯元)前田
▽寄付1万5千円
(4)次のいずれかの窯元の碗類ペア(4千5百円相当)
(窯元)伊藤、前田
(5)次のいずれかの窯元のカップ類ペア(4千5百円相当)
(窯元)北崎、司辻、伊藤、吉田、前田、大屋、五島哲
(6)次のいずれかの窯元の皿か鉢類のペア(4千5百円相当)
(窯元)伊藤、前田
▽寄付3万円
(7)次のいずれかの窯元の作品(9千円相当)
(窯元)北崎、岩間、伊藤、幸炎、大屋
▽寄付5万円
(8)次のいずれかの窯元の作品(1万6千円相当)
(窯元)福嶋、岩間、新藤、大屋、五島
▽寄付10万円
(9)次のいずれかの窯元の作品(3万2千円)相当
(窯元)岩間、伊藤、前田、五島、福嶋、武澤
▽寄付100万円
(10)次のいずれかの窯元の作品(30万円相当)
(窯元)熊野、近藤、伊藤
事業スケジュール
2021年1月~3月:クラウドファンディング実施
2021年1月~4月:お礼品送付
2021年1月~:寄付金を活用した越前焼振興策を検討
2021年7月~:越前焼振興事業に着手
クラウドファンディングにより寄付をいただき次第、越前焼工業協同組合が窓口となって参加窯元の返礼品を支援者の皆さまにお届けさせていただきます。
さらに、クラウドファンディング開始とともに集まった資金の活用方法を検討。7月以降に振興事業を具体化していきます。