はじめに・ご挨拶


この度は私のプロジェクトを見つけてくださり、そしてご覧になっていただきまして誠にありがとうございます。私は中野憲二と申します。

主に、1980年代から2000年代にかけての20数年間は、アフリカ大陸のフランス語圏(モロッコ、チュニジア、アルジェリア、セネガル、コートジブアール、ニジール、ベニン、ギニア(コナクリ)、マリ、等々)でフリーランスの日仏通訳として働いていました。この間、休暇か契約の更新時に一年に一度位しか日本に帰ってくることのない生活を送っていましたが、その度に感じたのは山、海、川、四季のある我が故郷の広島の素晴らしさです。サハラ砂漠を含む乾燥、灼熱の北アフリカの国々か、高温多雨の熱帯雨林の赤道直下の国々が働き場所だったので、対比的に日本の気候、風土への認識が深まることになりました。

たまたま、80年代の後期に、日本三景一つでUNESCOの有形世界文化遺産である宮島の神社仏閣、ホテル、旅館、お土産店の集中する商業地区ではない、弘法大使も修業した霊峰弥山の裏側、南東斜面に在る放棄されていた約2300坪の農地に巡り合い、これを購入しました。本格的に再整備したのは通訳を引退してからのこの10年間位ですが、この間にWWOOFの枠組みで20ヶ国位の世界の国々から ゲストを迎え入れ、生食用の葡萄(ピオーネ、安芸クイーン、ハニービーナス)、原木シイタケを栽培し、自家用の野菜を育てるという農的生活を満喫してきました。最近では、古民家風の意匠を凝らした建屋を整備し、民泊許可を取得してAirbnbにも登録しています。


このプロジェクトで実現したいこと

2018年には宮島のある廿日市市が果実酒特区に認可されたので、新たにワイン専用の種類(シャルドネ(白)、ヤマ・ソービニョン(赤)、メルロー(赤)、ピノ・ノワール(赤))の苗木を植え増し、農園内に小規模な醸造所を整備し、備品を購入し、醸造許可を取得してワイン醸造を目指します。

私たちの地域のご紹介

私の農園は日本三景の一つであり、UNESCOの有形世界遺産でもある広島県廿日市市の瀬戸内海に浮かぶ宮島にあります。宮島に渡るには、JR山陽線の宮島口か、広島電鉄の宮島口で降りて、フェリーを使うことになります。あまり知られていないのですが、広島市内に在るもう一つのUNESCOの世界遺産の原爆ドームとは高速船での往来も可能です。

宮島の主要な産業は観光で、島内には神社仏閣を含む歴史的な建築物が散在し、多くのホテル、旅館、簡易的な宿泊設備が整っており、カフェ、地ビールのブルワリー、アート・ギャラリー、お土産店、水族館もあり、コロナ禍以前の2015~2019年の5年間の来島者は平均で年間437万人を数えていました。又、家内工業的な木工クラフト産業も存在し、江戸時代の寛政年間に起源を発すると言われる木製杓子(しゃもじ)が有名です。

島の裏手にはビーチもあり、海水浴客やウィンド・サーフィン、サップ(スタンドアップパドル・サーフィン)、ジェット・スキー等々のマリンスポーツを楽しむ人々を惹きつけています。

プロジェクトを立ち上げた背景

この宮島を知らぬ人は少ないと思いますが、多くの人が知らない宮島に関する一つの事実があります。それは、宮島は神の島であるが故に、その御神体に鍬を立てて傷つけるのが憚れれるとの理由で、歴史の長きに渡って農業は行われることはありませんでした。本土側に食料を依存してきた名残として、”たのも船”という手作りの小舟を対岸の大野町に向けて放つという”たのもさん(お頼み申し上げる?)”と呼ばれる儀式が今でも残っています。又、島民と言えども島内に墓所を持つということはいまだかっておこなわれていません。

ところが、戦後の食糧難時代には”背に腹は代えられぬ”との理由で、現在の農園のある大砂利地区を含む人里離れた限らた地域に入植が行われ、開拓が進められました。しかし、更なる歴史の逆説として、60年代から70年代の中期にかけての”高度経済成長期”には、多くの入植者の人々も町場に現金収入の道を求めて流出し、せっかく開拓された農地も元の原野に戻る羽目になりました。

80年代にこの放棄地に出会い、自然の中で個人的に農的な生活を愉しむとのスタンスでやってきましたが、近年では宿泊施設、付帯設備(ミニ・コンサート、ヨガのプラクティスのできるテラス、お風呂、ジャグジー、サウナ、海の見えるキッチン、広島スタイルのお好み焼きができる鉄板、お茶の儀式ができる空間、等々)を充実させてきましたので、これに加えて果実酒特区の枠組みでワインを醸造し、より社会的に多くの人達がエコフレンドリーな生活を愉しめる場として復興したいとの想いが動機となっています。


これまでの活動

80年代から、放棄され原野に戻っていた当地に繁茂する雑木を伐採し、重機を入れて土工事を行って棚田化し、有機堆肥を入れて果樹、野菜を作れる環境を整備してきました。

野菜は自家用を旨として小規模に耕作してきましたが、果樹では現金収入を得たいとの思いがあり、かなりのスペース(約2,500m2)を整備し、広島県立農業技術センターで完成された根域制限栽培を適用して、生食用のブドウ(ピオーネ、安芸クイーン、ハニービーナス)を栽培してきました。宮島のネーム・バリューを利用して付加価値を付けた商品を宅急便を使って全国に届ける、又、地産地消で葡萄は島内で消費してもらうとの構想で始めましたが、この数年は栽培技術の未熟さ、世話のたいへんさ、獣害(鹿、イノシシ)にみまわれるとのことがあり、決して上手くいっていません。

このような状況下で、ここ数年は農業で自活するとの試みをより広範囲にとらえて、農家民泊(Airbnb)、民宿、付帯設備(上記参照)を充実させて現金収入の道を探っています。


資金の使い道・実施スケジュール

今回のクラウドファンディングで集めた支援金は、農園内にある建屋スペース(約18m2)を醸造許可を得られるように建築的に整備し、ワイン製造に必要な備品(小型の圧搾機、簡易発酵容器、ボトル等)を購入するために使用します。

スケジュールは今年中の醸造許可取得を目指します。

リターンのご紹介

リターンは農園への宿泊、付帯設備(お風呂、ジャグジー、岩プール、ミニコンサート、ヨガ等のプラクティスのできるテラス、広島スタイルのお好み焼きができる鉄板等々)の利用権を考えています。

*ワイン製造のためのクラウドファンディングですが、果実酒特区の枠組みで作った場合、一般的な流通ルートでの販売は不可で、泊り客の人に飲んでもらうとの掣肘条件があるため、リターンとしては難しいのではと考えています。

最後に

女神の島”宮島”でのワイン造りに参加し、原始林に囲まれた農園で一緒に美酒に酔い痴れましょう!


<All-in方式の場合>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください