はじめに

 大賀ハスのふるさとの会 会長 金子 建一郎                                                                      

会長の金子です。私たちが東京大学から花ハスの栽培を引き継いで10年目に入りました。大賀ハス発祥の地で、ハスを守り花園ハス祭りと観蓮会を続けようと頑張っています。花ハスを綺麗に咲かせるには、土の入れ替えが必要です。皆様のご支援をいただきたいところがここです。どうぞよろしくお願いします。


このプロジェクトで実現したいこと

皆さまからいただいた支援金でハスを植替え、大賀ハスが発掘された千葉の検見川の地において、大賀ハスをはじめとしたハスが咲き誇る観蓮会を開催したいです!

このプロジェクトを実行するのは、ボランティア団体「大賀ハスのふるさとの会」のボランティアたちです。この団体は、10年前に東京大学からハス見本園の管理を引き継ぎ、観蓮会の開催、ハス文化の継承と普及活動を行っています。活動拠点は、千葉県千葉市花見川区の東大旧緑地植物実験所のある山の上で、そこには大賀ハスをはじめ、世界120品種ほどのハスが並ぶ見本園があります。

ハス品種見本園では、東京大学農学部附属緑地植物実験所の研究者たちが世界中から集めたハスを見ることができます。大賀ハスのふるさとの会は、大賀ハスをはじめ日本各地のハス、中国系のハス、アジア系のハス、アメリカ系のハス、ロシアのハスなど120品種ほどの維持・管理を行っています。

2021年3月6日の見本園の様子です。あとひと月ほどで、泥の中の蓮根から葉がどんどん伸びてきます。

ハス品種見本園で観蓮会を行うことが、この豊かな自然を残す大賀ハスのふるさとを守ることにつながります。


プロジェクトをやろうと思った理由

観蓮会と花園ハスまつり

大賀ハスが発掘された場所にある千葉市の地元では、毎年7月に自治会による「花園ハス祭り」が行われています。この夏祭りの初日の早朝に行われるのが見本園の「観蓮会」です。大賀ハスのふるさとの会にとって、観蓮会の運営に関わることが一年で最大のイベントとなります。大賀ハスをはじめ、世界中から集められたハスたちの咲き誇る姿をひと目見ようと、多くの人が集まります。

子供たちに人気のマスコットも登場します。左から大賀ハスの妖精「ちはなちゃん」、加曽利貝塚の「かそりーぬ」、JRの「駅長犬」です。

1967年(昭和42年)からつづく地域の伝統行事である夏の観蓮会は、東大緑地植物実験所が西東京市に移転したことにより、一時は開催があやぶまれました。しかし地元有志の人々、自治会や大賀ハスのふるさとの会によって、今も観蓮会は開催されています。

大賀ハスのふるさとの会は、見本園で前年に刈り取ったハスの果托、ハスのポストカード等を販売し、売上の一部をハスの植え替え費用にあててきました。残念ながら2020年の観蓮会はコロナ感染拡大防止対策の影響で中止となりました。


大賀ハス発掘のロマン!

ここで千葉市の花・大賀ハスについて少しお話します。戦後の混乱の収まらない頃、千葉県千葉市にある東京大学検見川厚生農場内(当時)にあった落合遺跡で、丸木舟の木片が見つかり、アメリカのシカゴ大学による検査の結果、2000年以上も昔のものと判明しました。それを知った大賀一郎博士は、1951年(昭和26年)に、きっとこの場所に古代蓮の実があるだろうと発掘調査をはじめ、成功します。丸木舟と同じ地層から発掘された古代蓮の実が大賀一郎博士により奇跡的に発芽、翌年に開花したことから大賀ハスと名付けられました。

大賀一郎博士は、1917年に南満州の普蘭店(ふらんてん)において、約500年前の古蓮の種を発見し、開花に成功していました。帰国後もハスの研究をつづけ、千葉県千葉市の東京大学検見川厚生農場で発掘された古代の丸木舟のことを知り、「ここを掘れば必ず蓮の実がある」と確信し、スコップ1丁と1万円を携えてやってきたと言われています。68歳のときでした。大賀博士の情熱にうたれた地元民の理解と協力をもとに、1951年3月はじめに古代蓮の発掘がはじまりました。下の写真は泥をふるう子どもたちの姿です。

しかし湿地のなかの草炭層は少し掘ると水がたまり、発掘作業は難渋。一ヶ月が経ち、資金も底をついたころ、成果なく作業が打ち切られる最終日のことです。ついに千葉市花園中学校の女子生徒のふるいに一つの蓮の実がかかりました。そのとき、大賀一郎博士は「ああ! 検見川の地よ。汝の名はこの蓮の実の発掘によって永遠に世界に残る」と叫び、感涙したそうです。下の写真が発見当時の大賀博士のメモです。

発掘現場では、結局3粒の古代蓮の実が発掘されましたが、発芽実験が行われたのちに開花したのは最初に見つかった一粒の実でした。開花したのは、翌年の1952年7月18日。奇跡的に現代に蘇った古蓮の花が全容を現し、世界最古の花として大きく報道され、アメリカの『ライフ』誌 (1952年11月3日号、60ページ)では大賀ハスがカラー写真で取り上げられました。こちらのリンクで当時の『ライフ』誌がオンライン公開されています。

優雅で気品あるハスは、古代から様々な形で生活に取り込まれてきましたが、明治に入ってからは急激な欧化思想のもとでハスの存在が衰退した時期がありました。この流れを変えるひとつのきっかけが、センセーショナルな昭和の大賀ハスの発掘だったと言われています。


ハスの見本園の現状

東京大学から見本園の管理を引継いでから10年。年々、花蓮たちが咲かなくなってきています。花つきが悪い大きな理由のひとつが、咲き続けるために必要な数年に一度の植替えをしていないからです。下の写真は、2020年7月の大賀ハスです。ほとんど咲きませんでした。見本園の目玉は、千葉市の花であり、千葉県の天然記念物に指定された大賀ハスです。この見本園にある大賀ハスがいま全国、全世界で栽培されている大賀ハスの元なのです。

大賀ハスだけでなく、見本園に植えられた120品種ほどのハスたちも植替えを必要としています。これまでは予算の関係で、一年に3つから5つの品種のマスだけを厳選して植替えてきました。しかし2020年はコロナ感染拡大防止対策のために観蓮会が中止となり、活動の大切な資金源のひとつが失われました。今年はいくつのハスの蓮根を取り出し、培土を替え、肥料を与えて夏に花を咲かせる準備ができるか分からない状況です。


見本園の10枡(ます)を植替えたい!

ひとつのハスの枡(ます)を植替えるのに必要な費用は3万円です。大型の蓮の品種が植えられた枡は、四角いコンクリート製で、幅280センチ、奥行き280センチ、深さ60センチです。植替えるときは、水を汲み出し、重機を使って泥を掻き出し、蓮根を壊さないように取り出して選別します。

蓮は3年に一度の割合で植替えを行うと、毎年花つきが良いとされています。ハスの系統を維持するためにも、正しい植替えが必要です。数年おきに植替えをしないと、レンコンが混み合い、葉だけが茂って花が咲かなくなります。

蓮には、良質な田土(荒木田)が最適です。100%の田土でなければ、荒木田4、畑土4、土1の割合で混合土をつくります。肥料も与えます。下の写真は2019年3月に千弁蓮を植替えたときのものです。

順調に育った千弁蓮は同じ年に咲きました。


【植替えを待つハスたち】

ハスの植替え時期は3月です。皆さんのご支援をもとに、速やかに植替え作業を実行して、今年の夏に美しいハスの花を咲かせたいと思っています! 特に元気のない植替えを必要としているハスの品種と枡の数は以下のとおりです。

大賀蓮(2枡)舞妃蓮(1枡)紅黃蝶(1枡)浄台蓮(1枡)極楽寺蓮(1枡)検見川蓮(1枡)立田蓮(1枡)太酒錦(1枡)通糸蓮(1枡)

下の図はハス品種見本園の見取り図です。植替えを必要とするハスたちは、赤く囲ってあります。
今年の夏、ご支援いただいた方には見本園をご案内したいと思います。詳しくはリターンのほうをご覧ください。


これまでの活動

プロジェクトにつながる大賀ハスのふるさとの会の主なボランティア活動をご紹介します。原則として第1と第3土曜日の午前中に東京大学旧緑地植物実験所に集まってハスのお世話や見本園のまわりの環境整備を行っています。その他にも、ハスに関する知識や栽培方法の講習会、ハス文化のひろがりを目指した啓蒙活動を積極的に行っています。


◎ハス品種見本園の管理

一年を通して見本園の草刈りなど環境整備をし、冬場からハスに定期的に肥料を与え、春以降はアブラムシなどの害虫を駆除し、病気予防対策、藻や枯葉などを取り除く作業を行っています。


◎観蓮会の運営参加

観蓮会は早朝6時スタート! 毎年2000人以上が訪れる地域のイベントです。大賀ハスのふるさとの会は、ハスのガイドツアー、コンサート、ハスの果托やハス鉢の販売、ハスの実ケーキの企画販売、象鼻盃(ハスの葉でお酒を飲むこと)体験コーナー、見本園のハスのポストカード販売などを行っています。

ハス祭りのこけら落としである観蓮会は、地元のJR新検見川駅でも宣伝されてきました。


◎地元の小学校・中学校でハスの植付け・管理、学習会の開催

千葉市立瑞穂小学校では生徒たちは熱心にハスの話に耳を傾けてくれます。ハスのお世話もとても上手です。

千葉市立花園中学校は、1951年に大賀ハスの実を発掘した女性徒が通っていた学校です!

同校には「大賀ハスと花園中学校」という記念碑があります。


ハスの栽培講習会・セミナーの開催

毎年、好評を博している企画です。


駅にハス鉢を設置(7月)

JR新検見川駅の協力により、ハスの大鉢を展示しています。駅の利用者にとって、このハスの花たちは夏の風物詩となっているようです。


◎公民館の池の大賀ハスの植替え、管理

千葉市花園公民館の大賀ハスの池では、夏になると美しい花たちが暑さをしばし忘れさせてくれます。

◎ハス文化の普及に関するイベントのお手伝い

2018年6月に行われた千葉市の花「オオガハス」制定25周年記念シンポジウムで、大賀ハスのふるさとの会の金子会長がパネルディスカッションに参加しました。千葉市民がハスをより身近に感じるきっかけをつくっていくために何をしたらよいのかが話し合われました。

2018年2月には、ユネスコ世界遺産セミナーが「地域活動・生活と世界遺産」というテーマで行われ、大賀ハスのふるさとの会も参加しました。金子会長が会の活動について紹介しながら、大賀一郎博士がいかに「ハスは平和の象徴なり」と謳い、ハスを使った日本と外国との平和外交の可能性について触れました。

2018年7月にはみずほハスの花図書館のイベント「見て 知って大賀ハス!」でハスのガイド役を務めました。ハスウォーキングでめぐる千葉のまち、という千葉市のコンセプトで行われました。


◎ハスをとおして国際交流

2016年10月、中国の大連市普蘭店区古蓮研究所より、訪問団17名が大賀ハスを見学に立ち寄りました。普蘭店は、大賀ハスを発掘する前の大賀一郎博士が古蓮の研究を行っていた場所です! 訪問団は、東京大学検見川総合運動場内の大賀ハス発掘地点を見学し、最初の大賀ハスが植えられた東京大学旧緑地植物実験所のハス品種見本園を訪れました。


◎区民まつりに参加

千葉市花見川区の区民まつりでは、大賀ハスのふるさとの会の活動を紹介するパネルを展示しました。来場者と交流しながら、ハスをとおした豊かな地域コミュニティづくりを目指します。


ハス守りさんとしての活動

千葉県千葉市中央区にある千葉公園で行われる「大賀ハスまつり」では、大賀ハスのふるさとの会のメンバーがハスのガイドツアーを行っています。

「ハス守りさん」とは、千葉市の都市アイデンティティである、オオガハスに関する知識や栽培方法を習得し、オオガハスの名所や栽培地における学習・栽培・ガイド・イベント等のボランティアとして活躍する人材です。

その他の詳しい活動報告は大賀ハスのふるさとの会のブログにあります。2016年9月に開設して以来、現在までの活動を記事にしています。


これらの活動は、ハスの見本園でハスが咲くからこそ成立します!


資金の使い道

皆さまからいただいた支援金は次の用途に使わせて頂きます。

1.  東京大学旧緑地植物実験所園内「ハス品種見本園」におけるハスの植替え費用

2.  東京大学旧緑地植物実験所園内の保全・環境整備に係る管理機材の購入費用

3.  観蓮会の開催費用

4. リターン費用

5.  クラウドファンディング手数料


ご支援へのリターン


本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

リターン① 実行者からのお礼のお手紙、ハスのポストカードを添えて

実行者からのご支援に対する感謝の気持ちを、お手紙にして送らせていただきます! このお便りにハス品種見本園で育つハスたちの美しいポストカード20枚を同封します。写真は大賀ハスのふるさとの会のボランティアが撮影しました。ポストカードのハスの品種のご指定は承ることができませんので、予めご了承ください。下の写真は、お届けする20枚セットの一例です。

*本写真の著作権は「大賀ハスのふるさとの会」が有するものとし、イベントなどでの無断使用は一切禁じます。


リターン② お礼のメール、ハス品種見本園のガイドツアー

プロジェクト実行者がご支援にたいする感謝の気持を込めて、お礼のメールを送らせていただきます。さらに今年の夏、植替えたハスを見学する早朝ツアーにご招待いたします。千葉県千葉市花見川区にある東京大学旧緑地植物実験所のハス品種見本園を「大賀ハスのふるさとの会」のボランティアが全力でご案内します! 70年前に古代蓮の種を発掘した大賀一郎博士のお話やハスの生態についてご説明しながらの見本園めぐりです。満開のハスを鑑賞するベストな時間帯は、午前7時から9時ごろです。
所要時間60分ほど、ツアー参加人数は25名まで。2021年7月実施予定です。

 

リターン③ お礼のメール、ハスの見本園ガイドツアーと小型のハスをお持ち帰り

プロジェクト実行者がご支援にたいする感謝の気持を込めて、お礼のメールを送らせていただきます。さらに今年の夏、植替えたハスを見学する早朝ツアーにご招待いたします。千葉県千葉市花見川区にある東京大学旧緑地植物実験所のハス品種見本園を「大賀ハスのふるさとの会」のボランティアが全力でご案内します! 70年前に古代蓮の種を発掘した大賀一郎博士のお話やハスの生態についてご説明しながらの見本園めぐりです。満開のハスを鑑賞するベストな時間帯は、午前7時から9時ごろです。お帰りの際には、小型の蓮(品種は未定、バケツと培土つき)をお渡しします。涼やかなハスをご自宅で咲かせてみませんか? 栽培方法も丁寧にご説明します。
早朝ツアーの所要時間90分ほど、ツアー参加人数は20名まで。2021年7月実施予定です。


実施スケジュール

2021年3月27日 クラウドファンディングスタート、ハス植替え

2021年4月~     園内の保全・環境整備

2021年4月30日 クラウドファンディング終了

2021年5月〜  リターンのご案内(電子メールにて)

2021年6月〜  リターンの発送(お礼状とポストカード)

2021年7月        リターンの実施(ハスのガイドツアーなど)

2021年8月~   園内の保全・環境整備


最後に

昨年は観蓮会が新型コロナウイルスの影響で開催できず、ハスを維持管理する財源が激減したため植替えが充分に行えない状況です。ご支援によりハスの植替えを行い、観蓮会で皆様に美しいハスをご覧いただけるよう頑張ってまいります。

皆さまの、温かなご支援を賜りますように、心よりお願い申し上げます。


大賀ハスのふるさとの会 会長 金子 建一郎

〒262-0026  千葉県千葉市花見川区瑞穂1-16-13
電話番号    090-3087-0777(担当:クラウドファンディング事務局)
メールアドレス ohgahasu@gmail.com


本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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