東京・阿佐ヶ谷のたいやき屋「たいやき ともえ庵」と申します。
 東京の中野で開業、現在の阿佐ヶ谷パールセンター商店街の中ほどにある店舗に移転しました。開業して10年、阿佐ヶ谷での営業も7年目の後半に差し掛かっています。現在のところ阿佐ヶ谷の店1軒だけで営業しています。
 おかげさまで地元の阿佐ヶ谷では多くのお客さんにご愛顧いただき、テレビ等でご紹介いただく機会も増えてきました。昨年には当店で企画、制作、販売した「たいやきマスク」がバズってネットの話題となり、少し前にはテレビドラマ『うちの娘は、彼氏ができない!!』に出てくるたいやき店「おだや」の監修をさせていただく等、活動の場が広がりつつあります。


 この度、当店では、これまでになかった方式でのたいやきの通信販売を立ち上げ、「日本一おいしいたいやきの通信販売」の実現を目指すことにしました。つきましては広く知っていただき、ご協力を賜れればと考えてクラウドファンディングに取り組むませていただいています。

 たいやきの通信販売、別に珍しいことではないと思われる方もいらっしゃると思います。クラウドファンディングに頼らずともすぐに立ち上げられると思われる方もいらっしゃるでしょう。安直に「日本一おいしい」などと言うなとお怒りの方もいらっしゃるかもしれません。
 ですが、当店は大まじめです。本気で「日本一おいしいたいやきの通信販売」を目指していますし、試作を重ねて、既にそれが実現できていると考えています。

 立ち上げる通信販売のたいやきの特徴を先に紹介します。
・希少な一丁焼き(天然もの)のたいやきの通信販売
・日本で初めてのチルド(冷蔵)配送のたいやき

 これから、少し長い文章になりますが、詳しく説明させていただきます。お付き合いください。


■たいやきはおいしいものです!

【本当のたいやきだけが持つ特別なおいしさ】
 まずお伝えしたいのは、たいやきがおいしいものだということです。
 小麦粉の皮に小豆の餡という単純な食べ物です。大判焼き(地方によって今川焼き、回転焼き、二重焼き、等の名前でも呼ばれます)の形を鯛にしただけのものだと思われている方も多いと思います。実際に大判焼きの形を変えただけというたいやきも少なくありませんが、本当のたいやきの美味しさはまったく違います。鯛を象(かたど)った複雑な形が独自の美味しさを生み出しているからです。

 ふわっとした厚い皮に甘い餡が入っているというイメージ、これは大判焼きのものです。本当のたいやきは皮が薄くパリッとしていて、甘さを抑えたつぶあんが入っています。
 頭の部分は薄い皮とたっぷりのつぶあん、尾に近づくにつれてつぶあんの量が少なくなります。尾の先端になるとギリギリまで詰められたつぶあんの味とともにカリッと焼き上がられた皮の食感も楽しめます。食べる部位によって皮とつぶあんの比率が変わり、さらには皮の食感も変わって味が変化する、これが本当のたいやきのおいしさです。

 江戸時代に発祥した文字焼き(もんじやき)という菓子から発展し、鋳物技術の発達により広く広まったと推察されているたいやき。広まる過程で、鯛以外にも様々な形状が生まれました。しかし、現在に至るまで続いたのが鯛の形なのは、日本人が「めでたい」に通じる鯛が好きだったということに加えて、味の変化が楽しめる形状だったことにもあると考えています。
 ただ、本当のたいやきを出す店はそれほど多くなく、どこでも食べられるものではないことが難点です。


【一丁焼きについて ~たいやきの天然ものと養殖もの~】
 天然もののたいやき、初めて聞くと少し驚く表現です。小麦粉と小豆で焼くたいやきに天然も養殖もないだろう、そう思うのが普通です。しかし、たいやきファンの中では広く知られている言葉です。
 もともとは、2002年に出版された『たい焼の魚拓』(宮嶋康彦著 JTB)の中で著者の宮嶋さんが使われた言葉です。鯛の一本釣りと一匹ずつたいやきを焼く一丁焼きのイメージがが重ります。それに対して5~6匹のたいやきを一度に焼くスタイルは「養殖」というイメージです。
 多くのたいやき愛好家にとって納得できる言葉だったことからじわじわと広まって、たいやき好きであれば誰もが知る言葉となりました。今では店名や店の看板に「天然」を冠した店も出てくるくらいになっています。

一匹ずつ焼く「一丁焼き」は”天然もの”とも呼ばれます。

参考:ブログ記事 たいやきの天然ものと養殖もの

 もともとのたいやきは、この天然と呼ばれる一丁焼きでした。しかし、焼くのが難しく量産に向かないため、後に開発された5~6匹を一度に焼く“養殖もの”が中心となり、廃れていったのです。昔ながらのたいやき店は家族経営の小さな店が多いので、高齢化による廃業も多く、今では全国で140軒程度になってしまいました。

一丁焼きのたいやきの型

 それでも、一丁焼きのたいやきは人気です。東京都内で常に行列が絶えない「御三家」と呼ばれるたいやき店はすべて一丁焼きです。全方位から強火で焼くことで、皮をパリッと仕上げる一丁焼きのおいしさは、量産方式では出せないからです。
 近年では、このおいしさを求めて新たに一丁焼きで開業する店も少しずつ出てきました。10年前に開業したたいやき ともえ庵もそのひとつです。

 ただし、たいやき ともえ庵では、「天然もの」の語はお客さん側の表現だと考えているので、プロとして「一丁焼き」という言葉を使い続けています。

参考:ブログ記事 「天然もの」と呼ばれる一丁焼きのたいやき店は全国で133店 ~全国一丁焼きのたいやき店調査2018の結果~

参考:ブログ記事 「マツコの知らない世界」が知らない“天然たいやき”の今の世界


■たいやき ともえ庵のたいやきについて

 当店「たいやき ともえ庵」は、減少しつつある本当のたいやきのおいしさを求めて開業しました。正直なところ、最初は「一丁焼きで作ればおいしいたいやきができる」という思いから研究を始めましたが、すぐにそんなに簡単なものではないと気付きました。普通のものに比べておいしいたいやきが多い一丁焼きですが、その中にも優劣があり、よりおいしくできる余地が大きいことがわかったからです。

 そこで当店では「一丁焼きの中でも一番おいしいたいやきを焼く」ことを目標にして、材料を研究し、焼き方を工夫してきました。結果、まだまだ改善の余地があると思いますが、自分たちなりにはおいしい水準のたいやきができたと思っています。

「日本一と自負する皮の薄さ」
 パリッとして香ばしい皮は、一丁焼きのたいやきのおいしさの大切な要素。なので、一丁焼きのたいやき店の多くは「薄皮であること」をうたっています。
 当店のたいやきは、その中でもさらに皮が薄いことが特徴です。 “薄皮たいやき”のお腹の部分は、どのたいやき店のものも皮が薄く仕上がっています。この部分の薄さは他店のものもともえ庵のものもあまり違いはありません。

 でも、大きく違うのは鼻先と尾の先です。写真を見ていただいてわかるとおり、ともえ庵のたいやきは、頭の先から尾の先までミリ単位の皮に仕上げています。ここまでしっかりと餡を詰めることはなかなかできない技術です。これにより、鼻先の皮もパリッと仕上がり、尾の部分はカリッとした歯ごたえになります。
 一丁焼きのたいやきの場合、薄い皮の一部に分厚い部分があると、おいしく食べていても気持ちが削がれてしまいますから、全部の皮を薄く仕上げることが重要です。

ともえ庵のたいやきは、鼻先から尾の先
までミリ単位でつぶあんを詰めています

他店の一丁焼きのたいやきを切ったもの。一部に皮の熱い部分が残っています

 この違いは、他の一丁焼きのたいやき店と少し違うともえ庵独自の焼き方によるものです。一丁焼きのたいやきは型に皮になる小麦粉を敷き、つぶあんを盛り付け、上を小麦粉で覆ってから型を閉じて焼きます。ともえ庵ではこの際にわざと小麦粉を溢れさせ、焼きながらこそげ取ることで皮を限界まで薄くしています。そのため、独自の形状の焼き台(ガスバーナー)を特注しているくらいです。
 こそげ取る作業の分、焼くスピードが落ちてしまうのですが、おいしいたいやきを焼くためには必要な工程です。
 すべてのたいやき店を調べた訳ではありませんが、知る限りにおいては頭と尻の先の皮までこれほど薄く焼ける店は他にはありません。

型を閉じると高く盛り付けたつぶあんが押し広げられて隅々まで行き渡り、余計な小麦粉が型からあふれます。

あふれ出た小麦粉が固まったら、そぎ落とします。

参考:ブログ記事 本気で薄い皮 ~日本でいちばん皮の薄いたいやき~

【限界まで甘さを抑えたつぶあん】
 もうひとつの特徴は限界まで甘さを抑えたつぶあんです。十勝産を中心とした北海道産のエリモ小豆を使い、つぶあんとして成立するぎりぎりまで甘さを抑えています。
 薄い皮のたいやきの場合、口にするつぶあんの量が多くなるので、普通の甘さのつぶあんを使うと口の中が甘くなり、お腹が膨れて、おいしくなくなってしまいます。また、甘さが小豆の風味を消してしまうので、本当の小豆のおいしさがわからなくなります。砂糖の量を抑えることで、小豆の風味を感じつつ、最後までおいしく召し上がっていただけるようになります。

 世の中のつぶあんはもっと砂糖を減らせばいいのに、この文を読んでそう思われる人もいらっしゃるかもしれません。その通りなのですが、昔ながらの甘いつぶあんに慣れているお店は味を変えようとはされません。また、つぶあんは糖度が高いほど保存性が高まるので、日持ちを優先する店は甘さを抑えたつぶあんを使うことができないのです。
 ともえ庵は、毎朝、その日使う分の小豆を炊き、翌日に持ち越すことはしません。なので、つぶあんの甘さを安心して抑えられています。

 実際に東京都内の有名なたいやき店を何軒も回って購入し、つぶあんの甘さを確かめさせてもらったことがあります。当店よりも糖度が低いつぶあんを使う店は1店だけでした。その店と同水準のつぶあんにすることも考えたのですが、そこまで糖度を落とすとつぶあんの水分が増え、ともえ庵の薄い皮では耐えられないため、現在の甘さにしています。

参考:ブログ記事 たいやきの餡 ~小豆と仕込みの話~

参考:ブログ記事 たいやきの餡 ~餡と砂糖の話~

【焼きたてへの異常なこだわり】
 店にお越しになった方はご存知ですが、ともえ庵は焼きたてのたいやきを食べていただくことに異常なほどこだわっている店です。
 ご注文をいただいた際には必ずお召し上がりまでの時間をお伺いし、すぐにお召し上がりになるお客さんには、その時点で一番新しいたいやきをお渡しするようにしています。長時間お持ち歩きのお客さんには、少し時間が経ったたいやきをお詰めしますが、それでも焼き上がりから最大でも20分が上限です。焼いてから20分以上経ったたいやきは売り場から下げ、たいやきとして販売することはありません。

焼き台の上に並んでいるたいやき、向かって左側の古いものは20分で下げます。
※新型コロナ拡大前の写真なので透明マスクを着用しています

参考:ブログ記事 やっぱりたいやきは“焼きたて”にこだわりたい

 この売り場から下げたたいやき、以前は廃棄していました。多い時には100匹以上、それほどまでに焼きたてにこだわっていたのです。
 今では二枚に開いてプレスして再度焼き上げ「たいやきの開き」として販売しています。完全に水分を飛ばしてしまうので賞味期限は2カ月、今までになかったお菓子とテレビ等でも紹介されて評判になっており、たいやきを廃棄しなくてもよくなりました。

たいやきの開き、テレビ等でもよくご紹介いただき、話題になっています。

参考:ブログ記事 「たいやきの開き」って何だ!?

【他にはない白玉たいやき】
 たいやき ともえ庵の定番メニューには通常のたいやきに加えてもうひとつ、「白玉たいやき」があります。たいやきの中に白玉を入れて焼き上げたものです。
 熱々のたいやきの中で白玉がとろけ、独特のおいしさをかもし出します。ともえ庵ではたいやきの形に合わせて棒状の白玉を作り、注文を受けてから焼いてお出しすることで、常に最高のおいしさになるように工夫しています。
 白玉を入れることで、たいやきを焼く過程で白玉から出た水分が移り、つぶあんがよりみずみずしく仕上がるのも「白玉たいやき」の特徴です。

 たいやきに市販の冷凍白玉を入れて焼いたものは他店にもありましたが、それらとはまったく違うのがともえ庵の「白玉たいやき」です。

熱々の白玉が伸びる「白玉たいやき」

参考:ブログ記事 一度は食べて欲しい「白玉たいやき」


■焼きたてのたいやきにこだわる店が通信販売を始めた理由

【もともとニーズがあった「たいやきの温め直し」】
 上にも記載した通り、ともえ庵ではすべてのお客さんに焼きたてのたいやきをお出しし、その場で食べていただきたいと思っています。
 でも、現実にはそれはかなわないことも知っています。お家まで30分のお持ち帰り、夕食後のデザートにお召し上がり、手土産で差し上げるのでいつ食べるかわからない、様々なお客さんがいらっしゃいます。
 ともえ庵のたいやきは冷めてもおいしく召し上がっていただけるものとは思っていますが、やはり温かい方がよりおいしい。そこで、ブログ記事にてご案内しているのが「おいしいたいやきの温め直し方」です。

参考:ブログ記事「一番美味しいたいやきの温め方」

 簡単に書くと、電子レンジで30秒温めた後に、オーブントースターで1分30秒~2分焼くとおいしく召し上がれるこの方法、ともえ庵のブログ記事の中でも閲覧の多いコンテンツになっています。
 ご覧になっている方は必ずしもともえ庵のお客さんではないと思います。それでも、この記事へのアクセス数から、買って帰ってお家で温め直したい方が日本中にたくさんいらっしゃることがわかりました。


【開発のきっかけは、地方在住のおばあさんからの電話】
 たいやきの通信販売(地方発送)を決心したのにはふたつのきっかけがありました。ひとつめが地方在住のおばあさんからの電話です。
 数年前にともえ庵が紹介されたテレビ番組を見て新潟県にお住いのおばあさんからお電話をいただきました。テレビに映ったともえ庵のたいやきがどうしても食べたいので送って欲しいというご依頼です。
 たいやきの地方発送はしていないとご説明してお断りしました。でも聞けば、ずっとたいやきを食べたいと思っていたのにご近所にたいやき店がなく、街中まで出かける交通手段も限られているので我慢していたとのこと。焼きたてに比べると味が落ちることを確認した上で、温め方の説明を添えてチルド(冷蔵)便で送らせていただきました。

 本当に喜んでいただけたので、こうしたたいやきが簡単に買えない地域の方にお届けできる方法がないかを考えるようになりました。


【背中を押してくださった人気ロックバンドのボーカルの言葉】
 もうひとつのきっかけは、とある人気ロックバンドのボーカルの方の言葉です。
 数か月前、テレビドラマに出てくるたいやき店の監修とドラマ中で食べられるたいやきの提供をともえ庵でお引き受けしました。
 最初は、ともえ庵で焼いたたいやきを撮影所に持ち込んで、食べるシーンを撮影する予定だったそうです。ところが、ともえ庵のスタッフがテレビ局のセットでたいやきを焼いて出したところ、あまりの味の違いに出演者の方が驚かれました。この味の違いは演技に影響しかねないとのことで、撮影のたびにセットで焼いてお出しすることになりました。

ドラマで使用したたいやきの型。普通のたいやき
の型とドラマのオリジナル「さんま焼き」の型です。

 ある日の撮影では、俳優として出演されている人気ロックバンドのボーカルの方がたいやきを召し上がられました。リハーサル1分前に焼いたものです。「たいやきが好きで買ってきてもらったり、デリバリーを頼んだりするのですが、焼きたては初めて。こんなにおいしいとは」と言っていただきました。

 考えてみれば、芸能人の方が並んでたいやきを買うのは難しいかもしれません。ドラマに出演された俳優さん方は全員、ともえ庵のたいやきの味を気に入って下さったのですが、撮影終了後には誰も焼き立てのたいやきを食べることができないかもしれないと気付きました。焼きたてのたいやきを食べることができない人は 地方だけでなく都会にもたくさんいるのです。

 実は、この時には既に地方発送ができるたいやきはできていました。でも、店頭の焼きたてにこだわりたい気持ちから、本当に出すかどうか悩んでいた時期でした。このボーカルの方の言葉に背中を押していただき、通信販売の実現に踏み切ることにしました。

参考:ドラマ公式ブログ


■通信販売ができるたいやきの開発への挑戦

【たいやきが通信販売に向かなかった理由】
 どうしてたいやきは通信販売に向かないのでしょうか。それは温め方が難しいからです。何度も説明している通り、たいやきのおいしさにはパリッとした皮が重要です。なので「温め方」では、最初に電子レンジで中身のつぶあんを温め、次にオーブントースター1分30秒~2分で焼いて皮をパリッと仕上げます。オーブントースターでの焼き時間がやや長めなのは、最初の電子レンジの段階で温められたつぶあんの水分が一度皮に移り、それが飛ぶまで焼いているからです。

 ある程度、温かさが残っているたいやきであれば、この方法でかなりおいしく食べていただけます。しかし、完全に冷めてしまったり、長期保存のために冷凍したたいやきの場合にはそうはいきません。つぶあんを熱くし、さらにパリッとした皮を取り戻すまでにつぶあんの水分が蒸発してパサッとした食感になってしまうのです。そうなると、残念ですがともえ庵のたいやきとは、形が同じでも似ても似つかぬ味になってしまいます。

たいやきを温め、焼き直すと、どうしても水分が飛んでしまい、パサついたつぶあんになってしまいます。

 ともえ庵では、お持ち帰りいただいたたいやきを少しでも焼きたてに近いおいしさで食べていただきたいと、色々な温め直し方を試行錯誤しました。オーブン、水蒸気を使うタイプのオーブントースター、ポップアップ式トースター、魚焼きグリル、フライパンで直接焼く・・・いずれの方法でも、十分温めるとつぶあんが乾燥してパサついてしまうのが避けられませんでした。

 もうひとつ、たいやきが通信販売に向いていない理由は、冷凍するとつぶあんの風味が落ちるからです。
 以前に別のお菓子を開発する際につぶあんの冷凍方法を試行錯誤したことがあります。かなりいろいろな方法を試した結果、一度冷凍したつぶあんはどうしても解凍時に風味が飛ぶということでした。甘みの強いつぶあんの場合には風味の低下はそれほど気にならないかもしれませんが、甘さを抑えたつぶあんでははっきりと違いがわかります。完全に美味しくなくなる訳ではありませんが、誰もが感じるくらいの味の差が出ます。

 現在、数多くのたいやき店が通信販売をされていますが、すべて配送は冷凍です。日持ちを考えると仕方ないのですが、風味の低下は免れません。

【通信販売用のたいやきの開発】
 おいしいたいやきを通信販売するには、これまでのたいやきでは無理だということがわかりました。水分が飛びにくいつぶあんを開発し、冷凍せずにチルド(冷蔵)便で送るしかありません。

・水分が飛びにくいつぶあん
 水分が飛びにくいつぶあんは、つぶあんに寒天を加えることで実現しました。つぶあんは小豆の渋を切り、ゆっくりと膨らませ、最後に砂糖を合わせて練るのですが、この最終工程で寒天を加えるのです。

 文字にすると簡単に見えますが、寒天を加えるタイミングと量を見極めるのに苦労しました。寒天の量が多い程、水分を保持力は高まりますが、量が多すぎるとつぶあんが羊羹のように固まってしまいます。ともえ庵のたいやきは、低糖度でさっぱりと食べられるのが特徴なので、それでは台無しです。
 長期間にわたり、何度も試作を繰り返して、つぶあんの口あたりを損ねず、かつ水分を保持してくれる割合と、混ぜるタイミングを見つけました。

【上段】普通のたいやき 【下段】およりよせたいやき  焼き直してから同じ時間で撮影。
おとりよせたいやきの方がつぶあんに水分が残っています。

・白玉たいやきも通信販売仕様に
 同じつぶあんを使い、通信販売用の「白玉たいやき」も開発しました。「白玉たいやき」は、白玉が水分を保持してくれるので、より温め直し、焼き直しに向いています
 その特性をさらに活かすため、店でお出ししている「白玉たいやき」とは少し製造方法を変え、さらに通信販売に向いたものに仕上げることができました。

自家製の棒状の白玉(白棒!?)が入っています

熱々に焼き直すと白玉がよく伸びます

・ひと回りして元に戻した皮
 これは実現しなかったので余談になりますが、たいやきの皮も改良しようと取り組みました。皮をより軽くすれば、短時間でパリッと焼き直せるので、水分が飛びにくくなるからです。
 色々な方法を構想しては試し、原材料を変えないままに普通のともえ庵のたいやきの皮よりはるかに軽く仕上げる方法を考え出すことができました。この方法で作ったたいやきは、体感的には従来のたいやき皮の半分くらいの薄さに感じます。焼き直す時間も短時間で済みます。

 ところが・・・意気揚々と試食してもらった結果は悲惨でした。食べた人全員から「皮が薄すぎてもの足りない」と言われ、あわてて元の皮に戻しました。つぶあんをしっかりと受け止めるにはある程度の皮の厚さも必要でした。皮の薄さが売りのともえ庵ですが、何ごともやり過ぎは禁物と知りました。
 でも、この軽い皮自体はおいしいので、いずれ別のお菓子を出す際に使うつもりです。

・通信販売用のたいやきの袋
 通信販売を行うために、たいやきを入れる袋も変更しました。
 写真は通常の店頭販売用の紙袋です。空気を通すので焼きたてのたいやきには向いていますが、温め直す際にはたいやきから出た水分でくっついてしまいます。

 通信販売用のたいやきの袋は水分を通さず密封できるものです。そのまま電子レンジに入れて温めることができます
 なお、正式な商品化の際には、同じ素材でデザインした袋をご用意する予定です。

おとりよせたいやきの袋
※袋のデザインは変更する可能性があります。

袋の内側は水をはじく素材です

おとりよせ白玉たいやきの袋
※袋のデザインは変更する可能性があります。

完成した「たいやき」と「白玉たいやき」】
 試行錯誤の結果、完成したのが通信販売仕様の「おとりよせたいやき」「おとりよせ白玉たいやき」です。
 チルド(冷蔵)便で配送し、ご家庭で電子レンジとオーブントースターで温め、焼き直してお召し上がりいただきます。
 つぶあんにしっかりと水分が残るので、ご家庭で焼き直したと思えないほどの味を楽しんでいただけます。

すべてチルド(冷蔵)便で発送します

5~6匹入りの箱です。これをダンボールの外箱に入れて発送します。10~12匹の場合にはこの箱を2箱使い、外箱に入れます。

この箱に6匹分入ります
(大きさ比較のために スマートフォンを置いています)

■おとりよせたいやき、おとりよせ白玉たいやきのお召し上がり方

 チルド便で配送しますので、到着後は冷蔵庫に入れてください

 温め、焼き直し方は「おとりよせたいやき」、「おとりよせ白玉たいやき」とも同じです。袋の口を少し開け、電子レンジ(600W)で1分間温めてから、袋から取り出してオーブントースターで1分30秒~2分程度焼き直してください。オーブントースターは機種により出力が大きく違うので、最初は様子を見ながら焼いてください。たいやきの表面が完全に乾き、ふちの部分がやや焦げはじめるくらいがおいしいタイミングです。

電子レンジには袋のまま、オーブントースターには袋から出して入れます。
たいやきのふちの部分が少し焦げるくらいがちょうどよい仕上がりです。

 電子レンジから取り出したたいやきの袋には、水分が水滴となって付くことが多いので、お召し上がりに使用する場合には、一度ティッシュペーパー等でぬぐって使ってください。
 賞味期限は到着後1週間です。ただし、賞味期限内でも微妙に味が低下していきますので、できるだけ早くのお召し上がりをお勧めします


■いつか阿佐ヶ谷のたいやき ともえ庵にお越しください

「おとりよせたいやき」、「おとりよせ白玉たいやき」は、通信販売で購入いただけるたいやきとしてはベストなもの、これまでになかったレベルの味になったと自負しています。

 それでも、正直なところ、店頭での焼きたてを食べていただくのとまったく同じ味ではありません。通信販売でお召し上がりいただき、味を知った上で、いつかの将来に阿佐ヶ谷にあるたいやき ともえ庵の店舗にお越しいただき、最高の状態でたいやきをお召し上がりいただければと思っています。


(2021年6月16日 追記)
「おとりよせたいやき」と店頭で食べる普通のたいやきの違いについては以下のようにご理解ください。なお、%で表示している数値は焼きたてのおいしさを100%とした場合のイメージです。客観的な測定値がある訳ではないのでご了承ください。

従来のたいやき  :焼きたてのおいしさ100点 →持ち帰って家で焼き直した時のおいしさ30点
おとりよせたいやき:焼きたてのおいしさ90点 →持ち帰って家で焼き直した時のおいしさ 60点

■リターン

 支援して頂いた御礼として、以下を用意いたしました。


(1)1000円【店頭でのたいやき引換券】

・たいやき2匹、白玉たいやき1匹、月替りたいやき1匹、計4匹分の引換券

(通常価格1,130円:消費税込み)

8月中に発送させていただきます。
※ハガキにて引換券(有効期限1年)を送付いたします。たいやき ともえ庵店頭に持参してお引換ください。何度かに分けて使用することも可能です。
※おとりよせたいやきではなく、通常のたいやき等の引換券です。


(2)3,500円

・おとりよせたいやき3匹
・およりよせ白玉たいやき3匹
・ともえ庵オリジナルたいやきランチトート

(通常価格4,090円:消費税込、チルド便配送料を含む)を送らせていただきます。

 8月中に発送予定(開発状況により発送時期が変動する場合があります)
※発送前に確認のメールを送らせていただきます。


(3)6,000円

・おとりよせたいやき6匹
・おとりよせ白玉たいやき6匹

(通常価格6,480円:消費税込、チルド便配送料を含む)を送らせていただきます。

 8月中に発送予定(開発状況により発送時期が変動する場合があります)
※発送前に確認のメールを送らせていただきます。


(4)5,000円【ギフトセット:ギフト包装にて、国内の任意の場所に発送します】

・おとりよせたいやき5匹
・おとりよせ白玉たいやき5匹

(通常価格5,730円:消費税込、チルド便配送料を含む)を送らせていただきます。

 プレゼントやお歳暮にご活用ください。9月~12月末の指定された時期に発送します。

※お届け先様の御名前、敬称、ご住所、電話番号、送り主様の御名前、電話番号をお知らせください。
※発送前に送り主様に確認のメールを送らせていただきます。
※お一人何口でもお申込みいただけます。


(5)10,000円【ギフトセット:ギフト包装にて、国内の任意の場所に発送します】

・おとりよせたいやき5匹
・おとりよせ白玉たいやき5匹
・たいやきマスク2枚(①茶色柄1枚、②白色柄1枚)

  材質  :綿100%
  サイズ :大人用
  色①  :生地 ベージュ 柄 こげ茶
  色②  :生地 茶色 柄 白色   
  生産国:日本

(通常価格12,530円:消費税込、チルド便配送料を含む)を送らせていただきます。

 プレゼントやお歳暮にご活用ください。9月~12月末の指定された時期に発送します。

※お届け先様の御名前、敬称、ご住所、電話番号、送り主様の御名前、電話番号をお知らせください。
※発送前に送り主様に確認のメールを送らせていただきます。
※お一人何口でもお申込みいただけます。

「たいやきマスク」はたいやき ともえ庵のオリジナルグッズです。たいやきの姿をした左右非対称のデザインが特徴。昨年夏の発売時にはTwitterで約1万リツイートと大きな話題となり、一躍人気商品になりました。

参考:たいやきマスク(食べられないたいやき屋)

参考:ブログ記事 たいやきマスクを作りました! 


(6)10,000円 【ギフトセット:ギフト包装にて、国内の任意の場所に発送します】

・おとりよせたいやき5匹
・おとりよせ白玉たいやき5匹
・リアルたいやきクッション1匹

(通常価格12,930円:消費税込、チルド便配送料を含む)を送らせていただきます。

 プレゼントやお歳暮にご活用ください。9月~12月末の指定された時期に発送します。

※お届け先様の御名前、敬称、ご住所、電話番号、送り主様の御名前、電話番号をお知らせください。
※発送前に送り主様に確認のメールを送らせていただきます。
※お一人何口でもお申込みいただけます。

 たいやき ともえ庵がオリジナルで作っている「リアルたいやきクッション」は、本物かと思うくらいのリアルなたいやきの形をした巨大クッションです。置いておくと絶対に興味を惹かれます。低反発ウレタンを使用しているので手触りも抜群です。

参考:リアルたいやきクッション(食べられないたいやき屋)

参考:ブログ記事 巨大なたいやき「リアルたいやきクッション」


(2021年6月16日 追記)
 ご要望によりリターンを追加します。
 チルド配送の「およりよせたいやき」は賞味期限が1週間と短いので、お一人やお二人のご家庭ではたくさん食べられないというご意見をいただきました。
 たいやき5匹(およりよせたいやき3匹、おとりよせ白玉たいやき2匹)にたいやき雑貨をセットしたリターンを2種類設定させていただきます。

(7)5500円

・おとりよせたいやき3匹
・おとりよせ白玉たいやき2匹
・たいやきマスク1枚(①茶色柄、②白色柄、③茶色柄小顔用、④白色柄子供用)

 ※小顔用(小学校高学年~小柄な女性)、子供用(3歳~小学校低学年)も選んでいただけます。

  材質  :綿100%
  サイズ :大人用、小顔用(小学校高学年~小柄な女性)、子供用(3歳~小学校低学年)
  色①③ :生地 ベージュ 柄 こげ茶
  色②④ :生地 茶色 柄 白色 
  生産国:日本

(通常価格5,792~5,992円:消費税込、チルド便配送料を含む)を送らせていただきます。

8月中に発送予定(開発状況により発送時期が変動する場合があります)

※発送前に確認のメールを送らせていただきます。

参考:たいやきマスク(食べられないたいやき屋)

参考:ブログ記事 たいやきマスクを作りました! 


(8)8500円

・おとりよせたいやき3匹
・おとりよせ白玉たいやき2匹
・リアルたいやきクッション1匹

(通常価格9,792円:消費税込、チルド便配送料を含む)を送らせていただきます。

8月中に発送予定(開発状況により発送時期が変動する場合があります)

※発送前に確認のメールを送らせていただきます。

参考:リアルたいやきクッション(食べられないたいやき屋)

参考:ブログ記事 巨大なたいやき「リアルたいやきクッション」


■資金使途

 ご協力いただいた資金は、以下の用途に使用させていただきます。

・通信販売用のパッケージのデザイン、作成
・通信販売サイトの構築
・ウェブ広告の出稿
・リターン用メニューの製造原価
・クラウドファンディング手数料


■スケジュール

2021年7月下旬 クラウドファンディング終了
   9月上旬 通信販売の開始
   8月~12月 リターン発送
  (発送時期の希望に対応するため、発送期間を長めに設定しています)


<All-in方式の場合>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2022/01/05 13:54

    ようやく「おとりよせたいやき」の通販をスタートさせることができましたので、報告させていただきます。2021年12月末に、これまで当店が運営してきたたいやき雑貨の販売サイト『食べられないたいやき屋』をリニューアルし、『たいやき ともえ庵のネット通販 BASE店』として再起動、クラウドファンディン...

  • 2021/08/02 16:42

    一昨日、クラウドファンディングの募集期間が終了しました。延べ292名の方から1,501,100円 のご支援をいただきました。有難うございました。今月より順次発送させていただきます。もう少しお待ちください。まずはお礼まで。

  • 2021/07/31 09:23

    6月初頭にスタートしたクラウドファンディングも今日が最終日。2021年7月31日23時59分が締切です。初めてのクラウドファンディングで右も左もわからないままのスタートでしたが、多くの方に支えていただき、目標額を達成、その後も続いた支援により140%を超える額になりました。有難うございました。...

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