トラは、強さの象徴として昔より日本人に親しまれてきました

来年2022年は寅年です。日本では、実物を目にすることもなかった時代から、トラは強さの象徴として親しまれてきました。上杉謙信や武田信玄は、強い戦国武将として後世それぞれ、越後の虎、甲斐の虎と呼ばれました。また、安土桃山時代から江戸時代にかけて、数多くの美術作品でトラの勇姿が描かれています。現代なら「猛虎軍団」阪神タイガースでしょうか。

龍虎図屏風 狩野山楽作(17世紀初)

しかし現在、地球上に野生のトラはわずか3200頭。絶滅の危機にあります

野生のトラは、20世紀初頭には東トルコからオホーツク海に至るまでアジアに広く分布し、その生息数は10万頭とも言われていました。ところが100年たった現在、野生のトラの生息地は南アジアと東南アジアの限られた一部の地域へと大幅に縮小し、生息数は3,200頭に激減しています(国際自然保護連合(IUCN)の2014年時点での評価による)。

生息地の減少や、毛皮や骨などを目的とした密猟の増加により、今や野生のトラは、「絶滅の象徴」となってしまいました。

野生のトラへの脅威は生息地の分断と減少、人との衝突

全世界の野生のトラの半数以上が生息するインドの中でも、その2割以上が生息する中央インドは、熱帯落葉樹林の野生生物保護区が点在し、「トラ天国」と呼ばれています。しかしながら、トラ天国においても、保護区の分断と減少、そして周辺に生活する村人との衝突という、野生のトラへの脅威が存在します。

保護区と保護区の間をつなぐコリドーは、
村人の生活の場でもある

つまり、食物連鎖の頂点にあるトラが生きていくには、なわばりとして数十平方キロメートルから数百平方キロメートルの獲物が十分にいる生息地が必要です。しかし、保護区の中には広さが不十分なものがあり、保護区と保護区の間の保護対象となっていない狭い森(コリドー、回廊)を行き来しながら生活するトラがいます。

これらコリドーの自然環境を守り、保護区の周辺やコリドーで暮らす村人との共存を図ることが、この地域でトラが存続していくための大きな課題なのです。




わたしたちは20年以上、中央インドで野生のトラの保護活動を続けてきました

わたしたちは、1997年よりトラ保護基金として、2009年以降はNPO法人トラ・ゾウ保護基金(JTEF)として、野生のトラの保護活動を行ってきました。2007年からは、中央インドでの生息地支援に注力することとし、現地のNGOであるインド野生動物トラスト(WTIと共同パートナーとなって10年間にわたり「コリドープロジェクト」を実施しました。

このプロジェクトは、中央インドの2つの野生生物保護区(マハラシュトラ州にあるナグジラ野生生物保護区とナワゴン国立公園)をつなぐ保護対象となっていないコリドーを守り、2つの保護区をトラが自由に行き来できるようにすることを目的としています。

現地パートナーWTIの説明を受けるJTEF理事長戸川久美と事務局長坂元雅行

わたしたちは、現地パートナーWTIと共に、村人の暮らしを調査し、森林に負荷をかけずに生活を向上させるための支援を行ってきました。燃料効率の良い改良型コンロの導入、果物や木の実の採取加工によって現金収入を得るといったプロジェクトは、支援した村の村人が、自主的に他の村にも紹介し広めていくことで、予想以上の大きな成功を収めました。

(左写真)従来のコンロだと1家族1日10キロの薪が必要だった
(右写真)改良型コンロと村人

日本のサポーターの気持ちと、人と野生動物の共存への願いを
村人に語るJTEF理事長戸川久美

同時に、コリドーが継続的に法律でも守られるよう、州政府への働きかけも行ってきました。その結果、2012年には2つの保護区が周辺の森を組み入れて2倍に拡張され、2013年には手厚い保護の受けられる「トラ保護区」に指定されました。さらに、2016年にはコリドーもトラ保護区のバッファーゾーンに指定されました。

新型コロナ蔓延に阻まれる保護活動

大きな成果を収めたコリドープロジェクトに続き、2018年からは次の支援先として、同じ中央インドのマハラシュトラ州にあるティペシュワール保護区での活動を開始しました。

この保護区は、トラの個体数も多く、自然環境も良いにもかかわらず、保護区の管理がきちんとできていないため、村民とトラの間でのトラブルが深刻化している地域です。2017年には住民7名、家畜44頭がトラの犠牲となりました。

わたしたちは、保護活動への住民参加の枠組みを作り、この保護区周辺がトラと人とが共存できる地域となることを目指しています。これまで、現地パートナーWTIと共に、トラとのトラブルを予防するための村民向けワークショップを開催し、州政府野生生物局レンジャーのパトロール活動に加え、村民によるパトロール活動の開始や、間接的なトラとのトラブルの監視ができる自然ガイドの養成などを支援してきました。

現地パートナーWTIによる村人への技術トレーニング

しかしながら、2020年の新型コロナ蔓延に伴うロックダウンの実施以来、これら現地での活動が中断する事態となり、その後も活動の縮小を余儀なくされています。

インドの多くの地域で人間の活動の減少によって、野生動物が分布を拡げる状況にあることが報じられており、この地域でも人間の活動が再開した際にトラとのトラブルが激化することが懸念されています。

トラの生息地をさらに脅かす森林火災

今年の4月、インドでトラの生息数の最も多い保護区の一つである、中央インドのバンダブガール・トラ保護区が大規模な森林火災に見舞われました。火災は3日後に消し止められましたが、トラをはじめとする野生動物への被害と、これら野生動物の生息地への影響が懸念されます。さらに、森林資源に頼って生活してきた保護区周辺の住民は、新型コロナ蔓延に伴うロックダウンで活動制限を加えられる中、森林火災によりさらなる大きな被害を受けています。

燃え広がる森林火災

インドでは、雨の多いモンスーンの時期を除き森林火災が繰り返されます。その多くは自然現象ですが、今年はインド全体で昨年より火災発生件数が倍増しており(インド政府の調査によれば、森林火災の警告は、2020年が15万4032件であるのに対し、2021年は1月〜5月で38万6031件)、気候変動による影響や、人為的な原因を危惧する声もあります。動物の餌となる下草が燃え尽きてしまった火災後の森林

森林火災の被害を最小限に食い止め、トラを救うため、サポートをお願いします!

現地パートナーWTIは、これまでの取り組みの中で、落ち葉を吹き飛ばすリーフブロアーが延焼食い止めに効果的であることを発見しました。火災の迫る草地に落ちた枯れ草などの燃料源を、リーフブロアーで既に燃えてしまったエリアに吹き飛ばすことで、炎の燃え広がりを食い止めることが出来るのです。

リーフブロアーによる森林火災の消火活動

       昨年南インドの森林火災、WTIがリーフブロアーを使った消火に成功

わたしたちは、現地パートナーWTIより、来年の中央インドでの森林火災に備えた活動へのサポートの依頼を受けました。最低限の対策として、リーフブロアー4台合計約30万円)と、容量20リットルのタンク20個合計約1万円)、運搬にかかる経費モニタリングの経費合計約9万円)が必要です。

このクラウドファンディングでサポートいただいた資金は、全てこれらの対策の実施(費用合計40万円)に使わせていただきます。

現地パートナーからのメッセージ

WTI 創立者、理事 兼
エグゼクティブディレクター
ビベック・メノン氏
Vivek Menon, Founder, Trustee &
Executive Director,
Wildlife Trust of India
We have been working with JTEF for many years to protect the tiger's habitats. With these leaf blowers, we will be able to save both wildlife and villagers. I am very encouraged that Japanese people are interested in supporting this project despite this pandemic.  

(和訳)WTIは長年、JTEFと共に野生のトラの生息地の保護活動に尽力してきました。今回支援をお願いするリーフブロワーで、野生生物と村人を森林火災から守ることができます。コロナ禍においても、日本の皆さんが、このプロジェクトに関心を持ってくださることに、大変勇気づけられれています。


野生の生き物たちが「本来のあり方のまま」、人と共存できる未来を!

わたしたちは、「野生動物を守る」とは、「野生の生き物たちが本来のあり方のまま生きていくことを、人が邪魔をすることなくそっと見守る」ことだと考えています。そして、野生の生き物と人が「共」にありのままに「存」在していける未来を次世代に残すため、活動を続けてきました。

コロナ禍の困難な状況においても、野生の生き物と人が共存する豊かな未来への歩みを止めないために、皆様からのサポートをよろしくお願いいたします。

今後のスケジュール

2021年11月21日 クラウドファンディング開始

2021年12月20日 クラウドファンディング終了

2022年1月22日 「寅年オンラインイベント」開催

2022年2月末 リターン発送

2022年3月~6月 活動実施(現地のコロナ等の状況で実施)実施後報告

税制優遇についてのご説明

このご寄付については、寄附金控除(所得控除)又は税額控除のいずれかを選択して確定申告を行うことにより、所得税の控除を、東京都の方は個人住民税から都民税(港区の方は特別区民税及び都民税の両方)の税額控除を受けられます。確定申告で所得税・住民税の寄附金控除に申告できるのは年間2,000円を超す金額ですが、当団体以外にも対象となる認定NPO法人や公益法人等にご寄附があるときは、それらを合計して確定申告に申請できます。詳細は当団体にお問い合わせください。 

【参考】内閣府NPOページ:個人が認定・特例認定NPO法人に寄附した場合 

※「寄附金控除」「税額控除」をお受けいただくためには、確定申告の際に、当団体が発行した「領収証」の提出が必要となります。領収証は、リターンをお送りする時期にお送りします。

※領収証はGoodMorning又はCAMPFIREではなく当団体が発行し、リターンとは別に郵送いたします。   



  • 2021/12/20 14:13

    たくさんの皆さまからの応援を有難うございます!!来年の次の寅年にもトラが野生で生き残っていけるよう、活動を続けていきます。1月22日(土)に寅年記念のオンラインイベントを行います。              ご参加いただけると嬉しいです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・...

  • 2021/12/19 10:14

    クラウドファンディング終了までいよいよあと1日となりました。なお、銀行振り込みでのご支援は、本日19日18時までの受け付けとなります。沢山のご支援、拡散、ありがとうございます。目標金額まであと少し、最後までご協力よろしくお願いします。

  • 2021/12/18 22:30

    12月16日から始まった多摩動物公園で干支のトラ展示。JTEFから森林火災のポスターや生息地図、毛皮の違法取引写真などを提供させていただき、今日見てきました。多摩動物公園までの高幡不動から乗った京王線にまずびっくり。多摩動物公園に行く京王線内はすでに寅年バージョン。多摩にいるトラはアムールトラ...

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