名物菓子「フラまん」の復活で、コロナ禍の温泉街に活力を

いわき湯本温泉に店を構える「菓匠しら石」の三代目、白石晃と申します。コロナ禍で観光客が激減し、元気を失っている地元の温泉街を活気づけたいと考え、亡き父が開発したかつての名物菓子「フラまん」を復活させるため、クラウドファンディングにチャレンジいたしました。よろしくお願いします。


<All-in方式>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


プロジェクトの概要

菓匠しら石の白石晃です。当店は、いわき湯本温泉の一角にある和菓子店です。看板商品の「みそまんじゅう」を中心に、塩豆大福、かりんとうまんじゅう、柏餅などを製造・販売しています。お店は湯本町内に、本店と中央店の2店舗がございまして、妻と母、そして2人のパート従業員で切り盛りしています。


三函にある本店

お店はそれほど大きくはありませんが、その分じっくりと商品をお選びいただけます


私たちが店を構えるいわき湯本温泉は、千年以上の歴史があり、有馬温泉、道後温泉とともに「日本三大古泉」に数えられ、古くから大勢の人たちの心と身体を癒し続けてきました。近年は大震災や原発事故なども経験しましたが、なんとか一丸となって耐えぬき、観光客も少しずつ戻りつつあります。新しいお店などもでき、地域づくりの活動も賑やかになってきました。

しかし、この2年近く、新型コロナウイルスの感染拡大温泉街に深い傷を残しています。ホテルの宿泊客ばかりか、日帰り温泉のお客さま、飲食店などをふらっと訪れるお客さまも減り、通りが閑散としていようにも感じます。湯本に生まれ育ち、菓子店を経営する一人として、自分のつくるお菓子で、なんとか小さな活力や賑わい、人の交流をもたらすことができないかと考え続けてきました。

そこで浮かんだのが、昭和の時代に製造していた「フラまん」というお菓子の復活です。長らく製造しておらず、私も小学生の時に食べた記憶があるくらいで、父が残したノートにもレシピは残っていません。母と私の記憶、そして皆さんのご支援を頼りに、この「フラまん」を復活させたいと思っています。そのためのご支援をいただきたく、クラウドファンディングにチャレンジ致しました。


湯本温泉の菓子店として

当店は、もともとは喫茶店がルーツです。かつて、本店の裏手に「三函座」という映画館がありました。じつはこの映画館、白石家が代々管理人を務めており、ちょうど私の祖父の兄が運営していた時代に、映画館のお客さんにお茶やお菓子を提供する喫茶店をオープンさせることになり、私の祖父がその喫茶店を経営することになった、と聞いています。

地域のシンボルだった三函座

オープン当時の白石菓子店

幼いころの私(左)と姉(右上)、そしていとこ(右下)

その喫茶店で提供されていたお菓子が評判で、映画館の売店や、近くの温泉旅館などでも販売されるようになり、それを受けて、私の父が和菓子の道に入りました。三函座はその後、炭鉱の閉山などの影響で閉館となりますが、父の和菓子づくりは続き、ハワイアンセンターからの委託などの卸販売や直売に力を入れるようになり、規模が年々大きくなっていきました。

そんな環境で生まれ育ちましたので、小さな頃から「いずれは菓子屋をやるんだろうな」という思いはあったものの、バスケットボールに打ち込み、バスケを続けたいがために、高校卒業後すぐに地元の企業に入りました。ですが、やはり家業を継ぐことへの思いは残り、継ぐなら早いほうがいいと一念発起。和菓子の専門学校に通い、東京の和菓子店での修行を経て28歳の時に戻ってきました。

それからは、父と二人、ものづくりの日々です。父は寡黙で、家ではあまり話をしませんでした。頑固な職人という雰囲気でしたので、とにかく私も見て覚えるという感じでした。しかしその父が、2年前に亡くなりました。73歳でした。


家族4人で撮った写真。父のためにも今回のプロジェクトを成功させたいです

こちらは一世代前の店舗。白石菓子店の屋号で営業していました

ハワイアンセンターの売店での写真。左下に写っているのが母です

それからは、ほとんど私ひとりで菓子づくりを続けています。お菓子の生地は、温度や湿度、季節によって固さが変わってきますし、仕入れる素材が変わると、甘味や食感が変わってしまいます。父と同じように作っているのに、なんか親父の味と違うな、まだ父の味に追いつけない父ともっと話がしたかった、と思うこともあります。

それでもなんとか母や妻、スタッフの手を借り、自分なりに納得のいく商品が作れるようになりました。一番大事にしていることは素材を大切にすること。あまり手を加えず、そもそもの素材のよさを味わっていただける菓子を目指しています。まんじゅうは蒸したて、かりんとうなら揚げたてを提供したいですし、小さな店ならではの小回りのよさ小さな気配りを忘れないようにしています。これらはみな、父から教えてもらったことです。

無口な父でしたが、毎晩のように街に出て飲み歩くような一面もありました。映画館や喫茶店がルーツでしたから、自分の菓子店だけでなく、地域の経済や賑わいのことも考えていたはずです。地元の経営者の皆さんや旅館の旦那衆と、夜な夜な地域の話をしていたのかもしれません。和菓子づくり地域づくり、父にとっては両方大事だったのだと思います。


母と二人三脚で菓子づくりに励む日々

その日の気温や湿度によってよって微妙に製法を変えています

看板商品のひとつ「かりんとうまんじゅう」。蒸しあげたあと自然乾燥させて水分を抜きます

コロナ禍の湯本温泉を元気づけたい

コロナ禍で、湯本全体が静かになってしまったと感じます。やはり外からの観光客が減ってしまっていることが一番大きいです。千年以上のあいだ温泉町として生きてきましたので、旅館が元気でないと街全体が沈んでしまいます。また、当店は年配のお客さまが多いのですが、地元の皆さんも感染拡大を懸念してステイホームされていたはずで、仕方ないことだとも思いますが街全体の賑わいが小さくなりました。

一方で、ご自宅用のお茶菓子をお買い求めにいらっしゃる比較的若いお客さまもいらっしゃいますし、この数年、なんとか地域を支えようと、湯本には新しいお店や取り組みが増えてきました。少しずつではありますが、希望も見えてきているように感じます。


第5波も落ち着き、少しずつ人の流れが戻ってきた商店街

普段は店頭に立つ妻も、今回のプロジェクトを応援してくれています

次第に、自分にも何かできないかと考えるようになりました。母と昔の話をしたり、父のノートを見返したりしているとき、そういえばあの頃よく「フラまん」を作っていたな、と思い出しました。

ハワイアンセンターからの委託で製造していた商品なので、一般のお客様には馴染みがないかもしれませんが、昭和50年代、ちょうど私が小学生くらいの時、父と母がひたすらそれを作っていたんです。正式には「フラガールまんじゅう」という名前だったはずです。


姉の後ろに積み重なっているピンクの包装紙の商品がフラまんです

名前は「フラまん」ですがいわゆる「まんじゅう」ではなくて硬い焼き菓子でした。ハイビスカスの型で抜いて焼き上げていました。フラダンサーが踊っている絵の焼印もあったはずです。製造されなくなって久しい商品ですが、フラまんを思い返すと、あの日の頃の湯本の賑わいを思い出し、元気をもらえる気がします。

そこで誕生したのが、この「フラまん復活プロジェクト」です。当時のフラまんを再現するだけでなく、現代の和菓子のトレンドなども加えながら、地域の再生への希望、和菓子屋としての誇りも込めて、温泉の名物となるような商品をつくりたいと思います。


フラまん復活プロジェクト

復活プロジェクトと掲げてみたものの、レシピも残っておらず、製造機もありませんのでゼロからの商品開発になります。そこでまず今回のチャレンジでは、レシピの開発費用(20万円)造機の購入代金(50万円)を皆さんからご支援いただきたいと考えております。目標額は70万円です。この金額があれば、ゼロからレシピを作り直し、商品として仕上げることが可能だと考えております。

さらに、もし皆さんからさらなる支援が集まれば、ネクストチャレンジとして、老朽化した什器の買い替えや、お店のレイアウト変更などの工賃に当てたいと考えております。商品を作るだけでなく、地域の皆さんとともに味わったり、ゆっくりとおしゃべりしたりと、観光客や地域の皆さまの、小さな憩いの場にすることもできるはずです。

主なスケジュールです
 2022年1月 レシピ開発・聞き取り調査などのリサーチをスタート
 2022年3月 クラウドファンディング終了
 2022年3月 商品づくり・試作
 2022年4月 復活した「フラまん」の試食会、パッケージデザインの考案等
 2022年5月 商品リリース!

温泉街の菓子店ですから、温泉が元気でなければ、私たちも元気でいられません。なんとか今回のクラウドファンディングをきっかけに、湯本に足を運んでもらいたいと思っております。リターンについても、私どものお菓子だけではなく、湯本に店を構える方々の商品を詰め合わせたり、実際に足を運んでいただけるようなものを用意しました。

ふらマンの復活、そしていわき湯本温泉再生に、ぜひお力をお貸しください! また、今回はご支援頂けなかった皆さまも、ぜひ湯本温泉でひとっ風呂浴びてみてください。温浴効果が高いので冬場でも入浴後は体がポカポカして疲れも吹っ飛びますよ! そのついでに、ぜひ当店にも足をお運びいただけたらうれしいです。ここまでお読みくださり、ありがとうございました。ご支援、お待ちしております!


【企業・ひと・技 応援ファンドとは?】

いわき市、いわき産学官ネットワーク、いわき信用組合、いわき商工会議所などが連携し、次世代に継承していく技術やサービス、商品を持つ事業者や、新型コロナウイルスを乗り越えるための新しいビジネスモデルを構築し、市民の安全・安心に取り組む事業者をサポートするために企画されたものです。新しい時代に、残したい・伝えたい。そんな企業を、ぜひ、みんなの力で支えましょう。応援よろしくお願いいたします。(事務局・いわき商工会議所 創業・承継委員会)

■特定商取引に関する記載
・販売事業者名:白石 晃
・代表者名:白石 晃
・事業者の所在地:〒972-8321 福島県いわき市常磐湯本町三函164
・事業者の電話番号:0246-42-2711
・送料:送料込み
・対価以外に必要な費用:プロジェクトページ、リターンに記載のとおり
・ソフトウェアに係る取引である場合のソフトウェアの動作環境:該当なし
・その他記載事項:プロジェクトページ、リターン記載欄、共通記載欄(https://camp-fire.jp/legal )をご確認ください

  • 2022/03/18 10:22

    この度のクラウドファンディングチャレンジに際し、先日、募集終了を迎えました。沢山のご支援、応援メッセージ、直接の来店を頂きまして、菓匠しら石スタッフ一同心から感謝の気持ちでいっぱいです。不安だらけのチャレンジでしたが、開始日から5日間で目標金額を達成し、皆様からの力強い勢いを頂きました。フラま...

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