はじめに
表現の現場ではかねてより、多くのハラスメントが発生していましたが、フリーランス就業者が多いこともあり、その実態を把握する調査がされにくい状況にありました。表現の現場調査団はこういった現状を踏まえて、継続的な調査を実行し、表現に携わるすべての人々の環境を改善し、平等に開かれた表現の現場を実現するために、アーティストや表現の現場に関わる有志たちによりスタートしました。初年度のハラスメント実態調査に続き、本年度は1)ハラスメントに関する啓発活動 2)ジェンダーバランス調査を行っております。今後、ハラスメントについてはより詳細な調査も継続して行っていきます。
ハラスメントが発生する要因は多数ありますが、その一因に、各機関やイベント等における選定、評価する側、される側の権力勾配が顕著な場面におけるジェンダーバランス(男女比率)の不均衡があると考えております。それを実証するべく、本年度は、表現活動を対象とした賞、コンクール、コンテストといった栄典における審査員および受賞者、また、教育機関における教員と学生など、選定・評価者と被評価者のジェンダー(性別)に関する調査を実施しております。
また、ハラスメントがなくならないもう一つの要因として、ハラスメントについての知識不足があげられます。何がハラスメントにあたるなどをあらゆる人が知ることにより、加害者、傍観者にならず、またハラスメントを無くすことが可能になります。そのために来年度、表現系の高等教育機関の新入生に向けたハラスメントについての基本的な知識や対策を掲載したリーフレットを作成・配布いたします。
解決したい社会課題
表現の現場ではかねてより、多くのハラスメントが発生していましたが、フリーランス就業者が多いこともあり、その実態を把握する調査がされにくい状況にありました。そこで、私たち表現の現場調査団は美術、演劇、映画、デザイン、音楽、文芸、建築、漫画、アニメーション、写真、ゲーム等といった「表現が営まれる現場」におけるハラスメントの実態を報告した「表現の現場ハラスメント白書」 を作成しました。しかし、実態が明らかになったものの、ハラスメントをめぐる状況は改善されたとは言い難い状況です。表現の現場調査団はこういった現状を踏まえて、継続的な調査を実行し、表現に携わるすべての人々の環境を改善し、平等に開かれた表現の現場を実現します。
このプロジェクトで実現したいこと
①過去10年間における表現に関する賞、コンクールなどの栄典における審査員、受賞者のジェンダーバランス、また表現の分野で活躍する人材を育成する大学、教育機関における教員と学生のジェンダーバランスについての調査や、ハラスメントについてのより詳細な調査を専門機関とともに実施。
②表現の現場調査団では、現在、表現系分野教育機関への2022年度新入生を対象とし、ハラスメントに関する知識や対策をまとめたリーフレットを制作しています。リーフレットは、A6サイズ(A4サイズ十字折り)のカラー印刷で、2022年2月末完成を予定しています。希望する教育機関を通じて無料配布を行います。(送料は別途)
リーフレットは以下のような内容を予定しています。
・ハラスメントから自分や身の回りの人を守るために
・困ったときはどうする? 相談&連絡一覧
・ハラスメントって、何?
・教員と学生、大人同士なのだから恋愛は自由? 先輩と後輩、腹を割って対等に話せる?
・学生は、ハラスメントを経験しやすい?
・ハラスメントの種類
・いつ・どんな場面で起こる?
資金の使い道
調査費:約100万円(専門機関への支払い)
人件費:約50万円(調査に関わる有識者やリーフレットに関わるプロフェッショナルへの謝礼など)
広報費:約10万円
リーフレット作成費:約110万円
手数料:297000円 (9%+税)
実施スケジュール
9月 表現の現場におけるジェンダーバランス調査(進行中)
12月9日 記者会見
3月 調査白書作成・発行、ハラスメントについてのより詳しい調査を専門機関とともに実施
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
リターン
5千円…お礼メールの送付
1万円…お礼メールの送付 + 活動報告書をメールで送付
5万円…お礼メールの送付 + 活動報告書をメールで送付 + メンバーによるオンライン活動報告会へのご招待※1
10万円…お礼メールの送付 + 活動報告書をメールで送付 + メンバーによるオンライン活動報告会へのご招待※1 + 協力者として白書にお名前を掲載※2
30万円…お礼メールの送付 + 活動報告書をメールで送付 + メンバーによるオフライン活動報告会へのご招待※1 + 協力者として白書にお名前を掲載※2
※1…スケジュールは2022年4月以降参加者と調整の上、決定。オフライン報告会は都内で開催。
※2…2022年3月末発行予定支援時、支援時に必ず備考欄に掲載ご希望のお名前をご記入ください。
最後に
表現の機会や仕事を得るために、暴言や暴力に耐える。
内容や質よりも容姿や年齢について言及される。
男らしさや女らしさを意味もなく求められる。
私たちは、こういった表現の現場における不平等な状況を、仕方がないと諦めたくありません。
時代とともに表現が変わり新しいものが生み出されるように、表現の育まれる場所も更新されて行かなければなりません。
表現の現場を改善するために、これまでも多くの方々が尽力してきました。
私たちはその勇気と意思を引き継ぎ、すべての人々に平等に開かれた場を実現するために、表現の現場調査団を発足しました。
私たちに賛同する皆様からの、幅広いご支援をお待ちしております。
最新の活動報告
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2022/02/16 14:4912/9 美術手帖 「表現の現場調査団」が表現の現場におけるジェンダーバランス調査の中間報告を発表。美術、文学、演劇、映画における男女不均衡が改めて顕著に 12/9 弁護士ドットコム 芸術分野の賞、審査員も受賞者も「男性優位」 調査で浮き彫り「ハラスメント増長する」 12/9 ポリタスTV 12/9 Tokyo Art Beat 「芥川賞」「芸術選奨」「岸田戯曲賞」「日本アカデミー賞」などの男女比率の偏りが明らかに。ジェンダーバランス調査の一部結果発表 12/9 荻上チキ Session 文化めぐる主要な賞で、男女バランスの不均衡が明らかに【ニュース】荻上チキがコメント 12/9 朝日新聞デジタル 文化芸術の賞、審査員や受賞者のジェンダーバランスは? 団体が調査 12/13 ABEMA Prime 12/14 ABEMA TIMES 表現の分野にも男女比の偏りやハラスメント…「ひとつひとつやっていけば、確実に変わる」表現の現場調査団に調査協力した荻上チキ氏 1/26 宮崎日日新聞 芸術の男女不均衡 もっと見る
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