はじめに・ご挨拶 

皆様、はじめまして。農事組合法人 鶴喰なの花村の早川です。

今回、耕作放棄地の再生、持続可能な農業の展開、および雇用の創出を目指し、初のクラウドファンディングに挑戦しています。

皆様の応援が、荒廃の進む中山間地の田畑再生の力になります。そして、このエミュー飼育事業の成功は、全国の中山間地に広がる耕作放棄地対策としてモデル化できるものと確信しています。よろしくお願いします。

八代市坂本町の鶴喰地区について

鶴喰の地名の由来…「昔、毎年鶴が飛来していたという。そのための命名と伝える」(坂本村史P1395 地名伝説より)

鶴喰は、一昨年の熊本南部7月豪雨によって、坂本町に甚大な被害をもたらした球磨川の支流である鶴喰川に沿って広がる中山間地の集落です。

四方を囲む山は、四季折々に色をつけ、年8回の祭り、井手浚い、道作りなどの地域ぐるみの行事があり、昔ながらの山里の風景と文化を色濃く残しています。

冬の霜。春の桜、菜の花、れんげ、もくれん、新緑が萌える山。初夏の蛍と蛙の鳴き声。夏は強い日射しに緑を深める木々。秋に一面を覆う黄金色の稲穂、さらに一年の終わりを告げる晩秋の紅葉。ここ鶴喰には、日本の原風景を想起させる自然があります。

しかし、往時、約140戸・700人が住んでいた鶴喰は、現在では70戸・約150人まで縮小しています。時間の経過と共に、過疎化と高齢化が進み、この恵まれた自然環境が少しずつ荒廃しつつあります。

高齢化・過疎化で放棄され、荒れる田畑

集落の空き家も増加鶴喰なの花村について

鶴喰では、今年、最後の小学生2人が卒業します。彼等に続く子供がいません。3年後には中学生がいなくなり、その3年後には高校生がいなくなります。そうして鶴喰から若者がいなくなり、一方で現在の高齢者は益々老います。今後10年で鶴喰の人口は急激に減少するでしょう。

鶴喰は、限界集落から消滅集落への途を着実に辿っています。

この流れを食い止めるために、平成29年2月、私たちは、農家38戸の組合員からなる農事組合法人鶴喰なの花村を設立しました。「農業を基盤として、鶴喰の住民生活と土地を守り、次世代に継ぐ」を経営理念としています。鶴喰なの花村は、この経営理念を具現化するために、売上と利益を創り、若者を雇用し、彼等が鶴喰に定住して結婚し、子供を生み育てるための経済的基盤を作ることを目標としています。

鶴喰地区が抱える問題…高齢化・過疎化に伴う耕作放棄地の増加

中山間地域が抱えている最大の問題は、高齢化・過疎化です。そして、それが原因で発生する耕作放棄地です。耕作が放棄された田畑や管理が届かなくなった山には、イノシシ・シカが繁殖し、害獣被害によって農家の栽培意欲を失わせます。それが、更なる耕作放棄地を生むという悪循環となっています。

一方で、農業従事者は、高齢化で体力が低下し、足場の悪い圃場での作業では事故を起す可能性が高まります。これも耕作放棄地を生む原因の一つなのです。これが理由となって、令和3年には、鶴喰なの花村でも約1haの田んぼで水稲栽培を断念しました現在では休耕田として分類されますが、耕作放棄地の候補であることは間違いありません。

耕作放棄地でエミューを飼育するきっかけ

令和3年1月。

熊本県県南本部よりある提案がありました。

「鶴喰なの花村が耕作を断念した田んぼに、エミューの試験飼育をやってみないか」と言うものでした。この提案を受入れて約2ケ月間、試験的に飼育しました。

エミューの飼育を本格的に始めて分かったことは、中山間地域の集落にとって極めて有効であるということです。

耕作放棄地の活用は言うまでもありません。加えて、エミューを飼った場所にはエミューの糞が有機肥料となって肥沃化します。エミューを別の場所に移動させると、有機栽培が可能な畑になります。いわゆる循環式農業です。更に、エミュー飼育の担当者にとっては収入をもたらします。

鶴喰の様な老いた地域において、これは活気的な事なのです。

エミュー飼育で抱える悩み

2ケ月の試験飼育を終えての結論は、鶴喰なの花村で本格的にエミュー事業に取り組むというものでした。そこで令和3年7月にエミューの雛30羽を追加し、現在に至っています。

しかし、問題があります。資金です。エミューの買取、柵、夜寝る場所としての小屋、餌、その他飼育に係る用具。さらに鳥インフルエンザ対策費用です。エミューは最低2年間飼育しなければ収益化できません。そのため、百万円単位の初期費用がかかります。

幸い、小屋設置以外の費用は、エミューの仕入先である日本エコシステムの協力によって賄うことができました。小屋設置に関しては、雛30羽用の小屋は、簡素ではありますが、私たちの経費で建てました。

しかし、これ以外にも、試験飼育で入れた4羽用の小屋の建替え、また追加の飼育場の小屋2棟を建てる必要があります。一方で、鶴喰なの花は、売上規模が小さく、小屋3棟を建てる資金に余裕がありません。

そこで、クラウドファンディングによってその資金を賄いたいと考えるに至った次第です。

試験飼育4羽用の小屋。エミューたちには雨風をしのげる施設を与えたい鶴喰なの花村のこれまでの活動

鶴喰地区の農家38戸が出資し、平成29年に設立された農事組合法人鶴喰なの花村は、組合員農家から約8.5haの農地を借受け、その内、水稲に6ha、アスパラガスに24a、ニンニクに15aと合計約6.5haで耕作を行っています。

水稲は、“鶴喰米”としてブランド化しています。熊本県うまい米基準での「Sランク」を取得、令和2年産米では、全国穀物検定食味ランキングで「特A」を獲得しました。収穫量が400俵前後であるため、販売は、坂本町内にある“道の駅さかもと”と“温泉センタークレオン”、八代市のふるさと納税返礼品など、限られたルートでしか販売していません。

アスパラガスは、今年で6年目を迎えます。基本的に全量をJAに出荷していますが、直接問い合わせのあるお客様にはお応えしています。選外品は八代市ふるさと納税返礼品の人気商品です。

ニンニクは、生ニンニクでの販売はもちろん、黒ニンニクや漬物(酢漬、味噌漬、しょう油漬)の加工品 にして、鶴喰米と同じルートで販売しています。この1, 2年で飲食店や加工会社からの問い合わせが増えつつある人気作物です。

その他の活動として、坂本町住民自治協議会が主催する「さかもと菜の花フェスタ」の共催団体となっています。ウォーキング、筍掘り・椎茸駒打ち体験、サイクリングの3コースに約200名の参加者があります。本会場となる鶴喰の春を満喫できるイベントです。

また、地元保育園や一般向けに行う田植え体験、稲刈り体験。小学校の児童が参加する菜の花の種まき体験。熊本市内や福岡市内からの農業体験ツアーなどを受入れています。

これらのイベントで鶴喰を訪れるお客様にとって、2021年からもう一つのお楽しみスポットができました。「鶴喰なの花エミュー飼育場」です。

珍しいエミューの存在は、鶴喰地区だけでなく令和2年熊本南部7月豪雨で壊滅的な被害を被った坂本町の復興にも貢献しています。

写真はエミュー飼育に協力頂いた日本エコシステムよりご提供

お薦めリターンの紹介

■高品質なエミュースキンケア商品「エミュー物語」モイスチャーオイルとモイスチャーセラム
■京都大学と共同開発のマッサージクリーム「エミュヌール」
■エミューに会える!昼食&温泉付きの「エミューふれあい&地元文化体験半日ツアー」
■ 熊本県うまい米基準「Sランク」の自慢のお米「鶴喰米5kg」
■シャキっと美味しい!鶴喰の春の味覚「鶴喰アスパラガス1kg」
■カフェインフリー・残留農薬ゼロ!女性に嬉しい栄養豊富な「アスパラ茶」
■鶴喰なの花村が栽培する「鶴喰にんにく1kg」

資金の使い道

■小屋3棟分の工事費 110万円

(木材、パネルなどの材料費ー約45万円、生コン・砂利・砂などの基礎工事費ー約10万円、釘などの副資材ー約5万円、工事費にかかる人件費ー約50万円)

■リターン費用、クラウドファンディング手数料等 40万円

実施スケジュール

 2月下旬  プロジェクトスタート

 3月下旬  プロジェクト終了

 4-5月  小屋3棟分の設置、リターンの準備・発送

最後に

鶴喰なの花村は、耕作面積が6.5haであることから、農産物の栽培と販売による売上には限界があります。若者の正規採用を実現し、この地を次世代に継いでもらうためには、農産物だけに頼らない収入の柱を創る必要性を痛感しています。

このエミュー飼育を、基幹事業の一つとして確立することは、単に耕作放棄地対策になるだけではありません。中山間集落の鶴喰をコミュニティーとして存続させる重要な役割を担っていると私たちは考えています。

そして、もし、私たちが、エミュー飼育による耕作放棄地の活用と集落活性を成功させることができれば、全国の同じ問題を抱えている中山間地の集落にとって大きな事例となる筈です。

皆様のお力をいただけるよう、切にお願い申し上げます。


<募集方式について>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2022/12/31 21:51

    皆様年の瀬にご無沙汰しております。鶴喰なの花村の早川です。本年は皆様に大変お世話になりました。地元の一部の方が知っている熊本県の小さな集落「鶴喰なの花村」が日本各地の方々に存在を知って頂ける機会を頂けたのは、ひとえに皆様のおかげです。また、今年は猛暑に続き、12月には雪が積もるなど、気候の変動...

  • 2022/08/15 19:45

    ■30羽のチビエミュー達が鶴喰へやってきました!!皆様、こんばんは。鶴喰なの花村の早川です。夏の青空が冴え渡る 8/9。耕作放棄地を維有効活用している熊本県八代市坂本町の鶴喰なの花村 エミュー飼育場に雛30羽到着しました。クラウドファンディングのご支援で設置した小屋のお陰でチビエミュー達を迎え...

  • 2022/07/01 19:17

    皆様、こんばんは。鶴喰なの花村の早川です。今日現在、クラウドファンディングの支援金で整備された小屋と門扉の様子です。午後、裏山ではアブラゼミの鳴き声がしきり。日射し、空、セミの声。夏の盛りの一日でしたが、皆様のおかげでエミュー達は日差しにさらされることなく、時折小屋の日陰に入って過ごしています...

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