はじめまして
Kyohei Omon です
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初めてのプロジェクト

2016.4. 岸和田盈進会病院 (現:岸和田リハビリテーション病院)入職 理学療法士、主任
2020.1. 岸和田リハビリテーション病院 科長 
2021.4. 医療法人生和会 SDX研究所 研究員
2022.4. 医療法人生和会 SDX研究所 研究員&デジタルハリウッド大学大学院 修士

その他:畿央大学大学院修士、京都大学大学院博士後期研究指導認定、日本保健医療行動科学会理事

はじめに

初めまして。全国に約30のリハビリテーション(以下:リハビリ)病院や施設を運営している、医療法人生和会グループの関連会社、SDX研究所の大門恭平です。普段は、生和会グループの病院・施設のデジタルトランスフォーメーションの推進や新規事業に関わる仕事をおこなっています。今回、私たちは、病院としてはおそらく日本初となる、異分野連携でつくる「街に溶け込む、新しいリハビリウェア」を開発しました。



これまでのリハビリウェアや病衣は、更衣や入浴といった病院での生活をスムーズにおこなえるよう配慮するあまり、機能性を優先し「病院でしか着られない」「誰かに会いたいとは思えない」「患者さんの好みは無視せざるを得ない」、“日常とは違う場所で身に着ける特殊な服”になってしまっていました。

また、高齢の方や障がいのある方、リハビリ中の患者さまの中には、普段着の中でも「ボタンを止めたり、紐を結んだり、チャックを上げたりという細かな動作が難しい」「体型が変わり、持っている服や既製品が合わない」といった課題を持つ方も多いのが事実です。これまでの病衣は、患者さまの笑顔を望んでいながらもそうした「患者さまの課題解決」に寄り添いきれず、どうしても「医療従事者側の援助のしやすさ」に意識が向いてしまっていることが多かったように思います。

「リハビリテーション」の本来の意味は、ただ機能訓練を経て身体機能を回復するというだけではなく、日常生活や社会の中での営みをとりもどし、その人らしい人生を紡ぎ直していくという意味を含む言葉です。だからこそ、リハビリで身に着ける衣類や、回復期に身に着ける衣類は、その先に続く日常となめらかに繋がっているものであるべきではないのかと、私たちは考えました。

そこで今回、医療法人生和会のグループ病院である岸和田リハビリテーション病院と「障害の有無や体型やセクシュアリティなどを問わず、誰でも着られる服(インクルーシブ・ファッション)」のブランドを持つSOLIT株式会社と連携し、これまでにない、病院と日常がシームレスにつながるようなリハビリウェアを開発しました。

クリエイターやデザイナーなどの知見も掛け合わせながら、「街に溶け込むリハビリウェア『odekake』」を開発し、病院内の患者さまへのお渡しを中心にしながらも、クラウドファンディングでも少量の一般販売を行いたいと思います。



障がいのある方やリハビリ中の方だけではなく、そもそも人間の身体は、歳をとれば動きに制限が出てきます。高齢者の方が次第に「着やすい服」「着られる服」を選ぶようになっていくのは、皆さんも想像しやすいのではないでしょうか。

けれど、これまでの衣服に関する研究では、例えば、中高年女性約300名に調査した結果、高齢者であっても本当は「お洒落に関心がある」という声が聞こえてきました(西藤ら,2014)。

身体的な制限を伴う方々にとって必要な機能性と見た目の両立は、本当は多くの方に求められていながら、まだまだ選択肢が少ない領域だといえます。

さらに、日本ではまだあまり知られていませんが、海外では、ファッションによる患者さまや介護者の行動の変化について研究されています。


「日常生活や社会の中での営みをとりもどし、その人らしい人生を紡ぎ直していく」というリハビリテーション本来の目的のために、こうした日常的な負担の軽減を含みながらも社会参加を後押しできるような、「着たくなる」服を日本でも作るという挑戦は、日々現場で患者さまに接する私たちにとって、非常に重要な使命ではないかと思うのです。



今回開発したのは、「誰でも楽に着られて、思わずお出かけがしたくなる」リハビリウェア『odekake』。毎日の脱ぎ着が大変だからと、つい躊躇いがちになってしまう小さなお出かけを、もう一度どんな人にも取り戻してもらえるように。

随所に「着脱しやすく、着心地の良い」工夫をこらしながら、トップスとボトムスそれぞれに、カラーと素材・特徴の異なる2種類ずつ計4アイテムをご用意しました。



今回のクラウドファンディングでは、『odekake』を開発すると共に、もう一つ、挑戦したいことがあります。それは、『odekake』がこれから全国の皆さまに届き使用されてからも、廃棄されずに、この社会にみんなの想いと共に残り続ける仕組みを作りたいということです。

近年のアパレル業界における課題は、「生産・労働・輸送・廃棄」全てにおいて存在していると言われています。例えば、年間約95万トンの不要になった衣料品の74%は焼却・埋め立てされることが報告されており、こうした廃棄焼却処分による環境負荷は世界中の大きな社会問題になっています。今回、恥ずかしながら、この異分野における共創プロジェクトによって初めて、そうした環境問題をSOLIT株式会社のみなさんから教えて頂きました。

普段、私たち医療従事者は、常に患者さまの回復に向けて援助させて頂く仕事であることから、「日々の仕事の中で環境問題を意識することは少ない」というのが正直な声でした。しかし、こうして共創し、私たちの病院から服を生むのであれば、本当に小さなスタートかもしれませんが、私たちが今できる最大限のことはしたいとみんなで話し合い、この挑戦をすることになりました。

具体的な回収や廃棄の仕組みづくりは今まさに検討している段階ではありますが、まずはその先駆けとして、改善にむけたSOLITとの共創プロジェクトアイデアを国際アワードに応募し、循環型経済をデザインするプロジェクトを世界から募集する「crQlr(サーキュラー)Awards」でShowing Perspective of Co-creation Prize(共創賞)を受賞することができました。

今や環境問題は「医療分野だから」という理由では片付けられず、すべての人が配慮し行動していくべき問題であると考えています。とても小さな循環かもしれないですが、この挑戦が我々のように気づきにくかった方々に届き、様々な環境問題へ取り組むきっかけになってほしいと願っています。


今後、具体的には、『odekake』の修理が必要になった場合はリペア業者と連携し、仮に全く使えなくなった場合はリサイクル業者と連携し、また別のリハビリウェアとして生まれ変われるような循環プロジェクトを実施していく予定です。また、岸和田リハビリテーション病院の入院患者さまに対しては、少量ではありますが、『odekake』のサブスクリプションシステムを作り、患者さまの症状や障がいの状態が例え変化したとしても、その状態に応じた『odekake』をいつでもお渡しできるように致します。

そして、最後に、今回の私たちの挑戦で『odekake』を手にとって頂いた方にお願いがあります。それは、もし様々な理由で『odekake』が必要ではなくなった場合、廃棄するのではなく、私たちのもとにお送り頂きたいということです。

お送り頂いたものは状態に合わせて、リペアやリサイクルを通して、また新たなリハビリウェアとして患者さまの元に届けたいと思っています。こちらの詳細は、手にとって頂いたすべての方に、改めてご連絡をさせて頂きますが、ご協力頂ける方には、送料を負担することなくSDX研究所までお送り頂けるようにいたしますので、このシステムを一緒に作る仲間になっていただけますと幸いです。



新しい服をつくるというのは、理想を大きく掲げるだけではなく、資金のやりくりも重要です。みなさんからいただいた支援金は、「odekake」開発費と「odekake」を廃棄させないために必要なクリーニング費やリペア・リサイクル費にあてたいと考えています。そんなリハビリウェアの循環を、みなさんと作り上げられたらと願っています。

「odekake」開発費:60万円

[内約] 衣服デザイン・製作、衣服パターンデータ製作、試作品製造・検品、

試作品現地調査など

廃棄しないための諸経費:20万円

[内約] クリーニング費、リペア費など

クラウドファンディング実施諸経費:20万円



2022年2月17日〜3月20日 

・クラウドファンディング実施

・クラウドファンディング実施期間中にオンラインイベント予定

※新型コロナ感染症の状況によって変更致します。

2022年3月20日〜4月31日

・病院内でのサブスクリプションシステムの作成・準備

・リターン品発送準備

・廃棄しないリハビリウェアの地域連携システムの作成・準備

※上記ステップは、2021年2月17日現在のものとなります。

※スケジュールの変更やイベントの詳細については、決定次第順次アナウンスいたします。



この度は多くのプロジェクトから、私たちのプロジェクトをご覧いただいてありがとうございます。今回、odekakeの開発には、本当に多くの業種から、このプロジェクトに賛同する想いを持ったプロフェッショナルに集まっていただき、ご協力をしていただきました。

2021年5月より岸和田リハビリテーション病院とSDX研究所、SOLITの連携を開始し、その後8月から始まったのが今回の新しいリハビリウェア開発プロジェクト。コロナ禍真っ只中の中、感染症対策にも必死に取り組む現場のスタッフたちは本当に大変な思いをしていましたし、今も尚闘っています。

それでも、この取り組みについて、「絶対に患者さんのためになるから協力したい!」「患者さんが笑顔になってくれたら嬉しい」と、とても純粋な声を持って、セラピストや看護師を中心として約300名の病院スタッフの方々が協力をしてくれました。

また、開発に際して、SOLITの方やクリエイターの方々に病院まで足を運んでいただき、実際に患者さまの声を聞いて、表情を見て、共に体感をしながら、ここまで走り続けることができました。

有志の患者さまにも、試作段階から何度も試着にご協力いただき、試着途中に「これなら家族に会っても恥ずかしくない」「お出かけできそう」と綻ぶ表情を見せていただいたり、「私本当はこういう色が好きなのよ」と、スタッフも知らなかった一面を覗くことができたりと、新しい挑戦を経たからこその発見もさせていただくことができました。コロナ禍ということもあり、なかなか予定通りに進めることは難しい開発でしたが、異分野の協業があったからこそ、ここまでたどり着くことができたのではないかと確信しています。


病院としてスタートアップ企業と手を組むということは、正直かなりの冒険でした。それでも、こうして形になり、少しずつ多くの方へお届けすることができるようになった今、勇気を出して一歩を踏み出してよかったなという想いでいっぱいです。


私たちは、日々患者さまのリハビリに寄り添い、治療に寄り添い、辛い経験を乗り越えていかれる姿を目にします。ただ身体機能を回復するだけではなく、「日常生活や社会の中での営みをとりもどし、その人らしい人生を紡ぎ直していく」お手伝いをするために、私たちは仕事をしています。


大切なひとと特別な場所にもう一度行きたい。


大好きな孫や家族と思い出を作りたい。


趣味を謳歌したり、友達と近況を話したり、移り変わる季節を楽しむということを、躊躇ってしまう人が少しでも減るように。


朝起きる時に、「着替えるのが辛い」のではなく「着るのが楽しみ」と思ってもらえるように。リハビリに行く時に、好みでもない服を着てゲンナリするのではなく、「よし、頑張るか」と思ってもらえるように。


「病人」や「患者」ではなく、「あなた」として、好きなものを選べる選択肢を増やしたい。


まだまだ、足りないところは多いとは思いますが、「odekake」がリハビリ生活やその先の暮らしのお供になり、今回のような協業による開発が、どうか少しでも多くの方の希望になってくれればと願っています。



「順不同」

・医療法人生和会 会長 白川重雄さま

・医療法人生和会 財務・企画局局長 白川雲将さま

・医療法人生和会 関係者さま各位

・MR&S有限会社 代表取締役社長 玉山剛一さま

・MR&S有限会社 SDX研究所 所長 北裏真己さま

・岸和田リハビリテーション病院 院長 石川秀雄さま

・岸和田リハビリテーション病院 事務長 西川忠邦さま

・岸和田リハビリテーション病院 看護部長 七野明子さま

・岸和田リハビリテーション病院 

 リハビリテーション科 部長 平岡範人さま

・岸和田リハビリテーション病院 

 リハビリテーション科 副部長代理 渕上健さま

・岸和田リハビリテーション病院 

 リハビリテーション科 科長 澤井康平さま

・岸和田リハビリテーション病院

 リハビリテーション科 「odekake」プロジェクトチーム各位

・岸和田リハビリテーション病院 関係者さま各位

・SOLIT株式会社 代表取締役社長 田中美咲さま

・SOLIT株式会社 ディレクター 伊藤由希子さま

・SOLIT株式会社 デザイナー 三原五都生さま

・SOLIT株式会社 関係者さま各位

・株式会社morning after cutting my hair 中西須瑞化さま

・株式会社morning after cutting my hair 関係者さま各位

・ビデオグラファー 中島昌彦さま、中島麻奈さま

・松岡美智代さま

・ライゼスタジオさま

・プロトタイプを試着してくださった皆さま

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