目標達成!!ネクストゴール500万へ挑戦中!(3月7日追記)

この度、プロジェクト公開よりわずか3日間で目標金額100%を達成いたしました!!
多くの皆様にご支援を賜り、心から感謝申し上げます!! 

現在、休職している職人たちも皆様からご支援や応援コメントを見て笑顔になり、励みになっております。
なかなか再建の話が進まない中、そういった職人の顔や姿を久々に見ることが出来ました。
ひとえに皆様のお陰様でございます、改めまして心より感謝申し上げます!!

そして今回のプロジェクトを通して、漉き加工業を応援してくれる仲間が出来たと思っております。

早期に目標を達成出来たことで、CAMPFIRE様のご担当者様より「ネクストゴール」へ挑戦しないかとオファーがあり、検討した結果「ネクストゴール500万への挑戦」をさせて頂くことに致しました。

■ネクストゴールが達成出来たら、新工場に空調設備を整えたいと思います。

革漉工場では空調設備がありませんでした。
工場内では一日中ナイフを研いでおり、その粉塵や漉いた時に出る細かい革くずが空調設備に入り込み直ぐに故障して使えなくなってしまう為です。そういった理由で他の革漉工場も空調設備を敬遠する傾向にあります。

一年の中でも特に夏は環境が厳しく、毎年猛烈な暑さの中顔を真っ赤にして意識が朦朧としながら働いてくれています、そして自分の汗が革につかないようにと神経もすり減らしています。
空調服ベストもありますが、作業上機械に巻き込まれる可能性がある為使用する職人はいません。

私が革漉工場を引き継いだ年の夏も暑く、状況を見た私はこのままでは倒れる人が出ると思い工場内にスポットクーラーを導入しました。

残念ですがこの設備も今回の火災で焼け落ちてしまいました。

新工場では粉塵対応型の空調設備を導入したいと考えております、もし、ネクストゴール達成出来たらその費用に充てさせて頂きたいと思っておりますので、引き続きご声援宜しくお願い致します。



【追記はここまでです↑ 以下当初からの本文となります↓】 

はじめに・ご挨拶

東京都台東区の地場産業である皮革素材問屋「株式会社伊藤登商店」の3代目代表取締役

伊藤勢一郎と申します。

伊藤登商店は1938年に皮革材料卸問屋として祖父が創業致しました。

        ※創業者 伊藤登

東京の浅草は日本でも有数の観光地であるとともに、150年近く続く「革のまち」としての顔もあります。

弊社で特に”ヌメ革”と呼ばれる「栃木レザー社」の皮革(フルベジタブルタンニンレザー)を中心に取り扱っております。

栃木レザー株式会社とは1937年9月に創業した社名の通り栃木県にある「製革業者(タンナー)」です。アカシアの樹木、ミモザの樹皮から抽出されたタンニン剤を使用し、ピット槽で鞣されたフルベジタブルタンニンレザー(ヌメ革)を生産しております。


ピット槽とは大きなプールを想像してもらえばいいと思います。

そのプールの中にはアカシアやミモザのタンニン液がたっぷり入っていてそこに約1カ月間に渡り漬け込むことで皮→革に変化させていきます。この長い時間をかけて変化させていくことにより本来原皮の持っている状態を崩すことなく皮革へと変化させることが出来ます。

   これがピット槽です、一つの槽が縦2m 横2.5m 深さ3m中に約70枚革が入っています

   このピット槽が約130個あります。



このピット槽鞣しを行っていることが、栃木レザー社がここまで有名になった要因の一つであると思います。この工程のすべてを国内自社工場で行っており、まさに日本が誇る“ヌメ革”の代名詞と言っていいでしょう。この製法で“ヌメ革”を製造しているタンナーは世界でもごく少数であり、栃木レザー社は世界でも有名な製革業者(タンナー)となっています。


漉き加工に関して

このヌメ革に限らず我々は多くの革(牛革、豚革、山羊革、羊革, etc.)を取り扱っています。

全ての革は厚みが不揃いで、そのままの厚みでは皮革製品にする際使いづらいことがありますので、その革を希望の厚みにスライスする“革漉き”という作業が必要になります。

全ての皮革製品を製作するにあたりこの“革漉き” という作業は必須であり、この厚みを変えることで製品に特徴を加え、命を吹き込むことが出来ます。なので、我々や皮革と関わる人すべてにこの“革漉き” は密接な関係となっています。

https://twitter.com/ITOH_NOBORU/status/1172287395523256320   

              ↑                                        

            漉き加工風景


この“革漉き工場” の現状は私が知る限り東京で5社、全国では7社しかなく、将来を考えると半数ほどに減ってしまう可能性があります。長引く不況の影響や新型コロナウイルスによる影響で仕事が減っていることはあると思いますが、それ以前に後継者不足が大きな問題になっています。

機械操作やメンテナンスに関しての取扱説明書が一切なく「見て覚える、やってみて覚える」しかありません、更には様々な革(大きさ、硬さ、柔らかさ)を均一に漉き加工できる職人さん一人を育てるのに非常に多くの時間が掛かります。


       ※このように熟練の職人が言葉と感覚だけで伝えていき、覚えていきます。

         ※直接横で作業を見せながら指導することもあります。

私が良く話す70代の職人さんも「まだまだ半人前で理想の漉き加工は出来たことがないなぁ」という言い方をしています。

伊藤登商店では、この漉き加工場をなんとか存続させていくために、廃業予定であった加工所を引き受け、職人の育成を続けていました。


火事に関して

2022年1月21日作業所のリフォーム中、施工業者の火の不始末により事務所、作業所が全焼しました。

https://www.youtube.com/watch?v=1lXfFsWVsQg

「火災が発生した」との電話をもらい、被害は少ないことを祈りながら向かいましたが、すでに大きく火の手が上がっており、大切なものを運び出す余裕もありませんでした。

近隣の方が1名煙を吸って搬送されたそうですが命に別状はなく、職人も無事でした。しかし結果として家屋は全焼、漉き加工機材も被害を受けました。

※「火災の画像」


                    ※作業所全体 

                  ※火元であった2階の様子(休憩室)

                  ※火元であった2階の様子 (食堂)

※革は消失を免れましたが、消火活動でたくさんの水を被ってしまい残念ですが使えない状態です。


先代から引き継ぎ50年にも渡り営業していた漉き加工場がこのような状況になり、愕然としていますが、それでも再建を待ってくれているお客様のため、従業員の今後を考えると下を向いてはいられません。


このプロジェクトで実現したいこと

前述の通り、漉き加工所は東京では5社しかなく、そのうちの1社がこのような状況になりご注文頂いている漉き加工は他社様にお願いしています、他社様も弊社で行っていた漉き加工が全てなだれ込み対応が出来ない状況が続いております。


工場内は焼け残ったおかげで漉き加工の機械は無事です、もしこの機械が燃えてしまっていたら再建は出来ず廃業を選んでいたと思います。近隣に延焼しないように消防の方に頑張ってもらいましたが、放水の水は工場内に落ち、モーターの部分がダメになっているかもしれません。今は電気を止めているため、確認することが出来ず機械が動くかどうかはまだ不明ではありますが、もしかしたら、修理をすることでまた使える可能性があります。漉きの機械は現存しているものしかなく、もう同じ機械を購入することが出来ないのです。

早期復活に向けてい動き出したいところですが、損害賠償請求に必要な消防署が作成する火災原因調査書の作成に8か月もの時間が掛かり、その間に施工業や損害賠償保険会社からの補償が全くなく思うように再建に向けて進んでいきません

その為、クラウドファンディングで皆様からのご支援を通じてこの困難を乗り切り、漉き加工所の再建につなげていきたいと思っています!!




資金の使い道・実施スケジュール

資金の使い道

・今回ご支援頂きました資金は3台ある漉き加工機械の修理費に充てさせて頂きます。

その他として

・リターンの原材料代

・リターンの送料

・その他、人件費

・諸経費

・事務所移転にかかる諸経費

・CAMPFIRE様、手数料

令和5年4月クラウドファンディング終了
     5月末頃リターン発送 

最後に

今回の火災を通じて、多くの温かいお見舞いの言葉や再建を願うメッセージを頂戴しました。本当にありがとうございました。

革の地場産業を絶やしたくない!なんとか後世につなげていきたいという一心で頑張ってきました。先代から数少ない漉き加工所を引継ぎ、少しずつ職人も育ちこれからという時に今回の火災に遭いゼロからのスタートになりました。

火災を起こした施工業屋が加入している保険会社に損害賠償請求する為に消防署に火災原因報告書を依頼しましたが、完成までに9か月もの期間が費やしました。

その間に施工業者から補償の話や謝罪もなく、損害賠償保険会社からも過失の有無が判断できないとの理由で話が進まず、現在に至っています。また今回の火災では近隣へ類焼している為、被害に遭われた方々の修繕の見通しが立つまでクラウドファンディングで支援を募ることを控えたい思いがあった為、火災から1年経過した今プロジェクトを立ち上げさせて頂きました。

“革漉き”の現状をご理解頂き、事業再建と革漉きの技術継承の為にも、多くの方々のご支援を伏してお願い申し上げます。



<募集方式について>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2024/02/19 08:27

    伊藤登商店の伊藤です。革漉工場(押上革漉)の再スタートが3月1日に決定いたしました。現在再スタートに向け、機械の組み立てや機内内部の設定を職人が大急ぎで行っております。今週前半には実験的に革を漉き加工するところまで行けると思います。建設中は早く再稼働したいと悩んでましたが、本格的に再稼働が決ま...

  • 2023/11/27 11:10

    伊藤登商店の伊藤です。更新の間が空いてしまい申し訳ございません。8月末から着工し地盤改良、杭工事を経て、やっと鉄骨工事が始まり、建物の概要を見ることが出来ました。建て方という大枠の鉄骨工事はわずか3日で組み終わるそうです。ここから屋根や外壁などの工事が入り、今のところ年明け1月中旬には機械を設...

  • 2023/08/10 11:01

    地鎮祭が無事終了しました!!事務手続きも終わり、やっと地鎮祭までこぎつけました!お盆休み明けに着工し、あとは年明けの完成を待つのみです。原材料費や人件費の高騰やら何やらで、当初の見込みをはるかに上回る建築費となりましが、ネクストゴール設定時に皆様にご支援頂いた空調設備はしっかりと設置します!!...

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください