はじめに

2018年に行われた#WeToo Japanによる調査によると、6,000人の女性のうち約半数、47.9%が「電車やバス、道路などで自分の体を触られたことがある」と回答し、中でも電車内において過去1年間で痴漢被害にあった10代女性は、22.9%と、およそ4~5人に1人でした。




また内閣府の調査「男女における暴力に関する調査〈令和2年度〉」によると、レイプ被害にあった人のうち14.8%が18〜19歳のときに被害を経験しており、中学卒業から17歳のあいだに被害にあった人も、9.9%にのぼります。

このように、残念ながら未成年の段階で性被害にあってしまう人が多い現状がありますが、しかし、そうした年代の頃に性被害に関する正しい知識を持つ機会はとても限られています。

-そもそも性被害とは何なのか
-性被害にあったとき、どうするべきなのか
-いつ、どこで、どんなケアを受けることができるのか
-加害者にも、被害者にもならないための「性的同意」とは

これらの知識がないために、さらに傷つく若い世代が今もたくさんいるのです。

そこでNPO法人mimosasは、性被害や性的同意についてわかりやすく学べるハンドブック『MIMOSAS BOOK -あなたが傷つかないための性の本』を制作しました。

専門家監修の信頼できる情報を、手に取りやすい形で、1人でも多くの中高生に無料で配布したいと考えています。

性的同意とは

皆さんは、友だちとご飯を食べに行くとき、どのような会話をしますか?

「なに食べたい?」「ピザの気分かな」「私は中華がいいな」

きっと、このような会話をしながら、お互いの気持ちに合うレストランを探しますよね。違う希望がある場合やアレルギーがある場合に、無理やり誰かの意見を押し通すことはないと思います。

このように言動を通して「相手のしたいこと/したくないこと」や「好きなこと/嫌いなこと」を確認しあうことは、性的な行為をするときにも必要です。これを「性的同意」といいます。

先述の通り、普段の生活では多くの人が実践している「同意を確認する」という行為ですが、性的な状況になると、まだまだおざなりにされがちな現状があります。

「一緒にお酒を飲んだから同意していたはず」

「相手の家に行ったから、同意していたはず」

「カップル/夫婦だから、同意していたはず」

などの言説も根強く、実際に被害にあってしまった人に対して二次加害(被害の責任が被害者自身にあるような発言をすることなど)が行われてしまうことも…。

性被害をなくし、被害者にも加害者にもならないために、性的同意の考え方を広めていくことが大切だと、私たちは考えています。


MIMOSAS BOOKについて

『MIMOSAS BOOK』は、中高生がわかりやすく安心して性的同意や性被害について学ぶことのできるハンドブックです。性的同意や「いざというとき」の対処法について、弁護士と臨床心理士/公認心理師の監修のもと、わかりやすく説明しています。

ハンドブックは、大きくわけて3つの章で構成されています。


性被害とは

そもそも、性暴力がどういうものなのかを知らないために、自分の経験が性暴力だと認識できなかったり、知らずのうちに誰かを傷つけてしまうケースが多くあります。

そこで、性暴力にまつわる様々な偏見や誤解をファクトを通して解説し、また身近な性暴力のケースも紹介しています。



もし被害にあってしまったら

被害にあってしまう人がまだまだ多いことに加え、被害のあとに適切なケアやサポートにつながることもハードルが高い現状があります。

また、被害直後にそれを性暴力として認識できないケースも多くあるため、被害の直後〜被害から時間がたっている場合にわたって、具体的な対処法を紹介しています。


性的同意を学ぼう
性暴力の被害者にも加害者にもならないために、大切なのが「性的同意」の考え方。

定義の紹介だけでなく、シチュエーション別の性的同意のとり方や、「性的同意」を気軽に学べる映画やドラマの紹介をしています。

他にも、被害にあってしまったときに頼れる相談先リストや、性的同意チェックリストなど、すべての年代/性別/セクシュアリティを持つ人にも役に立つ情報を詰め込みました。

- 堅苦しくはないけれど信頼性の高い情報
- 被害にあったことのある人も、ない人も安心して読めるテキスト
- 中高生が部屋に置いても違和感のない、手に取りやすいデザイン

ときおり読み返し、心のどこかでお守りとなる一冊となりました。


このプロジェクトで実現したいこと

今この瞬間も、性被害によって傷つく/傷ついた若者がいます。

近年、性的同意や性教育に関心を持つ人も増えてきたと感じますが、実際には若い世代が信頼できる情報にアクセスできるかどうかは、まわりの大人の意識に大きく影響されてしまいます。とくに性的同意については、「子どもにどうやって伝えればいいのかわからない」と感じている大人も多いのではないでしょうか。

また、保護者や教員などの身近な大人からの性被害にあう人も少なくなく、彼ら/彼女らが安心してハンドブックを手に取れるよう、アクセスの機会をなるべく多く増やしていきたいと考えています。

- 学校機関での配布
- 保健室、図書館での設置
- 保護者等への配布
- 書店等での一般販売

残念ながら私たちの生きる社会には、まだまだ教育格差や地域格差などが残り、それらの格差が、とくに中高生の得られる情報に大きく影響を与えます。

しかし、性的同意や性被害に関する情報は、そうした社会的におかれた状況に関わらず、誰にとっても必要不可欠なものでもあります。

- 自分では本を買うことはできない/親にも買ってもらえない
- まわりに情報を教えてくれる大人がいない
- 学校でも相談できる人がいない

様々な状況に置かれた中高生の誰一人として、取り残すことなく情報を届ける必要があるのです。

学校での配布の他にも、保健室や学校/地域の図書館での閲覧、その他関連した活動を行う方々と協力して、一人でも多くの中高生に届けたいと考えています。

一度に全国の中高生に届けることはできませんが、少しずつ配布範囲を拡大し、1人でも多くの中高生へと届けていきます。


予定している配布先

すでにMIMOSAS BOOKの配布を予定している学校・団体は17以上、計6000冊を超えるご希望を寄せていただいております(4月26日現在)。

掲載許可をいただいた学校・団体の一例です(随時更新)。

- NPO法人ソーシャルデザインワークス SOCIALSQUARE 郡山 様
-一般社団法人ソウレッジ 様
-高知市議会 様
-TENGAヘルスケア 様
-合同会社シマノタネ 様
大阪府立なにわ高等支援学校 様
立花高等学校 様
多摩大学グローバルスタディーズ学部 様

1人でも多くの中高生への継続的な配布のために、一般の方々を対象とした書店やイベントでの販売も予定しています。

mimosasの想いに共感し、興味を持ってくださる書店さまや教育関係者さま、保護者さま、個人の方、メディア関係者の方がいらっしゃいましたら、以下のフォームからご連絡いただけますと幸いです。

MIMOSAS BOOKに関するお問い合わせフォーム


応援メッセージ

資金の使い道

監修費:80,000円
人件費:410,000円(イラストレーター、デザイナー、ライティング等)
開発費:199,963円(サンプル200部制作)
印刷費:570,000円
ハンドブック送付費用:900,000円(梱包費を含み、1冊から発送する場合を想定)
(手数料+税:約240,000円)

合計必要費用 2,400,000円

※資金の使い道は優先度の高い順に記載しています。
※目標金額を達成しなかった場合は、すでにかかった制作費に優先的に充てさせていただきます。


実施スケジュール

3月上旬:配布先の学校や団体等との連絡
4月30日:クラウドファンディング終了
5月上旬:印刷
5月下旬〜6月:配布開始、リターン発送

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

リターンのご紹介

①ステッカーパック

あなたのお気に入りのラップトップに、スマートフォンに、鏡に、冷蔵庫に、ウォーターボトルに、ノートに、いつでもmimosasのメッセージをそばに感じて。


②Pake®

mimosasのメッセージ「KNOWING IS OUR POWER」(知識が私たちの力になる)を伝えるPake®︎(パケ)です。パケの可能性は無限大!なんでも入れて、mimosasのステートメントと一緒に持ち運ぼう。

③Tシャツ

胸元にmimosasのメッセージ「Tender, Loving, Mimosas」を刺繡したTシャツシリーズ。


(白)「We Are Always On Your Side/私たちはいつでもあなたの味方だよ」が波のように背中を泳ぎます。

(黒)点描のミモザの花と、英語で書かれたmimosasの信念を背中に掲げたデザインです。

(ベージュ)私とあなたへのリマインダー「REMEMBER: IT'S YOUR BODY/忘れないで:あなたの身体はあなたのもの」を背中にしのばせて。


④MIMOSAS tea

あなたにとって大切な人に、「あなたは一人じゃない」と伝えるために、このお茶はあります。フレーバーは「アールグレイほうじ茶」。国産の有機栽培の茶葉を使ったカフェインレスの、優しいお茶です。このお茶がほんの少しでもあなたの心の支えになりますように。



最後に(代表メッセージ)

ここまで読んでいただきありがとうございました。NPO法人mimosasを運営する、代表理事の疋田万理と副理事のみたらし加奈です。mimosasは有志で集まったメンバー12人ほどで構成され、2020年7月ごろから少しずつ少しずつ成長を続けてきました。本業を持ちながら参加しているメンバーが大半となるため、大きな進捗や達成を次々と生み出しているわけではないかもしれません。ですが、メンバー全員が少なくとも月に2〜3回集い、会議して方向性やマイルストーンを決め、着実な成果を作っています。一人ひとりが企画に発言をして、新しい商品を作ったり、日々の発信コンテンツを議論し、製作しています。

mimosasはビジョンを共有しあえる家族のような存在で、メンバーそれぞれの体調や本業のスケジュールなどの様子を見ながら、焦りすぎず安定して運営し、組織として信頼できる法人へと成長してきました。

mimosasの一番重要なミッションは「適切な情報を届けることで、困っている人のアクションに繋がること」だと思っています。スローガンは #知ることで変えられる未来がある です。一人でも多くの人が、情報を得ることで次の日の行動が変わるかもしれない、そのために活動しています。このハンドブックを多くの学生が手にし、性的同意について知ることで、傷つく人が減ってほしいと願っています。


NPO法人mimosasとは

NPO法人mimosas(ミモザ)は、「知ることで変えられる未来がある」というスローガンのもと、弁護士、臨床心理士、元警察官といったさまざまな分野の専門家とともに性被害に関する知識を発信します。

活動実績

2020年7月 mimosas発足。

2020年10月 IWAI OMOTESANDOにて、第1回イベント『Tender, Loving, Mimosas #わたしとあなたを愛すること』開催。500名もの参加者・寄付者を得る。

2021年4月 東京都の認可を受けNPO法人となる。

2021年12月 渋谷OZスタジオにて第2回イベント『#わたしとあなたを愛すること2021』を開催、イベント限定版ハンドブックを披露。

  • 2022/04/30 02:08

    MIMOSAS BOOKのクラウドファンディングにご支援頂いた皆様、本当にありがとうございます。おかげさまで、残り1日の段階で目標金額に到達することができました!現在、当初の配布目標数を大幅に上回る6000冊以上の配布希望を全国の教育機関や関連団体様からいただいております。今後1人でも多くの中...

  • 2022/04/11 21:33

    皆様、NPO法人mimosasのプロジェクトにご協力いただきありがとうございます。おかげさまで、『MIMOSAS BOOK』のプロジェクト、現段階で2500人の中高生に無料で『MIMOSAS BOOK』を配布できる金額まで到達いたしました!※こちらの冊数は、目標金額を達成した場合の計算となりま...

  • 2022/03/28 22:14

    『MIMOSAS BOOK』について、HUFFPOSTさんに取り上げていただきました!取材では、『MIMOSAS BOOK』の制作を担当したメンバー4名が、このハンドブックに込めた想いをお話しました。↓記事はこちらからお読みいただけます。「性的同意」を中高生に伝えるハンドブックができた理由。傷...

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