私たちDAYS JAPANは「DAYS国際フォトジャーナリズム大賞」というフォトジャーナリズムの写真コンテストを2005年から毎年開催し、受賞作品の写真展を国内各地でおこなっています。

コンテストの目的は、フォトジャーナリズムの発展と危険に身を置きながら現場へ足を運び撮影するフォトジャーナリストたちへの支援です。

「DAYS国際フォトジャーナリズム大賞2018」の作品募集を2017年12月から開始しました。2018年2月には審査をおこない、3月には受賞作品の発表を予定し、来春以降に東京、名古屋、三重などで写真展を開催します。

今回このコンテストで不足している受賞者への賞金と運営費のためにクラウドファンディングに挑戦することにしました。

 

毎年このコンテストには世界トップレベルの作品が国内外から応募されます。
2017年度は83か国10000点以上の作品があり、紛争、飢餓、児童労働、貧困、環境破壊など、毎回世界中で起きている様々なテーマの作品が送られてきます。

2017年度受賞作品(一部)

2016年、フィリピンのドゥテルテ大統領が始めた残忍な麻薬撲滅キャンペーンによって死者は数千人に上り、刑務所の過密状態が深刻化しました。

 

 

パキスタンとアフガニスタンの国境近くに住む少数民族カラーシャ族。世界でももっとも人数の少ない、絶滅に瀕した少数民族とされています。

 

 

2016年およそ19万人もの難民が戦争や貧困から逃れるためにリビアから船でヨーロッパを目指し、絶望の中海を漂いました。

 

 

ビルマの森では象たちが拷問のような仕打ちを受けながら木の運搬作業に使われています。象使いに斧の柄で殴られる象。森の中でおこなわれる象への扱いは外部には気付かれにくいのが現実です。

 

上記以外にものたくさんの作品が受賞をし、写真展で展示されてきました。

 

 

DAYS国際フォトジャーナリズム大賞最終審査委員

こちらの方々に審査をしていただいています。
2018年2月の中旬に最終審査会をおこない、厳正なる審査の上で、3月には受賞作品が決まる予定です。

 

 写真のメディアとしての役割

コンテストに応募される報道の現場で撮られた写真からは、過酷な状況を懸命に生きる人々の力強い姿、輝かしい
いのちの営みなど、普段の生活からは見えない現実を突きつけられ、心が揺さぶられます。中には心が痛むような写真もあります。しかし、事実を「知る」ということは、より良い平和な世の中を、私たちの手で生み出す第一歩だと思っています。
写真は、現場と外の世界をつなぐ重要なメディアです。わたしたちDAYS JAPANが創刊のころからスローガンとして掲げていますが、「一枚の写真が国家を動かすこともある」と信じ、このコンテストを続けています。

 

 

フォトジャーナリストたちはなぜ伝えるのか

2017年に2位を受賞し、この写真を撮影したフォトジャーナリストは、自身もシリア・アレッポ出身で、2011年から続くシリア内戦で難民となりました。

「写真が世界のリーダーたちを変えれるとは思っていなかった。でも、シリアの爆撃を止めるため、自国の政府に抗議するよう市井の人々を突き動かすことは可能だと信じてきた」

と彼は言います。フォトジャーナリストたちが死と隣り合わせの現場で撮影を続けるのは、この写真で一人でも多くの命が救われるかもしれない、世界を変えより良い未来へ導くきっかけになるかもしれないと思っているからです。そして、私たちも強くそう信じています。


下の写真はアメリカ・カリフォルニア州の小児ガンの子どもを持つ母親と、その少年が旅立つまでを記録した作品です。ガンを患った少年の奮闘記だけでなく、家族とは何か、人が人を支えるとはどういうことなのかを鋭く問いかけ、2007年には報道写真の最高峰とされるピュリッツア賞も受賞しています。この作品を撮影したフォトジャーナリストはこう言います。

「写真を通じて恵まれない人々への関心を呼び起こすこと。私がこの職業についている理由です」

初めてこの作品が地元の新聞に掲載された時、反響が大きく、この母親には、4万ドルの寄付が集まったそうです。
ガン患者を持つ家族は財政的にも精神的にも支援がないという理由で、この募金でその母親は小児ガンの子をもつ家族を助けるための団体を立ち上げています。

こういった志あるフォトジャーナリストたちの写真を受け取り、それをメディアに反映をして伝えていく。
それがのコンテストの使命だと思っています。

 

 

 

 

次の取材につなげるために

せっかく取材をした貴重な記録も、残念ながらそれを発表できるメディアが大変少なくなっています。日本でも海外の問題が大きく報じられることは少なくなりました。

彼らの作品を発表するため、この「DAYS国際フォトジャーナリズム大賞」の受賞作品を雑誌のDAYS JAPANやウェブサイトに掲載するだけでなく、多くの人に見てもらうために国内各地で写真展をしています。

世田谷文化生活情報センター生活工房(東京・世田谷) での写真展の様子です。

 

このような事実を知らせてくれるのも、伝えなければならないという強い思いを持ちながら現場に赴き、取材を続けるフォトジャーナリストたちがいるからです。
そして、彼らのほとんどは、取材にあてる資金繰りに苦労しています。
コンテストの受賞者には、次の取材に役立ててもらうために毎年賞金を渡しています。賞金はこの賞に賛同してくださる企業や団体さんに協賛をいただいているものです。

2018年度開催分もいくつかの企業さんから協力をいただいていますが、賞金が足りていません。また、この賞を運営するために、作品集めや、写真プリント、翻訳、校正などの費用がかかっており、この賞の存続自体が危うい状態です。

故郷を追われ行き場のない人々、教育を受けられず労働を強いられる子どもたちなど、声にならない声、誰にも届くことなく消えゆく声は世界に無数にあります。この声をできるだけ多くの人にに届けたい。そして、そういう命の危機に瀕している人たちと私たちの間に入って取材をするフォトジャーナリストを今回のコンテストでも支援したいと思っています。

コンテストを円滑に運営し、フォトジャーナリストたちの作品を一人でも多く見ていただくことで、それがより良い世界につながるよう、そしてフォトジャーナリストたちのサポートができるよう、クラウドファンディングで支援をお願いいたします。

 

 

2016年の最終審査会会場にて。審査委員の方々とボランティアスタッフの集合写真です。

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