「煮豚」と「恐竜」で、いわきの新しい名物をつくりたい

いわき駅前の飲み屋街、田町で和食酒場AFROを経営している若松佑樹です。コロナ禍のこの数年、居酒屋を運営しながら、店の名物メニューを商品化する食品加工にチャレンジしてきまして、このたび、市内の別の場所に小さな加工場をつくることになりました。ここから生産数を増やしていくためには、既存の商品の磨き上げ、特にパッケージなどデザイン面でのテコ入れが必要です。今回は、その資金を皆さんにご支援いただきたく、クラウドファンディングにチャレンジしました。応援、よろしくお願いします!


<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。
目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


皆さんもご存知の通り、この数年のコロナ禍で飲食業界は大きな打撃を受けています。和食酒場AFROがある、いわき駅前の飲食店街も同じです。宴会需要が急速に小さくなり、事業の縮小や撤退を余儀なくされている店も少なくありません。東京や大阪など都市部でも、老舗の飲食店の店じまいが話題になりました。

私たちAFROも大きな影響を受けましたが、店を続けていくため、この数年、食品加工に挑戦してきました。いわき名物として知られるカジキを使った「常磐炭鉱石炭揚げ」や、福島県産のブランド豚「麓山高原豚」を使った「ニブタサウルス」など、地域の歴史や文化に根差しつつ、手に取った方が楽しい気持ちになるような商品をプロデュースしてきました。

こちらがニブタサウルス。麓山高原豚を使っています

私がアフロヘアなので店名もAFROです。生ビールの神泡は任せてください!(プレミアム超達人店認定店)

このほかにも、双葉郡富岡町で弁当事業を始めたり、焼き菓子の委託販売を始めたりと、小さな仕事をいくつも引き受けながら、会社をつぶすことなくなんとか営業を続けてくることができました。今後は、それらの仕事を大きく展開していくため、いわき市湯本町に中古物件を借りて、食品加工場「ぱくぱく工場」を稼働することになりました。

加工場の新設と聞くとステップアップのように聞こえるかもしれませんが、加工場を効率よく動かすには、一定数量の商品をコンスタントに作り続ける必要があります。そのためにも、既存の商品をブラシュアップして、確実に手にとってもらえるような売れる商品を作らなければなりません。特に、売れ行きが伸び悩んでいる「ニブタサウルス」など、メイン商品のデザインコンセプトの見直しが必要だと感じています。

ですが、物件の取得や、加工場の内装工事、さらにコロナ禍による居酒屋への大打撃の穴埋めなどに資金を投入しており、商品の磨き上げをするほどの余裕がありません。そこを皆さんにご協力いただけないかと考え、今回、クラウドファンディングにチャレンジしました。皆さんからのご支援は、「ニブタサウルス」パッケージデザインの見直しや、商品の販売促進費として活用させていただきます。

また、この文章の最後に書きましたが、商品づくり以外にもチャレンジしたいことがたくさんあり、ぜひこの機会に皆さんに知っていただきたいと思っています。最後までお読みください。いわきに新しい名物を生み出すチャレンジに、皆さんのお力をお貸しください! ご支援、よろしくお願いいたします。


人が「よろこぶ場」をつくりたい

和食酒場AFROは、震災後の2013年に営業を始めた飲食店です。エリンギマコモタケなど生産者から直接仕入れた野菜や、メヒカリカジキといったいわきの魚介類を使った創作料理がウリのお店です。福島県は世界でも注目されておりますが、福島県の食材は震災後、しっかり検査を経て、安全と証明されたという事が証明されております。そのことを世界の方に知っていただき、より多くの人に福島県に足を運んでいただいて、美味しいお料理をいっぱい食べてもらいたいと思い、さまざまなメニューを用意しています。

お客様のテーブルに伺って、飲みながらお話しすることもよくあります!

乾杯の瞬間がなにより大好きです

地元食材のおいしさ以前に、わたしは、訪れてくれたお客様に「よろこばれる店」にしたいと思いが強くあり、「居心地のいい空間」であることを目指して、これまで営業を続けてきました。お店を開いて10年目になりますが、地域の皆さんに支えられて、ここまで営業を続けることができました。

わたしは、もともと料理人を目指していたわけではありません。大学を中退し、しばらく中央卸売市場で働いたあと、郡山市に営業所がある医療機器メーカー引越し会社で仕事をしていました。

医療機器メーカーの仕事は、ひとつ何百万円するような医療機器を飛び込みで販売する仕事です。最初の頃は何度やってもうまくいきませんでしたが、次第に少しずつ手応えを感じられるようになり、どんなに高い商品だとしても、自分の伝え方ひとつで相手の気持ちが変わるんだな、営業もなかなかおもしろいなと学びました。

料理が好きなので、厨房で暮らす時間は充実しています

引越し会社の仕事は、引越したいお客様宅に出向いて自社なりの「引越しサービス」を営業します。他社の引越し価格やサービス内容と比べられてしまう難しさがありましたが、丁寧に対応していくと「他の業者のほうが安いけど若松さんに頼みたい」と言って、わたしに任せてくれる人も出てきたんです。少しずつ成績も伸びてきて、自分で引越し会社を立ち上げたほうがいいかな、なんてことを考えた時期もありました。

その後、市場時代のご縁で居酒屋で働くことになったのですが、働くうちに、自分なりに理想の居酒屋づくりを考えるようになりました。そしてある時、経営者の方から「店を任せたい」と声をかけられ、そこから自分の店を持つに至りました。

決して料理一筋というわけではありませんが、いつも、目の前のお客様に満足してもらうにはどう動けばいいかを考えてきましたし、もともと何か頼まれると断れない性格で、それが和食酒場AFROの経営方針にもつながっている気がします。従業員にも、「お客さんに喜んでもらうには、どうすればいいかを考えてほしい」といつも話しています。


ニブタサウルスに寄せる期待

大学を中退してから約5年間、いわき市の中央卸売市場で働いていたことがあり、市場の皆さんともつながっていたのですが、店をはじめたころ、お世話になった社長さんから「カジキでいわきを盛り上げようというプロジェクトが始まったから、カジキを店で使わないか」と薦めていただきました。

仕入れてみるとブロックカットされたカジキの身がゴロゴロと入っていました。これを黒くしたら石炭になるかもとひらめき調理してみたのが「常磐炭鉱石炭揚げ」の始まりです。マヨネーズやイカスミを使って石炭らしい黒色を味つけしました。

これがお店でけっこう売れまして、カジキ料理コンテストに出してみたらなんと優勝してしまったんです。お土産でも通用するんじゃないかと思い、商品を真空パックにし、市内のお土産店などに販売しています。今もコンスタントに売れているロングセラー商品に成長してくれました。

カジキのフライをオリジナルのソースに絡めて石炭揚げが完成します

酒粕のおかげで柔らかく仕上がったニブタサウルス

加工品第2弾が「ニブタサウルス」です。福島県のブランド豚「麓山高原豚」を、いわきの銘酒「又兵衛」の酒粕を使って煮込んだ商品です。いわきは「フタバスズキリュウ」など海竜が有名ですし、わたしも恐竜が大好きなので、買ってくれたお客様がお子さんと一緒に楽しんでもらえたらと思い、ニブタサウルスという名前にしました。

うちの看板商品になると期待していた商品だったのですが、正直なところ、売り上げはよくありません。思い切り恐竜に全振りしてしまって、ニブタサウルスだけではなく「テバサキプテラノドン」のような関連商品もあわせて作ったほうがいいのか、逆に、恐竜をからめず、シンプルに「煮豚の酒粕煮」のような和のテイストにしたほうがいいのか、悩んでいます。

まだパッケージやコンセプトの改善の余地があると感じています

いずれにしても、商品のブラシュアップコンセプトの練り直しロゴやパッケージのデザインなどを1からやり直す必要があると考えていまして、今回、皆さまからいただいたご支援は、ニブタサウルスのリニューアルに活用させていただきたいと思っています。いわきの新しい名物に育て上げるため、どうか皆さんのお力をお貸しください。

新しくできる加工場は、すでに内装も終わり、早ければ1月中旬から稼働します。惣菜加工場とスイーツ加工場の2つの機能を持たせていて、自社の商品だけでなく、委託製造・委託加工などにもチャレンジしていきたいと思っています。加工場の成功のためにも、まずはこの「ニブタサウルス」を軌道に乗せたいと思っています。


リターンとスケジュール

皆さまからのご支援に対するリターンですが、AFROでのお食事コース加工品の試食セットなどを中心に組み立てました。いわきにお住まいの方には、ぜひお店に足を運んでいただきたいですし、遠方の皆さんには、ぜひ手軽に味わえる加工品を通じて、私たちの味を知ってもらえたらうれしいです。あえて「具体的な商品のないリターン」も入れてあります。生意気な言い方かもしれませんが、「若松のチャレンジなら手を貸してやる!」という方に、ぜひご支援いただけたらうれしいです!

今後のスケジュールは以下の通りです。
2023年2月 クラウドファンディングスタート
2023年2月 加工場「ぱくぱく工場」稼働
2023年3月 クラウドファンディング終了
2023年3月 ニブタサウルスのリニューアル作業開始
2023年7月 ニブタサウルスのリニューアル終了
202X年   ふるさと産品コンテストで「ニブタサウルス」優勝?

また、皆さまからのご支援の使いみちについて、このように考えています。
30万円 原材料購入費および商品開発費
30万円 パッケージデザイン費
40万円 広報PR、販売促進費



いわきの魅力を全国に伝えたい

生まれ育ったいわき市で飲食業に関わり痛感したのは、いわきの魅力の大きさです。農業や水産業に関わる皆さんと直でつながり、いわきにはほんとうに宝物が多いなと感じています。一方、まだまだその魅力を伝え切れていない、商品として出し尽くせていない、とも感じています。宝の持ち腐れというか、もったいないなと思うところもたくさんあります。

今後は、店主として和食酒場AFROを守りながら、食品加工を通じて、いわきの魅力を発信していきたいと思っていますし、地域のさまざまなボランティア活動などにも参加して、いわきを盛り上げることができたらと思っています。今回のプロジェクトを、その第一歩にできるよう、全力でがんばります。ご支援、よろしくお願いいたします!

料理人として、できることを最大限、がんばりたいと思います!

若松の夢に、皆さんの力を貸して欲しい

そして最後に、今回のプロジェクトとは直接関係しているわけではありませんが、今後のチャレンジについても紹介させてください。今、わたしは、「絵本の出版プロジェクト」も進めています。じつは絵本を出版したいと考えており、人種差別やイジメなどを無くしたいという思いからできたストーリーで、それを小さいお子様でも理解しやすくするために動物に例えて表現しました。ある出版社の絵本コンテストにも応募したこともあります。その時はグランプリは取れなかったのですが、優秀賞に残るほどの成績でした。

絵本の文章は、もうすでに出来上がっています!

わたしが書いたのは、『キリンとゾウとウサギのはなし』という絵本です。ジャングルにある池を我が物顔で占拠して、周囲の動物たちをイビっていたいじわるキリンが、大きなトラブルに遭い、これまで差別していた動物たちに助けられ、心を改めるというおはなしです。

もともと、障がい福祉に関心があり、障がいがあろうとなかろうと、だれもが自分たちのあるがまま表現できるような社会になればと思い、細々ですが、障がいのある人たちとの関わりを続けてきました。そんな思いを、この絵本に込めました。出版が実現できれば地元の幼稚園などに配りたいとも考えております。

また、今回完成する加工工場も、障がいのある人たちの就労の場として運営したい、小さくてもいいから、いろいろなチャレンジを彼らと一緒に続けていきたいと思っています。今回は、あくまでニブタサウルスをリニューアルするプロジェクトですが、今回のチャレンジを皮切りに、誰もが自分らしくいられるいわきをつくる大きなアクションにつなげたいと思います。

どうかみなさんのお力を、お貸しください!



【本プロジェクトは「企業ひと技応援ファンド」の取組です】

「企業ひと技応援ファンド」事業は、いわき市・いわき産学官ネットワーク協会・いわき信用組合・いわき商工会議所が連携し、次世代に継承すべき技術・サービス・商品を持つ事業者、ポストコロナに対応するため新しいビジネスモデル構築に取り組む事業者をサポートするために企画されたものです。今回、私たちを、新しい時代に「残したい・伝えたい」企業として選んでいただきましたので、是非とも皆様のお力をお貸しください。ぜひとも応援をよろしくお願いいたします。(事務局・いわき商工会議所)

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