“タリバンの花嫁”ファリシュタさん

ファリシュタさん(28歳)は、10歳の娘レハナと11歳の息子アスラム、20歳の弟サリムと一緒にアフガニスタン首都カブールで暮らす未亡人です。彼女の夫はタリバンのメンバーで、彼はファリシュタさんを拉致し、結婚を強要したため、彼女は幼いうちから“タリバンの花嫁”となったのです。

その夫は10年前に戦闘で殺され、早いうちから、彼女は女手ひとつで2人の子どもを支えなければならなくなってしまいました。


はじめに・ご挨拶

こんにちは、国連UNHCR協会 広報担当の朴と申します。

国連UNHCR協会は、国連の難民支援機関であるUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の活動を支える日本の公式支援窓口であり、第8代国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子さんが退任された2000年に、日本の民間からも広く支えていこうと設立された認定NPO法人です。

国連UNHCR協会は、昨年10月の国際ガールズ・デーを皮切りに女性支援プロジェクト「WOMEN+BEYOND 私たちから、世界を変えよう。」を展開しています。シーズン1のテーマは「アフガニスタン難民女性・女子の自立支援」です。

国連UNHCR協会 報道ディレクター 長野智子のメッセージはこちら


このたび、本プロジェクトに賛同してくださる支援者有志の皆さまとともに「WOMEN+BEYOND実行委員会」を立ち上げ、冒頭でご紹介した“タリバンの花嫁”ファリシュタさんのような、「避難民女性一人が生計を支える家庭」を現金給付で支援するための資金調達をスタートしました。

“タリバンの花嫁”ファリシュタさんの物語

ファリシュタさんの両親と他の兄弟たちは、昨年7月にタリバンが前進する中、もともと住んでいた北部タカール州からカブールへ逃げました。家族のほとんどは現在イランに避難しているものの、ファリシュタさんは国境を越える旅費が払えず、子どもたちや弟とともにカブールの仮設住宅で、暖房などの充実した設備もないまま過酷な生活を強いられています。安い野菜やパンで食いつないでおり、カブールに避難してからは一度も肉を口にしていません。

「4カ月前にカブールに避難して以来、安い野菜とパンでなんとか生き延びています」

この3カ月間、家賃が払えず、家主に追い出されるのではと心配していたファリシュタさん。弟のサリムが時々、雑用で稼ぐお金以外、ファリシュタさん家族は借金で生き延びてきました。

UNHCRの巡回チームが、ファリシュタさんの仮設住宅を訪問した後、ようやく彼女は490米ドルの現金給付支援を受け取ることができました。この給付金により家賃やストーブ、薪、追加の毛布、衣服の購入などの「冬支度」の費用に充て、なんとか寒くて厳しい冬を乗り切ることができたのです。未亡人であるファリシュタさん家族は、この支援で未来にわずかながらの希望を見出すことができました。

「子どもたちにもっと良い未来を与えてあげたい、教育を受けさせたい、と思うのですが、私たちは行き詰まっています」

しかしファリシュタさんの心配事はそればかりではありません。子どもたちの教育が中断してしまっていることや、イランに逃れて長く会えていない家族のことなど、心配は尽きることがありません。

現金給付による支援は、ファリシュタさん家族のように、ひとつひとつの家庭のニーズを満たしてくれる最も大切な支援の一つです。

このプロジェクトで実現したいこと

アフガニスタン国内にとどまる特に脆弱な一人親家庭への現金給付

現在、報道等でウクライナ情勢への懸念を深めておられる皆様は多いと思います。
ですが、皆様がウクライナで目撃されている人道危機と同じことが今も続いている地域が世界各地にあるのです。シリア、ミャンマー、南スーダン、ベネズエラ、そしてここでご紹介するアフガニスタンでも―。かつては私たちと同じ平穏な生活を送っていた多くの難民・避難民が、今このときも過酷な避難生活を強いられています。

アフガニスタンでは、昨年8月にタリバンが政権を掌握したことにより、多くの人々が国内で、そして国外へ避難を強いられています。危険の迫るカブール空港から、なんとか飛行機に乗って国外に逃れようとする人々の映像をご記憶の方も多いのではないでしょうか。

度重なる紛争によって過去1年間に家を追われた人は70万人。2021年12月3日時点で、人口の55%に当たる2300万人のアフガニスタン人が現在、極度の飢餓に直面しており、人道危機は日に日に悪化している状況です。アフガニスタン国内で避難を強いられている340万人のうち80%は、人権侵害が懸念される女性や子どもたちです。(2021年12月現在)

難民女性・女子たちは、劣悪な環境での避難生活に加えて、SGBV(性差に基づく暴力)のリスクや女性ひとりが生計を支える家庭の増加に加え、教育・自立の機会を阻む文化的・経済的な壁に直面しています。また、コロナ禍による社会の経済的なひっ迫が、女性たちにさらに追い打ちをかけている状況です。

「アフガニスタン、私たちはあなたを忘れていません」

ウクライナ情勢が激化している中で、全世界の注目がウクライナに向いている今だからこそ、同じく過酷な状況が続いているアフガニスタンも忘れないでほしい。

「アフガニスタン、私たちはあなたを忘れていません」
―この大切なメッセージを届けるため、私たちはこのプロジェクトを立ち上げました。

ファリシュタさんのようなアフガニスタンに留まる特に脆弱な一人親家庭へ、生きる希望を日本から届けませんか?
皆様のお力を切に必要としています。

これまでの活動

2021年10月 「WOMEN+BEYOND 私たちから、世界を変えよう。」始動。
2021年11月 「WOMEN+BEYOND」公開ウェビナーを開催。
2021年12月~「WOMEN+BEYOND」メールマガジンを毎月配信。「女性のエンパワーメント」分野で活躍する社会リーダーへのインタビュー・難民女性のストーリー・ミニコラムをお届け。

2022年5月には、クラウドファンディングと並行して「WOMEN+BEYOND」チャリティラン&ウォークを実施しています。アフガニスタン難民女性や女の子たちに思いを馳せながら、ラン&ウォークで難民支援をしませんか?皆さんのご参加をお待ちしております!
「WOMEN+BEYOND」チャリティラン&ウォーク
https://runtrip.jp/runfortomorrow/womenbeyond


応援メッセージ

長野智子さん / 国連UNHCR協会 報道ディレクター 

学ぶ機会や自由を不当に奪われる女性たちが、明日への希望や笑顔を取り戻すことができる力と思いを繋ぐ女性支援プロジェクト「WOMEN+BEYOND~私たちから、世界を変えよう。」に賛同します。 

「アフガニスタン、私たちは忘れていません」このメッセージを届けるため、アフガニスタン避難民女性への現金給付支援のクラウドファンディングを実施しております。

皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

スプツニ子!さん / アーティスト、東京藝術大学デザイン科准教授

UNHCRによると、2020年時点で故郷を追われた人の数は8,240万人でこの10年で2倍に増加、その約4割が18歳未満の子供だといいます。日本は残念ながらこれまで難民受け入れの数がとても少なく、一般社会でも難民たちへの共感や、課題認知が高くありません。もっと多くの人が課題を知り、考え、国際的な連携の輪の中で出来ることをする必要があると考えます。

ぜひ、アフガニスタン避難民女性への現金給付支援のために、クラウドファンディングのご協力をお願いいたします。

高橋尚子さん / シドニー五輪金メダリスト、スポーツキャスター

女性のエンパワーメントは、いま世界で、社会で、スポーツでも取り上げられています。ただ、伝統を壊すのは難しいという壁もあると思います。
多くの人達と今の現状を共有して、一緒に考える機会を創出できれば変化は起こる。そんな瞬間を皆さんとご一緒できたらうれしいです。

アフガニスタンに留まる特に脆弱な一人親家庭へ、日本から生きる希望を届けませんか?
クラウドファンディングでのご協力をお願いいたします。

資金の使い道

・1世帯(7人)あたりUSD200(約22,000円)の現金給付を実施予定(約50世帯を目標)
・家賃、食費、燃料費、医療費、学費など、各世帯のニーズに合った支援につながります
※集まったご寄付額の9%はCAMPFIREの手数料に使用されます。
※本プロジェクトのご寄付による領収証の発行はございません。したがって寄付金控除の対象外となりますことご了承ください。
※領収証(寄付金控除)をご希望の場合は、「WOMEN+BEYOND」プロジェクトページよりご寄付のお申込みをお願いいたします。
https://www.japanforunhcr.org/appeal/women-beyond?utm_source=Goodmorning&utm_medium=referral&utm_campaign=JA_PS_JA_DisplacedWomenAndGirls


実施スケジュール

4月14日~5月31日:クラウドファンディング実施
5月14日~5月22日:「WOMEN+BEYOND 私たちから、世界を変えよう。」チャリティラン&ウォーク開催
お申込みURLはこちら
6月:CAMPFIREよりご寄付のご入金、UNHCRジュネーブ本部へ送金
7月:アフガニスタン難民女性への現金給付を開始、ご支援いただいた皆様へ御礼メール発信
9月:アフガニスタン難民女性への支援活動、ご報告メール発信

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

リターン

・国連UNHCR協会からの御礼メール
・アフガニスタン難民女性への支援活動、ご報告メール
・アフガニスタン難民支援を担当するUNHCR職員からの御礼メッセージ
・国連UNHCR協会報道ディレクター長野智子とのオンラインミーティング
など
右の欄のようにご支援額により変わります。

※本プロジェクトのご寄付による領収証の発行はございません。したがって寄付金控除の対象外となりますことご了承ください。
※領収証(寄付金控除)をご希望の場合は、「WOMEN+BEYOND」プロジェクトページよりご寄付のお申込みをお願いいたします。
https://www.japanforunhcr.org/appeal/women-beyond?utm_source=Goodmorning&utm_medium=referral&utm_campaign=JA_PS_JA_DisplacedWomenAndGirls


最後に

ウクライナ情勢が激化している中で、全世界の注目がウクライナに向いている今だからこそ、伝えたいことがあります。

“同じく過酷な状況が続いているアフガニスタンも忘れないでほしい”

「WOMEN+BEYOND」の仲間とご一緒に、アフガニスタンの難民女性に未来への希望を届けていただければ幸せです。
一人ひとりができることから。ぜひ皆様のお力添えをお待ちしております!

●国連UNHCR協会 公式ウェブサイト
https://www.japanforunhcr.org/

●国連UNHCR協会 女性支援プロジェクト「WOMEN+BEYOND 私たちから、世界を変えよう。」公式ページ
https://www.japanforunhcr.org/appeal/women-beyond?utm_source=Goodmorning&utm_medium=referral&utm_campaign=JA_PS_JA_DisplacedWomenAndGirls 

●「WOMEN+BEYOND」チャリティラン&ウォーク
https://runtrip.jp/runfortomorrow/womenbeyond

※このプロジェクトでは、アフガニスタン難民女性・女子と表現していますが、国外に逃れた難民だけでなく、アフガニスタン国内の避難民を含みます。今回は、特に国内避難民への支援をアピールしています。

  • 2022/05/27 17:30

    みなさま、こんにちは!WOMEN+BEYOND実行委員会のまゆです。クラウドファンディング実施期間も残すところあとわずか。WOMEN+BEYONDへご支援いただきました皆様には心より御礼申し上げます。早いもので、WOMEN+BEYONDのクラウドファウンディングのこの活動も残り一週間となりまし...

  • 2022/05/16 17:00

    WOMEN+BEYOND実行委員会のおだまゆです。クラウドファンディング実施期間も残すところあとわずか。ご支援いただいた方へ、改めて感謝を申し上げます。目標達成金額へはまだまだ多くの方からの協力が必要な状況ですが、皆さまから頂いた貴重な支援をアフガニスタンへ届けるべく、最後まで応援をどうぞよろ...

  • 2022/05/14 18:00

    国連UNHCR協会のアフガニスタン避難民女性を支えるクラウドファンディングへご関心をお寄せいただき有難うございます。 クラウドファンディングを実施して、早くも1カ月が経ちました。ご支援および拡散いただきました皆様に感謝申し上げます。一人でも多くのアフガニスタンに留まる避難民女性に支援を届けるた...

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