新宿区のはしっこで小さな映画会社をやっているムヴィオラです。
(昨年創立15周年を迎えました。)

5月公開の『すれ違いのダイアリーズ』は、町の学校が遠くて通えない水上生活者の
子供たちのために建てられた、 山奥の湖に浮かぶ水上小学校を舞台にしたタイ映画。
ラブストーリーの要素もありますが、生き生きした子供たち、教師と生徒の出会いの素晴らしさに思わず感動してしまう映画です。

学校をめぐる暗い話題が多い最近の日本ですが、学校は人と人の出会いの場所、
という原点をこの映画で思い出してほしい。そして人間の「善」の部分の感動を、
字幕に慣れていない小中学生にも、目の不自由な方にも味わってもらいたい。
そんな気持ちから「バリアフリー音声ガイド」制作を決めました。

 

一方、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた岩手県陸前高田市では「ノーマライゼーションという言葉のいらないまち」をビジョンに掲げて新しいまちづくりを行っています。ゼロからまちをつくるなら、皆に優しいまちを、という考えからです。

 そして、私たちが縁あって知り合ったのが、震災以来、陸前高田市の復興支援をしている特定非営利活動法人陸前高田市支援連絡協議会Aid TAKATAさん。
その協力で、陸前高田の子供たちがバリアフリー音声ガイドの声優を担当してくれることになりました。

子供たちの吹き替え収録は3月27日にすでに実施済み。
みんな驚くほど上手で、中には、「将来、声優になりたい」という子もいました。
初体験の子供たちも吸収力が素晴らしく、とても感動的でした。



私たちは陸前高田の子供たちの吹き替えを聞いて、
より一層、全国に彼らの声を広げたいと思いました。

しかし現在、バリアフリー上映の多くは、オペレーターを派遣し、機材を持ち込み、FMラジオで音声を映像に同期させるシステム。しかしこの方法では、場所も上映日時が限定されてしまいます。

そこで、バリアフリー上映を全国いつでもどこでも利用できるようにするために生まれた新サービスUDcastを導入したいと考えました。

 このサービスは、スマートフォンなどにアプリをダウンロードすることで、
バリアフリー音声が映像と自動的に同期。オペレーターがいなくても、いつでも
どこでも利用できる未来形の上映方式です。
また、震災によって多数の映画館も被害を受けた被災地3県の小中学校に映画を無料貸し出しするための音声ガイド付きブルーレイやDVDも制作したいと思っています。

復興支援を通じて、「助けているつもりが、実は被災地の人に助けられていた」と
いう言葉をよく聞きますが、震災のせいで一時期学校に通えなかった子供たちには、学校生活に悩んでいる子や教師たちを励ますことができるかもしれません。
学校って楽しいね、大好きな先生や友達に会うのって楽しいね。学校に通えて嬉しいというタイの子供たちの感情を、陸前高田の子供たちは見事に伝えていました。



全国で『すれ違いのダイアリーズ』バリアフリー版を楽しんでいただけるよう
ぜひ皆さんの力を貸してください。

 

◯目標額の予算内訳
バリアフリー音声ガイド付きブルーレイ&DVD制作費 800,000円(税込)
UDcast導入費用 800,000円(税込)
制作協力:Palabra株式会社
*目標額を越えた場合には、より幅広くUDcastを利用するための機材
(貸し出し用iPodなど)を購入予定

■バリアフリー音声ガイドって何? 
視覚障がいの方が映画を楽しめるよう、場面解説のナレーションや台詞を、
イヤホンを通して利用者が聴くことができるサービスですが、実は、目の不自由な方だけでなく、字幕に慣れていないお子さんや、字幕を読むのに疲れを感じる高齢者の方などにも大変便利。幅広いお客様にとってメリットがある音声サービスです。

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