はじめに・ご挨拶

「二宮尊徳の会・鈴木藤三郎顕彰会」です。

二宮尊徳の会 代表 地福 進一(じふく・しんいち)です。

これまで「二宮尊徳の会」・「鈴木藤三郎顕彰会」では、静岡県袋井市において「報徳講座」を開催してきました。

(写真は 第8回報徳講座(袋井市)での 二宮尊徳の会 地福 の講演風景)


 このたび「二宮尊徳の会・鈴木藤三郎顕彰会」では、明治39年(1906年)4月に静岡県が発行した「静岡県報徳社事蹟」を現代語に訳し、補して、次の世代へと貴重な資料を繋ぎます。

 なお「報徳の精神」を実業に活用して成功した実業家に、静岡県森町出身の鈴木藤三郎がいます。

鈴木藤三郎は、砂糖王と評されたように、我が国に製糖事業を興し、また発明王と評されたように多くの発明をしました。「鈴木藤三郎顕彰会」は、鈴木藤三郎の偉業とその「報徳の精神」を後世に伝えようと活動しています。


「報徳」とは

「報徳」とは、江戸時代末期に神奈川県小田原で生まれた二宮尊徳(金次郎)の思想及び方法論のことをいいます。

二宮尊徳は小田原藩主・大久保忠真(ただざね)の依頼で、現在の栃木県にあった桜町領の復興を10年契約で行います。

尊徳は10年でこの難事業を成功させます。この復興の方法を「報徳仕法(しほう)」と呼びます。

その成功を知った近隣の諸藩や村々から復興の依頼が相次いできました。またその弟子たちは各地で復興に従事します。

後に尊徳は幕臣に登用され、日光神領の復興事業に携わります。

 報徳が最も広く普及したのは静岡県でした。明治末に静岡県から出版された「静岡県報徳社事蹟」の緒言(前書き)には次のようにあります。

「二宮翁(二宮尊徳)の唱導に係る報徳の教義は広く各地に行われ、その効果の見るべきものは少なくありません。なかでも報徳結社の方法によって最も善良の発達を遂げて、翁の理想が大いに行われているのは、我が静岡県であるようです。

 明治37年末、本県における公益法人報徳社及びこれと目的を同じくする社団は、本支社を合せて442の多きに及んでいます。」


 「静岡県報徳社事蹟」の緒言(前書き)に「報徳結社の方法によって最も・・・・・大いに行われているのは、静岡県であるようです。」とあるとおり、幕末二宮尊徳が栃木県の桜町領や日光神領で行ってきた「報徳仕法」(報徳の方法)は、明治以降は静岡県で報徳結社のやり方で広く実践され、やがてそれは愛知県へと広がりました。

 また安居院庄七(あぐい・しょうしち)が初めて静岡県に報徳を伝えたのですが、同時に関西地方の進んだ農業技術も広めました。静岡県の報徳社では報徳と共に農業技術の革新も同時に行ったのが大きな特徴です。

 近代資本主義は、プロテスタントの禁欲的な生き方にあると論じたのが、マクス・ウェーバーですが、その著「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」には「ー近代独自の資本主義『精神』が大量現象としてーこれが重要な点である―出現する」(岩波文庫p.54)とあります。まさに報徳運動は静岡県において、報徳社は、「本支社を合せて442の多きに及びます」とありますが、代表的な遠江国報徳社(279社、9,979人)、駿河国東報徳社(31社、2,243人)、遠譲社(77社、2,372人)、報本社(33社、904人)の4社で社員合計は実に、15,498人になります。

 静岡県の報徳運動は、日本の近代資本主義の成立を考えるうえでも重要と思われます。

 「静岡県報徳社事蹟」は、国立国会図書館のデジタル文書で見ることができますが、書籍の形で出版されているものはないようです。本書では代表的な静岡県の報徳の師父(指導者)を概説するとともに、内容を現代語訳で読みやすくするとともに、また詳細で多様な文献から詳細な補注を付しました。またコラム欄をもうけ、報徳の師父たちのエピソードを紹介しました。

 また本文中に地理的に空間的理解を容易にするために、明治41年の静岡県地図から該当の報徳社本社の位置を示しました。


プロジェクトをやろうと思った理由

二宮尊徳の会・鈴木藤三郎顕彰会は2014年から毎年12月に静岡県袋井市において「報徳講座」を開催してきました。

今年は12月18日(日)に「第9回報徳講座」を開催します。

2016年12月の第3回報徳講座のテキストとするため「報徳の師父第1集」にあたる「遠州報徳の師父と鈴木藤三郎」の本を出版し、全国の公共図書館・大学図書館に寄贈しました。「静岡県報徳社事蹟」についても、遠州分のみを収録しましたが、今回は全文を訳出するとともに、原文も収録し、第9回報徳講座のテキストとするとともに、次の世代に残すため、静岡県内公共図書館・大学図書館等に寄贈します。

(表紙は作成途中のものです)


これまでの活動

平成28年(2016)12月に「報徳の師父」シリーズ第1集にあたる「遠州報徳の師父と鈴木藤三郎」を出版しました。

静岡県内の次の18公共図書館で蔵書となっています。

(森町、袋井市、富士市、下田市、川根本町、裾野市、浜松市、牧之原市、小山町、掛川市、沼津市、磐田市、菊川市、

 三島市、湖西市、静岡県立中央、藤枝市、静岡市:順不同)

カーリルローカル

また令和3年(2021)4月には「技師鳥居信平著述集」を初めてクラウドファンディングによって1,300冊出版し、全国の公共図書館及び台湾と日本の大学図書館に寄贈しました。現在、大学図書館だけでも58館が蔵書としていただいています。

 CiNii Books(大学横断検索)


資金の使い道

集めた支援金は出版費用と支援者への郵送費用及び図書館への寄贈の郵送費用その他経費に使用します。


リターンについて

・1,000円
「訳注静岡県報徳社事蹟」を1冊郵送いたします
※上記表紙の写真は作成途中のものです。



・5,000円
・「報徳の師父第一集 遠州報徳の師父と鈴木藤三郎 改定版」   1冊
・各報徳社本社の位置を表示した明治41年の静岡県全図(A3) 1枚

「訳注静岡県報徳社事蹟」と共に郵送いたします。

*写真は見本です。別途「報徳の師父第一集 遠州報徳の師父と鈴木藤三郎」「増補版」及び報徳社本社位置を記した静岡県全図を作成します。

・10,000円
・出版する本の末尾に10,000円以上支援してくださった方のお名前を記載します。
 *必ず備考欄に、ご希望のお名前をご記入ください。

・「報徳の師父第一集 遠州報徳の師父と鈴木藤三郎 改定版」   1冊

・各報徳社本社の位置を表示した明治41年の静岡県全図(A3) 1枚

*写真は見本です。別途「報徳の師父第一集 遠州報徳の師父と鈴木藤三郎改定版」及び報徳社本社位置を記した静岡県全図を作成し、「訳注静岡県報徳社事蹟」と共に郵送いたします。



実施スケジュール

2022年9月   クラウドファンディング開始。

2022年11月25日クラウドファンディング終了。

2022年12月1日 「訳注静岡県報徳社事蹟ー報徳の師父第2集-」発行

2022年12月上旬  支援者に郵送        

2022年12月18日(日) 袋井市において「第9回報徳講座」開催(詳細は後日)

2023年1月   静岡県内の全公共図書館及び「遠州報徳の師父と鈴木藤三郎」を蔵書していただいている大学図書館に寄贈します。

寄贈先

静岡県内の全公共図書館:

  • 静岡県立中央図書館(静岡市駿河区谷田53-1)
  • 静岡市立図書館(静岡市葵区大岩本町29番1号)
  • 浜松市立図書館(浜松市中区松城町214番地の21)
  • 熱海市立図書館(熱海市上宿町14-20)
  • 伊豆市立図書館(伊豆市小立野66-1)
  • 伊東市立伊東図書館(伊東市音無町5番14号)
  • 磐田市立図書館(磐田市見付3599-5)
  • 御前崎市立図書館アスパル(御前崎市池新田5560)
  • 掛川市立中央図書館(掛川市掛川1148-1)
  • 菊川市立図書館(菊川市堀之内61)
  • 湖西市立図書館(湖西市吉美3219番地の1)
  • 島田市立図書館(島田市本通3丁目3番の3)
  • 下田市立図書館(静岡県下田市4丁目7-16)
  • 裾野市鈴木図書館(裾野市平松495 )
  • 沼津市立図書館(沼津市三枚橋町9番1号)
  • 袋井市立図書館(袋井市高尾町19-1)
  • 富士市立図書館(富士市永田北町3-7)
  • 藤枝市立図書館(藤枝市藤枝5-19-1)
  • 富士宮市立図書館(富士宮市宮町13-1)
  • 三島市立図書館(三島市大宮町1-8-38)
  • 焼津市立図書館(焼津市三ケ名1550)
  • 河津町立文化の家(賀茂郡河津町笹原78-4)
  • 清水町立図書館(駿東郡清水町堂庭49番地)
  • 長泉町民図書館(駿東郡長泉町下土狩1283-11)
  • 東伊豆町立図書館(賀茂郡東伊豆町奈良本908-8)
  • 松崎町立図書館(賀茂郡松崎町宮内301-1)
  • 南伊豆町立図書館(賀茂郡南伊豆町加納791番地の1)
  • 森町立図書館(周智郡森町森1485)
  • 吉田町立図書館(榛原郡吉田町片岡404)


報徳の師父第1集「遠州報徳の師父と鈴木藤三郎」をすでに蔵書していただいている大学図書館 69館(2022年9月20日現在)

愛知学院大学 図書館 情報センター

会津大学 情報センター (附属図書館)

青山学院大学 図書館

岩手大学 図書館

宇都宮大学 附属図書館

大阪教育大学 附属図書館

沖縄国際大学 図書館

鹿児島県立短期大学 附属図書館

鹿児島純心女子短期大学 図書館

活水女子大学 図書館

関西国際大学 メディアライブラリー

九州大学 中央図書館

九州産業大学 図書館

京都工芸繊維大学 附属図書館

京都大学 教育学部 図書室

京都大学 附属図書館図

近畿大学 中央図書館

金城学院大学 図書館

敬和学園大学 図書館

高知工科大学 附属情報図書館

高知大学 学術情報基盤図書館

神戸学院大学 図書館 有瀬館

国学院大学 図書館

水産大学校

駒澤大学 図書館

静岡県立大学 附属図書館 草薙図書館

静岡県立農林環境専門職大学 図書館

静岡文化芸術大学 図書館・情報センター

昭和女子大学 図書館

信州大学 附属図書館 中央図書館

聖心女子大学 図書館

西南学院大学 図書館

聖隷クリストファー大学 図書館

高崎経済大学 図書館

千葉大学 附属図書館

東海大学 付属図書館

東京大学 総合図書館

東京農業大学 生物産業学部図書館

東北学院大学 中央図書館

東北大学 附属図書館本館

東洋大学 附属図書館

豊橋創造大学 附属図書館

獨協大学 図書館

長崎大学 附属図書館

奈良県立図書情報館

日本女子大学 図書館図書館

八戸学院 図書館図

浜松学院大学 図書館図

兵庫教育大学 附属図書館

弘前学院大学 附属図書館

弘前大学 附属図書館本館

福岡大学 図書館

福島大学 附属図書館

法政大学 図書館

北陸学院大学 ヘッセル記念図書館

北海学園大学 附属図書館

北海道教育大学 附属図書館

北海道大学 附属図書館 北図書館

松山大学 図書館

三重大学 情報教育・研究機構 情報ライブラリーセンター

武庫川女子大学 附属図書館

酪農学園大学 附属図書館

立命館大学 図書館

和歌山大学 附属図書館






最後に

「二宮尊徳の会」では、すでに「報徳の師父」第1集にあたる「遠州報徳の師父と鈴木藤三郎」(平成28年(2016))12月)を出版しています。その時、「静岡県報徳社事蹟」の遠州分しか収録していませんでした。今回、全文を訳注及び原文を収録する貴重な資料となります。

静岡県民だけでなく、「報徳」の思想及び実践に関心のある皆様のご支援をお願いします。


<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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