はじめに・ご挨拶

立ち食い蕎麦屋「蕎麦たつ 浜松町店」です。夫婦で始めたお店も今年2023年の9月で丸9年目になります。様々なお客様にご来店頂いていることを励みにオープン以来日々を積み重ねてきました。何よりコロナ禍中支えてくださった皆様には本当に感謝申し上げます。

しかし私達は「蕎麦たつ」の歴史に幕を閉じることにしました。コロナによる影響に加えて店主の体調、親族の介護、今後の人生設計等様々な事を総合して考えた末の結論です。

クラウドファンディングは事業を始めるときに使われる場合がほとんどですが皆様に感謝の気持ちを伝えることが出来る仕組みなのではないかと思い掲載を決めました。

お店ができるまで

2014年(平成26年)9月9に浜松町一丁目に「蕎麦たつ」をオープンしました。計画では7月にはオープン予定でした。しかし内装工事がなかなか進みません。進捗を確認してもはっきりとせず焦りだけが募っていたある日材料費を前金で要求してきた業者に現金を渡した途端連絡がつかなくなりました。オープンを焦っている足元を見て最初からだますつもりだったのでしょう。とにかくオープンをしたくても見せかけのいい加減に放り出された工事を引き継いでくれる業者などありません。なんとか見積もりを出してくれたとしても予算よりかなり高い金額です。開店の目処は全く立たなくなってしまいました。しかし諦めるという選択肢もありません。変な工事をしたままではやめるにやめられませんし賃貸契約を取り消せば違約金が生じるかもしれません。前にも後ろにも進めないなら前進するしかありません。資金をかき集め、最初の予算からは大幅にオーバーしてしまいましたが一番安い見積もりを出してくれた業者さんに工事を引き継いでもらい数ヶ月遅れで「蕎麦たつ 浜松町店」は何とか開店にこぎつけることができました。

山あり谷あり思うようにならないのが人生だとよく言われます。まさにその通りで浜松町での事は試練の1つでしかありませんでした。私達のストーリーは下北沢から始まります。「下北沢一番街」にあった伝説の?!アパレルショップ「カジュアルハウスYOU」のアルバイトが運命の出会いとなります。私たちはバブル前の勢いのあるアパレル業界に夢を抱きそのままその会社に就職しました。そして出会いからほぼ10年後、1993年ロイヤルウェディングの年に結婚し3人の息子にも恵まれました。アパレル業界では若い頃に自由にファッションを楽しんできた世代が親になり新しい子ども服が求められるようになりました。そんな波に乗って私たちは下北沢で子ども服店「フルーツバスケット」を開店し独立しました。新しい仕入先も増えしばらくは順調のように見えました。しかし大きな谷が待っていました。2008年リーマンショックがやって来たのです!一気に不景気の波が押し寄せてきました。アパレル、特に子ども服には明るい未来は見えなくなってしまいました。そのまま子供服の店をやっていても赤字が膨らむだけです。当時主人は以前から飲食業にも興味がありそば打ちを習ったりしていました。そこで何故か一念発起!蕎麦店に職を変えるために立ち食い蕎麦のチェーン店でアルバイトを始めました。本当に蕎麦店をオープン出来るかどうかはともかく「フルーツバスケット」は閉店しなければなりません。限られた資金を守るためです。日が暮れると寒さの身にしみる11月、解体屋さんを手伝って表の装飾を取り外しながら始まりはどんなに大変でも希望がありますが終わりはただ辛くて大変だと身に沁みました。

子ども服閉店から蕎麦たつ開店までは主人はそば店のアルバイトの他に不動産屋の手伝いや通信販売、私は家の近くで学習塾を営みながらパートを掛け持ちして何とか家計を回していました。そしてついに約1年後の2010年9月3日に芝浦(田町)に最初の店舗をオやープンしました。三田警察署の先のちょっと変わった立地でした。その店舗は立ち上げのときに手伝ってもらった方に途中で経営を譲ったのですが今はもうありません。コロナ禍の中閉店してしまいました。

早足で浜松町店までの道程を振り返りましたが、私達があれこれ試行錯誤しながらも前に進んでいけたのはやはり3人の息子がいたからだと思います。社会の役に立つ人間に育てなければという使命感だけで中学受験に大学受験にと追われてやってきました。現在長男は社会人、二男は今春社会人、三男は大学3年生です。あと一息で子育ては一段落しそうです。誰もが共感してくださると思いますがどうやってみても子育てにはお金が必要です。それもまとまった金額が次々と必要になります。そんな中でどんどん成長しているときには子ども服、食べ盛りの時には飲食業、学習塾も元々は子どもたちの基礎学力の為に始めたものなので子どもたちの成長と共に私達の事業は変化したのかもしれません。

浜松町店を立ち上げた年に株式会社も作りました。蕎麦屋と学習塾を営む変な会社でしたが将来に向けて新しい事業を手掛ける事を計画する希望もありました。会社経営や会計についての本を読んで勉強もしました。しかしまた大きな谷が!!コロナウイルスの襲来です。お酒の提供を行っていなかった私達は日々の給付金は貰えません。ですから営業を続けるしかなくいわゆるコロナバブルの恩恵を受けることは出来ませんでした。学習塾は直ぐに閉めてしまいました。コロナに対しての十分な対策は個人塾では無理だと判断しました。芝浦店も閉店してしまい、残されたのは浜松町店だけになってしまいました。しかし一時売上は半分位にまで落ち込みました。何度か収束の希望が見えてもすぐに感染者急増の波に翻弄されてしまいます。給付金や補助金、緊急融資などで補って営業を続けてきました。お客様にも心配して頂きアドバイスもして頂きました。先の見えない孤独の中どれほど励ましになったかしれません。本当にありがとうございました。お陰様で今年に入りコロナが収束して売上は戻りつつあります。しかし予期しなかったウクライナとロシアの戦争の影響で原材料や光熱費が上昇し経営を厳しくしています。私達は毎月毎月をやりくりしながら今後について考え話し合ってきました。そしてちょうど還暦になる一年後に閉店することを決めました。

私たちの商品・お店のこだわり

蕎麦たつのつゆの基本は出汁です。主人は京都の日本海側出身、私は愛知県出身ですが両親は愛媛出身なので味のルーツは関西系になるのかもしれません。出汁の取り方についてはかなり試行錯誤してきました。材料や火入れの時間やタイミングは主人しか知りません。その出汁から温かい汁、冷やしの汁、丼タレを作っています。一口目で美味しい!と感じていただき最後の後味まで美味しかったと思って頂きたいと毎朝出汁取りから始まります。

そして天ぷらです。理想は軽くて胃もたれしない天ぷらです。気候や天気によってはどうしても思うように揚がってくれない日もありますが粉の配合を変えたりタイミングを工夫したり毎日理想を目指して揚げております。こちらも主人担当です。

肝心要の蕎麦は芝浦店の頃から品川製麺さんにお世話になっていましたが何年か前に高齢のため廃業してしまいました。粉の配合や麺の太さなど小さな店のいろんなわがままを聞いてくれる製麺所など他にはなかなか見つかりません。いろいろな麺を試して今の麺に落ち着きました。実はコロナ禍中に主人は蕎麦を打ち始めました。お客様が極端に減ってしまいましたが来ていただいた方々には少しでも美味しい蕎麦を食べて頂こうと考えて始めました。毎夜毎夜狭いリビングを粉だらけにして蕎麦打ちが続きました。帰ってから打つのが大変だということで途中からは狭い店内で打ち始めました。製麺所の麺に少し交ぜるだけで食感が変わります。全てのお客様にご用意することは出来ないのでお昼時を中心に提供しています。もう2年以上続けたことになります。主人は密かにもう少し歳を取ったら手打ち蕎麦の店をやる夢を描いてもいるようです。

リターンのご紹介
閉店まで全てのお店のメニューが食べられる特別カードを発行致します。

100,000円×20名様 閉店まで全メニューを食べていただける特別カード発行(注文時品切れの商品についてはご容赦ください。大盛り、追加トッピング、お持ち帰り券等は含みません。別途食券をお求め下さい)

特別カードのお受け取りは直接店舗でお願いいたします。

プロジェクトで実現したいこと

これまでの感謝を出来るだけ多くの方々にお伝えし、一人でも多くの方々に足を運んで頂きたいと思います。

資金の使い道・スケジュール

・キャンプファイヤー手数料等(17%) 34万

・特別カード作成費用 約5万円

,提供するリターンの原材料費 約80万円

・閉店準備資金 約45万円

・その他税金等 約35万円

最後に

ここまで読んで頂きありがとうございました。思ったように物事が進まなくなった時なんで自分だけがこんなに大変なんだろうと落胆していましたが実は人生ってそもそもそんなものなんだと考えられるようになってきました。その中でも最近のコロナウィルスによるパンデミックは社会の常識を覆し多くの人々の夢を打ち砕きました。しかし常識だ、当たり前だと思っていた全ての事を見直し感謝する良い機会になり、さらに新しい考え方に気づくきっかけにもなりました。このクラウドファンディングに挑戦する事もその一つです。

どんな時でも頑張っている限り支えてくださる方々がいる事に感謝し、困難に立ち向かう気力と体力がある限り道は拓ける事を信じ、なりより健康であることに自信を持ってこの先もまだまだ前に進み続けたいです。

<募集方式について>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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