代表ご挨拶

博多を拠点に活動しているeモータースポーツ・クラブ「eモータースポーツ福岡(略称:eM福岡)」代表の太田と申します。この度は本プロジェクトにご関心をお寄せくださり、誠にありがとうございます。

理由は後述いたしますが、今回のクラウドファンディングが最後の機会となるかもしれませんので、今まで公表してこなかった事柄も含んでおり非常に長文となっております。どうぞ文末までお付き合いいただけますと幸いです。

eモータースポーツとは

「eモータースポーツ」はレースゲームによる競技です。eスポーツのレーシング部門ともいえます。F1やスーパーGTのようなモータースポーツの世界をリアルに再現したもので、近年では専用のハンドルコントローラーも大幅に進化を遂げており、家庭用ゲーム機でありながら実車さながらのドライビング技術や知識が活かせるものとなっています。

中でも当クラブがメインに取り組んでいる「グランツーリスモ」シリーズ(以下、GT)は、初代発売から25周年を迎え、世界大会や国体の文化プログラムとして採用されるなどの規模感を誇るビッグタイトルです。プレイヤーの中から実車レーサーとして活動する例も珍しくなくなってきました。
本年公開の映画「ALIVEHOON(アライブフーン)」において、GTプレイヤーが実車ドリフト競技の選手として活躍する様子が描かれていましたが、現実にも同じような事例が起こっています。

当クラブが目指しているのはゲーマーを実車ドライバーにすることではありませんが、そういった選択肢もある、幅広い可能性を秘めた競技であるとご理解いただければと存じます。実車と見紛うような臨場感あるゲーム映像(グランツーリスモ7/画像はPlayStation4版)レースで勝つにはスポーツドライビングの技術が欠かせません現代のレースゲームは本格的なハンドルコントローラーに加え、シフターやサイドブレーキ等も使用可能

また高齢者施設への導入例もあり、とくに男性は普段レクリエーションへの参加率が低いそうですが、クルマのゲームとなると率先して参加すると聞きます。ゲームであれば、今は入手困難な旧車・名車にも手軽に乗る事ができ、交通事故を起こす心配もありません。

小さなお子様でも、ハンドル・ペダルさえ操作できればプレイ可能です。(通常のコントローラーでもプレイ自体は可能)
早くゴールした人が勝ちという単純明快なルールで、老若男女問わず楽しめます。

企業プロジェクトからの独立

eM福岡は、もともと企業のeスポーツ事業プロジェクト「ニワカゲームス」として2019年に発足し、3年間活動してきました。2022年3月末、eスポーツ事業の廃止に伴い、筆者 太田がその経営権を譲り受けて独立、6月から「eM福岡」と名称を改めて再スタートとなりました。

9年間務めた会社を辞め、代表者として運営していくことに不安もありましたが、福岡で活動する数少ないeモータースポーツ団体であること、eモータースポーツがまだまだ発展途上であること、その将来性を見越して終了すべきではないと判断しました。

会社に残り、趣味の一環として継続することも可能でしたが、代表者が片手間で運営する程度では、現状のeモータースポーツの発展に付いていくことは不可能と感じていました。
3年間クラブに集まり、チームとしても活動してきたメンバー達に、「事業部が無くなったから解散」とは告げたくなかったというのが一番の理由かもしれません。

現在は博多のゲーミングスペース「ファンゲームス」を拠点として活動中

チーム・選手のご紹介

当クラブの代表選手からなるレーシングチームは、福岡のテレビ局「RKB毎日放送株式会社」様とのメディアパートナーシップにより、「エンタテ!区~テレビが知らないe世界~」(毎週水曜24:55)との番組コラボレーションとして「eM福岡 エンタテ!区 LEGENDS」(読み:イーエムフクオカ・エンタテック・レジェンズ)と命名されました。

株式会社オートバックスセブンが主催し、多くの自動車関連企業も出場している賞金付きeモータースポーツ大会「AUTOBACS JEGT GRAND PRIX」(以下、JEGTグランプリ)に2020年から参戦、初年のエキシビジョン大会では優勝も果たしました。続く本シリーズでは総合6位、2021シリーズで総合4位という結果を残しております。

今年の2022シリーズにも参戦しており、9月に第1戦、12月に第2戦を終えました。(第3戦:2023年1月14日)
第1戦で5位、第2戦で8位となり、総合順位は7位(全10チーム)となっております。上位を狙うには厳しい状況ですが、最後まで諦めずに総合入賞を目指します。

今期のドライバーはチーム監督・荒木の人脈が大いに活用されており、層の厚いチームが実現しました。

荒木祐樹(あらきゆうき)
1998年9月28日生まれ
チーム監督・ドライバー
2021年、世界大会出場経験あり。最高成績は3位。
クリーンなレース展開に定評があり、その人柄を慕うプレイヤーも多い。

堤口直斗(つつみぐちなおと)
1999年9⽉14⽇⽣まれ
eM福岡のクラブキャプテン・ドライバー
クラブ加入のため北海道から福岡へ移住。
「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2022 TOCHIGI」福岡県代表として本大会出場、全国10位。

古屋公暉(ふるやこうき)
1998年10月24日生まれ
ドライバー
「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2019 IBARAKI」岐阜県代表。

鈴木彰馬(すずきしょうま)
1998年5月7日生まれ
ドライバー
「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2020KAGOSHIMA」千葉県予選1位。
eモータースポーツ系の配信・運営にも精力的に活動中。

國分諒汰(こくぶんりょうた)
1999年6月10日生まれ
ドライバー
2019年の世界大会で日本人初優勝の栄冠を手にした。
今年の世界大会「マニュファクチャラーズカップ ラウンド3」でも優勝しているトップドライバー。

岩田和歩(いわたかずほ)
1998年6月16日生まれ
ドライバー
ラリーゲーム「ダートラリー」での世界大会入賞経験あり。GTでも世界大会の舞台に立てる実力の持ち主。

瀬田凛(せたりん)
1995年11月22日生まれ
ドライバー
「B2eLEAGUE SEASON1 Round.1」グランツーリスモSPORT部門 優勝。

出島大地(でじまだいち)
リバリーデザイナー:チーム車両のカラーリングやデカール配置等のデザインを担当。

神崎保孝(かんざきやすたか)
メンタルアドバイザー・メンタルコーチ
東京大学大学院医学系研究科。教育庁教職員研修講師、教育委員会スーパーバイザー、総合病院アドバイザー、商工会議所アドバイザー、裁判鑑定人など多彩な分野を歴任。

菊地涼介(きくちりょうすけ)
チームマネージャー:チームの世話役として精神支柱となる存在。

相田将希(あいだまさき)
データエンジニア:作戦立案に必要となるデータの収集・分析を担当。

エキシビジョン大会での優勝トロフィーを手に記念撮影(2020年)

eモータースポーツの活動をしている理由

そもそも私が初めてeモータースポーツに触れたのは、前述のeスポーツ事業によってでした。

幼少期、当時はアイルトン・セナやミハイル・シューマッハといったドライバーがF1を走っていました。父親が録画していたビデオをひたすら観ていたそうです。F1カーのプラモデルで遊んでいた記憶もあります。
小学生の頃は、絵を描くことやファミコン等のゲームにのめりこみました。ミニ四駆が大いに流行った世代で、家でも外でも走り回らせました。
成長につれてクルマ好きの父親と反りが合わなくなり、同時に自動車への関心は薄れていきました。

eスポーツ事業部への配属は、私がゲーム好きということが大きかったようですが、まさかメインで取り扱うのがレースゲームになるとは思いませんでした。幼少期と家系を想えば、運命的なものを感じてしまいます。

右も左もわからない業界でしたが、上位の選手は世界各地の大会に招待されるというスケール感、実際の自動車メーカーや団体等も関与している本気ぶり、国体種目としての採用もあって、確実に「ただのゲーム(=遊び)」を超える可能性を感じました。
クラブメンバーが真剣にレースへ挑む様子から「お金を払ってでも観たい」と思ったこともあります。

ちょうどeスポーツという言葉も浸透してきた頃で、ジャンルによっては優勝賞金が数十億円とか、選手報酬で年間数千万円とか、「大成功している例」を目標として捉えることができました。

自動車やモータースポーツに関しての知識は皆無だったので、活動を通じて少しずつ学んできました。そこで合言葉のように見聞きしたのが「若者の自動車離れ」「モータースポーツ界の閉塞感」です。

福岡は「コンパクトシティ」と称されるように、主要施設がまとまっていて公共の交通機関(+自転車)で事足りてしまいます。仕事で必要な人を除けば、自家用車はいらないと思うかもしれません。もちろん地域によっては生活必需品ということもありますから、環境によっても違うでしょう。
就職に有利だからとりあえず免許を取るという人は多くとも、「お金がかかるから持てない」という意見は少なくないと思います。現代は交通の利便性もかなり向上していますから、 本当に必要な人以外は持たない時代なのかもしれません。

かつて私がF1を観ていた頃に比べ、モータースポーツを目にする機会が減ったのも間違いありません。少なくとも約37年間の人生で、モータースポーツ好きという人は周りにいませんでした。「モータースポーツ」という単語自体、耳にしたことが無かったように思います。

プレイヤーの多くは、父親の影響でモータースポーツを知ったと言います。逆に言えば、それ以外に見聞きする機会はほとんど無いということです。(最近はまた少しずつTVで紹介されることが増えてきたように見えます)

これまで様々なイベントでeモータースポーツの体験会を実施してきましたが、子ども達は大喜びでハンドルを握ります。若者が自動車から離れているのではなく、接する機会が無い、持つことの必要性を感じない(持てない)ことが理由だと思います。

体験イベントではすぐに子ども達の順番待ちが発生します

ゲームの中で運転していると、自然とクルマに興味が湧いてきます。レースで使用し、苦難を共に乗り越えたクルマも、実際に販売されていることがほとんどです。ゲームでよく乗っていたから実際に購入した、というプレイヤーも多いのではないでしょうか。

かくいう私も自動車への興味は一度捨てたつもりでしたが、改めてレーシングカーやスポーツカーに触れると、幼少期の感覚が戻ってきたように感じます。乗ってみたいクルマもありますし、欲しいと言えるものもあります。
余談ですが、私は「スピードを追及する機械」としてのレーシングカーを漫画・アニメのロボットと同じような感覚で見ています。クルマ好きに男性が多いのも頷けます。

もともとこの業界に詳しくないからこそ、いわば「素人目線」で面白いと思える部分もわかりますし、抱えている課題点も見えてきます。そしてこのポジションに就けていることを非常な幸運だとも感じており、プロチームとしてあるべき形を実現したい、クラブメンバーがより良い活動をできるように組織をもっと強化したいと思って続けてきました。

クラブとしての歩み・軌跡

冒頭でもご紹介したとおり、当クラブは2019年4月に「ニワカゲームス」としてスタートしました。GTが国体の種目に選ばれたことから、当初は子どもたちを出場選手に育て上げることを目的としたプロジェクトでした。

GT公式においても「GTアカデミー」という上位プレイヤーを実車のプロレーサーにする試みが行われており、ドライビング技術・知識がゲームに活かせること、自動車関連企業・団体との繋がりを持てることを考慮し、「ゲームを通じて夢に挑戦する」(ゲームで成績を残すことで将来の夢を叶える、進路を考える)をモットーとして活動してきました。クラブの名称こそ変わりましたが、この理念は今も変わっていません。

最初は小学生だけのクラブにする予定でしたが、やはり競技としてのレースゲームに興味がある子ども達は少なく、集めることが難しいと判断し、年齢も無制限にして募集しました。その結果、福岡でも最上位の実力をもつ若いプレイヤー達やクルマ好きの大人も集まり、小学1年生から40代まで在籍する年齢層の広いクラブとなりました。
自然と大人達が子どもに教える構図ができ、最前線で活躍する選手と育成世代が共に活動するクラブが実現しました。

初年度はプロドライバーの大井貴之氏にもご協力いただき、座学やオートポリスでの同乗走行も実施しました

2019年当時はまだeモータースポーツという単語もほとんど使われておらず、「実車の知識をゲームに活かす」という活動が珍しかったこともあり、TVやラジオ等でもご紹介いただいてきました。

拠点での練習会、オンライン上で参加者を募った交流会・ライブ配信、動画制作、ホームページやTwitter、Facebook、Instagram等による活動報告も行ってきました。
福岡のeスポーツ研究機関「FeRC」様をはじめ、様々なイベントにも出演させていただきました。

新型コロナウイルスの影響によって練習会やイベントの中止にも見舞われましたが、幸いオンラインゲームですので活動自体は継続することができました。毎年数名ずつですが、新規メンバーを迎えています。

このプロジェクトで挑戦したいこと~eモータースポーツのエンターテインメント化

本プロジェクトの目的は、表面上はチームの活動資金を調達することです。しかし真の目的は、福岡を代表するプロチームとして大会に挑戦し、皆様にeモータースポーツの面白さをエンターテインメントとしてお届けすることにあります。

レースの勝ち負けは非常にシンプルで、早くゴールしたら勝ちです。しかしそこには見えない駆け引きがあり、一瞬の油断が敗北につながる、厳しくも奥深い世界です。技術・知識はもちろん、集中力、決断力、プレッシャーに負けない精神力も必要となります。
私たちが挑戦する大会では、そういった様々な能力を総合した強さが求められます。場面によっては1,000分の1秒すら争います。その厳しい世界で勝ち残るには、専門家として励む必要があるのは想像に難くないと思います。

実際のモータースポーツと同じく、チームマネージャー、データ収集・分析担当、メンタルアドバイザー、車両デザイナーといったドライバー以外の役職も在籍しています。まだまだ「本物のプロ」とは言えないチームだと思っていますが、これだけの人が関与しているのです。

勝つための努力とは別として、プロには「エンターテインメントとしての遊び心=ファンサービス」も必要と考えます。選手やチームのことをより深く知っていただくことで、レース観戦がさらに面白くなります。ライブ配信や動画コンテンツ、イベント出演等により、皆様の身近に感じられるチームでありたいと思います。

私たちが目指すのは「本物のプロチーム」です。チームとしての強さを磨くこと・エンターテインメントとしての可視化を両立させるには、多大な時間と資金が必要です。
できれば、選手達はチームからの報酬(契約金・給与等)だけで生活できるようにしたいところですが、それはまだまだ先の話となりそうです。まずは直近の大会出場と現状の課題を打破するため、お力添えいただけますと幸いです。

資金の使い道・実施スケジュール

遠征費(JEGTグランプリ第3戦):20万円
ユニフォーム代:10万円
リターン品製作費―Tシャツ:1点1,100円、スポーツタオル:1点5,000円
リターン品梱包費・送料
ワッペン製作費(ユニフォーム用ロゴ掲載):1件13,000円~
人件費(選手への支払い含む):24万~
機材購入費
クラブ代理店事務手数料:10%
CAMPFIRE手数料:17%+消費税

2022年12月25日 :本プロジェクト募集締切
2022年12月26日から:リターン品順次発送、ユニフォーム用ワッペン発注~貼り付け
2023年1月上旬:チーム車両リニューアル(新規スポンサーロゴの実装)
2023年1月14日 :JEGTグランプリ第3戦(東京オートサロン2023/幕張メッセ)
2023年4月:チームの再編成予定(大会等の状況によって現行体制の継続・再編成時期のずれこみが発生することがあります)

JEGTグランプリの規定として、特定のランク以上の実力をもつドライバーに人件費を必ず支払わなければいけません。規定ではSランク以上への支払いが義務づけられていますが、弊チームでは選手全員に支払う予定です。
もし支払いができない場合は大会の規定違反となり、来期における参加資格が無くなる可能性があります。

余剰分はPlayStation5(PS5)や新しいハンドルコントローラー等の機材代に充てさせていただきます。PS5は入手困難な状況につき当クラブでも全台PS4を使用しておりますが、オンラインレースで不利に働く場面もあり、移行の必要性が出てきています。ハンドルコントローラーは大会に合わせて新機種を導入する必要があり、消耗品でもあります。

リターンのご紹介

個人の支援者様向けに、オリジナルTシャツとスポーツタオルのセットをご用意しました。レース観戦の際、応援グッズとしてご利用いただけますと幸いです。

また主に企業様向けプランとして、ユニフォームやチーム車両等へのロゴ掲載プランもございます。大会やレースでの露出はもちろん、期間中のイベント出演時にも着用します。
変わり種として選手出張プランもご用意しておりますので、企画段階からでもお気軽にご相談ください。

ユニフォームにワッペンとしてロゴ掲載します


チーム車両にもスポンサーロゴを掲載し、レースに出場します

最後に

冒頭にて、eモータースポーツとは何か、というご紹介をいたしました。そこから入らないといけないほど、まだまだ知名度の低い業界です。

目標金額も、業界の現状を考えると高すぎる要求だと感じています。ロゴ掲載にしても、すぐさま明確な数字としてバックできるとは思えません。

しかしひとつのチームとして戦うという意味ではいかがでしょうか。代表としての役割、ドライバーとしての役割があるように、金銭的なご支援をいただく皆様も間違いなくチームの一員だと思うのです。

もともと畑違いだった私でも、活動するプレイヤーを間近に見て、力になりたいと思って運営してきました。ぜひ過去のレース映像もご覧いただき、ご検討いただけますと幸いです。
・JEGTグランプリ2022第1戦
・JEGTグランプリ2022第2戦

資金を集められなければ、来年は活動できないかもしれません。最後の機会かもしれないと思い、これまで触れなかった事柄も文章にしました。長文お読みくださり、誠にありがとうございます。

皆様と共にレースへ挑むことを楽しみにしております。


<募集方式について>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


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“Gran Turismo” logos are registered trademarks or trademarks of Sony Interactive Entertainment Inc.
※「PlayStation」および「グランツーリスモ」は、株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントの商標または登録商標です。 

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