リターンの発送時期につきまして
この度は私たちのプロジェクトに暖かいご支援を下さり、ありがとうございます。おかげさまで、無事に目標金額を達成することができました。心より御礼を申し上げます。
予想以上に多くの方からのご支援があったため、リターンの発送まで少しお時間をいただくことになりそうです。現在、梱包の方法や宅配便での発送をどうするのが良いか検討しておりまして、決定次第、梱包用資材を購入して発送作業に入る予定です。2月の半ば頃には、みなさま宛の発送を全て終えられるよう、がんばります。クラウドファンディングの終了から2~3週間ほどお待たせしてしまうことを、あらかじめお詫び申し上げます。
はじめに・ごあいさつ
ご覧いただきありがとうございます!
「杜の都」仙台にある宮城学院女子大学の「みつばち事業プロジェクト」3年生の加藤環季と申します。
このクラウドファンディングでは、私たちが大学キャンパス内で行う養蜂活動に必要となる各種資材の購入や環境整備を行うための資金を、募集します。ご支援をよろしくお願いいたします。
私たちの養蜂活動とその経緯
私たちの大学のキャンパスは、仙台の住宅地が拡がるなかに島のように浮かぶ貴重な緑地である「水の森自然休養林」と隣接する、自然豊かな環境にあります。
宮城学院女子大学では2019年から21年にかけて、ジャパンロイヤルゼリー株式会社の寄付により「ミツバチ科学研究教育部門」が設置され、寄付講座の先生方が研究活動の一環として養蜂を行いました。私たちは、21年度をもって終了した寄付講座の活動を引き継いで、養蜂を今後も続けていきます。
この活動は、学生と有志の教員たち(養蜂の経験は全くありません)が、防護服に身を包んでミツバチの世話をし、はちみつを採取して、付加価値をつけて市場に販売する「六次産業」ビジネスのプロジェクトです。加えて、蜜源を増やすための植樹や森の整備活動などを併せて行うことで、地域の自然からいただいた恵みを自然の保全や豊穣化につなげる、循環型の活動にしていきたいと、私たちは考えてます。
私たちは昨年度から養蜂を学びはじめ、専門家の指導を受けながら、四苦八苦して様々な作業に挑戦しています。22年度は、大学の敷地内に6つの巣箱を設置し、週に1~2回のペースで養蜂作業を続けてきました。
プロジェクトの目的と意義
① 養蜂活動の独り立ちと継続
私たちは、学内に貼られた募集ポスターを見て集まった有志のボランティアで、教員たちも含めて、養蜂の経験は全くありませんでした。お試しで良いから!とポスターに書いてあったので、軽い気持ちで参加した人もいると思います。実際、私は日本文学科の学生で、養蜂の知識も販売の知識も全くと言っていいほどありませんでしたが、入学式で大学からもらった「宮学産」のはちみつがすごく美味しかったので、プロジェクトに参加すれば無料でもらえたりするんじゃないかな?という不純な気持ちで参加しました(笑)。
昨年から、練習用の巣箱ひとつを使って、教員も学生も一緒になって少しずつ養蜂を学び始めました。最初はちんぷんかんぷんでしたが、次第にミツバチの生育状況や、卵や幼虫が順調に生まれ育っているか、女王蜂が元気でいるか、といったことが見て分かるようになりました。(中には、5回も蜂に刺されながらめげずに活動している先生もいます)。
今年からは、終了した寄付講座の先生方が残していってくださった巣箱の世話を開始し、専門家の指導の下ではありますが、基本的な作業の流れは飲み込めてきたように思います。こうなると養蜂が面白くなり、ミツバチたちにも愛着が湧いてきました。
はちみつの販売会では、多くの人が足を止めて興味を持ってくれます。何代も前の卒業生の方々がはちみつを買って応援してくださることもあります。自分達が世話をしているミツバチ達が作ってくれた美味しいはちみつが売れて、味を褒めていただく度に、とても嬉しい気持ちになります!
ですが、私たちの活動はまだまだスタートアップの段階です。
この養蜂活動を持続可能にしていくために、独立採算で赤字にならないようにすることが求められています。趣味の養蜂ではなく、採算がとれる事業として成立させることに意義がある。ゆくゆくは学生発ベンチャーを目指せ!というわけです。その理由は後述します。
将来的に、会社組織にして社員に給料が出せるまでになるかは分かりませんが、少なくとも活動に関わる諸経費は、はちみつの売り上げで手当てしなければなりません。
各種資材や消耗品に加えて、指導してくださる専門家の方にもお礼が必要ですし、せめて私たちの交通費や昼食代ぐらいは捻出できるようになりたいです。そのために、養蜂と販売を、どちらも頑張らねばならないのです。
「売らなければ養蜂はできないし、養蜂を頑張らなければ売れない」
私たちがミツバチ達と一緒にこの活動を続けていけるよう、ぜひご支援をお願いします!
② プロジェクト型学習と独立採算制
他の大学や高校などでも、同好会やプロジェクト活動として養蜂を行っているところはあります。しかし本学の場合、大学のプロジェクトと言いながらも、あくまで有志によるボランティア活動であり、自力で活動費用を稼ぎ出さねばなりません。
この独立採算という厳しい条件をつけられているのには、理由があります。
大学は、授業外における「プロジェクト型学習」としての意義を認めて、学生による自主的なプロジェクト活動を推奨・支援しています。私たちの場合は、ミツバチを育て、蜜を収穫して、広く一般に販売する。学外の、飲食店をはじめとした企業さんとコラボをしたり、地域に向けたイベントをしたりする。そうした活動を通して、社会で「仕事」をするための実践力を身につけるというのが、その趣旨です。
教育機関である大学としては、学生の教育に資すると考えるからこそ、活動を認めるし、ある程度の支援もしてくれます。趣味の生き物クラブで終わらせず、いくつものハードルを乗り越えてビジネスとしての成立を目指すところに、私たち学生の成長の機会がある――逆に言えば、大学からお金をもらってぬくぬくと採算を考えずに活動するだけなら、プロジェクト型学習としてはあまり価値がないということです。率直に言って、少し厳しすぎないですか、とも思いますが・・・。
養蜂は、産業としては「畜産」に分類されます。(乳製品やお肉、卵などと同じです。)
そして私たちが育てているのは、野生に近いため手が掛からない日本ミツバチではなく(趣味で養蜂をなさる方の多くはこちらです)、家畜化が進んだ西洋ミツバチです。西洋ミツバチは、うまく育てれば多くの蜜を集めてくれますが、人間が相当にお世話をしてあげねばなりません。冬眠から覚めたばかりの花が少ない季節は巣箱に餌として花粉を入れてあげたり、糖蜜(砂糖水)を補充してあげたり……といったサポートや、ミツバチの天敵であるスズメバチへの対策も必要です。
現在、20名ほどのプロジェクトメンバーが、シフトを組んで交代しながら「畜産」を続け、今年もわずかですが採蜜までこぎ着けています。生き物を育ててその恵みをいただく経験は、他ではなかなかできないことだと感じています。
また、外部の企業さんが私たちの活動に興味をもってくださり、様々な形でのコラボレーションも始められそうです。現在は多くの大学で、学生と企業のコラボ活動が行われていますが、このプロジェクトが大きく違うのは、私たちが「生産者」として外部企業とかかわることです。
そこには当然、責任が生じます。私たちが生産するはちみつが無ければ何も始まらない。高品質のはちみつを生産して、責任を持って納入する。その上で、私たちのはちみつを活かすために、商品企画などにも参加させてもらう。学生の活動にありがちな「お客さん」としてではなく、企画を立てっぱなしで終わるのでもなく、商品を納入して代金をいただきながらかかわる。そう考えると、確かにやりがいと可能性がある活動です。
③ 宮城学院女子大学の魅力向上とそのPR
私たちが学ぶ宮城学院女子大学は、仙台市の郊外に位置しており、決して交通の便が良いとは言えません。残念ながら、近年では通学の不便さから、進学の候補から外されてしまうこともあると聞きます。
本学は街中から少し遠いですが、だからこそキャンパスは緑に囲まれています。昼休みはたくさんの学生が、青々とした芝生の上でお弁当を楽しんでいます。春の桜の時期など、中庭の風景は絵画のようにキレイです。そして何より、水の森公園と丸田沢に隣接しており、その豊かな自然に触れることができます。
いま宮城学院女子大学では、自然との触れ合いを導入して、都心の大学にはない教育を作っていきたいと考えています。私たちのプロジェクトは、そうした試みのひとつです。日本広しといえども、西洋ミツバチを4箱から更なる規模拡大を目指し、独立採算で本気の養蜂ビジネスに取り組んでいる学生は、決して多くないはずです。
宮学に来れば「みつばちプロジェクト」のような他大学にはない独自の学びがある――そのことをできるだけ多くの皆さんに知ってもらい、宮学の魅力向上につなげていきたい、と私たちは願っているのです。
④ 自然を収奪しない、循環型の活動
私たちの育てるミツバチは、キャンパス内および隣接する水の森自然休養林の木々から、蜜を集めてきています。この森は、江戸時代から継承されてきた里山と溜池からなる通称「水の森公園」および「丸田沢緑地環境保全地域」からなります。
「水の森公園」は1980年に都市計画決定された総合公園で、アカマツ、クヌギ・コナラ、モミなどからなる貴重な森林を保存する「自然休養林」に指定されています。また、そこから連なる「丸田沢緑地環境保全地域」にはハンノキが群生し、丸田沢の大きな池は野鳥の飛来地になっています。
これらの森の一部は完全な原生林ではなく日本伝統の「里山」の性格を有しており、ある程度の人為的な整備が入ることで、健全さが維持されます。学校法人宮城学院は、保護林の周縁の一部荒廃したエリアの保全に取り組んできましたが、森の広大さに比べて、人手が不足しているのが現状です。
私たちは、単に養蜂活動を行うだけでなく、ミツバチが生きる糧となる森の保全活動に協力し、一部の荒廃したエリアを整備して蜜源植物を植樹していく予定です。それは結果として森全体の健全化と豊穣化につながります。森の自然の恵みとしてはちみつをいただき、その売り上げの一部を活用して森の自然をより豊かにする。人間が自然を一方的に収奪するのではない循環型の活動に、私たちのプロジェクトを育てていきたいと思っています。
⑤ 美味しいはちみつを食べてもらいたい!
本学で採れるはちみつは、とても美味しいです。製品の詳細は次のセクションで説明しますが、人工的な花畑ではなく自然の森から集めてきた蜜なので、変な甘ったるさとは無縁でキレがあり、複雑で繊細な味です。いくつもの高級はちみつと食べ比べをしましたが、決して負けていないと感じました。
私たちは「生産者」として、ぜひこの美味しいはちみつを多くの人に味わってもらいたいです。
「水の森自然休養林のはちみつ」
宮城学院女子大学構内には、季節を彩る桜や藤などの植物が数多く植えられているだけでなく、トチノキ、アオハダ、コハウチワカエデ、イヌツゲ、ニセアカシア等の多様な樹木や草本類が生育しています。
キャンパスを取り巻く水の森自然休養林にはお花畑のような華やかな「花」のイメージは持たれにくいですが、トチノキ、ヤマザクラ、ユリノキ、栗などが小さな花を咲かせています。加えて、カタクリ、エイザンスミレ、セリバオウレン、シュンラン等、野草の宝庫でもあり、大学のキャンパスと併せて手つかずの自然がたくさん残る素晴らしい蜜源を形成しています。
キャンパスに隣接する森は、東北森林管理局と宮城県による自然保護区ですから、そこでは農薬は使われておりません。環境省のレッドデータブックに準絶滅危惧種として記載され、環境破壊の指標にも使用されるトウホクサンショウウオが生息していることからも、宮城学院とその周辺には貴重な生態系がいまも息づいているのが分かります。
宮学キャンパスで収穫したはちみつは、その豊かな自然の恵みなのだという意味を込めて、私たちは「水の森自然休養林のはちみつ」と名付けました。
「水の森自然休養林のはちみつ」は、国産なのはもちろん、キャンパスと自然休養林を含む限られたエリア由来のはちみつ100%なのが、大きな特徴です。学内に設置した巣箱から採蜜したはちみつだけを原料に、一切の混ぜ物・添加はしておりません。
○○国の××地域の△△農園・・・などと産地が限定された「スペシャルティ・コーヒー」は、土地の環境的特徴が反映された個性的な味が人気です。私たちのはちみつは、いわば「スペシャルティ・はちみつ」であり、大学キャンパスと周囲の自然が濃縮された味、世界で唯一無二のはちみつなのです。ミツバチの行動範囲は半径2kmから遠くて4kmまでと言われています。4kmというのはあくまでも理論上の最大値で、近くに豊かな蜜源があれば、わざわざ住宅地を飛び越えて遠くまで行かないでしょう。学内の巣箱から、ミツバチたちがどこに飛んでいって蜜を集めてくるのか、ぜひGoogle MAPで「宮城学院女子大学」を検索してみてください(航空写真がお勧めです)。蜜源の範囲が地図でくっきりと見えるのは、他には無い「水の森自然休養林のはちみつ」ならではの特長です。
「水の森自然休養林のはちみつ」は、100%の国産天然はちみつなのはもちろん、加熱処理を最小限に抑えた生はちみつなので、収穫時そのままの香りやビタミン・ミネラルが生きています。
はちみつ独特の喉に残る強い後味は少なくむしろ爽やかで、豊かな花の香りがあります。初めて食べた時は、自分達のキャンバスの花からこんなに美味しい蜂蜜ができるのか、ととても感動しました。
例えばこのはちみつを朝食時にプレーンヨーグルトにかけて召し上がっていただくと、すっきりした甘さでシャキッと1日のエネルギーチャージができると思います。また疲れた夜、眠る前などにホットミルクに追加すると、花の香りにほっと一息ついて、体の芯からリラックスできます。私はミルクティーやココアにティースプーン一杯程度のラム酒とこの蜂蜜を追加して飲むのがリッチで大人の味になって、大好きです!
皆さんにもぜひ、ナチュラルで美味しい宮学産のはちみつの味をお伝えしたいです♪
資金の使い道
実際に始めてみて分かりましたが、養蜂には様々な資材が必要です。今年はさしあたり、昨年度まで活動していた方たちが残してくれた資材を使いましたが、これからプロジェクトとして自立し、本格的かつ継続的に活動をしていくには、各種資材を一通り買いそろえる必要があります。
このクラウドファンディングへのご支援金は、それら基本的な資材の購入に充てさせていただきます。またその一部は、大学に立て替えていただいて既に購入した分の返済にも充当します。気温の低い東北地方では、ミツバチの活動開始時期が遅いので、生育効率を考えた資材購入が必要になります。
獲得した資金の主な使い道は、以下のように予定しています。
・巣箱、継箱、巣礎枠、空巣脾、隔王板、保温板、給餌器などの購入費用
・安全養蜂専用着、覆面布、作業用手袋、長靴などの購入費用
・遠心分離機、蜜濾器など採蜜関連器材などの購入費用
・消毒、ダニ対策、病気対策、スズメバチ対策などに関わる費用
・瓶詰め費、ラベル作成費、はちみつの成分分析費など
・森林またはその周縁の整備・植樹などに関わる費用
・CAMPFIRE手数料
リターンについて
2022年産の「水の森自然休養林のはちみつ」は、まさに今、私たちが順次採蜜・濾過をしている最中です。一定以上の量を収穫し終えて、商品化するには、まだ時間がかかります。私たちが独り立ちをして初めての収穫になりますが、途中で様々な失敗もあったため、最終的な採蜜量は多くなさそうです。
今回のリターンとしては、昨年(2021年)産の「水の森自然休養林のはちみつ」(120g瓶)をお届けします。春から秋までのはちみつがすべて入った「百花蜜」となります。これは私たちが今年育てた巣箱からのものではなく、昨年度をもって終了した「ミツバチ科学研究教育部門」の先生方が収穫したものです。もちろん、キャンパス内に設置した巣箱から採蜜したはちみつだけを瓶詰めし、一切の混ぜ物・添加はしておりません。今回は、プロジェクトが自立して本格始動するための費用を得るために、100%の国産純粋はちみつ(しかも低加熱)としては破格の条件でお届けします(実質的に送料は当方持ちとしますので、とてもお得な価格になります)。
最後に
1シーズンをなんとか終えつつある今、痛感するのは、養蜂は重労働だということ。屋外での作業の連続のうえ、防護服を着るため夏場は地獄のように暑いです。ミツバチ自体は慣れてくると可愛いのですが、それ以外のキモチワルイ害虫やスズメバチなどへの対応は、無理なひとには無理かも。適切に収納しなかった資材に「スムシ」という蛾の幼虫が大発生したり、何の前触れもなくミツバチが丸ごと逃げ出して巣箱が空っぽになっていたり、トラブルも多発して本当に大変でした。残念ながら、ダメになってしまった巣箱もあります。数十枚もの使用済み巣板を大鍋で昼から晩まで煮込む作業(汚れを落としてキレイにするためと、ミツロウを取るため)には、心が折れそうになりました。
今年は何もかもが手探りで、「ミツバチを全滅させない」ことで精一杯でした。それでも一通りの作業を経験し、いつ何をすべきか(してはいけないか)、どんな資材が必要なのかを学習しました。なんとか生き残ってくれたミツバチたちが冬眠している間に、しっかりと資材を整え、年間の作業計画を立てて、来年度は胸を張って「養蜂ビジネスをしている」と言えるようになりたいです。ご支援をよろしくお願いいたします。
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
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