はじめに

ちょうど2年前、こちらで第1回「国際子ども食堂」の活動資金を集めるべく、プロジェクトの原稿を入力していた当時の気持ちを今でも鮮明に覚えています。漠然とした不安と、社会を変えたい気持ちは当時と変わらぬままです。

おかげさまで、国際子ども食堂は現在も継続できており、先日115回の開催を迎えました。概算ですが、延べ8,000食程をみんなで作って、みんなで食事を重ねてきました。

(おかげさまで国際子ども食堂はNHKおはよう日本、NHKワールドや、毎日新聞の全国誌一面でも取り上げて頂きました!)

今回は国際子ども食堂を運営する中で見えてきた課題について一石を投じるべく、新プロジェクトに挑戦します!


解決したい社会課題 :「教育時差」解消

国際子ども食堂の中で、
「どうしてロシアは戦争を始めたの?」「赤ちゃんは戦争になったら、オムツあるの?」「戦争中は学校休み?」「日本は大丈夫なの?」「愛媛に避難民くるかな、でも大丈夫?」などのいろいろ考えや、思いの詰まった疑問や議論がありました。

赤ちゃんも、保育園児も、小学生も、高校生も、大学生も、国籍も性別もいろいろな方々集まる国際子ども食堂では、いろいろな意見であふれています。

その中で「ニュースではたくさんやってるのに、学校じゃウクライナとかそういうのやってない」という小・中学生の言葉がありました。

確かに、今年3月のロシアによるウクライナ侵攻について、学校で学べる日はきっと数年後でしょう。教科書に掲載され、学習指導要領が出来上がるまでには時間がかかると言われています。私はこれを「教育時差」と呼び、1つの社会課題として考えています。

(ウクライナ避難民の受け入れに従事している方々の生の声を聞くセミナーを開催)

ロシアによるウクライナ侵攻から3か月後となる今年6月・7月に当事者の方々に直接質問できる双方向型のセミナーを開催。

若者を中心に満席となった会場に、世界時事を学ぶ環境の必要性を強く感じました。また、オンライン参加者の中には、県外や海外からの参加もあり、この問題並びに世界時事に関する強い関心を持っている方々多くいらっしゃることにも気づきました。
「またこのようなセミナーをやってほしい!」「次は実際に避難民の方の声も聞いてみたい!」などの感想も。

また、このセミナーでは5つの宛先を明記した募金箱を設置。当事者の声を聞き、新し学びを得たうえでの意志あるご寄付を呼びかけました。
今回のプロジェクトでつくる教室で寄付を呼び掛けることは致しませんが、学んだことを行動に移せる力や考え方も同時に身に着けられるカリキュラムを考えて参ります。

現在、今起こっている国際問題をきちんと学び、考え、発言できる場所がありません。ただ、何よりも必要な学びであると私は思っています。そのために、子どもたち・若者の考える場所、疑問を投げかけられ、自分なりの答えを見つけ出し、発信できる場所が必要です。そして国際問題の答えは、日本人だけが集まって、限られた視点で答えが出てくるものでもありません。まずは、多国籍な環境で国際問題をリアルタイムで学べる場所をまずはここ松山で作り上げます。


このプロジェクトで実現したいこと

「世界」の今を学ぶ教室。
無料でお借りできることになった、松山市一番町のお部屋のリノベーション費用に充てさせていただきたいと考えています。

施工会社さんに教室のようなカフェ、カフェのような教室をリクエストして、
このようなイメージを作っていただいております!

ここの教室では、少人数のアクティブラーニングを予定しています。
カリキュラムは現在作成中ですが、私がこれまで大学や高校での特別授業で行ってきた経験を活かし、多国籍な教室で多角的な視点からの議論が活発に行える環境を整えます。

(左:国際子ども食堂で留学生が母国の場所を紹介している様子、右:全国高校生SDGsサミットでの講義の様子)未就学児や小学生低学年の子どもたちとは、年齢や興味に応じて「外国人って誰?」というところから、一緒に考えていきたいと思います。
小学生高学年になると、平和のピクトグラムをみんなで考えたり、英語や日本語以外のコミュニケーションの方法などを開発する授業考えています。また、メディアから流れるニュースについても、議論を繰り返し行います。

もちろん、中学生や高校生になると、もっともっと自分たちの興味のあることへの感度が高まってくるので、テーマ設定から考え、国際情勢について知識を蓄えたうえで、自分の意見を堂々と言える人材を育成します。
幅広い年齢層の受講者を増やすことで、いずれは「大学生が小学生に、小学生が高校生に授業をする」取り組みも予定しています。
教室には常に3か国以上の方々が集まる空間を作る予定です。


資金の使い道

リノベ費用:約70万円
リターン費:約40万円
広 報 費:約3万円
手 数 料:約12万円 (9%+税)

実施スケジュール

2023年2月 オープン
2022年12月~2月 リターン発送

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


リターン

2年前も柑橘をたくさんリターンとしてご提供くださった、おおぐり農産組合さまをはじめ、住友重機械イオンテクノロジーさま、三福グループさま、明朗社様などをはじめとする地域の企業様、農家のみなさんにお力添えを頂いております。本当にありがとうございます。


応援メッセージ(京都大学防災研究所 助教 中野元太先生)松山さかのうえ日本語学校さんとかかわるようになって1年程になります。国際子ども食堂や国際防災教育プログラムを実際に私も体験し、多様な背景を持つ方々がお互いを尊重し合いながら笑顔になっている場があること、本当に素晴らしいと感じました。そんな場から生まれたのが「教育時差をなくしたい」という次なる目標なのだと理解をしています。100回を超える国際子ども食堂の場をさらに広げる、次なる場づくりを私も応援しています。


最後に(代表の思い)

これから先、本当の意味で国際的に活躍できるために必要なものはなんでしょうか。
「とりあえず」英語を学ぶことですか?

愛媛には1万人以上の外国人の方がいらっしゃることをお伝えすると、「そんなに?!」と驚く方がほとんどです。 
技能実習生って何?日本にも難民っているの?お祈り?ハラルマーク?

教科書に載る前の世界で今起きていること、日本で起きていることを愛媛に住む世界中の仲間とアクティブラーニングによって、答えのない問題に立ち向かい、自分事として考える力を子どもや若者が身に着けられる場所が必要です。
今後、ますます外国人の方々が日本に、そしてここ愛媛にも増えてくることが予測されている中で、英語を学ぶことと同じくらい、いやそれ以上に世界時事をリアルタイムで学び、国際感覚を身に着ける必要は確実にあります。

愛媛に住む世界中の子ども・若者が共に学び、考え、発信する場所をここ松山で作り上げます。国籍を超えた仲間との学びは新しい発見の連続であり、それが次の学びの意欲を生み出すことを、私自身が経験を通して学びました。国際感覚を身に着け、国籍を超えた多くの方々の思いに寄り添い、考えに到達できる人材を育てたいと考えています。

そして、この新しい学びの形を将来的に全国に届けます。
外国人と日本人がつながって、変わって、寄りそい合える社会をつくります。
最後までお読みいただきまして、本当にありがとうございました。どうか皆さんのお力をお貸しください。

特定非営利活動法人松山さかのうえ日本語学校 代表 山瀨 麻里絵



特定非営利活動法人松山さかのうえ日本語学校(2022年4月NPO法人化)

愛媛県松山市を中心に、国際子ども食堂・国際防災教育プログラム・やさしい日本語での病院同行・日本語教育・外国人向けフードバンクなどの事業を行っています。

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