▼はじめに

初めまして、樫本芹菜です。中学までは広島、高校からは静岡の藤枝順心高校へ進学。卒業後は渡米し、Butler Universityでプレー。現在は女子ブンデス1部、MSV Duisburgに所属しています。

▼キャリアを通して実現したいこと

私がサッカーを続ける理由は日常ではなかなか味わうことのない興奮や、胸にぐわっとくる感覚に心を掴まれてしまったからです。どんな人生においてもそうであるように、私のこれまでの人生もまた平坦な道のりではなく、何度もこけて痛い思いをしてきました。ですが、そのたび何度も立ちあがり歩みを進めてこれたのは、周りで支えてくれる人たちの存在と、忘れることのできない熱い瞬間を"もう一度、もう一度"とずっと求め続けるからです。

スポーツにはプレーしている選手のみならず、観ている人たちをも興奮や感動の渦に巻き込むだけの力を持っており、それこそが経済的に背伸びをしてでもワールドカップやオリンピックの開催国として名乗りをあげる国々が後を経たない理由の一つなのでしょう。私はそのスポーツの力を借りて、私の観ている景色や感じていることであったりを少しでも多くの人と共有していくことでどこかで誰かの心に灯をともす、そんな人生を送ることができれば最高だなと思います。

一方でスポーツが社会にもたらすものすべてがプラスであるかと問われれば必ずしもそうではなく、方法を間違えれば簡単にマイナスへと変わってしまいます。私自身あれこれと偉そうなことを言える立場ではありませんが、これからより多くの経験を重ね、日本でのスポーツの在り方、特に女子サッカーにおける現状改善の手助けをしていければと考えています。

▼プロジェクトをやろうと思った理由

2011年に日本を飛び出てから今年で7年なります。7年という歳月は長いようであっという間でしたが、そのなかで本当にたくさんのことを学んできました。例えば海外の人のミスをおかしたあとでも自分らしさを発揮し続けられるふてぶてしさだったり、逆に日本人の頭のよさや、まさに職人技というような技術の高さであったり。海外にでることで新しいやり方を学ぶのと同時に、日本という国や私自身をより客観的に捉えるようになり、そのことで自分が目指すべき姿も昔より鮮明に見えてきました。そしてその経験から、少なくとも私自身は海外での挑戦にこだわってこそ成長できると信じています。

しかし、当然のことながら海外での生活はなかなか大変なことも多く、特に今シーズンの契約ではサッカーだけで生活できるものとは程遠いぎりぎりの生活をしています。バイトをしたり、家族や周りの人たちのサポートのおかげでなんとかやってきましたが、それもだいぶ厳しいところまできています。自分の実力不足、自業自得と言われれば何も言い返すことはできませんが、私もそれなりの覚悟をもってやっています。現在、来シーズンに向けての交渉はすでに始まっており、一応現所属クラブからも契約延長の申し出を受けてはいますが、もし現状改善に繋がるよいオファーを勝ち取れなかった場合までわがままを通す気はありません。もしだめな場合は一度帰国し、自分でお金を貯めてから再挑戦します。 

しかしながら、出場時間にずっと苦しめられてきたシーズン前期から新監督に変わることでようやくチャンスがめぐってきたいま、このまま波に乗ってよりよい契約を勝ち取り、海外での挑戦続けたいというのも本音。まずは残りシーズン悔いを残さぬようやりきることが鍵となるでしょう。そしてそのためにも少しでも不安要素を少なくしておきたい。そこでみなさんのお力をお借りできないでしょうか? 例えこのプロジェクトが失敗に終わったとしても私の海外での挑戦は続くため、少しでも支援金が入ってくるようにAll-in方式にしましたが、今回は何としてでも成功させたい! ご支援のほどよろしくお願いいたします。

▼資金の使い道

このプロジェクトで集められたお金は、海外での活動費、エージェント費、またプロジェクトの手数料として使わせていただきます。

▼最後に

究極的なところでは自分がどうなりたいのかという部分に目標を設定していますが、多くのことを与えてくれた女子サッカーに恩返ししたいというのもまた嘘偽りない気持ちです。特に日本における女子サッカー選手の待遇であったり、男子サッカーと比べての評価をひっくり返してやりたいです。テニスやバレーのように男子と女子での見処の差が明らかであるならまだしも、サッカーの性質上においては性別間の身体能力の差がより明確となり、またそれに伴って技術の向上具合にも差がでてきます。それは選手である私も認めるところ、認めざるをえない部分ですが、だからといって "はい、そうですね" と黙りこむのだけは絶対に嫌です。

"どうやって?" その問いに対する明確な答えはまだ持ち合わせていませんが、ヒントはいろんなところに転がっていると思います。例えば日本版NCAA(アメリカ大学体育協会)の創設に向けての計画であったり、女子サッカーマイナー国が自国のリーグに力を入れることで結果を出しつつあることだったり。いいと思ったことはどんどん吸収し、それをいかに日本で実行していくかという明確な意志もって挑戦、失敗を繰り返していけば答えに近づけるはずです。そういった意味ではこのプロジェクトもその挑戦の一つです。本気で強くしようというのであればリーグのプロ化は必要だと思いますし、一気にリーグ全体でどうこうというのが無理であるなら、選手が自分の武器を磨いて自ら行動を起こすべきだと思います。最悪、私の人生で答えを得られなくても、私の経験からなにかを掴んだ人が代わりに見つけてくれる可能性もある。一度きりの人生、やる前から無理だと決めつけず挑戦できることはすべて挑戦したいと思います。

ですが、これだけのことをたった一人で成し遂げようとするのはあまりに無謀で現実的ではありません。このプロジェクトを立ち上げたのは金銭面的な問題が理由ですが、これをきっかけに少しでも私のやりたいことに共感し、一緒に闘ってくださるような良縁に一つでも多く恵まれることを願っています。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください