はじめに・ご挨拶

これまでAzur rosé Galerie/アズールロゼギャラリーは実店舗を持たず、企画をご理解いただける銀座のギャラリーや吉祥寺のカフェを中心に展開して参りました。この度、2023年1月16日より自由が丘にある東京都と東京都中小企業振興公社が運営する若手・女性リーダー応援プログラムである「創の実」にオープンいたしました。
Azur rosé Galerieでは、美術館のように常時取り扱う作家さんの常設展示と、月に1~2回期間限定で行う企画展示を実施していきます。伝統的な技術を引き継ぎ、日本人が持つ独自の感性と現代的なインスピレーションを融合させた今、注目の作家作品を中心にセレクトし、展示・販売しています。

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これまでの企画展示風景(別会場含む)

「黒の肖像~思考の夢」コンセプト

今回、「黒の肖像~思考の夢」という、前から温めていましたコンセプトをもとに林明日美さんと山口茉莉さんの二人展を開催する運びとなりました。

【開催概要】
展示期間:2023年9月10日(日)~24日(日)
会場: Azur rosé Galerie (東京都目黒区自由が丘2-17-6 THE FRONT 1F 創の実自由が丘内)
入場料:無料


コンセプトの概要は以下のとおりです。

人間は思考する生き物だ。
瞳を開け、会話していても、他の事柄に意識を馳せていたりする。
瞼を閉じれば、暗闇が訪れるが、そこには幽かな光の残像とともに、思考の断片が顔を出し、語りかけてくる。

世界は幾度も柔らかな光とともに朝を迎え、面影を残して去り、しめやかな暗闇とともに夜を迎える。

黒を思い浮かべるとき、人はなにを思い浮かべるだろうか。
対極的な白だろうか。夜空だろうか。
そして、瞳を閉じて、眠りに落ちるときの無になる時間だろうか。

黒を表現するには、様々な手法がありえる。
そのまま黒の媒体で描くのか、または刷るのか、モノクロの写真で表現するのか。
黒を表現するために白を用いるのか、黒を象徴するモチーフを描くのか。
画材でも、多数の絵の具、墨、インク、染料等多様である。
黒という同じテーマを投げかけたとき、作家がどのような作品を作り上げるのか、その表現の奥深さを見てみたいとあるとき思い至った。

これまで、様々な芸術作品は、多様な様式と形式で私たちを魅了し、時に新しい視点をもたらしてきた。
私自身の考えは、鑑賞者の感性を刺激する作品がアートの本質であり、そこには著名であることなどの二次的要素は重要ではなく、個々人が感じるインスピレーションが大切なのだと考える。
私たちは日本という四季に恵まれた自然豊かな国にあたりまえに生き、存在している。
けれども、時折、そのことがあたりまえすぎて、日々のことに追われ、息苦しくなることがないか。
そんなとき、どこかなつかしさを想起させるアートを目にすると、ふっ…と子供のころに誰しもが持っていた無垢な感性が舞い戻ってくる瞬間がある。その瞬間を作り出せたらと思う。
日本の地で育まれた感性から生み出された作品たちが、何の先入観もなく、鑑賞いただける機会になることを願っている。


林明日美 × 山口茉莉


[黒]を考えたとき、思い浮かぶ作家さんは何人かいましたが、このお二人の二人展は早くから思い浮かび、想像するだけでわくわくしました。お二人とも版画という技法は用いていますが、その領域で括るには言葉が足りないと感じます。

写真からでも感じる独自の世界観は、私たちの内的感情を揺り動かし、遥か昔の記憶に語りかけるようです。

私たちを取り巻く環境は刻々と変化し、外界からいやおうなしにもたらされる情報は、無意識下で取捨選択され、私たちの心のなかで記憶という小さなBOXにおさまります。
その小さな箱たちは、時折、私たちの内面から浮かび上がる色づいた意識に刺激され、フタをあけて顔を出し、様々な表情を見せるのです。

お二人の作品には、その小さなBOXを刺激し、顔を出した記憶と結びついて、新しい感動という感情を生み出す面白さがあると私は思っています。

その小さな記憶の箱を黒と想定したらどうでしょうか。
お二人が「黒の肖像~思考の夢」というテーマでどのような作品を展開するのか、楽しみになってきませんか?


林 明日美 / asumi hayashi -profile-

1985年 東京都出身
2009年 武蔵野美術大学油絵学科版画コース卒業
2011年 武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻版画コース

近年の主な展示歴
2017年 個展/Jalk coffee(東京)、ガレリア青猫(東京)、Gallery 子の星(東京)、JINEN Gallery(東京)
2018年 個展/Artspace 88(東京)、Art Gallery MUSE(群馬)、Galerie TURM(秋田)
2018,2019,2020,2021年 個展/Gallery FACE TO FACE(東京)
2021年 個展/『あたたかな闇に旅す』 /BIOME(兵庫) 
2023年 個展/「-月の家におばけはいない」 /Gallery FACE TO FACE(東京)
他 グループ展等多数
メゾチントを用いた銅版画作品をメインに近年はアニメーションや水彩画も制作

ステートメント/Statement
私は、主に銅版画のメゾチント技法で作品を制作しています。メゾチントという技法は、始めに銅版に黒くなる部分を作り出してから白くなる部分を描いていくので、闇の中に光を与えていくような、黒い紙に白で描くような方法です。
私がメゾチント技法で制作を続けているのは、最終的に版にインクを詰めて紙に定着させたときの黒の存在感が、ほかの表現方法よりも強いと感じるからです。
黒の表情は様々で、奥深い森の闇のような黒もあれば、鳥の羽のような柔らかな表情の黒もあります。私はその黒を操るような感覚で作品を制作しています。
今回の展示では、メゾチント技法独特の黒の世界を楽しんでいただき、その様々な黒の中で思考の旅を楽しんでいただければ幸いです。(林明日美)


山口茉莉 / mari yamaguchi -profile-

1983年 愛知県生まれ
2006年 女子美術大学卒業(卒制買上げ賞)
2007年 全国大学版画展(買上げ賞)
2008年 女子美術大学大学院修士課程修了
2012~JADE BOOKBINDING STUDIO(英)にて製本研修
女子美術大学非常勤講師、創形美術学校非常勤講師、絵画講師 他
主に版画(リトグラフ)と空想建築を発表
日本版画協会準会員、版画学会会員

近年の主な展示歴 
2017年 個展/JINEN Gallery(東京)、ACC アートフェア/Art Complex Center of Tokyo(東京)
2018,2019年 個展/みさき画廊(大分)、 JINEN Gallery(東京)  
2020年 個展/MBmore(台北)、JINEN Gallery(東京)
2021年 個展/JINEN Gallery(東京) 
2022 三人展/Gallery NATSUKA (東京)
ART FAIR ASIA FUKUOKA 2018、2019、2021、2022出品/ホテルオークラ(福岡)
他 地方グループ展等多数

ステートメント/Statement
これまで架空の建築物、「空想建築」を主軸に 自身が自然現象から受け取るインパクトや、風化した時間の累積を一つの表情として持つモチーフを制作してきました。記憶や既視感の追想に空想が入り混じり、それらが揺るぎない存在感で自分の中に在ったことを顕在化させる行為として創作に取り組んでいます。
今回の展示では2019年より制作し始めたボックスアートをメインに展示します。ボックス=函のもつ絶対的な圧縮された空間に「黒の肖像〜思考の夢」という主題を与えられ、細部までの拘りや譲れないモチーフの作り込みに意識を注いでいます。鑑賞者には、そこに醸成された函形の宇宙を感じ取っていただけたら幸いです。 (山口茉莉) 


資金の使い道

・林明日美×山口茉莉「黒の肖像~思考の夢」展示図録製作費
 (カメラマン、印刷費、デザイン費含む)
・図録送付料
・CAMPFIRE手数料
※展示直前に作品撮影予定のため、図録のお渡しは展示終了後になります。


リターンについて

①林明日美×山口茉莉「黒の肖像~思考の夢」展示図録
②林明日美×山口茉莉「黒の肖像~思考の夢」展示図録+内覧会


実施スケジュール

2023年4月 作家へ図録制作の提案 
2023年5月 制作業者選定・見積もり依頼
2023年6~8月 デザイン検討
2023年9月 作品撮影
2023年10月 図録制作
2023年11月 図録送付


最後に

図録といえば、美術館で買うイメージかもしれません。
私のギャラリーは美術館とギャラリーの良いところを組み合わせた運営をしたいと思っています。
今回がその第一歩になります。

これまで、見て写真を記念に撮るだけだったギャラリー展示がきちんとした図録で手元に残ります。(自費出版です) 
購入されたらもう見ることのできない作品たちもあります。
ぜひ素晴らしいお二人の作品の記録をお手元に残せるように応援していただけましたらうれしいです🌹


<募集方式について>
本プロジェクトはAll-or-Nothing方式で実施します。目標金額に満たない場合、計画の実行及びリターンのお届けはございません。

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