はじめに・ご挨拶

こんにちは、一般社団法人まちづくり木更津です。
私たちは、木更津駅周辺の活性化を目指して様々な活動に取り組んでいます。

今回、JR木更津駅の真下にあるコンビニ跡地を活用して、街に暮らす人たちが本を通じてつながることのできる「図書室」を作るプロジェクトに挑戦します!


木更津市は、千葉県の中西部に位置する、東京湾沿いのみなとまちです。駅周辺には木更津の歴史を今に伝える神社仏閣やレトロ建築などが数多く存在します。駅から少し歩けば遠浅の海が広がり、春には潮干狩りをする観光客で賑わいます。

しかし近年、郊外の住宅地開発が進んだり、大型商業施設ができるなど、市民のライフスタイルの変化に伴って駅周辺は空洞化が進み、コインパーキングが増え、商店街はいわゆる「シャッター街」になりつつあるのが現状です。

今から20〜30年前には、CDショップや本屋、古本屋、レコード屋、文具屋、ゲームセンター、映画館、喫茶店など、少し手を伸ばせば文化に触れることができる環境が、木更津駅前にもありました。けれど今、そういった場所はすっかりなくなってしまいました。バスロータリーに面した駅の階段下、という好立地にあったコンビニすら3年前に閉店し、シャッターが閉まったままでした。


駅の真下にあるコンビニ跡地


木更津市内には7校の高校・高専があり、たくさんの高校生世代が木更津駅を利用していますが、高校生世代の居場所も駅周辺には少なく、コロナ禍もあって街との接点が閉ざされる状況となっていました。
そこで私たちは、高校生世代が自ら主体となって木更津駅周辺の活性化に取り組む団体「木更津市中心市街地活性化協議会・ユース部会」を設立し、JRさん協力のもと、コンビニ跡地を活用した高校生の放課後の居場所づくりを始めました。

ユース部会にメンターとして参加してくれたのが、地元出身でまちづくりに興味を持つ中村悌己(なかむらだいき)さんと、自らNPO法人の代表となって地域活性化を実践している平野光国(ひらのみつくに)さん。

平野さん(左) 中村さん(右)

ユース部会では、駅周辺を中心にまち歩きを行い、中心市街地の良いところを100個ピックアップするワークショップを実施したり、高校生が市内の"推しのお店"の商品を仕入れて販売する「ユース商店街」を開催したりするなど、少しずつ活動の幅が広がってきました。

ただ、イベントとしては盛り上がるものの、その盛り上がりを日常の中に落とし込み、継続する街の文化として繋いでいくには、もう一歩踏み込んだアプローチが必要に思えました。


「駅前に、座れる場所があるだけでありがたい」

これは、実際に高校生から出た意見です。言われてみれば確かに、木更津駅東口にはただ座ることのできる場所すら、ないのです。今思えば、かつてのCDショップや本屋たちは、何がなくとも気軽にふらっと立ち寄ることのできる貴重な「居場所」だったのかもしれません。
私たちは、駅前から消えてしまった文化を、自分達で作ることができないだろうか?と考えました。


本を通じて人と人がゆるくつながる「図書室」を作る

そこで相談したのは、アートを通じた街づくりに取り組む、市内在住のシンガーソングライターで、木更津ふるさと応援団でもある松本佳奈さんでした。

演奏活動と並行して、多様性を大切にするアートワークショップの企画にも取り組んでいる松本さん

誰もがふらっと立ち寄れる、文化が生まれる場所を作りたい。そのためには何をしたらいいのか?意見を交わす中で松本さんから、「一箱本棚オーナー制の図書館はどうですか?」という提案がありました。松本さんが参考資料として見せてくれたのは、静岡県焼津市の商店街にある「みんなの図書館さんかく」さんのホームページでした。


誰でも月2,000円で自分の本棚を借りて好きな本を置くことができる、一箱本棚オーナー制の図書館。現在60名以上の方がオーナーになっていて、キャンセル待ちが出るほどの人気だそうです。

酒屋さんが発酵やビールについての本を置いたり、温泉好きの大学の先生が各地の温泉本を置いたり、けん玉が好きな人がけん玉の楽しさを伝えられる本を置いたり…三者三様、人それぞれ、個性的なセレクトの本棚が並びます。さらに、オーナーになると、好きな時間に店番ができたり、主催のイベントを立ち上げることができます。本を借りたい人は、300円で図書カードを作り、その後は無料で本を借りることができます。

「サービスをする側、受ける側」という垣根が無く、貸す側も借りる側もフラット。誰かが指揮をとるのではなく、関わる人みんなで作り上げ、自然とつながりができる感じがとても気持ち良く、これこそ「居場所」だなという印象を受けました。

こんな場所を木更津にも作りたい。

私たちは木更津駅階段下のコンビニ跡地に、一箱本棚オーナー制の図書室を作ることに決めました。


2023年4月からゆるやかにオープン

とにかく始めてみることにしました。名前は「FLAT(ふらっと)」
”借りる側も貸す側も同じ目線(フラット)につながり合う場”
という意味を込めました。

かわいいロゴを作ってくれたのは、市原市出身のデザイナー高橋洋介さん。
黄色い屋根は駅舎のようでもあるし、ひっくり返した本から電車が顔を覗かせているようにも見えます。テーマカラーを黄色にした理由は、レモネード作りが好きだという中村さんに後々FLATでレモネードを販売してもらおうと盛り上がったことから。

室長のレモネードがデビューする日も近い!?現在試作中。

本棚は、全部区切れば60棚。60名のオーナーで作る図書室は、どんな風景だろう?まずは、発案者である松本さんのつながりの範囲内で本に興味がありそうな人に声を掛け、試しに本棚を作ってみてもらいました。

本を読んだり、談話したり、自習したり…想い想いに過ごせる空間


人それぞれ選ぶ本が全く違う。個性溢れる本棚がたくさん生まれました。


中村さんが「FLAT図書室長」となり、月〜土の11時から19時までオープン。
バスや電車の待合室として、自習室として、ワークスペースや休憩場所として誰でも自由に利用できます。本を読んでもいいし、読まなくてもいい。最初は、様子を伺うように中を覗く人が多かったのですが、段々と「ここは何をするところ?」「本は読んでもいいの?」と、入ってきてくれる人が増えました。そのうち「自分も本を置けますか?」と、オーナーに興味を持つ人も出てきて、少しずつ少しずつ、今後の形が見えてきました。

ひとつ食べたら次回ひとつ持ってくるお菓子のシステム。お菓子の差し入れのために寄ってくれる人も出てきました。


ホワイトボードがいつの間にか伝言板に。こちらから呼びかけなくても自然と「FLAT」という場が出来上がってきているのを感じます。


みんなで作る「FLAT」


訪れる人たちから、「もっとここをこうしたいね」というアイディアが出ることも多くなりました。

お店前の床がボロボロだから、塗り直したいな。
花壇を作って、誰でも好きな植物を植えられるようにするのはどう?
トイレの壁も塗りたいな。
カウンターに古材を張りたいね
奥の棚はどうしようか?

オーナーと借り手がもっとコミュニケーションできる方法はないかな?

無限に湧き出るアイディア。こんな話を、オーナーになってくれる人たちや、利用してくれる人たちと一緒に考えて、DIYしていきたい。本格的に図書室として動き出す前に、そんな準備期間が必要だなと感じました。

今後の目標地点として、今から約3ヶ月後の9/1(金)にグランドオープンすることに決めました!それまでに、オーナーさんを集めたり、図書の管理システムを整えたり、準備を進めていきます。

そこで今回、関わりたい人を募るためのクラウドファンディングに取り組むことにしました。


FLATの楽しみ方は大きく分けて3つです。

①本棚オーナーになる(月額2000円)

1.自分だけの本棚を持つことができます。
本の紹介用のポップを書いたり並べ方を工夫したり、本の入れ替えなども可能です。

2.FLATを使ってイベントを行うことができます。
読み聞かせや古本市などの本にまつわるイベントはもちろん、ワークショップや遊ぶ会など、企画を自由に立ち上げることができます。(※スペースや時間帯は要相談)

3.空きスペースで商品の販売ができます。
本を読みながら飲むコーヒーやお菓子などを販売することができます。(※売上の一部を出店料としていただきます。要相談)

4.本棚の本を借りることができます。
自分以外の本棚の本も借りることができます。

5.好きな時間にお店番することができます。


②FLAT会員になる
本棚の本を借りることができます。通勤や通学の電車の中で読んだり、家に持ち帰って読むことも可能です。

③誰でもできること
本棚の本を読むことができます。持ち出しはできませんが、その場で読むことができます。ワークスペースや自習室として自由に利用することも可能です。


資金の使い道・実施スケジュール

今回のクラウドファンディングで集める資金の使い道は、物件の改装費や初期費用全般です。例えば
・FLAT運営費
・物件内装の改装費全般(床・壁 等)
・本棚を作るための木材費
・会員カード印刷費
・グッズ制作費
・デザイナーさんの謝金
・その他の消耗品費等
・クラウドファンディング手数料
です。いただいた資金は大切に使わせていただきます。

今後のスケジュール

6月 クラウドファンディング実施
7月 本棚オーナー初期メンバー決定
8月 本棚作り、図書の管理システム作り
9月 グランドオープン

★7/23(日) 内装DIYワークショップ
★9/1(金) 、9/2(土)オープニングイベント


リターンのご紹介

本棚オーナーになりたい方へ
・2000円:1ヶ月間オーナー権
・6000円:3ヶ月間オーナー権
・10000円:6ヶ月間オーナー権 ※2000円お得!
・20000円:1年間オーナー権 ※4000円お得!
☆すべてのコースに、オープニングイベント特別ご招待+レモネード一杯サービス券+WS参加権+オリジナルグラスが付きます!

利用したい方へ
・1000円:会員カード+オープニングイベント特別ご招待+レモネード一杯サービス券+WS参加権+オリジナル図書バッグが付きます!

ただただ応援したい!という方へ
・1000円:応援コース!
お礼メールを送らせていただきます。

※リターン品は、原則、オープニングイベントで直接のお渡しになります。

-----------------------------------------

WS(ワークショップ)リターン
『FLATをつくろう!ワークショップ』
FLAT前の床を塗り直します!
日時:7/23(日)11:00〜14:00
講師:ikuiro 中山育美(画家)

今後
・マガジンラックを作ろう
・ブックスタンドをつくろう
・花壇をつくろう
・カウンターをつくろう
・トイレを可愛くしよう
・シルクスクリーンで図書バッグとブックカバーを作ろう
など…内容は参加者で相談しながらやっていこうと思います。アイディア募集!


オープニングイベントリターン
グランドオープンにあわせ、交流会の開催やレモネードの提供などを行います!
開催日時:9/1(金)・9/2(土)
どちらかご都合の良い日にお越しください!



<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

-----------------------------------------

最後に

木更津駅前に、気軽に文化に触れることのできる居場所を、自分達の手で作る。少額ずつFLATの運営費を出し合って、駅下の図書室を一緒に作りませんか?あなたのご参加をお待ちしています!

--------------------------------------------------------

それぞれの想い

【図書室長】中村悌己(なかむらだいき)

生まれも育ちも千葉県木更津市。市内在住の、まちに関わりたい若者。
大学院進学に伴い、都内で一人暮らしを考えていたもののコロナ禍をきっかけに地元に残る選択をしました。
この選択により以前よりも地元の良さや問題点に気付かされる場面が多くありました。県外から人はたくさん来てくれる、市内に人はたくさん住んでいる。でも、なぜか駅前は活気を感じない。ただ移動するための通過点に過ぎない場所となっているように感じています。

日常のほんの少しの余暇に寄り添えるモノは人を豊かにするを信念に、この活動を通して木更津のまちに貢献していきたいです!



【図書委員長】松本佳奈(まつもとかな)

木更津出身のピアノ弾き語りシンガーソングライター、松本佳奈です。図書室の好きなところは、喋らなくてもその場にいられるところ。

中学生の頃、学校に馴染めず登校できない時期が一年ほどありました。そんな時、私の居場所を作ってくれたのは「本」でした。小説、エッセイ、漫画…とにかく本を読み、自分でも文章や絵を描くようになりました。
当時木更津駅前にあったヤスムロという文房具屋さんの一角に伝言板とレターケースが置かれていて、創作活動をする人たちが自分の宣伝をしたり、ノートで文通のようなやりとりをしたり、ゆるやかに交流できる場がありました。今は無くなってしまったあの場所が、10代の私にとってかなり大きな居場所だったと感じています。

誰かがひとりでこの駅の一等地の家賃を捻出して図書室を作ることは難しいかもしれない…だけど大勢で少額ずつを出し合ったらこの場所を維持していくことはできるかもしれない。そんな希望を持って、このプロジェクトを進めていきます。
FLATが多くの人にとっての居場所になれるように、大切に作っていきたいです。


【プロジェクトメンバー】平野光国(ひらのみつくに)

まちの“場“づくりや”こと“づくりを行うNPO法人ミライキカク代表の平野光国です。山で木を切ったり、まちでは高校生と歩いたら、空き地ではマルシェをしたりと色々なことをしながらまちとひとと関わる活動をしています。

「多くの人が利用する駅が単なる通過点なのはもったいない」「本を通して“ひと”と交わる場があったら」そんなことを考えている時に今回のプロジェクトが立ち上がりました。

FLATに訪れれば本を通じてまちのコトやヒトを知ることができ、新しい発見や出会いが生まれる場所です。そんな面白いスペースに共感して多くの人が利用してくれたらきっともっと面白くなると思い今からとてもワクワクしています。

木更津といえば「駅の図書室FLAT」と言われるくらい親しみや想い入れのある”拠り所“を皆さんと一緒につくっていきたいです。


【プロジェクトメンバー】高橋洋介(たかはしようすけ)

開宅舎の高橋と申します。市原で空き家の活用やデザインの仕事をしながら、木更津では、まちづくりコーディネーターとして駅周辺のまちづくりに関わっています。

生まれは市原ですが、高校時代に木更津の高校に通っていたので、木更津のまちには特別思い入れがあります。当時はよく駅前の本屋(博文堂)で立ち読みをしていました。参考書ではなくカルチャー系の雑誌でしたが。僕にとっては、最先端の情報に触れられる場所が、スマホではなく駅前の小さな本屋の雑誌コーナーの一角でした。発売日を楽しみにしたり、本を見ながら友達と東京に行く計画立てたり、今思うと本をきっかけにして小さな始まりがたくさん起きてたんだなあ、、FLATがそんな場所になったらいいなと思います。



【まちづくり木更津】芝田成美(しばたなるみ)

まちづくり木更津の芝田と申します!
木更津市の中心市街地、まちの「顔」であるエリアが、地域の方々や訪れる方々に愛される場所となるよう日々活動をしています。
「みんなで図書室をつくる」というプロジェクトを実施できること、心から嬉しく思っています。実は私、、今まで本をそんなに読んだことがないのですが(笑)本をコンセプトにした居場所づくりということで、少しずつ読書をするようにしています。

FLATには、芝田の本棚(本をあまり読まない人の本棚)を設置したいと思っていますので、ぜひ「ふらっと」立ち寄っていただけたら嬉しいです!

【木更津市・地域政策室】永井瑞穂(ながいみずほ)

木更津市・地域政策室の永井と申します。
市役所の立場から、まちづくり木更津の事業を支援しており、「木更津駅周辺に来た人が気軽に利用できる【居場所】をつくりたい」という思いで取り組んでいます。

現在、高校生世代と木更津駅周辺の活性化に向けた取り組みをしていますが、高校生からも「駅周辺には自分たちの居場所がない」という切実な声を聞いています。
関わっていただける方々と一緒に、FLATをよりよい場所にしていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

  • 2023/09/07 16:44

    こんにちは、まちづくり木更津です。お陰様で9月からグランドオープンすることができました!足を運んで下さった皆さん、ありがとうございました。ささやかですが、9/1(金)・2(土)の二日間、クラファンに参加して下さった方へのリターン品のお渡しを兼ねたオープニングイベントを開催しました。レモネード、...

  • 2023/07/27 15:02

    こんにちは、まちづくり木更津です。毎日暑い日が続いていますね〜先日23日は、床塗りワークショップ無事開催できました!ご参加下さった皆さん、ありがとうございました!当日は画家のikuiroさん指導のもと、4グループに分かれて、それぞれがデザインをゼロから考えました。スポンジを様々な形に切ってスタ...

  • 2023/07/22 19:03

    こんにちは、まちづくり木更津です。明日はいよいよ、支援者のみなさんと床塗りワークショップをする日となりました!明日を迎えるまでにまだまだたくさんの工程が残されていました笑19日と20日の二日間をFLATの臨時休業とさせていただきまして、日中も夜間もひたすらにペンキを塗り続けました。毎度、お世話...

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください