神戸の西にある海と山に挟まれた風光明媚な町、塩屋。この町も、日本の多くの地域と同じように、高齢化/事業継承者不足による商店の閉鎖、空き家の増加が進んでいます。

本プロジェクトでは、塩屋駅前商店街にある空き家を、書店/和食店/石鹸・調香作家、陶芸家の工房・販売・ワークショップスペースからなる文化複合施設「海角(うみかど)」として甦らせることで、町の賑わいを生み出します。



ページをご覧いただきありがとうございます。このプロジェクトの発起人の藤井俊輔(ふじいしゅんすけ)と申します。

普段は神戸市の塩屋町内にある台湾茶カフェ「Ryu Cafe」のオーナーとして妻とともに日々店に立ち、料理を作っています。

写真中央が藤井です

「Ryu Cafe」は町内外問わず多くの方に日々支えていただき、オープンから早2年が経とうとしています。いつも温かく接してくれるお客様・常連のみなさま、子育て情報を教えてくれる近所のママの皆さん、少しおまけしてくれる八百屋さん、毎朝元気に挨拶してくれる名物豆腐屋のおっちゃんとおばちゃん。

みなさんとの関わりの中で、楽しく充実した毎日を送っています。


「海角」に隣接する「Ryu Cafe」


こうした日々の暮らしを通じて、「塩屋」というこの小さな町が私たちの第二の故郷と呼べる場所になりました。

東京と台湾出身の私たち夫婦にとって、たった数年でこの町をそう思うことができたのは、ひとえに町の皆さんの温かさがあったからです。

この町の未来に貢献できることはないだろうか。自然とそうした思いが強くなる中で、駅前中心地にある長らく空き家だった民家を活用できるという話が舞い込んできました。

このプロジェクトでは、その民家を書店/和食店/石鹸・調香作家、陶芸家の工房・販売・ワークショップスペースからなる「海角(うみかど)」として改装し、町の賑わいを生み出す文化複合施設として開業することを目指します。

しかしながら現在、改装工事費用・設備費用等が不足しているため、皆様にお力添えをいただければと思い、クラウドファンディングをすることとなりました。



本物件が位置する神戸市垂水区にある塩屋町は、明治時代以降、海と山が近い風光明媚な土地として多くの外国人や富裕層が移住し、発展してきた土地です。各駅停車しか止まらず、車が入れないような細い路地が広がるとてもローカルな場所ながら、今でも旧グッゲンハイム邸などの趣のある洋館があり、同時に昭和風情を残した駅前商店街があるような、とてもユニークな町並みがあります。近年は若い世代のクリエイターやデザイナーなどの移住も増えており、小規模ながら個性的なお店も少しずつ増えてきました。


一方で、日本の多くの地方の町と同じように、高齢化/事業継承者不足による商店の閉鎖、空き家の増加が進んでいるのも事実です。近年は空き家の解体も進んでおり、いつもの日常にあった風景が、いつの間にか更地に変わってしまうようなことが町の各地でじわじわと起き始めています。風景が失われるということは、そこに結び付いた町の記憶・文化も失われることを意味します。

私たちは今後こうした流れがさらに加速していってしまうことをとても強く懸念しています。





この町に連綿と続いてきた過去の記憶・文化を残し、未来の世代に繋げていくためには、どのようなことをすれば良いのか。

高齢化・人口減少局面にある社会で、この町がこの先も引き続き魅力的な場所でありつづけるためには、どのようなことをすればよいのか。

私たちは、町に増え続ける空き家を放置せず、魅力的な形で活かしていくことが、その一つの答えになると考えています。


「海角」前の路地


従来的なスクラップ&ビルドのように空き家を壊し新しい建物を作るのではなく、建物の中身を今の暮らしや商売に合わせて使いやすく改装する。建物の外観はなるだけ変えず魅力的な町並みを残していくことが、この町の現代の“新陳代謝”の形として正しいのではないか。

“昭和的な古臭さ・人間臭さ”が残るこの町並みは、むしろ、これからの時代にとても大きな魅力になるのではないかと考えています。




駅前商店街の中心地にあり、生活動線上にありながら、空き家として長く誰にも使われていなかった「海角」の物件。

実は「Ryu Cafe」開業時から存在が気になっていたものの、体力的・資金的な余裕が無く、何もアクションを起こせずにいました。

この物件が売りに出されたという話が入ってきたのが、今年の4月。昨年から今年に入り、町内の空き家の取り壊しが続いていたため緊張が走りましたが、理解あるオーナーのおかげで、私たちが一棟丸ごと借り受けることができました。


50年以上前は豆腐屋として営業し、その後女子寮として一時期運営されていたものの、ここ20年は空き家となっていたこの物件。幸いなことに前所有者の方がメンテナンスをしっかりとされていたようで、建物の痛みや損傷はほとんどなく綺麗な状態を保っています。

この物件を「海角(うみかど)」と名付け、魅力ある文化複合施設として甦らせます。


「海角」外観イメージ図

「海角」という名前は白居易の美しい詩の一部から引用したもので、「海」がある町の、昭和風情の残る商店街の「角」が、この先も魅力ある場所として永く愛されてほしいという願いを込めて名付けました。


本プロジェクトでは、この空き家を書店/和食店/石鹸・調香作家、陶芸家の工房・販売・ワークショップスペースからなる文化複合施設「海角(うみかど)」として甦らせることで、町の賑わいを生み出します。


「海角」1階本屋内観イメージ図


書店での魅力的なトークイベント・町の人たちが集まる読書会や、作家/職人の工房で行われるワークショップを通じて、日々の生活にインスピレーションを与える場として。あるいは地元の食材を使った御膳や一品料理とお酒を通じて、地域の住民同士が交流できる場として。町に溶け込みつつ、新たな風を吹き込むような拠点にしたいと考えています。

例えば以下のような光景が日常的に起こる場所にしていきたいと思います。


・平日の昼間、久しぶりに会う旧友とランチ。地元食材を使った和食の御膳を楽しみ、午後からは2階で石鹸づくりと調香のワークショップに参加。ワークショップ後は、海をイメージして作られた美しい皿を手に取る。隣接する「Ryu Cafe」の台湾茶で一息つきながら、尽きないおしゃべりを楽しむ。


・週末、会社帰りに気になっていた本の読書会に参加。読書会の後は、ばったり会った地元の友達とカウンターで美味しい季節の一品料理と日本酒を楽しみ、リラックスした至福のひと時を過ごす。



都市部にある複合施設や雑居ビルとは一線を画した、小さな町だからこそできる”日々の暮らしに寄り添った場所”が、「海角」が目指す姿です。




「海角」は、以下の個性的な各店が入居し運営を行う予定となっています。


2010年より石鹸の手作り、調香を開始。神戸にてワークショップをしながら、石鹸、ミスト、精油ブレンドなど香りのプロダクトや暮らしにまつわる品物を販売。「海角」では、天然精油やオイルなど、身近な有機材料を使って生活に関わるものを作るワークショップを提供しつつ、暮らしを心地よくする日用品を販売します。また、店舗の取り組みに沿ったイベントや展示など、人との交流を生み出す企画を実施します。



京都、石川での修行を経て、2023年3月より地元神戸にて三日月屋の屋号で器の販売を開始。

「日々の暮らしを船に見立てて、その船を漕ぎだす水辺としてのうつわ」をテーマに、身近な景色をモチーフとした器の制作をしています。「海角」では、工房を置き作陶しながら、器づくりワークショップ、器販売を通して、人の暮らしに寄り添いたいと考えています。


各地の美術館、図書館で勤務。近年は神戸市内で一箱古本市や読書会などを主催。

2022年シオヤプロジェクトまちのかたちキオクノキロクトークイベント「まちと本」において、市内の独立系書店3店の店主によるトーク「本屋をひらく、本屋をつづける」を企画。

まちの中に本屋があること、生活の中に本があることの意味と可能性について考えてきました。塩屋の持つポテンシャルを軸に、本を介した人の交流の場を作り、これからの時代の本当の豊かさを追求していきたいです。


高校卒業後、神戸市内和食店で修行を開始したのち、三宮「日本料理 櫂」で研鑽を積む。
独立後、開業準備のため飲食店での間借り営業を開始したところ、連日満席になるなど、大きな反響を呼ぶ。
海と山が近い神戸・塩屋ならではの地産食材を使い、料理を通じて町を表現したいと考えています。


隣接するカフェ「Ryu Cafe」オーナー。「海角」では、日々の暮らしを豊かにするような魅力的な台湾日用雑貨、
台湾各地の手仕事で作られたプロダクトの販売をする予定です。




「海角」オープンまでのスケジュールは、以下の予定となっています。





今回のクラウドファンディングで集めさせていただいた資金は、改装費、厨房設備購入費、什器購入費、CAMPFIRE手数料に充てさせていただきます。





お礼のメッセージ
ご支援への感謝のメッセージをお送りさせていただきます。


海角開業記念オリジナルトートバッグ
海角のロゴがプリントされた開業記念オリジナルトートバッグです。
ロゴは一枚一枚丁寧に塩屋内のシルクスクリーン工房「塩屋的印刷」で刷っています。
定番のキャンバス地で軽く、ちょっとした買い物からお出かけまで、あらゆるシーンでお使いいただけます。


海角開業記念台湾グラスと海角開業記念オリジナルトートバッグのセット
台湾では「熱炒(ルーチャオ)」と呼ばれる居酒屋によく置いてあるグラス。
今回は開業記念として海角オリジナルグラスを作りました。
小ぶりで持ちやすく、日常使いとしておすすめです。トートバッグとのセットでのリターンです。


海角×三日月屋 オリジナル平皿2枚セット
三日月屋の定番のうつわ「3寸小皿」に「みずうみ釉・朝/夜」を施し、「海角」の文字が釉薬の濃淡で浮かび上がるよう、特別に仕立てました。
塩屋の駅からみえる海の色にも似た「みずうみ釉」は、光にかざすときらきらして、みる時間や季節によってもみえ方が変わります。
お部屋の中にちいさな水辺を、季節と共におたのしみいただければと思います。


海角商品券5000円分
海角内で使用いただける商品券1000円分×5枚のセットです。


海角商品券1万円分+塩屋借景
海角内で使用いただける商品券1000円分×10枚、「塩屋借景」1冊のセットです。
『塩屋借景』は、作家の視点を借りて、まちの輪郭や表情を眺め、奥行きを体感できる一冊です。
このセットで丸ごと塩屋を体験していただけます。(自費出版、著者から販売許可取得済)


【法人・事業者様向け】協賛ポスターを海角に1か月掲示
法人・事業者様の社名・店名を記載した協賛ポスターを海角にて1か月掲示させていただきます。
開業祝いのお花の代わりとしてご利用いただけるととても嬉しいです。



私たち夫婦がここ神戸・塩屋に来たのが、2020年10月。それまでは夫婦で台湾のホテルで仕事をしていました。親戚も友人も一人もいないこの土地に降り立ち、先がなにも決まっていない状況の中で、温かく迎え入れてくれたのが、神戸の皆さん、そして塩屋の町の人々でした。

町内にある人気チョコレートショップ「シオヤチョコレート」さんの好意で週1回の間借りカフェをさせていただき、ご来店いただいた皆さんが口コミを広げてくれ、そしていつのまにか塩屋商店会の皆さんが店舗物件を見つけてきてくれたという、普通の町ではあり得ない手厚い歓迎に感動したのを、つい先日のように思い出します。

この町の豊かな歴史と記憶を未来の世代に繋げていく。本プロジェクトを通じてその一助を担えたらと思っています。
どうぞよろしくお願い致します。


------------------------------------

文化複合施設「海角(うみかど)」

神戸市垂水区塩屋町3-8-2

JR・山陽電鉄 塩屋駅徒歩2分

2023年11月オープン予定

-------------------------------------

<募集方式について>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2023/08/17 08:00

    クラウドファンディング終了まで、残すところ10日となりました。現在達成率76%、もう一息です!これまで158名の皆様にご支援いただきました。一つ一つの応援メッセージもしっかり拝読させていただいております。本当にありがとうございます。さて、海角は本日より少しずつ改装工事が始まります。今日は入居す...

  • 2023/08/15 08:24

    クラウドファンディング残り12日間となりました!現在達成率65%、ギリギリなんとか達成したい。ということで、新しいリターンを追加しました!Ryu Cafe店主、海角管理人藤井による喫茶店・飲食経営【お悩み相談コース】です。前職から数えると2年に1件くらいのペースで飲食・喫茶店をはじめとした開業...

  • 2023/08/13 07:52

    海角クラウドファンディング残り14日間、達成率60%となりました。これまで支援していただいた皆様、一つ一つの応援コメントがとても励みになります。本当にありがとうございます!引き続き残り2週間、よろしくお願い致します!

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください