こんにちは。
kimonoyarnの藤枝瀬里子(ふじえだせりこ)です。

2018年に株式会社リクラにてkimonoyarn事業を立ち上げ5年となりました。
処分される寸前の着物を洗浄し、解き、幅20㎜に裁断し、繋ぎ合わせ、手芸用の糸=ヤーンにする活動をしています。

5年間でkimonoyarnへとアップサイクルしてきた着物は、3,000枚以上です。

3,000枚というと多いように感じるかもしれませんが、
処分されている着物は月間で数十トンと言われていて、その1%にも遠く満たない、ほんのごくわずかです。

着物は日本人の大切な文化。
それが捨てられていることに心を痛めている方も多く、kimonoyarnの活動を応援していただいていますが、
「使ってみたいけどどうやって使ったらよいかわからない」、「使い方の本はある?」という声を、キモノヤーンを始めた頃からずっといただいてきました。

この度、5年目の節目に、kimonoyarnの使い方をまとめたレシピ本を作りたいと思い、はじめてのクラウドファンディングに挑戦させていただきます。

応援どうぞよろしくお願いいたします!

こんにちは。kimonoyarnです。全国の百貨店やイベントをまわって、kimonoyarnや作品を販売しています。


【レシピ本の概要】

・B5判・全96頁(表紙含む100頁)
・裂き編み作家・河村美琴さん監修!日常で使える小物やバッグのかぎ針編みレシピ 30本
・サンプル作品のイメージ写真+編み図
・初心者の方でも作れるように、全レシピ動画付き
・デジタル版/製本版から選べる。

kimonoyarn(キモノヤーン)は、処分される着物から使った幅20㎜の手芸用の糸(ヤーン)です。

糸=ヤーンというと、もっと細いものを想像されるかもしれませんが、もともと編み物の糸として使うことを想定して作り始めたため、キモノヤーン=着物の糸という名称にしました。
『ヤーン』(yarn)とは英語で紡いだ糸を意味し、布を細長く裂いて作った編み糸のこともヤーンと言います。
形状は糸というより、どちらかというとリボンといった方がイメージしやすいかもしれません。

処分される着物から作ったアップサイクルヤーン=kimonoyarn(キモノヤーン)

幅20㎜はかぎ針10号で最も編みやすい太さ。これ以上細いと着物の柄を楽しめず、これ以上太すぎるとヤーンというより布になってしまうため主に幅は20㎜で作っています。


●どうしてkimonoyarnを作りはじめたの?

私は趣味で裂き編み(裂き編みは、名前の通り「布を裂いて編む」編み物のジャンルの一つです)を習っていたのですが、実家に帰った際に、裂き編み用にコットンの新しい布を手で引き裂いて糸にしていたところ、母親から「もったいないからおばあちゃんの着物でやってみたら?」と言われたことがきっかけでした。

祖母は、着物が大好きな人でした。実家の箪笥数竿には祖母の着物がぎっしり。祖母が大切にしていた着物。サイズが小さくて私も母も着られない。だけど、生前、祖母がとても大事にしていたのを知っているから処分することもできない。「せりこ(私)が使うなら祖母も喜ぶのでは?」と母は思ったのだと思います。

着物で編み物、面白いかも!新しい素材!楽しいかも!と思い、そこからキモノヤーンづくりがスタートしました。

キモノヤーンづくりをスタートし、聞いたり調べたりしていると、母のように故人の大事にしていた着物を捨てられないし、リサイクルショップでも値がつかないものも多く、困っている方がたくさんいること。一方で、日々たくさんの着られなくなった着物が処分されていることを知りました。

左の黒に吉祥模様の振袖は、祖母の花嫁衣裳。祖母の箪笥にはカラフルな着物がたくさん。私が知っている祖母は割と地味な服装が多かったので、若い頃はこんなに華やかだったんだと驚きました。


●試行錯誤の日々

実際にヤーンを作りはじめてみると、これまで使っていたコットンの布のように、着物地は簡単には裂けませんでした。
どのようにヤーンにしたら編みやすく、効率が良いのか?
古い着物特有の臭いにも悩まされました。

試行錯誤した末、5年経った今では多くの方のご協力のもと着物をヤーンにする安定的な生産体制は作れました。

しかし、キモノヤーンを知ってくださっている方がまだ少なく、たくさん作りすぎてたら余ってしまう。
素敵な取り組みだと応援はしていただけるけれど、どうやって使っていいかわからないという方が多い現状。

現在は、キモノヤーンを知っていただくにはどうしたらよいのか?使っていただくためにはどうしたらよいのか?という課題に取り組む日々です。

こちらは、祖母が遺した銘仙の反物で作ったはじめて作ったkimonoyoarn。手で裂いて、手で玉巻にし、とんでもなく時間がかかりました。


●幅20㎜に詰まった着物の世界に魅せられた!

最初のきっかけは、キモノヤーンで編み物の楽しみが増えたら嬉しい!そんな気持ちが強かったです。
キモノヤーンを作り続けていくうちに、いつしか編み物の一つの素材としてのキモノヤーンというよりも、着物自体の魅力にも強く惹かれていきました。

糸に撚りがかかっていたり、細かい刺繍、一枚の着物でも部分によって織り方を変えていたり、分解してみたら一本一本太さも違う、色も違う、素材も違うたくさんの糸を使っていたり、着物にはたくさんの技術が詰まっています。

そして、着物が日常的に着られなくなったことで、今はもう使われなくなり、なくなってしまった技術も多数あるという話を聞きます。

着物のときには、取り立てて魅力を感じなかった地味な着物や、無地だと思っていた一枚の着物が、キモノヤーンにすると可愛らしく輝きを増すところを5年間で何度も見てきました。
着物のときは大きな全体を見るのですが、キモノヤーンの世界は幅20㎜。

着物のときよりも細かい技術、柄や細工、色の違いに目がいくのです。

幅20㎜にすると着物の時にはパッとしなかったものも、輝きを増します!


●処分される着物のみを活用しています。

kimonoyarnにする着物は、処分される着物のみです。

シミがある、破れている、サイズが小さすぎて着る人がいない、リサイクルに出しても値が付かない、リサイクルショップで長年買い取り手がなく売れ残ってしまった、などの理由から捨てられようとしている着物を活用しています。

まだ誰かに着てもらえる着物は着てもらった方が嬉しい!と思うからです。
シミだらけの着物でも、ヤーンにして編んだら全然問題ない!ということもたくさんあります。
キモノヤーンにすることで、シミも個性になります。

シミだらけの長襦袢もヤーン→作品にするとこの通り!全く目立ちません。

着物としては人気がなく、価値がつかないウールの着物。キモノヤーンにするとこんな風にモコモコの独特な可愛らしいヤーンになり、ウールのキモノヤーンは大人気です!


●どのように作っているの?

まずはすべて洗浄し、解き、幅20㎜に裁断し、裁断したものを縫ってつなぎ合わせ、1本の糸にしています。出来上がった糸をくるくると玉巻器で巻き取って、糸玉にし完成。


【レシピ本の概要】
・B5判・全96頁(表紙含む100頁)
・裂き編み作家・河村美琴さん監修!
 日常で使える小物やバッグのかぎ針編みレシピ 30本す
・サンプル作品のイメージ写真+編み図・初心者の方でも作れるように、全レシピ動画付き
・デジタル版/製本版から選べる

※デザインはイメージです


〈レシピ内容〉

初心者でも取り掛かりやすい、コースターやラグなどの生活小物から、ビッグトートバッグ(3L)、スクエアトートバッグ、フリルバッグ、レッスンバッグ、クラッチなど用途やシーンに合わせて日常で使えるバッグのレシピ30本を掲載します。

これまでレシピ化していなかった作品も多数掲載予定です。

これまでレシピ化していなかった河村美琴さんの代表作・ビッグトート(3L)もレシピ掲載します。

着物の柄を楽しむことができて、編みたい!という声の多いリング編みのバッグ

30本以上の日常小物やバッグのレシピを掲載します。


●そもそもなぜレシピ本を作るの?

キモノヤーンの編み物の楽しさを、もっとたくさんの方と共有出来たら嬉しいと思ったためです。

これまでもインスタライブや各地での編み物会で、キモノヤーンの使い方を発信してきましたが、限界を感じていました。
ひとりでレシピを考え、編んで、伝えていくとなると広がるスピードも遅く、その間にもどんどん日々着物は捨てられていくというジレンマ。

着物を日常的に着なくなって約70年と言われています。
着物が身近ではない方にもキモノヤーンを通して、日本の伝統文化である着物の魅力に触れていただけたら嬉しいと思っています。

そのきっかけを提供できるようなレシピ本を作りたいです。 


●初心者の方も、上級者の方も楽しめる編み物レシピ本

キモノヤーンを通して、初めて編み物をした!という方がたくさんいます!
キモノヤーンを通して、編み物を好きになった!と言ってくれる方もたくさんいます!

着物の魔法でしょうか!?
着物の質の良さ、美しい色や柄...出来上がった作品は、初心者の方でも驚くほど素敵に仕上がります!
そして、着物は強い!毛糸は一度編むと伸びてしまいますが、キモノヤーンは納得がいくまで何度も解いて編み直すことができます。

初心者の方でも編み物に取り組みやすいように、難易度マーク(★~★★★★★)をそれぞれの作品につけています。
また、編み図を見るのが苦手、という方向けに、全レシピ動画付きです。

全レシピ作り方動画付きなので、編み図が苦手な方や初心者の方にも楽しんでいただけます。こちらは編み物はじめての方の作品。編み物をしたことない方でもこんなに素敵な作品が作れます!

キモノヤーンの作品をすでにいくつも編んでいる、という上級者の方にも楽しんでいただけるように、これまで公開していない新しいレシピもたくさん掲載します。


●デジタル版?製本版?

今の時代に製本版も作るの?デジタル版で十分では?と思われる方も多いと思います。

どうしても製本版も作りたいと思ったのは、作品とレシピが載った本をパラパラとめくり、次はどれを作ろうか?というわくわく感や楽しみ。
私もそうやって編み物を楽しんできました。
気に入ったレシピ本はぼろぼろになるまで何度も眺めて、次はどんな糸で、どれを作ろうかなと考えるのも楽しみのひとつ。
キモノヤーンのレシピ本もぼろぼろになるまで楽しんでいただけたら嬉しいと思いました。

製本版は、印刷しすぎて無駄にならないようにこちらのプロジェクトでご購入いただいた数と、私がイベント等で利用する最低限を印刷します。必要があれば、随時増刷してきます。

デジタル版の方が便利に使えるという方もいらっしゃると思いますので、デジタル版もご用意していまます。
どちらかお好みをお選びください。


●全レシピ監修 河村美琴さん

全レシピの監修を裂き編み作家・河村美琴さんにお願いしています。

河村美琴さんにお願いしたのは、スタートしたばかりの頃からkimonoyarnを使って作品を作ってくださり、キモノヤーンの魅力をよく知ってくださっていること。
また、着物というと、日常に取り入れづらいと感じる方も多いかもしれませんが、河村さんの作品はファッション性の高い独自の形状のものが多く、どれも日常に溶け込むデザイン。
日々の生活の中で気軽にキモノヤーンの作品を使ってほしいという思いから、河村さんにお願いしました。

裂き編み作家・河村美琴さん

河村美琴さんプロフィール

福岡県在住。
編物講師をしていた母の影響で、2005年より編物作品を手掛け、2011年より裂き編みを本格的に始める。
手から生まれる独創性を大切に表現している。
著書「裂き編みでつくる 毎日のバッグ」成美堂出版。

こちらは5年前、一番初めに河村美琴さんに編んでいただいたバッグ。河村美琴さんのブランド【MIKI KAWAMURA】のアイコン・ラウンドフリンジバッグ。こちらも5年前に編んでいただいたもの。


レシピ本を作ることで、キモノヤーンの編み物の楽しさに触れていただけたら嬉しいです。

それによって、キモノヤーンを使ってくださる方が増え、処分されている着物を、処分される前に救い出し、一枚でも多くキモノヤーンにしたい!と思っています。
レシピ本を作ることでそのスピードをグーンと加速したい!

着物は有限です。
日常的に着物を着なくなって随分経ちます。それ故に、作られる量もどんどん減ってきています。

もう誰も着ないから、家にあっても邪魔だから、売れないから、という理由で日々着物が捨てられていますが、近い将来、処分される着物も少なくなるだろうと思います。

一枚でも多くの着物をキモノヤーンにすることで、捨てられる前にもう一度、皆様の手で魅力的な作品に生まれ変わらせていただけたら嬉しいです!

出来上がったレシピ本のレシピを使い、全国で編み物会やインスタライブでの編み物イベントなどを行い、キモノヤーンの編み物の楽しさ、また、キモノヤーンを通して着物の魅力を伝えていきます。




みなさまからいただいたご支援はこれらの一部に充てさせていただきます。

・レシピ作成費(30レシピ) 30万円
・デザイン、印刷、製本費用 180万円
・撮影費 30万円・広告宣伝費 10万円
・レシピ動画30本製作・編集費 30万円
・返礼品送料(梱包作業費と運送費です) 20万円
・クラウドファンディング手数料



2023年9月末
クラウドファンディング終了

2023年10月
レシピ本の制作スタート

2024年1月中旬
レシピ本の完成

2024年1月末
リターン発送の終了(予定)


松浦 浩子さん 

着物と和のこころ 着物教室 「結 むすひ」主宰

着物は日本人の感性の結晶。
染や織の精密な技、自然を思わせる色、文様に込められた幸せを祈る心、美しい布地の光沢や手触り。
そんな着物の魅力をよく知るキモノヤーンさんだからできる活動。
より多くの人に着物生地を触ってもらう機会を応援しています!


最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!



私自身、kimonoyarnを始めたころは、
編み物の新しい素材として、バリエーションや柄、編んだ時の面白さに惹かれていましたが、
今は着物自体の魅力にも強く惹かれるようになりました。

見えないところにまで手を抜かない、控えめな美しさ、粋さ、精密さ、真面目さ、個性、
日本人の持っている美意識そのままのような着物という文化に惹きつけられていきました。

だんだんもったいない、よりもっと、
決して捨ててはいけない何か大切なものを捨てているのではないか?
と思うようになりました。

一枚でも多くの着物を残したい。

着物人気が復活して、捨てられる着物がない!ヤーンにする着物がない!
そうなったらkimonoyarnの事業は大成功。

そんな未来ならきっと新しい着物文化が生まれていると思います。

今はまだ吹けば飛ぶkimonoyarnですが、
そんな日が来るまで頑張っていきます!



これはkimonoyarnをはじめて3年目に書いたものですが、
ここから想いは全く変わっていません。

いつも応援していただきありがとうございます!

kimonoyarnを通して、着物の魅力を伝えるとともに、
皆様の日々が少し楽しいものになるお手伝いができたら嬉しいです。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。


kimonoyarn 藤枝瀬里子



【kimonoyarnは株式会社リクラのプロジェクトのひとつです】
●株式会社リクラは捨てるものを素敵なものに変える「Re:craft company」
アップサイクルの好循環を当たり前にするその日まで

リサイクルは一般的になりましたが、アップサイクルはどうでしょうか?いらなくなったものにアイディアという魔法をかけて、喜ばれるものをつくります。アップサイクルスキームの構築がリクラの使命です。

kimonoyarnは、株式会社リクラの第一号プロジェクトとして、2018年10月にスタートしました。

リクラのコンセプト「すてずに すてきに Re:craft」を合言葉に、これからも捨てられるものを素敵にアップサイクルしていきます!株式会社リクラ https://recra.jp

  • 2024/02/17 12:01

    いつも応援してくださりありがとうございます。大変お待たせしておりましたリターンの発送ですが、ご支援いただきました皆様への郵送での発送が完了いたしました。レシピ本をデジタル版を選択いただきました皆様には、2月19日(月)に、ご登録いただきましたメールアドレスに、ダウンロード用のURLをお送りいた...

  • 2024/01/26 12:52

    こんにちは。kimonoyarnの藤枝です。いつも応援いただきましてありがとうございます!本日は、リターンの発送時期の変更についてのお詫びで投稿させていただいております。皆さまにご支援いただきましたレシピ本は、レシピ作成・撮影・デザインなどを終え、印刷段階に入っております。当初1月末までにリタ...

  • 2023/09/30 11:11

    皆さまのおかげで目標金額を達成することができました。たくさんの応援、ご支援ありがとうございました。キモノヤーンを通して、着物の魅力とものづくりの楽しさを伝えられるよう頑張りますので、これからもどうぞよろしくお願い致します!本当にありがとうございます。

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