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沖縄県立中部病院おきなわジェンダーセンター長の親富祖勝己(おやふそ かつみ)と申します。

今回、GID(性同一性障害)学会第25回研究大会・総会の開催と当事者の方の意見表明の場の継続のため、クラウドファンディングの立ち上げをいたしました。


どうかみなさんのお力をお貸しいただけますようお願いいたします。


ジェンダー(Gender)とは、ご本人が自覚もしくは認識している性を指し、性染色体やホルモンによって形づくられる身体の形状としての性をセックス(Sex)と呼びます。

ほとんどの場合は、このジェンダーとセックスが一致しますが、時にこのふたつの性が一致しない方がおられます。

そのような方は、性の同一性において不一致があるとして、性同一性障害(Gender Identity Disorder;GID)と医学的に診断されます。最近では「性別違和」や「性別不合」という呼称も用いられます。

「おきなわジェンダーセンター」は、GID(性同一性障害)に対して、さまざまな診療科が連携して診療を行う部門であり、2014年より活動しています。


おきなわジェンダーセンターにおける判定会議の様子

GID学会は1999年に発足しました。

本学会の大会・研究会の特徴は、当事者やそのご家族、医療従事者、教育関係者、心理学や社会学関係者など、さまざまな立場の人々が集まり、情報や意見を交換する場となっているところです。



いまとなっては「GID」あるいは「性同一性障害」という用語が、広く社会に知られるようになりましたが、これは当学会員の地道な活動によるところが大きく、戸籍の性別を変更するための手続き、健康保険適用などが少しずつ進んでいます。

一方で、戸籍の性別を変更するために生殖腺(精巣や卵巣)の摘出または永続的な機能不全を要する、ホルモン療法は健康保険を適用できないなどの課題もあり、当事者の方々にとって社会生活で直面する様々な困りごとはまだまだあります。
当事者の方々も含めた私たちのより良い社会を目指すために必要なことがたくさんあります。

GID(性同一性障害)学会第25回大会・研究会は、このような課題を社会で共有するとともに学際的な議論を重ね、課題解決に向けた意見を集約する場です。


現行のGIDに関する特例法は、性別記載の変更のために生殖腺(精巣や卵巣)の摘出または永続的な機能不全を要請する(不妊要件)などの人権に関わる多くの問題を含んでおり、更なる改訂に向けた議論を加速する必要があります。

2018年4月の国の診療報酬改定で性別適合手術や乳房切除などの性同一性障害の手術療法に対する健康保険の適用が認められましたが、手術療法に先行して行うホルモン療法だけが健康保険適用外とされて自費診療のままに据え置かれ、当事者に長期にわたる過大な経済的負担を強いているだけでなく、自費診療と保険診療の混合診療を理由にホルモン療法後の手術療法の保険診療を認めない状況が生じています。

事実上、健康保険で性別適合手術を完結させることが困難であり、健康保険適用の範囲をさらに拡大する議論が必要と考えます。現行の制度での性別適合手術の健康保険適用は名ばかりに終わります。

上記の課題そのものが広く社会に共有されていないだけでなく、問題を解決する組織的な活動による意見が国に十分に届いていないのです。


①性同一性障害という用語の扱い

学会の理事会、総会での主な議論は性同一性障害という用語の扱いです。

WHOの国際疾病分類であるICD-11では、当事者の主張を取り入れて、異常、疾病、機能の棄損や症状が固定した状態を意味する「障害」の用語を避け、性別不合(gender incogruenceの仮訳)とされていますが、正式な訳語は国の総務省が決定し、それが正式名称となります。この作業が遅々として進まず、未だに性同一性障害が用いられています。当事者にとって、自身の性自認が障害という呼称で表されることにかなりの抵抗感を有していますが、医療の対象とするのであれば、原理的に疾病や障害の呼称を是認せざるをえず、その点で葛藤があります。

性別不合が正式な訳語になる前に学会の名称を変更すべきという意見が毎回出されますが、国の正式な訳語の決定を待つべきというのが多勢です。


➁クロスホルモン療法の保険診療について

ガイドラインに沿った安全な治療、とりわけ性腺の摘出に先立ってクロスホルモン療法(性自認に沿った反対のホルモンを重ねる)が保険適用になっていない点で保険診療と自費診療が混ざり合う違法な混合診療となってしまうことです。結局、乳房切除で男性型の胸壁形成のみが保険診療となります。それより先のステップへ進むと全てが自費診療になります。

男性から女性に移行するには最初から最後まで自費診療になります。というのも最初の手術療法が睾丸摘出術になるため、その前にクロスホルモン療法が必須になるからです。


現在の課題を社会で共有すると同時に学際的な議論を重ね、課題解決に向けた意見を集約して国に働きかけ、医療技術の向上・法律の改変にむけ、当事者の生きやすい世界にしたい。

このような想いで学会開催に向けて、現在準備を進めております。


1月            クラウドファンディング開始
3月16日~3月17日     学会開催
3月末 (予定)      クラウドファンディング終了
4月中旬(予定)      リターン発送


学会開催費用として約700万円を想定。特に下記の3つの項目の費用として活用させていただきたく思います。

1.演題登録処理関係費  300,000円
2.事前参加登録関係費  290,000円
3.WEB・プログラム/抄録関係費 1,200,000円 など


医科学と人文科学が協同し、当事者と共に多様性のある社会を築くための学術会議です。 この会議の運用資金面での皆様のサポートを切に願っています。

ぜひ、応援・お力添えをお願いいたします。



<募集方式について>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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