冬の夜風が

春風のように私を包み込む。

 

酔いつぶれる一歩手前。

飲み続けて、酔いつぶれ、

この風の中、寝てしまうのも悪くない。

そんなことを考えながら、

店を出た私は、一人煙草をふかし、友人が店から出てくるのを待っていた。

「おーい!いくぞー!」

肩を担がれた男が店を出た瞬間、叫んできた。

あれは私の友人だ。

いわゆる、ベロベロの状態。

一人で歩けもしないのに、

どこへ行く気なんだ。

ゲロの臭いを漂わせ、

近づいてきた友人はまた叫んだ。

「いくぞー!飲むぞー!」

目も開けず、

肩を担がれながら、

叫ぶ。

これだけ、飲んでも、まだ飲むといっている。

まるで酒に身を売った

廃人のようだ。

全くもってお酒は恐ろしい。

 

煙草をふかしながら、友人と、

今日は帰ろうと話を進めていた時、事件は起こった。

さっきまで、グダグダだった友人が急に走りだし、何かを天高く放り投げた。

 

あまりに急な出来事だったので、

酔っ払っていた私が、その天高く放り投げられた物が、

私のバッグだと気づいたのは、アスファルトに叩きつけられた後だった。

 

バッグの中にはノートパソコンが入っていた。

2年前に設計事務所に就職し、

1年前に少ない給料で割りとハイスペックなノートパソコンを買った。

プライベートでも、仕事でも、必須道具となっていた。

なぜ、そんな大切なものが入ったバッグを背負っておかなかったのだろう、

いや、そもそも家に置いてこればよかったんだ。

後悔先に立たずとはよく言ったものです。

なんて嫌な響きなのだろう。

 

 

バッグを取る為、動き出そうとしたその時、

白いベンツが私のバッグをしっかりと踏みつけ、通りすぎて行った瞬間は酔っ払っていたが、今でも覚えている。

叩きつけられ、踏みつけられたノートパソコンは

3段階に開き、

7色のスペクトルが画面を覆っていた。

 

ここまでが、事故の経緯である。

この、酔っ払ってバッグを投げた友人には弁償するほどのお金もなく、

私もふざけ合う友人との飲み会に大事なノートパソコンを持っていってしまった、

自分も悪かったと、己をなだめることにした。

 

だが、何事も反省は必要である。

1つの悪い行いは、1つの良い行いで、プラマイゼロによう。

彼を地域のボランティアに参加させ、社会に貢献しよう。これは良いことだ。

どうしても、彼にボランティアをさせ、酔っ払ったゲロではなく、清き汗を流してほしい。

そう頼んだところ、クラウドファウンディングでパソコン買えたら、やる。

 

なぜ彼は強気で上からなのだろうか。

完全に社会不適合者だ。

言い過ぎかもしれない。だが、一発殴り、了解した。

 

 

こうして、私は

クラウドファウンディングを始めました。

お願いします。

 

 

 

 

▼このプロジェクトで実現したいこと

新たなパソコンを手にし、友人との友情を修復したい。いや、友人を更正させたい。

▼リターンについて

私は野生の猫が好きです。
 見るたびに写真に納めています。
 今まで撮った写真の中から、とっておきの1枚[JPEG]を差し上げます。
 田舎で生きている野生の猫の強気な姿勢が現れた一枚です。
 合わせて、ボランティアをしている姿の友人の写真も1枚[JPEG]お送りします。

 

▼最後に

ボランティアは良い事。

パソコンは大事。

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