子守(ねのかみ)神社とは、静岡県賀茂郡河津町大鍋に祭神を大己貴命(オオナムチノミコト)とする神社です。

この神社の最古の棟札は天正12(1584)年のもので、甲子神が迎えられたのが神社のはじまりとされています。現在の場所に社殿が遷座されたのは、延宝8(1680)年のことされており、つまり今の地に移して350年近くが経過しようとしている神社です。


約300年前から、神楽が境内で行われ、現在では静岡県の県指定無形民俗文化財に指定され、毎年1度奉納されています。

その後、明治初年頃の神社調べにより、当時子神は根の国の出雲大社の祭神が大己貴命であることから、この神社も同神を祀るようにと裁定されたといわれている。しかしこの神社は出雲大社の末社でも分祀した社祠でもなく、子育てと子宝に恵まれる神と川の神、豊穣を祈る神として永く祀られていています。

400年以上続く子守神社は、地域の氏神として大鍋地域の住民とともに歩んできた神社です。
氏神様といえば、その土地に生まれたもの達を守る神ですが、現在では、河津町を訪れた観光客の方が子宝成就や子・孫の成長を祈ってお参りされる方をたびたび見かけます。

地域でのみ愛される神社としてではなく、人々の切なる願いによりそってきた神社であるからこそ、後世に残していきたいと考えています。

静岡県無形民俗文化財『大鍋子守神社の神楽』とは?

子守神社といえば、秋の御神楽と認識されている県の無形民俗文化財でもある『お神楽』について説明させてください。このお神楽があるからこそ神社を後世へ残したい理由の一つです。

江戸時代から伝承されているお神楽は、資料によると村の若者によって、凶作や疫病流行等の村の大事の時に限り、お神楽の奉納がされていました。

このお神楽の演舞は社前のお神楽殿の中央の神座に向かって神事をなした後に、芝踏舞、巫女舞、御姿舞、翁舞、申た彦舞、恵比寿舞、稲荷舞、山の神舞が引き続いて行われ、ゆっくりと1日かけて舞われます。

お神楽は、伝わったころは村の若者によって担われていましたが、昭和43(1968)年に保存会が発足し、現在まで踊りを継承し、現在では秋の大祭に舞われています。

また、昭和43(1968)年10月11日に河津町の指定無形文化財、昭和60(1985)年1月29日に静岡県無形民俗文化財にそれぞれ指定されています。
今年はコロナ禍を経て、4年ぶりに10月15日(日)に開催されました。

来年も10月に秋の大祭が開催予定ですので、よろしければぜひお越しください。



このプロジェクトで実現したいことは、大鍋子守神社の再興です。
上記に記載のとおり、古くから地域の伝統と伝承の場であった大鍋子守神社ですが、現在大鍋地区は40世帯。
この先、更なる減少が予想されています。

現世まで人々に必要とされて遷座された神社だからこそ、大鍋地区の人達だけでなく、もっと気軽にたくさんの人に参拝してほしい。

この約400年受け継いできた伝統を後世へ残したい!

秋の大祭前に練習に励む風景

そのために大鍋区は挑戦します。
受け継がれてきた伝統を守りつつ、子守神社のことをより多くの人に知ってもらい、参拝しやすい神社になることを…

柔軟に新しい感性を受け入れていきたいと思っています。



先日も河津町に滞在していたコンテンポラリーのダンサーの有泉汐織さんが、神社にて舞を撮影してくれました

まだこれから検討していきますが、大鍋地区や子守神社の神楽保存会だけでなく、氏子の枠にとらわれることなく、「子守神社」の存続を応援してくれるサポーターを募集したいと思いっています。

約400年続く子守神社をこの先の未来につなぐためにチャレンジをする、
それがこのクラウドファンディングで私達が実現したいことです。


そもそも『河津町大鍋』ってどんなところ?

静岡県の伊豆半島の東海岸に位置する河津町は海・山・川の自然が3拍子全てそろった自然豊かな町です。河津町は早咲きの桜「河津桜発祥の地」としてしられており、毎年2月には多くの観光客が桜見物に来町します。
河津町は、23地区に分かれており、大鍋は天城山のふもとの山間地域にあります。

大鍋という地名は、源頼朝に縁があるといわれています。
頼朝が父義朝の霊を弔う(源義朝の髑髏は河津町の大木の根元に眠るとされている)ため、この地を訪れたときのこと。
その当時、大きな鍋を差し出したことから村の名前が大鍋になったといわれています。

大鍋の他にも、小さな鍋を差し出した「小鍋」や貸した鍋をなくしてしまったとされる「鍋失(なべうしない)」という地域が今も現存しています。

そんな大鍋は、現在まで天城から流れてくる清流を利用したわさび栽培が盛んに行われており、河津町内でも有数のわさび栽培エリアとなっています。


今回のクラウドファンディングへの想い

今の地に神社をうつして、350年が経過しており、社殿や神楽殿も定期的な修復が行われてきました。
近年も部分的な修繕は続けており、神楽殿の屋根等などは自力修繕をしてきました。

しかし、社殿の土台や柱等の状態が深刻化してきており、このままいくとお神楽を継いできた神社が続いていけるのか
深刻な状況です。

「後世」に不安なくつないでいくためにも、また「今」、真剣にお神楽をついでくれている若い衆のためにも、
きちんとした修復の手を入れたい。
それが神社を、お神楽を、未来につなぐために必要なことだと考えています。


今回のクラウドファンディングのために以下の返礼品をご用意いたしました。
以下に抜粋して内容を掲載いたします。

◆返礼品ラインナップ


◆地名の大鍋にちなみ…鍋敷きをお届け

源頼朝が大きな鍋を借りた地に由来する大鍋が、地域の神社をつなげるために実施するクラウドファンディング
今回、やむを得ず神社敷地内の木を伐採するため、その木を使用して‟鍋敷き”を作成いたします。
ご支援いただいた方、限定の返礼品です。


◆子守神社 秋の大祭に観覧席をご用意!

来年2024年10月15日に実施する秋の大祭にお神楽観覧用の特別席をご用意いたします。
境内の都合上、10名限定の席となります。
※別途、お札付の観覧席のご用意もございます。詳しくは返礼品のページから。

◆大鍋にちなんだ3点セット

大鍋にちなんだ返礼品を3点セットにしてお届けします。
・子守神社の参拝祈念の”お札”
・大鍋育ちのわさびを使用したごはんのお供”わさびのり”
・子守神社の敷地内の伐採木を使用した”鍋敷き”


2023年11月~ クラウドファンディング実施

2024年 1月  返礼品発送開始

2024年2月  修繕開始

《順次修繕を行いたい箇所》
・子守神社本殿及び神楽殿周辺の大木の手入れ
・本殿の修繕
・神楽殿の修繕
・庁屋の修繕

支援金の用途:子守神社本殿及び神楽殿等の修繕

◆修繕費用:970万円
 ※キャンプファイヤー手数料
 ※クラウドファンディング実施の諸経費

◆目標金額
 第1目標   300万円

 第2目標   600万円
 第3目標  1,000万円


《修繕必要箇所と見積》
・大木の手入れ 100万円
・本殿修繕   285万円
・神楽殿修繕  240万円
・庁屋修繕   345万円


ここまで読んでいただきありがとうございました。

実は、今回クラウドファンディングに挑戦することに悩みました。
こんな田舎の小さな神社に本当に支援してくれる人がいるのだろうか。
今回、このクラウドファンディングに挑戦するために、地区の会合をひらいて、「クラウドファンディングとは?」と
いう説明会からスタートし、返礼品の相談等、繰り返し、繰り返し集まって相談を重ねてきました。

悩みましたが…今、挑戦しないと神社はこのまま衰退するだけです。繰り返しになりますが、小さな町の小さな地域の小さな神社のお神楽が、静岡県の無形民俗文化財に登録されていて、その舞は‟今”も継続されてきました。

今までつないできた芸能を後世へつなぎたい。
そのためには舞うための神楽殿や本殿の修復が不可欠です。

歴史は途絶えさせることは簡単ですが、作ることは一朝一夕にはできません。
これまで地域と共にあゆんできた子守神社を後世へつなぐプロジェクトです。どうぞ応援してください。

よろしくお願いいたします。



<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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