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プロジェクトオーナーの手数料の負担は一切なく、支援者さまからのご協力費(12%+税)により運営しています。

【御礼】
目標額に到達しました!
ネクストゴールを目指します!!!

11月23日、プロジェクトスタートから3週間で目標額の100万円に到達しました。皆様の温かいご支援に心から感謝を申し上げます。プロジェクト終了まで2週間を残す中、セカンドゴールとして150万円を目指します。

セカンドゴールの設定に際して、来年に開催するアート展を充実させるなど、利用者の方の作品がより周知される取り組みをしたいと思っております。リターンも3作品を追加しました。ぜひご覧になってください。

2023年12月8日 代表理事 豊田真一


【ごあいさつ】

こんにちは。私は特定非営利活動法人ノーマライゼーション高槻の代表をしている、豊田真一(とよだしんいち)と申します。

20年前から障がい福祉に携わり、2010年に大阪府高槻市にコルメナという小さな福祉施設を開きました。「地域の中で障がいのある方の選択肢が少しでも増えれば」という思いで立ち上げた通所の施設です。

コルメナには毎日30名弱の方が送迎車や徒歩、また電車で通って来られます。

内職をしたり、請負の仕事をしたり、プールに行ったり、笑い合ったり、ぶつかり合ったり。一日たりと同じ日がない日々を積み重ねて、気付けば3年前の2020年に、開所から10年が経ちました。

(玄関前にあるコルメナの看板です)

【コルメナとは】

コルメナとはスペイン語で「ミツバチの巣」という意味です。

そこに集う利用者の方、スタッフ、協力してくれる多くの方々が共に作り上げていく場所となって欲しい。そう願って名付けました。

開所時からとても心強いパートナーとして協力して下さっている、障がいのある方のプール活動の支援をされているNPO法人プールボランティア。

また、ダンサーの大歳芽里さんやアーティストの出川晋さんたちのサポートのもと、様々な活動に取り組んでいます。 

(朝のラジオ体操の風景)

(大歳さんとのダンスワークショップ)

(出川さんとの美術ワークショップ)

そんなコルメナには、絵画をされる方や刺繍をされる方がたくさんおられます。

この場所ができて10年(2020年時点)。その10年間ずっと絵画や刺繍を続けている方もおられます。単純にすごいことだと思います。

私たちはその作り続けてこられた一部を、展覧会というカタチでいろんな人にみていただく場を設けることにしました。

刺繍の一針ひと針、また絵画の一筆ひと筆に、どんな思いが込められているのか、それが「アート」なのかは、分かりません。でも、出来上がった作品をみると、色々な気持ちが湧いてきます。
みていただいた方にも何か響くものがある展覧会にしたい、そう思いました。

(刺繍・絵画に取り組まれています)

(立体物に一色一色、丁寧に塗っています)

(一日に集中してたくさんの絵を描きます)

利用者さんがデザインをした花柄の刺繍

そして展示会のタイトルを「コルメナアート展〜10年の歩み〜」と決め、開催に向けての準備がスタートしました。しかし準備を進めていく中、日を追うごとに新型コロナウイルスの感染拡大が報じられるようになってきました。

【アート展の準備から中止へ】


開催日 2020年11月27日〜29日

開催場所 福寿舎(大阪府高槻市)

ここからは、アート展オープンの3週間前から開催中止を決め、記録のためだけの展覧会設営までの経過を、facebookイベントページに投稿した内容から引用します。
投稿文:出川晋


2020年11月6日

今日は、コルメナにて打ち合わせ。
明日は、実際に作品を並べ展示プランを試してみる日。
プランは、それぞれが今まで作ってきたものをできるだけ発表する。
ギャラリー空間をコルメナのみんなの作品で覆い尽くす。
ただ情報量が多くなりそうなので、作品同士が潰しあわない様に気をつける。
そして、また新たなテーマが生まれた。

「集積」

コルメナの10年間の積み重ね作られてきた作品と、展示プランが繋がった言葉。詳細は追って。


2020年11月7日
展覧会趣旨「集積」
何かを継続し、積み重ねていくと、その作業に伴う思いには、目には見えませんが、確かな重みが生まれると信じています。今回の展示会では、コルメナという場所で積み重ねられた沢山の方の思いや時間、その集積された質量を感じ取って頂ければと思っています。


2020年11月21日

「コルメナアート展 ~10年の歩み~」の開催中止のお知らせ。

11月27日〜29日に開催を予定していた「コルメナアート展 ~10年の歩み~」ですが、大阪府内、および会場のある高槻市内で新型コロナウイルスに感染される方の増加に伴い、開催を中止することに致しました。

作品展を楽しみにして下さっていた皆さん、その準備に協力して下さっていた皆さん、何より作品作りに励んでこられたコルメナの利用者さんたちの思いを考えると、非常に辛い判断です。

しかし、作品展に関わる全ての人の思いや時間に伴う質量は、作品展が中止となっても、確かに存在しています。それを皆さんにも体感して頂けるよう、オンライン展覧会という方法で検討に入っています。詳細が決まりましたら、改めて案内を致します。引き続きよろしくお願い致します。

「コルメナアート展 ~10年の歩み~」
スタッフ一同


2020年11月22日
展覧会が中止になりましたが、イベントぺージでの投稿は、引き続き更新します!!
オンライン展覧会の準備のために非公開ではありますが、展示を行います。その準備風景や展示風景、観覧風動画などを更新予定です。
引き続きよろしくお願いいたします。


同日
展示テストを行いました。28人ひとりひとりのたくさんの作品があります。全部展示したいのですが、展示場所の限りがあるので、できるだけ多くを見てもらえる方法で、展示をします。


2020年11月25日
明日11月26日は、オンライン展覧会のための搬入設営を行います。11月27日〜29日の3日間は、展示風景の一部を動画配信します。簡単なものかもしれませんが、雰囲気を味わっていただければ幸いです。

(会場にて展示作業中)

2020年12月1日
先日、「コルメナアート展 ~10年の歩み~」のオンライン展覧会のための展示が無事終了しました。今展覧会に関わっていただいた皆さん、本当にありがとうございました。そして、このイベントページを見ていただいた皆さん、ありがとうございます。

中止になってからも、イベントページを観覧、反応していただいていた方もいて本当に嬉しかったです。続いて、お詫びです。。中止のお知らせが行き届いていなかったせいで、足を運んでいただいた方がおられます。観覧をお断りをしてしまった方々、申し訳ありませんでした。

展示スペースの壁面を埋め尽くす作品量で、テーマである ~10年の歩み~ が伝わる展示になったと思います。皆さんには、写真、動画にて、できるだけ展覧会の空気感を感じていただければ幸いです。

 (展示風景)

(設営後にスタッフのみで作品を眺める)

(会場内の360°映像)

【そしてアーカイブ化へ】

展覧会が中止となった後の3年間、私たちも幾度かのクラスターを経験しました。本当に長い3年間でした。

アート展の記録を整理する時間もありませんでした。ようやく状況が落ち着き、私たちも余裕ができ、記録をまとめる作業ができるようになりました。

作業を進めるうちに、アート展のアーカイブを残すだけで良いのか。そのような問いが私たちの中に出てきました。

【ホームページの刷新】

10周年アート展の目的であった、より多くの方に利用者の方の作品をみていただきたい。中止となったアート展の記録を残すことで、私たちはその目的に向かって進んでいます。

しかし、アート展の記録は、10年目までのコルメナでの活動の記録に留まります。利用者の方はコロナ禍の中でも筆を止めず、縫い針を動かし続けてこられました。今までの記録だけでなく、これから生まれる作品も同じく発信する場が必要だと思うようになりました。

今回のクラウドファンディングの活用にあたり、10周年アート展のアーカイブページ作成と併せて、コルメナのホームページも刷新したいと考えています。

利用者の方々は高い評価を受けられるだけのものを作られています。あとは、支援者である私たちが、それらの作品をどう世に出していくかだと思っています。そのためにもホームページとそれに連動するSNSの刷新を図ります。

(新しく作るホームページの構成案)

【2024年版 コルメナアート展の開催!】

 中止となった10周年アート展に以降の4年の歩みを加えて、2024年にアート展を開催予定です。WEB上では味わえない、筆づかいや一本いっぽんの糸の重なり、それらを間近でみていただきたく思っています。今回集まった寄付金の一部は、そのアート展の費用にも充てさせていただきます。


【なぜクラウドファンディングを活用するのか?】

2023年5月以降、新型コロナウイルスが季節性インフルエンザと変わらない扱いとなり、社会全体としてコロナ以前の日常を取り戻しつつあるかと思います。コルメナも社会の流れに比べて少し緩やかではありますが、日常が戻ってきています。

しかし重症化しやすい障がいのある方が集う施設としては、今も感染対策を続けています。当然ながら出費はかさみます。10周年アート展のアーカイブページ、またコルメナのホームページの刷新をするにも、費用が掛かります。感染対策の費用が変わらず出ていく中、クラウドファンディングを活用することでそれらの費用を用意出来ればと願っています。

同時にクラウドファンディングを通して、コルメナを知らない方々にそこで作られる作品や活動を知っていただけければと思っています。

【資金の使い道】

特別サイト開設費:約20万円
ホームページ開設費:30万円
リターンの製作費*:約30万円〜
アート展開設費(場所代、掲示作業代等):20万円
アート展のチラシ(デザイン・印刷費、発送費用):10万円 new!
アート展と同時開催のワークショップ費用:15万円 new!
コルメナの製品のタグなどのデザイン・製作費用:15万円〜 new!


製作費*:下記の【リターンの製作費について】を参照下さい。

【募集方式について】

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

【リターンの製作費について】

コルメナの利用者の方が作成した刺繍・デザイン作品などは、製作費の一部を利用者の方に支払います。
リターンの製作費は、おおむねリターン額の30%として設定しています。その金額から各リターンの仕入価格を引いた額が、利用者の方への支払額となります。支払額は各リターンに記載しております。

【著作権・肖像権】

本プロジェクトページに掲載しております画像・写真には、すべて著作権・肖像権が付与されています。また各リターンの説明に添えている利用者の方のイラスト等の画像データには、複製防止を目的としてイラスト等に掛かる形でコルメナのロゴのスタンプを押しております。ただし製品にはスタンプは押しておりません。

【日々、コルメナの活動を協力して下さっている皆様を紹介します】

認定NPO法人プール・ボランティア

(左:織田智子様(事務局長) 右:岡崎寛様(理事長))

1999年に大阪で設立された日本で最も古いスポーツNPO、事業型 NPOとして活動。2017 年に「大阪府条例指定NPO」に、2018 年に「認定NPO」となる。2021年に「グッドガバナンス認証」を取得。大阪マラソンのオフィシャル寄付先団体として、7年連続採択されている。

「水の世界もバリアフリーに!」を合言葉に、現在、大阪市を中心に市民プールで、毎年のべ約 4,000 名の障害者を泳げるボランティアがマンツーマンで水泳指導やプール・リハビリを行う。その他にも、企業やプールの指定管理者を対象に「障害者対応研修」を開催し、障害者のプール利用についての理解を深める活動やプール・オンブズマン活動も行っている。

また、日本で初めてのプール専用車イス(サンダーバード1号)や、重度身体障害者のための浮き具「うきうきくん」なども製作販売している。2018 年度からは「ヘルプマーク・スイムキャップ」を全国に無償配布、2021年からは、障害者水泳指導者養成研修(体験型)も実施。

受賞歴も多く、2019 年度にはスポーツ振興大賞、2020年には読売福祉文化賞、2021年には社会貢献者表彰などを受賞し、2021年の保健文化賞の受賞では、皇居にて天皇、皇后陛下から拝謁を賜る。

※プール・ボランティアは登録商標です。


大歳芽里(おおとしめり)

(PHOTO:白井孝明)

昭和音楽芸術学院バレエ科卒業。音楽家、劇団、ヴィジュアルアーティスト等と共演を重ねる。仏のアンジェ国立現代舞踊センター、振付コース修了。ノーマライゼーション高槻「コルメナ」、放課後等デイサービス「レモン②レモン」にて、さまざまな障害をもった人や子ども対象のレギュラークラスのほか、京都保健衛生専門学校看護学科ボディワーク講座の講師、小学校や施設、カフェなどでワークショップ講師も行う。他の分野におけるダンスの可能性を探り、身近なところにダンスを広げる活動を進めている。


出川晋(でがわしん)

(PHOTO:内堀義之)

美術家、舞台美術家。1986 年島根県生まれ。

2010 年京都精華大学芸術学部卒業。在学中から美術作家の井上信太に師事。美術や舞台美術の在り方を学ぶ。 各家庭で遊ばれなくなったぬいぐるみやゴミ、漂流物などを使い、造形物やインスタレーション作品を制作する。
また、ワークショップなど京都を拠点に精力的にアート活動を行なっている。
コルメナでは、2013年から陶芸、絵画、美術ワークショップなどの講師を行う。2020年、展覧会「コルメナアート展 ~10年の歩み~」では、ディレクションを務める。


(お名前の五十音順で掲載しております)

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豊田真一君と私は、教会や若手経営者勉強会の研修生として知り合いました。私が感銘を受けたのは、当NPO法人ノーマライゼーション高槻の熱い確かなビジョンです。知的障害者の方々と真摯に向き合い、ひとりひとりの個性を発見、豊かにすることに努めておられます。又、知的障害者の方々の自立を支援することを通して自身と希望ある人生が歩めるようになることを願い、日々、懸命に取り組んでおられます。その決意の強さに感動を覚えました。今回のアート展、クラウドファンディングが成功するためにも、多くの方々のご協力を賜りますように心からお願い申し上げます。

株式会社チュチュアンナ 
会長 上田利昭様

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みなさん、こんにちは。

NPO法人プール・ボランティアで理事長をしております岡崎です。

私たちは障害者にマンツーマンで水泳指導をするという活動をしております。その関係でNPO法人ノーマライゼーション高槻のみなさんとは、いつも懇意にさせてもらっていますが、誠実で地に足をつけた真面目な活動には、いつも感心させられます。今回、クラウドファンディングで100万円を集めるという目標を掲げていらっしゃいますが、私たちも寄り添ってしっかり応援したいと考えています。

障害者によるアートの素晴らしさは、すでに知られていることですが、もっともっと多くの人たちに知ってもらえればと思います。

NPO法人ノーマライゼーション高槻のみなさん!頑張れ!


認定NPO法人プール・ボランティア 
理事長 岡崎寛様

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「コルメナ」アート展の開催を心待ちにしています!4年の時を経て、今、アーティストたちの制作意欲は最高潮だと期待しています。

作品から溢れ出てくるものは、アーティスト一人一人の言葉であり、思いや考えであり、希望や願いであり、エネルギーであると感じます。作品の魅力に惹き付けられる誰もが、アーティストとのコミュニケーションの楽しさに誘われることでしょう!

梅花女子大学心理こども学部心理学科 
教授 閑喜美史様

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このたび、ノーマライゼーション高槻さんはコルメナの事業をさらに広く発信し、コルメナを利用されている皆さんの活動にご理解とご協力をいただくために、クラウドファンディングを実施されることになりました。コルメナに通う皆さんが制作されたユニークで魅力的な作品-手芸品、陶芸、絵画他-はすでに長く広い関心を集めてきましたが、今回のクラファンを通して、その活動内容がさらに充実したものとなり、またその成果をお伝えする機会が増えることを願っています。コルメナ応援団の一人として、そのかけがえのない活動へのご協力をお願いする次第です。

同志社大学
名誉教授 水谷誠様

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「コルメナ」は知的障がいのある方の生活において、「当事者が望む暮らし」の実現を支援する目的で開設されました。「選択の幅を広げるために」という設立理念に表されるとおり、これまでの少ない進路選択の幅を広げることは、その方々の人生の豊かさにつながることに他なりません。2010年の設立以来、地域に深く根差し、いわゆる福祉分野の枠にとらわれず、新しい仕事の開拓にも精力的に取り組まれてこられました。例えば、利用者が書かれた小さな絵を連続複写して1枚の包装紙として売り出され、プレゼント用に選択する包装紙として立派に存在感を示しました。

この様に利用者の皆様の創作活動も個性が発揮されて素晴らしく、この活動を紹介するアート展の改めての開催と共にコルメナの日々を多くの方に知っていただけるようHPからの発信にも期待します。そのために皆様のお力添えを心からお願いいたします。

元高槻市議会議長 
橋本紀子様

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応援をありがとうございます!


【代表と副代表からのメッセージ】


豊田真一 代表理事
ノーマライゼーション高槻は代表の私(豊田)と、コルメナの施設長であり法人の副代表も務めている植田聡子とが中心となり、選ばれる施設ではなく、選べる地域を作ることを目指して2008年に設立しました。

現在、障がいのある方が学校を卒業した後に行くところがない、ということは随分と減ってきたように思います。ですが、行きたいところに行ける、すなわち選べる環境があるかといえば、なかなかそこにまで到っていないと思います。そこにしか行けないから、そんな理由で人生の中での大切な選択がされるのであれば、そうした環境を少しでも改善したい。そんな思いでのスタートでした。

新しい施設が出来るということは、地域の中での選択肢が一つ増えるということです。ですので、まずは自分たちで新しい施設を作ろう。そうしてコルメナを立ち上げることにしました。

(今春行われたコルメナ開所13周年パーティーの様子)

しかし大阪府内で初めてNPO法人が生活介護事業を設立するということもあり、正直なところまわりの反応は厳しかったです。出来るはずがない、スタッフは集まるのか、そもそも誰も必要としていない。

不安になる声ばかりの中、私たちの取り組みを後押しして下さる方々も増えてきました。応援してくださる方のお声に励まされ、2010年3月にコルメナを開所することが出来ました。

そうしてできたコルメナが、3年前に10周年を迎えました。10周年にあわせてアート展を企画しましたが、コロナ禍が始まりやむなく開催を見送ることとなりました。今回、アート展のアーカイブ作成と合わせてコルメナのホームページの刷新、来年度のアート展の開催のためにクラウドファンディングに挑戦します。これを機会にコルメナに集う方々の作品をより多くの方々に知って頂ければと願っています。



植田聡子 代表理事(コルメナ施設長兼務)

(アート展の開催後に出川さんが、植田に行ったインタビューの内容をまとめたものとなります)

初めて障がい者の方に興味を持ったのは、私が25歳のときに生まれた長男が自閉症だったからです。子育てはすごくつらかったです。言葉でのコミュニケーションが取れず、よく動くし、いつも興味のあるものに走って行き、目も合わないしで、一緒に遊べない。どうやってコミュニケーションを取るかということを常に考えて子育てしていました。

おもちゃで遊ぶようになった頃、車のおもちゃのタイヤを回すだけであったり、同じ色を集めて並べるだけでした。積み木もするのですが、色ごとに並べることが多く、自分の決まり事があって並べていたんだと思います。私は、それをただ見ているだけで、一緒に遊べないということがつらかったです。

そんな時、一緒に遊ぶには本人と共に楽しんで分かろうとするしかないと思い、私も一緒になって息子の遊びに入っていきました。そうしたら、彼と目が合うようになり、私に興味を示してくれたんです。一生懸命関わったから、すごい共有ができたと実感した瞬間がありました。

彼は色の配置にこだわっていることが分かり始め、もしかしたら絵具や色ペンなど、他のものに繋げていけるかもしれないと思いました。

粘土遊びもしました。車が好きだから、粘土を団子にしてタイヤを作り、車になるよって教えたら、それをまた並べて繰り返して遊んだんです。そして、ある時から自分でできるようになって。吸収がすごく早くてびっくりしたんです。

粘土でつくった車最初は、私の真似をしてやり始めたんですが、他にも粘土で家を建てたり、木を作ったり、道を作り、車を走らせたりと、どんどん世界が広がっていきました。自分で作って遊べるようになっていったんです。

初めはそこまで広がるとは思っていませんでした。すごく可能性があるんだなってことを実感して、私が関わったことで彼の世界が広がるということが分かり、とても嬉しかったです。

それまで子育てがすごくつらかったけど、面白いと思えるようになりました。そこから、障がい者の方と関わる仕事がしたいという想いへと繋がっていきました。

そのときは、とにかく勉強してみようと知的障がい者のガイドヘルパーの講習に行きました。行ってみたら、すごく楽しかったんです。実習先の施設で、私が楽しそうにしていたからだと思うんですが、施設の方から、ここで仕事をしてみたらとお誘いしていただいて、施設で働くことになりました。

仕事をしていく中で、うまくいくこともあれば、うまくいかないこともありました。

利用者さんたちが自分らしく生きられるようになるのはどうしたら良いかとか、利用者さんやスタッフの働く環境をもっとこうしたらなどと、いろんなことを考えるようになりました。最初は、子育てになにか役に立てばと思ってたことが、仕事となると色んな想いが溢れてきました。

その時の職場の先輩が豊田でした。

豊田も一生懸命仕事をしていて、私もいろいろなことを教えてもらいながら共に仕事をしていました。その中で、豊田と「ここはこうしたらいいよね」とか「こんな風に関わったらどうかな」と話すことが増えていきました。

この時には、豊田は独立を考えていて、私もぜひ手伝いたいという話をしていました。

豊田も私も若かったので、互いにおぼろげなイメージは持ちつつ、とりあえずやってみようと強い気持ちだけで動き出し、コルメナを作ることになります。

ただ、最初から利用者さんがたくさん来られたわけではありませんでした。

利用者さんに取り組んでいただくお仕事もあまりないし、何かできることはないかということで、作業の一環として刺し子をやり始めました。そしてこれが刺繍になっていくんです。

刺繍作品①初めは難しいかもしれないと思っていたのですが、やり方を少しずつ伝えていきました。針を点に刺すこと、次は線の上を縫っていくことと、一つずつ上達していき、できることが増えていきました。

そういったやり取りを見て、全くそういう取り組みに興味がなかった人でも、やってみたいっていう人も出てきました。

この過程を経て、改めて作るっていうことはいいなって思いました。


5年ぐらい経った頃です。ゆっくりですがステップアップしていく中で、出来上がったものを少しずつ販売するようになりました。高槻市で開催される手作り作家のマーケットで、バックや刺し子のブローチなどの販売を始めました。

刺繍作品②(①と同じ作者)何回か出店していく中で、「この手作り感が、すごくいい」と言って喜んでくださる方や、共感してくれる方の声を聞くうちに、自分自身とても勇気付けられ、自信へと変わりました。利用者さんたちも各々できることが増えていたということもあり、その頃からそれぞれの個性を生かしたものを作っていくことがいいのではと思いました。

刺繍が上達した人もいれば、自分でデザインを考えてできるようになった人もいます。縫うのが早くなった人もいるし、人によっては同じ繰り返しがすごく好きで、その出来たものがすごく面白いものになってる人もいます。

いろんな方がおられて、私は皆さんのファンで、面白いと思っていて、すごくいいところを本当に生かせるように私は支援できたらと思い続けています。

刺繍作品③(①の作者の最近の作品)

コルメナの利用者の方には、絵を描いてる人もたくさんおられます。

パッと見は同じ絵柄を描いているような人もいるのですが、よく見るとそれぞれ違っていて、色合いだったり、筆圧の強弱など、様々な表情の見える絵がたくさんあります。

その人は、多分同じ絵を描くことで安心されるから毎日絵を描いていると思います。

毎日、全然飽きずに同じことを繰り返しできて、それをだんだん広げていったら、アートになっているといいますか、面白いことになっているんです。

描いている本人は、アートをしてるっていうつもりはないと思います。芸術だと思ってるわけじゃないんです。その繰り返しの日常が心地いいからされてるっていう、そういうことなんだなって私は思っています。何かやろうと思って作るんではなくて。

自分らしく生きていくための一つの手段になったらいいな、という思いでやってきました。

 

そして、コルメナを始めてから10年が経ち(2020年)、今までゆっくりやってきた過程を発表できたらと思い「コルメナアート展~10年の歩み~」という展覧会をすることにしました。

展示場所も決まり、準備を進めていき、いざ搬入作業をするという4日前に新型コロナウイルス感染症の影響により、中止せざるを得ない状態になりました。一時は完全に中止にする予定だったのですが、なにかの形で見ていただけるのではないかとスタッフと相談し、展示作業だけを行い、展示風景を記録しました。

 

その時の様子を、WEB展覧会にて少しでも皆さんに見て、なにかちょっとでも感じてもらえたらと思っております。

特定非営利活動法人ノーマライゼーション高槻

設立趣旨「選択の幅を広げるために」
ノーマライゼーション高槻とは、知的障がい者の方の生活を支援することを目的として活動をしているNPO法人です。 私たちの最初の取り組みは、2010年3月に知的障がい者の方を対象とした通所施設を高槻に開設したことです。障がいのある方が選べる施設を増やすことで、その方の人生の幅が少しでも広がればと願ってのことです。

しかし私たちが目指すことは、単に一施設を作ることではありません。知的障がい者の方が、本当の意味での自己選択・自己決定の出来る地域を作ることを目指しています。そして、その思いを発信していくことこそが、私たちの使命であり理念です。


法人の歩み
2008年11月 法人設立

2010年  3月 生活介護事業所「コルメナ」開設

2010年10月 ウォールクライミングクラブ「フィスツ」創設
(2021年9月活動終了)

2012年  3月 分場施設「コルメナ・プラス」開設

2012年  4月 学習塾「惠輝塾」創設

2018年  3月 共同生活援助事業「睦月荘」開設

2021年  8月 睦月荘の従たる住居「皐月荘」を開設

(PHOTO:竹田武史)

代表理事  豊田 真一  

大阪府出身。立命館大学理工学部中退。同志社大学神学部編入学。同学部卒業後、一般企業での勤務等を経て、知的障がい者の方の支援施設に入社。生活支援員としての経験を積んだ後に、2008年にノーマライゼーション高槻を立ち上げる。


副代表理事  植田 聡子

京都府出身。成安造形短期大学造形芸術染織専攻科卒業。自閉症の長男との関わりから、障がいのある方の生み出すアートに興味を持ち、障がい児向けのワークショップ等を開催する。ノーマライゼーション高槻には副代表として設立から携わり、現在はコルメナの施設長も兼任している。



最後までご高覧いただきましてありがとうございました!
ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
  • 2024/03/26 15:59

    お待たせいたしました!皆様にご支援いただきました、10周年アート展のアーカイブページが完成しました。中止となったアート展の雰囲気や、「集積」という趣旨が伝わる形になったかと思います。PC画面とスマホ画面とではトップページに表示される作品が異なります。ぜひ切り替えてお楽しみください。https:...

  • 2024/01/19 14:14

    コルメナの利用者の方が、リターンの一つのイラストを描いて下さっています!なおリターンに関しましては、全種共に2月中旬〜下旬の発送予定をしております。もうしばらくお待ちください。

  • 2023/12/27 10:22

    一昨日、無事に本プロジェクトを終了することが出来ました。当法人として初めてクラウドファンディングに挑戦するということもあり、どれだけのご支援をいただけるか不安を覚えながらのスタートでした。しかし結果としましては目標額を上回るご支援を頂戴することができ、本当に嬉しく思っております。皆様からのご期...

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