ー目次ー
①はじめに
②和紙への想い
③ここに辿り着くまで〜和紙雨傘「優雨(やささめ)」の誕生
④商品について
⑤心強いパートナー
⑥支援の使い道と今後の展望

①はじめに

はじめまして。【優雨 yasasame(やささめ)】の名倉奈央子と申します。
私のページに興味を持ってくださりありがとうございます。

この度、私が挑戦したいことは、落水和紙を生地に用いた雨傘作りです。
現在、私は子育てをしながらこの雨傘作りに挑戦中です。
和紙で雨傘を作ろうと思ったきっかけは、20代の頃に参加し始めた「美濃和紙あかりアート展」で、和紙という素材がもたらす優しく美しい光に魅せられたからです。
結婚を機に勤めていた照明メーカーを退職し、子育てをしながらいつか和紙を使ったものづくりがしたいと思いながらも、家庭のことで手一杯の日々を過ごす中、コロナ禍を経てもう一度ものづくりをやってみようと、この度クラウドファンディングに挑戦することにいたしました。

「和紙」と聞くと厚い和紙を使った和傘をイメージされることも多いかと思いますが、私が作る傘は薄い和紙を使った洋傘です。傘生地に用いる和紙は光を美しく通す薄い和紙です。
その中でも今回使用しているものは、抄いたばかりの和紙にシャワーなどで水を落として水滴模様をつけた落水和紙と呼ばれるものです。(出典:和紙専門店「Washi-nary」HPより)

ともすれば少し憂うつになりそうな雨の日。
そんな日に、和紙を通した時の優しく心地良い光に包まれることで、遠くにいるかもしれない誰かの心が少しでも安らいで欲しい。そして、その安らかな光をもたらす和紙の美しさを知って欲しい。
その想いを胸にこの雨傘を作りました。


②和紙への想い

今から20年程前に初めて参加した岐阜県美濃市で開催されている「美濃和紙あかりアート展」で、和紙を通した時の光の美しさや柔らかさに、なんとも言えない心地良さを感じたことが始まりです。
(出典:美濃和紙あかりアート展Instagramより)

その頃私は照明メーカーに勤めており、ガラスや樹脂を扱うことが多く和紙に接する機会は少なかったのですが、その時に偶然参加したあかりアート展で和紙という素材に魅了されました。
和紙はその薄い一枚の中で繊維が複雑に絡み合っているため、そこに当たった光が様々な方向に乱反射することで光がとても柔らかく優しいのです。
これは和紙調の印刷ではなく本物の和紙だからこそ感じることのできる光です。


③ここに辿り着くまでの経緯〜和紙雨傘「優雨(やささめ)」の誕生

結婚を機に照明メーカーを退職後、しばらくはものづくりから遠ざかっていたのですが、その頃に借りていた家に障子があったことで「やっぱり和紙を通した光は心地良いな」と思い、ふと、障子を自分で作るのは難しいけれど、他に何か光を通すもので自分で作れるものはないか、、、なるべく大きな面で和紙を使えるものはないか(和紙を大きな面で使うことで和紙の魅力をもっと知ってもらえるのでは)、、、と考え浮かんだものが「傘」でした。
ただ、和紙の傘と言っても、自分が作りたいのは厚い和紙ではなく薄い和紙「落水和紙」を使ったいままでに無い美しい傘。
そしてそんな薄い和紙の傘を雨の日に使いたい。

なぜ雨の日か。
和紙の傘を作りたいと考えた時に、和紙を通した時の光の美しさや和紙の魅力を知ってもらいたいというのもありましたが、もうひとつ、少し憂うつになりがちな雨の日に、うっすらでも和紙を通る光の心地良さを感じてもらうことで、おおげさかもしれませんが、どこかの誰かの心に少しでも優しく寄り添うことができたら、こんなに嬉しいことはありません。
私自身、和紙や和紙を取り巻く街や人に心を助けられたからです。

そして、ここからが長かったのです。
薄い和紙を雨傘の生地にするにはどうしたら良いか。。。浮かんだことがラミネート加工でした。
いまから10数年前、アイデアが浮かんでから自分で試作したものの、生地がゴワゴワとなり雨傘としては使いづらいものでした。
この想いを実現するためには、メーカーさんが持つものづくりの技術が必要だと考えました。

そこで、子育てをしながら、ネットで検索してはメールや電話で問い合わせました。
名も肩書きも無いため、相手にされないことややったことがないからと断られたことも数多くありました。一方で肩書きが無いからこそなんでも聞けるという強みもありました。

10数年の間に良いところまでいったかと思うと失敗したり、家庭の事情で中断しながらも、協力してくださるメーカーさんとの出会いもあり、細々ではありましたがなんとか続けていました。
ただそうは言っても、なかなか思うような生地作りができず、ひとりでやっていることもあり正直心が折れていました。

そんな中、世界を覆った新型コロナウイルス感染症。
その時「自分はどうしたいのか」をとても考えさせられました。
子育てを始め何かと理由をつけて諦めていた傘生地作り。
コロナをきっかけにもう一度だけやってみて、これでダメだったら諦めよう。
そう思い、再びネット検索を始めました。

そしてそこでの出会いにより、10数年越しの想いを形にすることができたのです。

④商品について

●親骨の数と長さ:12本×60cm

●開いた時の直径:約102cm

●全長:約89cm

●重さ:約445g(春雨)/約460g(時雨)

●生地の素材:和紙、ポリエチレン加工

●親骨の素材:グラスファイバー

●中棒の素材:白木(ラミン)

●持ち手の素材:竹

●開閉:手開き式(安全カバー付き)・金具類はゴールド色です

・傘生地の外側はツヤ感があります

・竹の持ち手には紙糸製のオリジナル手作り飾りが付きます

・生地(和紙とラミネート加工)は国内にて企画・製造し、海外で傘に仕上げております
※特殊な生地のため国内で傘にすることが難しいため

【春雨】


【時雨】【春雨と時雨の和紙模様の違い】


⑤心強いパートナー

10数年の間にたくさん断られたり出来なかったりの中、名も予算も無い、個人のため作れる数が少ないにも関わらず、前向きに検討してくださった熱い方たちとの出会いでここまで来ることができました。

■丸重製紙企業組合/岐阜県美濃市■
和紙との出会いとなった岐阜県美濃市。
美濃と和紙を元氣にするという使命とともに和紙のことを発信し続けている丸重製紙企業組合さん。今回の雨傘のひとつである「春雨」和紙をお願いした会社です。
お世話になったのが、和紙ブラザーズこと辻晃一さんと辻将之さん。
私のものづくりへの気持ちがどの程度のものか、交わす言葉に考えさせらることがたくさんありました。
いつも私に新しい気付きをもたらしてくれるお二方です。
(出典:丸重製紙企業組合Instagramより)

■江南ラミネート株式会社/愛媛県四国中央市■
この和紙雨傘を実現するにあたり最も難題だったことが、薄く穴の開いた落水和紙を雨傘の生地にする=ラミネート加工でした。
和紙のラミネート加工自体はすでに世にあり、そこまで珍しいものではありません。
ただ、伸びない和紙にある程度伸びてかつ丈夫、そして薄いラミネート加工となるとなかなかこれが難しい。
いろいろ試作してもらったり、これぞと思った商品を見て製造先に問い合わせたりしましたがうまくいかず、正直このラミネート加工のことが元で心が折れていました。

その頃に世界を覆った新型コロナウイルス感染症。
これをきっかけに「自分はどうしたいのか」を考えさせられ、再びラミネート加工会社探しを始めました。
相変わらずネットを検索しては問い合わせの日々。
そして見つけた愛媛県四国中央市の江南ラミネート株式会社さん。
初めてHPを拝見した時に、社員の皆さんが楽しそうで雰囲気が良い会社だなという印象を持ちました。

(出典:江南ラミネート株式会社ブログより)

ここに問い合わせてダメだったら諦めよう。そう思い問い合わせたところ、個人にも関わらず少量の試作に対応してくださいました。

遠方ということもあり、サンプル作成などしばらくはメールでやり取りをしていたのですが、生地のイメージを伝えるためには直接お話したい!と思い、長期休みに家族に四国へキャンプに行こうと誘いつつ(笑)江南ラミネートさんを訪ねることができました。

ずっと対応してくださっていた石川さんとお話することができ、また、貴重な工場見学もさせていただき、やはりものづくりの現場は楽しいなあとあらためて思いました。
(出典:江南ラミネート株式会社ブログより)

石川さんに今回のラミネート加工についてお聞きしたところ「薄い紙にラミネートを行うことはカールやシワの発生リスクが高まりとても難しいのですが、温度調整やテンションを調整するなど長年の経験で培った技術を生かし、とても薄くて、さらに穴の開いた紙をラミネートすることができました」とのこと。
今回の傘生地作りを通して、少しでも日本のものづくりに貢献できたら嬉しいです。

■ひだか和紙有限会社/高知県高岡郡■
ラミネート加工の目処がついたこともあり、和紙生地をもう一種類作りたいと考えていた時に、和紙会社がたくさん載った素敵な表紙の本を見つけ、その中から傘生地にできそうな薄い和紙を作っている会社に何社か問い合わせました。
やはり、どことも1度に作る量が多く、量・費用ともとても個人では対応できませんでした。
そんな中、高知県高岡郡のひだか和紙有限会社さんが少ない量でも対応可能だと知り、この度の雨傘「時雨」和紙をお願いしました。傘生地作成の前に「時雨」和紙のサンプルを取り寄せたのですが、この和紙で傘を作りたい!絶対きれい!と心踊ったことを覚えています。
そしてその和紙で試作をし、担当してくださった鎭西さんに進捗状況をご報告すると大変喜んでくださったこと、私の気持ちをよりいっそう奮い立たせてくれました。
(出典:ひだか和紙有限会社Instagramより)

■株式会社小川/愛知県名古屋市■
そして、この長い道のり、私の傘作りに並走してくださったのが、株式会社小川の小川さんです。
小川さんのサポートのお陰でここまで傘作りを続けて来られました。

最初に問い合わせたのがもうかれこれ10年近くかもっと前だったかもしれません。
HPには「しゃべる傘創ります」面白い会社だなという印象を持ちました。
当時、窓口は社員の方だったのですが、その方から「名倉さんのやりたい傘は社長に話してみるのがいいかも」と小川さんを紹介されました。
その後、実際お会いして話をした時の、傘やものづくりに対しての熱い想いには大変感銘を受けました。
私が個人で、しかも和紙生地自体できるかどうか何の保証も無い中で、生地のサンプルを持って行くたびに試作をし、時にはメーカーさんまで一緒に足を運んでくださいました。
また、傘作りをする上での様々なアイデアや異業種の勉強会にもお誘いしてくれました。

先日、ずっと気になっていたことを小川さんに訊ねました。10数年前、突然連絡した肩書きも無い一個人のアイデアになぜ協力してくれたのですか?と。

小川さんは「これを話し出すと長くなるよ〜」と熱く語ってくれました。
(Photo:Instagram@k.y.o_photo)

話は小川さんのお祖父様のことから始まりました。
「1933年(昭和8年)に祖父と祖母で立ち上げた商売、戦争があったりで売れない時代が続きました。
1949年(昭和24年)に法人として株式会社小川商店を設立、傘といえばコウモリ傘=黒い傘が当たり前だった時代に、祖父は機械メーカーの方と一緒になって自ら圧着機を開発し、当時貴婦人の間で使用されていた洋ものの日傘にビニールを熱で圧着させるアイデアで、今までに無い新しい雨傘を作ったのです。
その後の1970年前後は、ファッションアイテムとして輸出したビニール傘が海外で大ヒット。
バブルがはじけ1980年代に入ると価格競争が激しくなり、製造拠点が海外に移っていくようになりました。
そして、自分に代わった1992年以降2000年代に入ると、年間7000万本ものビニール傘が捨てられるような時代になりました」と。

傘が好きで、会社の理念は感動創造企業。
ビニール傘全盛の時代だからこそ、感動を与える傘を作りたい。
そんな時に「薄い和紙で雨傘を作りたい!」と訪ねたのが私だったそうです。

私自身、この傘を創りたいと思ったきっかけは、和紙を通った時の光の美しさに感動したことです。感動は特別な時でなくても日常にたくさんあることを、新型コロナウイルスがもたらした日々を通じて思い知らされました。

日々の暮らしに小さな感動と優しさを与えてくれる和紙の雨傘を作りたい、その想いが小川さんに届いたのかもしれません。

こうして、和紙・ラミネート・傘と業種は違えど、熱い想いのある皆様に支えられ、このたび和紙の雨傘を形にすることができました。

この傘があなたの日々に安らぎと小さな感動を与えられますように!


⑥支援の使い道と今後の展望

支援の使い道としましては【商品の製造費】【商品の発送費】【CAMPFIRE手数料】に使用させていただきます。
また、今後の展望としましては、全国にある素敵な和紙を使って雨傘を作ったり、HP作成などを行っていきたいと考えております。

リターンについて

支援者の皆様には【CAMPFIRE】限定、通常価格¥16,500(税込)のところ、¥10,000のご支援で1本ご購入いただけます。

生地作りから始まり、一本一本を大切に製造しているため、一度に作る量が限られております。
まずは、今回作ったうちの20本(春雨×10本・時雨×10本)をご提供いたします。

実施スケジュール

プロジェクトの実施スケジュールは以下の通りです。

- 資金調達期間: 2024年1月20日〜2024年2月20日

- リターンの発送: 2024年4月〜2024年5月

この商品は特殊な生地のため国内で傘にすることが難しく、生地(和紙とラミネート加工)は国内にて企画・製造し、海外で傘に仕上げております。

また、和紙の特性上、透け感や模様には商品差がございます。
お使いのパソコンやスマートフォンの状況によって見え方に違いが生じる場合もございます。

あらかじめ、ご理解ご了承の上でご支援いただけますと幸いです。

なお、スケジュールは予定ですので、多少の変更が生じる可能性があります。

最後に

和紙を通した光に魅せられてから20年近く。
どこかの誰かの日常に優しく寄り添う。そんな雨傘を届けたいと想い続け、時に挫折しながらも熱い方たちとの出会いによって、ようやく形にすることができました。

この傘がきっかけとなり和紙のある暮らしの心地良さや和紙の産地に興味を持ってもらえたら。。。そして、日本のものづくりや和紙産地が盛り上がる一助になればとても嬉しいです。

どうぞ応援よろしくお願いいたします!

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