私たちは埼玉県宮代町で「イエナプラン」の理念に基づいたオルタナティブスクールの、2024年4月の開校を目指し準備を進めています。
宮代町は、首都圏としては比較的自然が多く残された埼玉県東部にある人口3万4千人の小さな町です。
市民活動がとても盛んな町で、住民有志で集まり町を盛り上げるためのイベント等が数多く開催されています。
イエナプランを導入した学び舎「みんなの家な学園」プロジェクト(小学生対象)は、2020年10月から毎週日曜日にイエナプラン・プレ授業を実施するという形でスタートし、現在3年が経過しました。
イエナプランのハートと言われている「ワールドオリエンテーション」を軸に、毎週日曜日にプレ授業を行ってきましたが、子どものありのままの姿を受け入れ、その子らしく学べる環境を用意することにより、子どもは学ぶ楽しさ・学び方を身につけ、主体的に自身を成長させていく、ということを強く実感しました。
このプロジェクトで実現したいこと
イエナプランの理念を体現することにより、すべての子どもたちの多様性が受け入れられ、安心して学ぶことができる学園になることを目指しています。
イエナプランの理念は、1992年にオランダ・イエナプラン教育協会で採択された「イエナプラン20の原則」に集約されています。
みんなの家な学園も、この「イエナプラン20の原則」をベースにして学園運営を行っています。
イエナプラン「20の原則」
~オランダ・イエナプラン教育協会採択・1992年~
「人間について」
・すべての人が、世界にたった一人の大切な存在で、それぞれ独自の価値観を持っている
・すべての人が、環境や背景に関係なく、自分らしく成長していく権利を持っている
・すべての人が、本物の社会や文化に触れ他者との関係を持つことで自分らしく成長できる
・すべての人が、ありのままの自分を受け入れられ、適切な対応をされる
・すべての人が、文化の担い手・革新者として受け入れられ、適切な対応をされる
「社会について」
・すべての人が持つそれぞれの価値観を尊重できる社会の実現に取り組まなければならない
・すべての人が、個性を伸ばし、成長できる社会をつくっていかなければならない
・違いや変化を受け入れられる社会づくりを実現しなければならない
・すべての人が世界を大事にし、注意深く守っていく社会をつくっていかなければならない
・自然や文化の恵みを未来に残すために責任を持つ社会の実現に取り組まなければならない
「学びの場について」
・学びの場とは、社会からの影響を受けると同時に社会に対して影響を与える場でもある
・学びの場で働く人は20の原則を基本に仕事に取り組む
・学びの場での学習内容は子どもたちの暮らしや経験、人々と社会の発展にも大切なもの
・よく考えられた教具、環境を用意したうえで学びの活動をおこなう
・対話、遊び、仕事、催しの、4つの基本的な活動を大事にする
・年齢や発達程度の違いがある子どもたちを一緒にすることでお互いの違いを学べる
・1人の自習学習とグループリーダーが指示・指導する学習をおこなう
・経験、発見、探究するために教科横断的な総合学習が中心となる
・行動や成績について評価する際は、子どもの成長という観点から本人と話し合う
・何かを変えたり、より良いものにするために。常日頃から考え、行動し、検証をする
プロジェクトに関わる全ての人間が、この20の原則をしっかりと胸に刻みながら、子ども達と向き合う時の指針にしなくてはならないと考えています。
カリキュラム(1日の流れ)
みんなの家な学園には、国語・算数・理科・社会といった先生が一斉に教える科目の授業はありません。農作や手仕事を通じた実体験から、国語的・算数的・理科的・社会的な能力等を身につけていきます。
9:00 登校
9:30 サークル対話
学習フィールドに到着したら、その日に行う学習内容や最近の出来事や気になること等について、サークル対話を行います。
10:00 午前の学び
ホンモノの体験から学ぶ総合学習(ワールドオリエンテーション)がメインとなります。子どもたちの問いや動機を大切にしながら、農作や手仕事といった実体験を、国語・算数・理科・社会等の教科内容と結び付けて学んでいきます。
12:15 昼食
無農薬で育てられた野菜を使用したランチをいただきます。週に一度は子どもたちが調理を行う自炊デイとなります。
13:00 午後の学び
子どもたちが自身でスケジュールを立てて学習を進めるブロックアワーがメインとなります。総合学習(ワールドオリエンテーション)で学んだ単元をより深めたり、足りない知識を補います。
15:15 サークル対話
その日の出来事等を振り返ります。
15:30 下校
4つの基本活動「対話・遊び・仕事・催し」
イエナプランで大切にされている4つの基本活動「対話・遊び・仕事・催し」は、大人の社会(生活)においても、とても大切なものです。
大人の社会で大切とされている活動を、社会で自立して生きることを学ぶ学校でこそ、しっかり学ぶべきであるとイエナプランでは考えています。
【対話】
自分を知り相手を知る。多様性を認め合う。対話の中から新しい答えを見出していく。人間社会で生きていくうえで最も大切な活動の一つです。
【遊び】
遊びの中から学ぶことは多くあります。人間関係の構築においても欠かせない活動です。
【仕事(学習)】
社会で自立して生きていく上で仕事(学習)は必要なものです。同時に自分の仕事(学習)が社会の中でどう位置付けられているのかを知ることも大切です。
【催し】
社会との接点を持つ場。仲間との、喜びや驚き・悲しみ等の感情を共有する場として定期的な催しは欠かせない活動です。
安心できる学習環境(場所)がない子どもたち
年間の出生数が80万人を割りこみ、少子化の加速が叫ばれているにも関わらず、不登校児童の数は増加し続けています。
子どもの学びを妨げるもの、それは様々な事情により子どもにとっての「安心できる学習環境(場所)がない。」ことだと、私たちは考えています。
私たちは、子どもたちの多様性が認められ自尊感情を育みながら安心して学ぶことができる学び場作りを進めていきたいと考えています。
目指しているビジョンは、すべての子どもたちの個性や価値観が尊重され、それぞれの子どもに合った多様な学び方や教育を受ける権利が保証される社会の構築です。
「子どもの幸せを追求する学校」を作りたい
神戸大学が2018年に「主観的幸福感を決定する要因の重要度」について調査研究を行いました。
上記の調査研究の結果、所得や学歴より「自己決定」が、人間の幸福度を上げるということが明らかになりました。
イエナプランの学び舎では、先生が一斉に教える科目の授業がない代わりに、子ども自身がスケジュールをたてて学習を進めるブロックアワーという時間があります。
また、イエナプランの教室はリビングルームのような環境にすることを大切にしていて、どこで誰と(もしくは一人で)勉強するかも、子ども自身が決めます。
このようにイエナプランでは、自分で考え、自分で決めて、自分で行動する。「自己決定」の場面が、日常の中に組み込まれています。
そして、イエナプランが普及しているオランダは、ユニセフの調査では、「子どもの幸福度ランキング」で世界1位を、長年獲得し続けています。
これは「自己決定」の場面が多い、幼少期からの教育の影響が大きいからではないでしょうか。
「子どもの幸せを追求する学校」
これが私たちが目指している理想の学校です。
共感していただける皆様と一緒に、この理想の学校を作っていけたらうれしいです。
●学園概要
学校名:みんなの家な学園
学校の形態:オルタナティブスクール
(近隣小学校での在籍・卒業扱いとなります)
募集定員:15名(予定)
クラス編成:小学1年生~6年生 (異年齢混合クラスになります)
給食:宮代町内で有機・無農薬で栽培された野菜を使用したランチを提供予定
送迎バス等:なし
指定制服等:なし
プレ授業参加の保護者様の声
・子どもの反応が、安心して、のびのびしてて、主体的で生き生きしてる感じがして、さらに子が達成感みたいなのも感じて帰ってくる感じが、親から見て幸せに感じてます。
・主体的な学びによって、いろいろな発見や知識が得られ、それが自信に繋がったり、また、対話によって人それぞれの考えを聞けるようになりました。子供の成長を感じることができます。ありがとうございます。
・親の方が最初はなんでみんなと協力してできないんだろうとか、なんでも口に出して相手の気持ちを考えられないんだろうとかすごくピリピリしてたけど、先生やまわりの方々が受け入れてくれたり、子どもの良いところを見つけてくれたので、私も子どもの成長をみつけてそれを伝えられるようになり良かったと思います。
・初めに参加した時から、楽しかったー!という子どもの反応でそれがずっと続いて、しかも増しています!しかも、「僕は、みんなの家な学園、すごくやる気がある」と言ったり、意欲的発言に親としては驚かされてます!「ジャガイモ100個以上とれると思う」とか学園のことを話題にすることもあってやる気を感じます。
・年齢という部分もあるかもしれませんが、最初の頃は「自分が自分が」という部分が大きかったですが、少しずつ仲間と共同する力が身についてきたと感じています。
・子供が自主的に伸び伸びと活動を出来る環境・雰囲気に感謝です。
・ただ言われたことをやるだけだったのが、積極的に何かを作りたい等と言って、主体的に関われるようになってきました。
・本人も楽しく参加しています。自分で工夫したり調べたりするようになったのを実感しています。
スケジュール
2024年1月31日 クラウドファンディング終了
2024年2月~ 古民家の整備・改修作業
2024年4月 オルタナティブスクール「みんなの家な学園」開校
資金の使い道
クラウドファンディング実施費用(手数料・リターン含む):60万円
古民家の整備・改修費用:90万円
教材費:50万円
みんなの家な学園では、その日の天候や学習の進捗によって、複数の学習フィールドを使い分けながら学習を進めていきます。
【なかのうえん(中農園)】
子ども達それぞれ、自分の区画で育てる野菜を決め、責任をもって育てた野菜を販売するところまで考えます。子ども達が主体となって計画・活動し、「ホンモノに対するホンモノの問い」を深めていきます。
【ひがしのいえ(東の家)】
築50年の古民家を、 自分たちの手で再生していきます。釘とトンカチを使ったり、壁にペンキを塗ったり、自分たちの学びの場を、自分たちの手で作る体験をしていきます。
今回ご支援いただいた資金は、古民家(ひがしのいえ)の整備・改修費用および教材費として使用させていただきます。
リターンについて
ご支援いただいた方には、ささやかながらリターンをご用意しています。
ご支援者いただいた方全員を、支援者限定「LINEオープンチャット」にご招待させていただきます。みんなの家な学園の新着情報やご支援くださった方限定イベントのお知らせ、学園イベントの情報等をupしたり、ご支援くださった方々同士がつながる事が出来るコミュニティページとなります。
また、子どもたちと制作した手作りのメッセージカードや、みんなの家な学園の授業体験、子どもたちが育てた新鮮野菜のご提供等もございます。
どうか少しでも多くの方にご支援いただき、子どもたちの多様性を認め合うイエナプランの学び舎づくりにご協力いただけたら幸いです。
最後に
これまでも多くの方に支えられて、この活動を続けてくることができました。この場を借りて心より感謝申し上げます。オルタナティブスクールの開校は、私たちにとっても新しい挑戦となりますが、未来を担う子どもたちのためにも、何とぞご支援・ご協力の程よろしくお願い申し上げます。
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
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