私が歌舞伎のお芝居を初めて観たのは高校2年の冬でした。

日本の伝統芸能というと能楽しか観たことがありませんでしたが、三味線やお囃子、拆の音といったところから、

だんまり、口上等の演出様式、歌舞伎独特の言い回しや台詞、女形の華やかな衣装、舞台装置・構成に至るまで、ひどく感動した覚えがあります。

日本の伝統芸能はこうも盛り上がって(派手に見せて)よいものなのかと驚く一方、この華やかな舞台に惹かれて歌舞伎座に足を運ぶようになりました。

特に上演中、観客席後方から小気味よい掛け声が聞こえておりました。後ほどそれが大向う*さんの掛け声だったことがわかり、観客側も歌舞伎の舞台に参加しても良いのだという新たな発見がありました。

大向う*:本来は舞台から最も遠い観客席を指す。この席に集う観客は芝居通が多く、大向こうから屋号を良い間でかける人が多数いたことから、現在では屋号をかけることを大向こうと称するようになった。

※大向うさんの掛け声の例はこちらから

※大向うさんのイメージ(こちらから引用)

歌舞伎には様々な演技の型があり(見得を切る場面等)、そのような演技の見せ場をさらに盛り上げてくれるのが掛け声であるのです。私自身、贔屓の役者さんが出演される舞台を見る時に、ここで屋号を掛けたい!と思ったことはこれまでも多々ありました。

初心者がいきなり掛け声を出すのは敷居が高い...ため、押すと掛け声を出してくれるボタンを作成したいと思いました。

※現状、素人の掛け声は舞台の全体の雰囲気を崩してしまう恐れもあるので、基本的に大向うさん以外に掛け声を出すことはしません。超歌舞伎**を除く歌舞伎座の演目は、この不文律が少なからず存在すると思っております。

超歌舞伎**:最先端技術を用いた歌舞伎、ニコニコ超会議や歌舞伎座で公演されました。2023年12月に上演された超歌舞伎はペンライトの使用や掛け声が歓迎されておりました。


大向うさんの立ち位置であれば、掛け声を通して歌舞伎の舞台に参加できますが、

一般的な観客層も良い!と思った時に何かしらの表現ができるような、観客参加型の舞台を目指してもよいのではないかと感じたのもきっかけの一つです。

かつては盛んだった大向うさんの掛け声も、現代では少なくなっている報告もあります***。単に過去の盛り上がっていた時代に戻る、という訳ではなく、時代の流れを汲み取りつつ、テクノロジー要素を取り入れた現代版大向うさん文化を活発にしたいと思っております。


***:坂部裕美子.歌舞伎の「大向こう」の時代変遷 : 過去の舞台映像から当時の劇場の空気を感じ取る試み.立命館大学アート・リサーチセンター.2019,19巻, p. 33-40.


そこで、歌舞伎が好き、もしくは興味がある皆さまへ。

大向うさんの合いの手、掛け声をできるのであればやってみたい方も多いと思います。今回はそんな「歌舞伎の大向こうさんの掛け声をしたい!」という気持ちを企画にしました。

もしくは、歌舞伎は敷居が高いけれども興味はあると思っている方。この企画を通じて、観客側として歌舞伎に参加する楽しさや独自の面白さを知って頂けたらと思います。


実際に12月の超歌舞伎でボタンを押してみました!(note記事はこちら




歌舞伎応援ボタンを使いながら掛け声を出すことで、歌舞伎に主体的に参加する楽しさや独特の文化について触れることができるのではないでしょうか。

この企画を通じて、歌舞伎座の公式グッズを目指したいです!(商標登録も含む)

リターンの体験会を通じて、観客参加型の面でこのボタンの使い方を再考できればと思います。


試作段階ですが、

・選べる音声(屋号の種類を豊富にする等)

・音量調整

・ボタン部分が光る

等の機能を実装中です。

今後は、ボタンの色や外箱の素材を検討する予定です。


2024年 1月 11日(木)クラウドファンディング開始

2024年 1月 24日(水)クラウドファンディング終了

2024年 2月 お礼メールの配信

2024年 5月 歌舞伎応援ボタンを押す会の実施


リターンの使い道は以下に使用させて頂きます。

・ボタン作成費用

・運営費(ボタンを押す会の実施用)

・商標登録費用

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