東京からの移住カップル&地元出身ソムリエがタッグ

まずは、このページをご覧いただきありがとうございます!
私たちは北海道の西部、積丹半島の付け根にある余市町という人口約1万8000人の小さな町に住んでいます。
「余市町」といえば、何を思い浮かべるでしょうか?
ニッカウヰスキーの余市蒸溜所がある町、リンゴやブドウの生産量が北海道で一番、 かつてはニシン漁で賑わった♪ヤーレン、ソーラン、ソーラン~♪の「ソーラン節」発祥の地……。自慢はいろいろとあるのですが、近年ではワイナリーが19軒、ワイン用ブドウの農家が50軒以上ある「ワインの町」として知られています。

このプロジェクトの主催者の實田(さねだ)有希と本間朋子は、3年前に東京からワインづくりを目指して余市町に移住しました。實田は、飲食店経験15年以上のソムリエ、本間は食と旅のライター・編集者でワインエキスパート。ワイン大好き!なカップルが余市町に引っ越して「地域おこし協力隊」として活動するなかで感じたことが3つありました。

(1)余市町では世界でも評価の高いすっごいワインがたくさん造られているのに、地元の方々はあまりワインを飲まない気がする……。気軽にワインを楽しめる場所が少ないから?

(2)ワインもウイスキーも地ビールもあって、魅力的な"お酒の町”なのに宿泊施設が少ない。泊まってゆっくり飲みたいよね?

(3)ワイナリーめぐりをしたいという観光の方が来てくれても、家族経営の小さなワイナリーが多いため見学を受け入れるのは難しい


……ありそうでナイ。それなら、自分たちで「飲めて、泊まれて、ワインづくりが見られる」場所をつくろう!と決意。動き始めたところで出会ったのが、余市町出身のソムリエ・藤澤和也でした。

藤澤は大学卒業後、臨床工学技士として函館の医療機関に就職。藤澤は「2011年に、大学に向かう電車の中で余市町がワイン特区に認定されたというニュースを見ました」と振り返ります。藤澤の母方の実家では食用ブドウを育てていましたし、ワインもわりと身近なもののはずでしたが、当時は〝自分には関係ない“と思っていたそうです。

しかしその後、藤澤も料飲の世界に飛び込んでソムリエ資格を取得。2022年に余市町に帰ってきてからは、「余市町の一大産業となったワインを通じて町を盛り上げていきたい」と思うようになりました。そこで、實田&本間と意気投合。

こうして私たち3人の挑戦がスタートしました!!町のシンボル「シリパ岬」をバックに。左から、實田有希、本間朋子、藤澤和也

プロジェクトの舞台、余市町はこんなところです!

ここで改めて余市町についてご紹介させてください。
余市町は、北海道の空の玄関口、新千歳空港から車で約90分、札幌・小樽などの都市部からも、ニセコ、積丹などの観光地からも1時間圏内と便利な場所にあります。 

町の北に日本海につながる石狩湾を臨むことから、江戸時代から海の交通が発達し、北前船の寄港地としてニシン漁で町の基礎が築かれました。いまでもニシンの卵であるカズノコをはじめとした水産加工業が盛んで、ウニやエビ、牡蠣、カレイ、アンコウなど、さまざまな海の幸に恵まれた町です。

北海道を代表する魚、サケ(鮭)もたくさん獲れます。川を遡上する前に海で生け捕りにし、新鮮なうちにメスのお腹からとり出した筋子(すじこ)は加工場で丁寧にほぐされて、キラキラのイクラとなります。

この余市町の浜で獲れたイクラの醤油漬は、「サ●ット」や「ラ●フ」などスーパーマーケットのプライベートブランド品として店頭に並んでいるそうです。
東京に住んでいた頃、こうしたスーパーで北海道産のイクラの醤油漬の商品は見かけたことがありますが、余市町産とはぜんぜん知りませんでした!

海だけでなく、丘の恵みにも恵まれています。
リンゴやブドウの栽培が始まったのは明治初期。なんと、リンゴの商業栽培に成功したのはここ余市町が日本初なんだそうです。明治・大正・昭和を通じて、全国からリンゴの買付人が訪れたり、ロシアにリンゴを輸出したりと、リンゴで町が潤ったといわれています。

余市町に本社のある「ニッカウヰスキー」も前身は「大日本果汁株式会社」という名前の会社で(日と果でニッカ)、地元のリンゴで「ニッカ林檎汁」というアップルジュースを発売していました。

余市町は、北海道にしては比較的温暖な気候のため、道内一の生産量を誇るリンゴやブドウ、ナシ、モモのほかにも、イチゴ、サクランボ、プルーン、ブルーベリー、クリなど数多くの果物が手に入ります。

う~ん、おいしい町なんです、余市町!

どうして「ワインの町」になったのか?

こうして余市町は、ニシンなどの水産物とリンゴを名物に発展してきたのですが、第二次世界大戦後にニシンが獲れなくなり、リンゴも青森県や長野県などほかの産地との競争で価格が暴落……。
そこで、リンゴに代わって1980年前後から栽培が始まったのが「ワイン用ブドウ」です。

サッポロビール、北海道ワイン、十勝ワイン、はこだてわいんなど北海道を拠点とする酒造メーカーが、余市町のブドウ農家が育てたワイン用ブドウを使ってワインを造るようになり、町内のワイン用ブドウ農家の数も増えていきました。余市町登地区の風景。ワイン用ブドウ畑とシリパ岬1980年代は、本州でも大手ワイナリーを中心として、ワインの本場のヨーロッパ等と同じ「ワイン専門のブドウ品種(ヴィティス・ヴィニフェラ)」の栽培に本格的に取り組み始めた時期です。

ここで少し、日本でのワインの消費トレンドをご紹介します。
日本でワインの生産や消費が広がったは、東京オリンピックや大阪万博が開催された1960年代、70年代の高度経済成長期です。西洋風の食事が一般の食卓にも浸透するにつれて、ワインの消費量も増えていきました。
時を同じくして、日本各地で地域おこしや地域振興を目的に、第3セクターやJA、地方自治体がワイナリーを設立。余市町でも1974年に、日本清酒株式会社による初のワイナリー「余市ワイン」が誕生します。この時、町も地域の活性化につながるとして積極的に支援したそうです。

1980年代、90年代は、フランスからの空輸便の到着がニュースにもなった「ボジョレー・ヌーボー」ブームや、ポリフェノールなど健康志向からの「赤ワイン」ブームが到来。
2000年代に入ると「ヴァン・ナチュール」と呼ばれる、人の手の介入しない「自然派」のワインに注目が集まり、企業ではなく個人が自分で育てたブドウでこだわりのワインを造り始めます。この流れは加速し、10年代には原料のブドウから国内で生産する「日本ワイン」ブームが起こり、今に続いています。ワイン用ブドウ「シャルドネ」いくつかのブームによって、多くの人がワインに親しむようになるのにつれて、もともと果樹栽培が盛んだった余市町は、ワイン用ブドウの産地としても知られるようになりました。先人たちの努力によって高品質なブドウが生み出されていることから、余市町には「ここで理想のワイン用ブドウを育てたい!」と日本全国から新規就農者が集まるようになったのです。

もう一つ、余市町が「ワインの町」となる動きを後押ししたのが、2011年の北海道初のワイン特区「北のフルーツ王国よいちワイン特区(ワイン特区)」の認定です。(←藤澤が大学に向かう電車の中で見たニュースです!)

通常、自分でワインを造るためには、年間6,000ℓ(ワインボトルで約8,000本)の規模がないと国税庁の許可がおりません。しかし町がワイン特区になることで、年間2,000ℓ(同約2,700本)で醸造免許が取得できるようになりました。

ワイン特区によって、小さな経営規模のワイナリーが余市町に数多く進出。2010年には、たった2軒しかなかったワイナリーが、2024年5月現在、なんと19軒にも増えたのです。
現在、北海道は、山梨、長野に続く全国3位のワイン用ブドウの生産地です。そして、その北海道の生産量の半分以上を占めているのが余市町なんです!

ワインを飲んで育つ豚、北島豚ワインポーク

こんな「ワインの町」余市町には、ワインを飲んで育つという何とも贅沢な豚がいます。その名も「カネキタ北島農場」のブランド豚「北島豚ワインポーク」です。
カネキタ北島農場、代表取締役の北島正樹さんカネキタ北島農場では、すべての豚のエサに抗生物質を使わずに、安心安全と徹底した衛生・温度管理下での飼育を行っているそうです。子豚にはアミノ酸を多く含むエサを、そして成長すると麦を多く与えることで、あっさりとしつつも旨味と甘味の強い肉質を実現。
この豚肉は「北島麦豚」として町内のスーパーや余市観光協会などで買うことができます。

私たちは余市町に移住し、北島麦豚を初めて食べてびっくりしました。

「コクがあるのに灰汁(あく)がない!」

焼き肉でもハンバーグでも美味しいのですが、しゃぶしゃぶ鍋で食べるとその実力がよくわかります。
灰汁とりをしなくても鍋のスープが濁らないんです。老若男女問わず、脂までおいしく食べられると自信をもっておススメできる豚肉です。

成長した豚に飼料の10%麦を与えることで、あっさりした脂と旨味が実現するそして、この美味しい北島麦豚をさらに、生後30日から90日に赤ワインを飲ませて育てたのが「北島豚ワインポーク」です。ワインを飲ませることで、もともとやわらかい肉の繊維がもっと細かくなり、上品なサシが入った肉質に仕上がるそうです。

札幌に本社があり、食肉の仲卸と加工を手掛ける「北一ミート株式会社」の代表取締役、田村健一さんは「ワインポークは、普通の豚と比べてとても味が良くて大きな豚です。ワインから適度なアルコールとポリフェノールをとることで健康的に大きくなるのかもしれない」と分析します。

しかも、この北島豚ワインポークに飲ませているのが、余市町にあるワイナリー「キャメルファームワイナリー」で醸造したワインなんですって。
こりゃあ、ワインに合うこと間違いなし!ですよね。

「北島豚ワインポークの美味しさと、
 ワインとの相性の良さを、多くの人に伝えたい!!」

こんな想いによって、私たちはワインだけでなく、「北島麦豚」「北島豚ワインポーク」もフィーチャリングした飲食店をつくることを決めました。

プロジェクトを盛り上げてくれる仲間を募集します!

はじめにお伝えしたように、このプロジェクトのゴールは「食べて、泊まれる、町なかワイナリーをつくる!」ことです。
今回はその第1弾にあたり、主に「食べて」を担う飲食店「ワイン、ときどき豚」のオープンに合わせて、クラウドファンディングを行うことにしました。

プロジェクトを展開する場所として、余市駅から徒歩3分、リンゴの小売店を営んでいた店舗兼住居を譲ってもらいました。築50年近い古民家の内装を土台から改修し、1階に飲食店「ワイン、ときどき豚」の店舗とワインセラーを設置。2階はゲストハウスとして6部屋を用意する予定です。

すでに改修工事に着手していますが、これが……山アリ、谷アリで……(笑)
「泊まれる」を担うクラファン第2弾で、詳しくご報告できるといいな、と思っています。

ゴールまでのスケジュールは以下を予定しています。

2024年4月
改修工事に着工

2024年6月18日(火)
飲食店「ワイン、ときどき豚」グランドオープン予定

2024年 夏ごろ

ゲストハウス「よいち!よいち!!よいち!!!」開業予定

2026年 秋ごろ

町なかワイナリー(名称未定)稼働予定

グランドオープンに先駆けて、2024年6月8日(土)、9日(日)の2日間、関連会社「株式会社さねともの庭」の畑で、初めてのワイン用ブドウ(シャルドネ、ピノ・ノワール)苗植えイベントを行います。
リターンの中に、このイベントに参加するメニューを設定しましたので、私たちのプロジェクトや余市町のワインなどにご興味のある方はぜひご参加下さいね。

終わりに。

私たちはワインが大好きなので、このプロジェクトを立ち上げました。
これまでお伝えしたきたように、余市町がブドウを育てワインを造るのに適した土地なのは間違いありません。
しかしそれだけでなく、海と大地の恵みに彩られたこの町がますます魅力ある土地になるように、そして住む人も、訪れる人も自然と笑顔がこぼれる場所になるように、精一杯、努力してきたいと考えています。

皆様のご参加、ご支援を心よりお待ちしております!


<ワイン、ときどき豚の営業時間>
夏時間(11月30日までの予定)
 ランチタイム :12:00-14:00
 ワインタイム :14:00-16:00
 ディナータイム:16:00-21:00(Food/20:00L.O. Drink/20:30L.O.)
定休日:木曜日

<プロジェクトメンバーの紹介>

 實田 有希 Yuuki SANEDA

神奈川県出身。学生時代の湘南・江ノ島の“海の家”を皮切りに、ショットバーやワインバー、ビストロなど飲食業界で勤務。2021年4月に北海道余市町に移住し「地域おこし協力隊 ワイン産業支援員」に着任。町内のワイナリーでブドウ栽培・ワイン造りの研修を積むと共に、毎週金曜は余市駅前のワインバーに立ち、道内外に余市町のワインやワイン文化を広げる活動を続ける。
JSA認定ソムリエ

本間 朋子 Tomoko HOMMA埼玉県出身。大学卒業後、10年間の新聞記者経験を経て2009年4月にフリーランスのライター・編集者に。「食で地域を元気に」をテーマに、全国の地域食材や郷土料理などの取材執筆を続ける。2021年4月に北海道余市町に移住し「余市町地域おこし協力隊 広報業務支援員」に着任。23年4月より「余市町地域プロジェクトマネージャー」として、町の広報PRやワイン・食に関する政策推進の任務を担う。
調理師、JSA認定ワインエキスパート、チーズプロフェッショナル

藤澤 和也 Kazuya FUJISAWA
北海道余市町出身。大学卒業後、臨床工学技士として函館の医療機関に就職。2018年に料飲の世界に飛び込んで、ソムリエ資格を取得。札幌の飲食店やワインインポーターの会社で経験を積む。2022年に実家のある余市町に戻り、「余市町の一大産業となったワインを通じて町を盛り上げていきたい」と活動する。
JSA認定ソムリエ

<リターン品一覧>
◎応援を伴うリターン一覧
◎応援だけでなくお得もプラス!リターン一覧

※リターンによっては、数に限りがあります。詳細はリターンページをご覧ください。
※20歳未満の者による飲酒は法令で禁止されています。20歳未満の方は、酒類を含むリターンを選択できません。


<資金の使い道>


Txt by: Tomoko HOMMA
Photo by: Yuri YAMASAKI
Food stylist: Megumi SASAKI

支援金の使い道

集まった支援金は以下に使用する予定です。

  • 設備費

  • リターン仕入れ費

  • 建物改修費

※目標金額を超えた場合はプロジェクトの運営費に充てさせていただきます。

地域おこし協力隊のためのクラファン
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