▼ごあいさつ

はじめまして!さのかずや @sanokazuya0306 と申します。


北海道遠軽町出身、東京の広告代理店で働いた後、大学院でメディア表現と情報社会学を学び、新規事業企画・支援の会社を経て、現在はフリーランスの事業企画/リサーチャーとして活動しています。
ローカル×メディア×コミュニティの領域で実践、および研究を進める中で、国内だけで活動していくことの限界を感じ、学校や会社などからの支援なしで、自力で国際学会に参加することにしました。

ウェブメディアなど、変化し続けるメディア環境の中でも最新の事例を活用したローカルなコミュニティの取り組みは、全国各地でさまざまに行われているものの、まだまだ体系化された知見が少ないのが現状です。
その中で、世界最前線の情報にアクセスして、日本で活動する友人たちや、まだ会ったことのないみなさんに共有したい。その思いを実現したく、このプロジェクトを立ち上げました。

 

▼背景:ローカルメディアをつくり、研究してきました

取り組みのきっかけは2012年に遡ります。

いくつかの理由で仕事を失った私の父が再就職をめざすも、田舎には超低賃金の肉体労働しかない、ということに疑問を持った私が書いたブログが、多くの人に見て頂いたことがありました。当時、私は大学生でした。

無職の父と、田舎の未来について。
http://sanokazuya0306.hatenablog.com/entry/20120922/1348323875

それから就職した私は、広告代理店でテレビやラジオなどマスメディアと深く関わるお仕事を行う一方で、プライベートで地元を勝手に応援するイベントを六本木で開催するなど、自分にできることから活動を広げてきました。


イベントの様子(2015年3月)

2015年、私は新しい技術と社会の間でできることに取り組む学校、岐阜県立情報科学芸術大学院大学(IAMAS)に進学しました。そこで私の生まれ育った背景と、これまでの活動と経験を踏まえ、修士研究のテーマとして「ローカルメディアとクリエイティブなコミュニティ」を扱うことにしました。
その研究の実践として、故郷である北海道オホーツク海側地域にまつわるクリエイティブな取り組みを促進するウェブメディア「オホーツク島(おほーつくとう)」を制作しました。


オホーツク島
http://okhotsk-island.com/

このメディアの制作を通して、これまで何もないと思っていた私の地元のような、ローカルにはまだまだ知らないたくさんのクリエイティブな人がいることを知ると同時に、そうしたクリエイティブな人たち同士の繋がりが不足していることを知りました。
その過程で書いた論文が下記のものになります。noteで全文ご覧になれますので、よろしければご覧ください。まとめのプレゼン動画もあります。

修士論文「特定の地域にまつわるクリエイティブ・コミュニティ形成のためのメディアの可能性」
https://note.mu/sanokazuya0306/n/n2790ee5a451f

 

▼背景:海外と日本の社会学の大きな差

研究活動の中で、かなり昔から、アメリカの経済学者/社会学者たちが「クリエイティブな人同士のつながり」について研究していることがわかりました。


https://www.jstage.jst.go.jp/article/tjsai/29/1/29_A-TS13_5/_pdf より引用

マーク・グラノヴェッターという社会学者が「さほど強くない関係性でゆるく広くつながっていること(弱い紐帯)が、課題解決に効果を発揮することがある」ということを説明しています。またリチャード・フロリダという経済学者が「クリエイティブな人たち(クリエイティブ・クラス)が集まるところにクリエイティブな人たちが集まる」という理論を説明しています。
実は、こうしたコミュニティの理論に関する研究は、ごく一部の私立大学を除き、日本ではあまり取り組まれていません。あったとしても、日本の特定の地域の文化を調べてまとめたアーカイブや、国内レベルで比較したものなどで、海外との比較検討や新たなモデルの提唱を行っているものは多くありません。特にウェブメディアを絡めた研究はほぼ皆無です。経験上、広告会社やデジタルマーケティング系の企業にノウハウとして蓄積されている程度であると思われます。

「社会学」と言っても分野は広いので一概には言えませんが、正直、日本の社会学は海外からかなり遅れています。みなさんが「社会学者」と聞いて思い浮かべる人がもしいたら、調べてもらえたらよいかと思うのですが、有名人的な活動をしている「社会学者」で、まともに学会で発表したり、グローバルに評価される論文を書いているような人はほぼいません。
また日本での社会学に対するイメージも「テレビやメディアで偉そうに話してる人がやってる学問」になってしまっているので、活動に対する風当たりも悪いです。そういう国でまともに社会学の研究をするのは非常に難しいことです。
ウェブ/SNS上でのコミュニケーションが軽視されがちで、そういったサービスがアメリカなど海外に比べて日本で全く生まれてこない/発展しないのも、そうした社会状況が背景にあるかもしれません。

 

▼このプロジェクトで実現したいこと

ローカル×メディア×コミュニティの分野で、海外と日本をつなげたい。そのために、国際学会に行きます。
IAMCR(International Association of Media Communication Research:国際メディアコミュニケーション学会)のカンファレンス「IAMCR 2018」に行きます。6月20日〜24日の5日間。今年の開催地はアメリカ・オレゴン州、ユージーン。アメリカ西海岸のまちで、かの有名なポートランドから車で2時間程度。

IAMCR 2018 ウェブサイト(https://oregon2018.iamcr.org/)より引用

まずは今回の国際学会に行って、日本におけるローカル×メディア×コミュニティ研究を発表し、世界の最前線でメディア×コミュニティの研究をしている人たちと関わりを持つことで、海外と日本をつなげたい、そのきっかけをつくりたいと思っています。
また、海外のメディアコミュニケーション研究のトレンドをできる限り日本に紹介・発信して、日本のローカルならではの良さ、日本のメディアならではの良さ、日本の独特のコミュニティ観ならではの良さを、グローバルの水準に高めていくために活動していきます。
それらをできるだけ高いレベルに持っていくために、ゆくゆく海外で博士課程に進学することも考えており、世界の研究者と関わりを持つことでそのきっかけにもしたいと考えています。

 

▼資金の使い道

渡航費用で20万円、学会参加費用(学会登録費、宿泊費)で10万円ほどかかってしまったので、その分を賄えればと思っています。フリーランスなりたてなのでマジで死ぬほどお金がありません。リアルに家賃が払えなくなりそうです。カード暮らし…!

また今後も自力で研究活動を進めていくための、同様の考えを持って活動している方々との活動を強めていくための資金にしていきたいと思っています。このプロジェクトを通じて関わりを持つことのできる、同じ思いを持つ方々もたくさんいらっしゃると思いますので、このプロジェクトをきっかけに、ローカル×メディア×コミュニティ研究を、グローバルにつながっていく大きな流れにしていきたいと思っています。

 

▼リターンについて

◯情報交換の場と、私の情報を提供します!

ローカル×メディア×コミュニティに興味のあるみなさまと、いろいろ情報交換がしたいです!
Facebookグループをつくりますので、そちらにご招待します。
感想についてのまとめも外部公開に先立ってグループでご共有できればと思っています!

また帰国後に東京で報告会を実施する予定なので、そちらにもご招待します。
場所は水道橋のいわしくらぶ東京店で、2018年8月ごろを予定しています。
※交通費滞在費等は自己負担でお願いいたします。

 

◯新規開発するメディアの記事を見て頂けます!

また現在、そうした内容をテーマにしたメディア「FLOORS」を計画中です。
最初の数記事分について、ファンドして頂いた方には購読しなくても特別に見て頂けるようにします。


FLOORS - メディア×クリエイティブ×コミュニティのマガジン -
https://note.mu/sanokazuya0306/m/m114c687616d6

 

◯学会で特定の発表を見てきてレポートします!

また、この学会では15のセクション、14のワーキンググループに沿って4日間で1,450もの発表が行われる予定です。ちなみに私が発表するのはCommunity Communication and Alternative Media - COCというセクションです。
個人的には自分のセクション以外に、Popular Culture - POCとかReligion, Communication and Culture - RCCとかは見てきたいと思っています。
こちらのページからすべての審査済み概要が読めるので、もしご興味があればいろいろ見てみてください。個人的には、旅かえるの仏教ミームと都市生活マインドの関係について研究してる中国の人がめっちゃ気になってます。笑

リサーチワークの延長として、この学会の内容のまとめレポートについても限定でお送りしたいと思います。
また、この発表聞きたい!というものを指定して頂いて代わりに聞いてくる、というリターンも設けます。

 

◯リサーチワークを請け負います!

ファンド頂いた方に対して、私にできることは何でもしたい!ということの現れとして、リサーチワークのお手伝いもリターンとして設けたいと思います。
最近取り組んだリサーチワークの例としては、とあるジャンル/場面で使用するものの開発に関係して、国内外でどのような人をターゲットにどのようなアプリが使われているのか洗い出す、といったものや、とある技術を用いた新規事業の開発に際して、どういった事業をつくってどういった市場を攻めるべきかのリサーチ、といったものです。このようなリサーチワークであればお力になれる部分が多々あると思います。内容は相談させてください。

 

◯オホーツクのものお送りします!

また、ファンド頂いたみなさまにもれなくオホーツク島の可愛いステッカーをお送りします!

そしてもはやほとんど関係ないですが、私の地元である北海道オホーツク海側の産品をいろいろとお送りしたいと思います!旬になる秋頃に皆さんのもとに到着する手はずを整えています。


シズルで攻めるスタイル

 

▼こんな方にオススメ

ローカルメディアが好き!もっと面白いメディアがたくさん増えてほしい!

地域コミュニティのデザインに取り組んでいる!現在の事例と取り入れていくべきものをもっと知りたい。

メディアとコミュニティの研究に興味がある!メディアの編集にアカデミックな考え方を活かしたい!

カルチャーと媒体、その現状と行く先に興味がある!雑誌、ラジオからインスタへ、そして今後は…?

海外のメディアコミュニケーションの現状について知りたい!ユーザーコミュニティの生の声など、日本にいるだけだと見えない部分がたくさんあるはず。

野良の研究者を応援したい!オルタナティブなやり方でも社会に資する「研究」はできるということを証明したい!

北海道のうまいものが食いたい!マジでオホーツクのメシは最高にうまいから食べて

 

▼最後に

パラグ・カンナが描く国家の未来 | TED Talk
https://www.ted.com/talks/parag_khanna_maps_the_future_of_countries?language=ja より引用

グローバルストラテジストのパラグ・カンナは、イギリスのEU離脱や、世界各地の独立運動を取り上げ、「グローバリズムの進行とローカルへの回帰が、全世界で同時進行的に起こっている」と述べています。

私は、ローカルである、あるいはローカルについての活動/研究を行うということは、外とつながらなくていいということではなく、むしろグローバルの状況を理解することなしに、ローカルであることの意味、ローカルにこだわっていくことの意味を主張していくことはできないと考えています。

一方で、もちろんローカルで関係性を築き、地元に密着して活動を伝えていく必要性も、私自身の活動を通して痛いほど理解しています。そこは絶対に協力体制が必要なので、各地のローカルで活動を行うみなさまに支えて頂きながら、グローバルと繋がっていくための活動をできたとしたら、これほど望ましいことはありません。

 

写真はオホーツク島のマスコットキャラクター「クマ村長」です

 

一石を投じながら、日本のローカル×メディア×コミュニティに関する活動を一歩進めていくものにしたいと思っています!

皆様のご協力、なにとぞよろしくお願いします!

 

 

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  • 2018/08/15 14:38

    こんにちは、さのです! 報告会でお渡しした記憶がはっきりある人を除き、みなさんにリターンのステッカーを発送しました!その数107枚!ありがとうございました!料金別納郵便を初めて使った!ごく簡単な感謝メッセージも添えております〜 ありがとうございました! のこりのリターンもじわじわ準備して...

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