2018/04/10 19:55

 

私を知らない人、私を知っている人に。

 


私を知らない人からは、私は夢見がちな事を言っている変な人と思うかもしれません。

私を知っている方でも、なぜ私がこんなことに一所懸命になっているのか分からない方も多いと思います。

 


『まぁるい世界をもっとまるくする』

今回は、私がこの活動をするに至った経緯をお話したいと思います。

少し長くなりますし、暗い話も含むので読みたくない方は読み飛ばしてください。

 

 

 

***

 

 

 

 


私は今、とても幸せに生きてます。

親からも大切にされ、友人にも恵まれ、こうやって生きていられる事に喜びを感じています。

また、日々繋がっていくたくさんのご縁に毎日感謝しています。

今の私があるのは、とあるうさぎとの出会いのおかげです。

 

 

 

 


私は幼いころ、愛情を受け取れない子供でした。

 


私は小さい頃から、ちょっとした病気を持っていました。

大人になった今は完治していますが、数年前まで薬を飲み続けていました。

当時の薬は粉薬で、とても苦くて子供には飲みづらいものでした。

毎日苦い薬を無理やり飲まされて、私は親に嫌われてるんだと思っていました。

 

 

幼稚園の時、私は母に向かって

『私のことを愛していないんだ』と泣いたことを覚えています。

また、この事は大人になってから知ったのですが、

私の母子手帳には母の字で、幼い私が

『こんな思いをするなら生まれてこなければ良かった』と言ったという

メモ書きが残されていました。

 


大人になった今は、親も私の病気を治すために一所懸命だったことも

私を愛情いっぱいに育ててくれていたことも理解しています。

でも当時の私は、それくらい周りの人に心を閉ざしていたのでしょう。

 


小学校に入り、転校した先で私はいじめに合いました。

正直に言うと、小・中学校の頃の記憶はほとんど思い出せません。

ただ、その記憶の中でも、強烈に嫌だった出来事と、

とても悲しかった出来事だけが記憶に焼き付いています。

小学校の頃、私は生きるのが辛くて、

ベランダから飛び降りようと思ったこともありました。

でも嫌いな人たちのために死ぬのは嫌だと思って、その時は思いとどまりました。

私の心は氷のように冷え切っていました。

 


中学のころ、無視をされたり突然殴られたり、いじめは続いていました。

私は休憩時間になると逃げるように図書室に行って

ひとりで本を読むようになりました。

 


そんなある時、1冊の本に出会いました。

その内容は、引越しをした先の小学校でうまく馴染めずツンケンしていた男の子が

ひょんな事からうさぎと体が入れ替わり、冒険をする中で、

相手を思いやることができるようになり、変わっていく、そんな物語でした。

私は物語の男の子に自分を重ねていました。

そして何かを期待したのでしょう。

私は無性にうさぎを飼いたくなり親にねだりました。

親はしばらく検討して、飼うことを許してくれました。

 


ホームセンターに行くと、放し飼いになっているうさぎや

ケージの中にいるうさぎ、たくさんの数のうさぎが居ました。

私はケージの中で数匹いるうちの、1匹だけおとなしく座っていた子に目が留まりました。

真っ白な体に真っ赤な目、耳と鼻と手足にグレーが入ったうさぎです。

それがのちに、私にとってかけがえのない存在となるうさぎの女の子でした。

 


初めてその仔ウサギを迎えた日。

小さな命を抱いた時に、私は喜びとともに

『私はこの子を幸せにできるのだろうか』と

とても不安に思った事を覚えています。

でもその不安はすぐに消えていきました。

 

 

彼女は私が家に帰ってくると、いつも目を輝かせて、

大好き大好きと言い続けてくれました。

学校ではいじめられ、誰からも必要とされない私を、

うさぎの彼女は必要としてくれました。

私が1人で泣いていると、そばにくっついてじっと座っていてくれました。

 

私にとって、彼女は唯一の心の支えであり、

いつしか生きる意味となっていました。

 『この子を守るために、私は死ねない』

そう思って辛い毎日を生き抜いていました。

でも、彼女から向けられる純粋な愛情が

ゆっくりと私の心の中の氷を溶かしていたことにその時は気づきませんでした。

 


私がはっきりと愛情に目覚めたのは大学に入ってすぐの頃でした。

何も特別な事がなかったある日の夕方、

大学から帰って彼女の頭をいつものように撫でていた時、

突然、私の心の奥底に居座っていた大きな氷が一気に解けていくのを感じたのです。

その時はとても不思議な感じで、目の前が一気にぱぁーっと明るくなりました。

部屋の中を染めるオレンジ色の夕日の光が、どんどん鮮やかさを増していきました。

それはまるで薄暗かった世界が光を取り戻すような不思議な感覚です。

その時に実感したのです。これが愛というものだという事を。

彼女から私への愛と、私から彼女への愛が真っ直ぐに繋がった瞬間でした。

 


私はいても立っても居られなくなり、

台所の母にいきなり抱きついて「愛ってこんなに素敵な事なんだ!」と目を輝かせて言いました。

母は「何言ってるの」と笑っていました。

 


でも、幸せな時間は長くは続きませんでした。

1年くらい経ったある日、彼女は息がしずらいような苦しそうな様子を見せたのです。

慌てて動物病院に連れて行ったところ、

末期の心臓病で、もう長くは生きられない事がわかったのです。

 


余命が短いとわかった時、私は彼女と生きられる時間の大切さを知りました。

最愛の彼女を亡くした時、私は世界で一番愛していた者を失う悲しみと苦しみを知りました。

そして、彼女を失ってからも、彼女からもらった愛情が

心の底から無限に湧き出て、心をあたたかく満たしてくれる事を知りました。

 


私の一番深いところの原動力は、彼女からもらった『愛』です。

彼女のおかげで、私はまわりの人からの愛も受け取れるようになりました。

また、そのあたたかさを学び、日々感謝できるようになれたのです。

 


『生まれてきて良かった。彼女と出会えて良かった』

私は彼女と出会わせてくれた世界に、愛の喜びを教えてくれたこの世界に

一生をかけて恩返しをしようと心に決めました。

なのでこれは、愛を教えてくれた彼女と、彼女と出会わせてくれた世界への

終わらない恩返しなのです。

 


長くなりましたが、これが『まぁるい世界をもっとまるくする』活動に至った経緯です。

私はたくさんの活動を通じて、『愛のあたたかさ』『命の大切さ』『大切な人たちと生きる時間の大切さ』、そういうところを伝えていけたらと考えています。

 


世界や、社会では争いごとが絶えません。

でも、その相手は、自分以外のだれかの『大切な人』なのかも知れないのです。

あなたの大切な人が、誰かに傷つけられたら、命を奪われたらどう感じるでしょうか。

 


私は相手を思いやる『想像』のちからが、世界に平和を『創造』するのではないかと思っています。